固定カメラしか技術的に使えなかったのかなと思ってみてたら一回だけ横移動した!恐る恐る試したんだろうか。
全編ジャポネズム趣味で錯誤感が笑えるのだが、小物は豪華に揃ってる。仏教に傷つけられ西洋にも裏切>>続きを読む
汗に濡れて始まり雨に濡れて終わる。かがんだ時の乳房が三回、三つのネックレスに三本の傷。馬車・馬車・戦車のリズム。腕時計に顔を傾ける子供。あっけなく幸せになりあっけなく不幸せになるのがベルイマンだなと思>>続きを読む
控え室の死神(の格好をした先生)との会話の時の鏡の使い方、踊りとキスという二つの象徴を重ねる時の足元。このあたりが超ヤバ。犬、鳥、孔雀と動物たちもいい味出してる。脚本が単純だからか途中まで退屈したけど>>続きを読む
顔にかかる陰、森の中の霧と光、割れた鏡。ゴシック調の雰囲気を真面目な顔のまま悲惨な喜劇に変える。娘をなくした女が夫に時計の針を止めさせる場面が、時計の音を常に意識させるベルイマン映画においては異例なの>>続きを読む
実のところ、今まで観たベルイマンで一番乗れなかった。短い時間で鋭い分裂を見せつけるところが好きなのかもしれない。雨のシーンがなぜか好きです。
赤、白、黒、ピンクの色彩感覚と、アレクサンデルのまつげの>>続きを読む
去年のワースト映画は『たかが世界の終わり』なのですが、非常にこの『秋のソナタ』と似ている。おそらく影響関係があるだろう。アップを多用して、演劇的なセリフと演出を施して、家族の再会と分かり合えなさをテー>>続きを読む
風車の前でハリエット・アンデルセンといちゃつく一番美味しい役のおっちゃん結局誰なの!いや、おばあちゃん夫人の付き人なのはわかるんだけど急にタイトルの由来とか言い出すからツッコミたくもなるわ。
神と欲>>続きを読む
スコッチをこぼす、水を頭からかぶる、香水をこぼす。水が誰にかかると何かが始まる形式になっている。三角関係は何も解決してないし、三枚目役の叔父に未来がないし、常にどこか暗澹とした印象がつきまとうな。>>続きを読む
凱旋門の前の回転道路逆走するやつヤバい。
シリーズはじめてです。個人的な好みに照らすと少し暑苦しいかな。
2回目 2019.2.7 新文芸坐
空間のミニマムな白さと半透明のカーテンの使い方がとことん素晴らしいし、サッと下に降りてスッと対象に止まるスヴェン・ニクヴィストのキャメラの動きもすごい。似てないのに>>続きを読む
わからないことが多すぎてなんとも言えない。子供の世界のリアリズムであるという印象を覚えたけど、それにしては大人の世界が投影されすぎている。くんちゃん説明しすぎだし。子供は不思議なものに出会った時に「不>>続きを読む
唾と煙と落下する動物たち。雪道の車から左→上→下→右と長回しで動く冒頭のカメラがすでに傑作を予感させて、スターリンの死というわかりやすい物語装置を用意しながら圧倒的な情報量で簡単に落とし所を作らない。>>続きを読む
破綻しすぎてるせいで破綻なく観れるコメディなんだけど、冒頭のクルトヴァイルの歌に合わせてデパートの様子を映すシークエンスと、ジョーがクリスマスにバーにやってくる前のギャング達の顔とドアを叩く手のモンタ>>続きを読む
「殺人司令」の邦題が妖しい短縮版。繋がりが曖昧な分、余計に黒沢清。特に後半の車の追跡は既視感バリバリです。しかし、ボスが死んだ後も命令が幽霊のように生き続けるって設定が最高すぎるな。
冒頭のインダス>>続きを読む
野外でタバコ吸いながら鼻くそほじってるバンダナのおばさんと右目の開かない鼻に横傷のついた老婆がインパクト。カットをつなぐ時に同じ音(人の声とか工事の音とか)が違う響きで聞こえるからやたら立体感がある。>>続きを読む
ユイレのツッコミが面白すぎてストローブの有難い言葉が全く有り難くない!
モノトーンの暗がりから現れるVOX(アンプ)の文字、カフェで漂う二人の老婆と「予約済」のプレート。フィックスされたカメラから漂う気怠さ。レコーディングって結構気怠い作業だよね。
ホテルの看板の光の点滅が入ってくる部屋ってめっちゃ嫌だとは思うのだけど、『めまい』にもそんな部屋ありましたね。
冒頭から葉巻の煙の包まれる部屋でたばこの吸えない主人公は居心地の悪い思いをしてる。ジョー>>続きを読む
ラング特集。
ドレスから覗くジョーン・ベネットの背中、光にあたる死体の顔。なんとも怪奇的でハラハラしてちょっと笑える。あまりにはちゃめちゃでは?と思ってたらあまりに映画的なメタ構造だった。
カメラががくんと動いたり素早くクローズアップになる時の刺すような感覚が大事。死んだ娘の不在のベッド、ガラスと女性器(あの鮮血はつらかった…)、死ぬ間際の女の口のひきつり。強いインパクトが一瞬で画面から>>続きを読む
はっきりいってね、ぼくはメガネ、ポロシャツのエマストーン大好きですよ。なんですかあのそばかす感。最高じゃないですか!
マンションへ上昇してくカメラ、昇るエレベーターとエスカレーター。上昇が不吉な隔た>>続きを読む
ニューヨークの街並みを空撮で映したり、貧富の差や人種の違いを強調するあたりから「街」の話であることは伝わってくるし、それ故の偶像劇だと思うのだけど、しかしながら群像劇としては重層性に欠ける。名前が書き>>続きを読む
窓の外で腕立てふせしてる先生、踊り場で誰にも話しかけられずツンとした表情の女性(だれかよくわからないのにやたら画面に映ってる)、ゴッホの死んだ後に板に足踏まれてそれどころじゃなくなってる宿屋のおかみさ>>続きを読む
この前小津安二郎が夢に出てきたんですよ。まだ生きている人で、114歳なのにすごく元気で。内容は覚えてないけど一緒に話しました。楽しい夢だったので、夏を生き抜こうと思いましたよ。
それとは全く関係なく>>続きを読む
コリン・ファレルが銃を持ちながら回転する斜め上からのカットがとてつもなく情けない。あそこが本作のテーマの全てといってもいいだろう。つまり、人間の情けなさと暴力性が最高密度で共存した有様を、映像に刻むこ>>続きを読む
シネコンのスクリーンで仕事帰りらしきおじさん(僕も仕事帰りですが)と二人で見ました。客二人は2回目くらいだぜ。
色調変化が妙味なわけですが、ジャス・ティンティン・バーレイクに別れ際で髪をかき上げさせ>>続きを読む
キムミニが立ち上がると動くカメラの、その連動性の中において、彼女の消失する瞬間が鮮やかな反乱となる。ホリデーシーズンのハンブルグの店、人々が歩き去る海辺、選び分けられるコーヒー豆。つまり。内なる他者に>>続きを読む
ファンシーな装いは見せているものの、『淵に立つ』『歓待』と同じ「侵入者」の話。見ようによっては完全にコントで、ディーンフジオカが生中継テレビに映ってるところで急にドア開けて部屋に現れるシーンの間とかが>>続きを読む
ホアキン・フェニックスの脇毛が目に焼き付いてる!なにはともあれこれは脇毛映画だといって間違いない。
グリーンのジェリー、グリンピース、グリーンのリボンの繋がり。通行人の不気味さ。過度にロマンチックなの>>続きを読む
飛行場の見送り場で主要人物以外の人間が一気に消えていく時の非現実感。カメラがズームインorアウトする時のスリル。急に歌い出すシーンが三回。元々は戦争に行く話だったのを戦後の話に持っていったための無理矢>>続きを読む
時間がなくて10日ぶりに映画館来たんですけど、なんだかほんとうに最高の気分になりました。雨の強い日比谷の街を歩きながらおれはもっと映画を観ようと思ったよ。
プロムで踊ったあとにシアーシャ・ローナンと>>続きを読む
犬とINUの遭遇。
オマージュの失敗がオマージュになるというねじれ構造。広島PARCOを背景に大通りを二人で歩く長回し。カートゥーンをキャットと聞き間違える。車窓から黄色い傘が二本と黄色いベンチが見>>続きを読む
とにかく安藤サクラの表情にグッとくる。最初の冬には少し遠目におかれていたカメラが夏になるとそれぞれの顔面へと近づいていくのだが、このアップの際に役者の力量が際立つ。そこでの安藤サクラの豊かさ。一つの顔>>続きを読む
初ホン・サンス。しかしながらなんというバカ!とんでもなくバカ!褒め言葉の要素の一切ないバカ!バカな男を同情なくバカなまま描いていてしまう潔さはなんなのか。不倫をめぐるほとんどコントまがいのやりとりを、>>続きを読む
アタリ・ティーンエイジ・ライオット!アレック・エンパイア、ではなくて小林アタリ少年が絶妙に犬に不親切だったり、市長の改心が一切腑に落ちなかったりするあたりの整合性の取らなさが逆にクオリティを担保してい>>続きを読む
食器のシーンが印象的だが、全編にわたってとにかく音がうるさい。ジョニーグリーンウッドのスコアも通俗的で、画の邪魔をしつづけている。ノイズを消去しつづける男にノイズを注入する女の物語に相応しく、音が映像>>続きを読む