デニロさんの映画レビュー・感想・評価

デニロ

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宮本武蔵 一乗寺の決斗(1964年製作の映画)

3.5

吉野太夫は言う。/あなたは死に急ぎ死にゆく人だ。気の毒に死相が現れている。/更に言う。/わたしが先ほど弾いた琵琶の音はあなたには聞き取れましたか。/気色ばむ武蔵。/琵琶とわたしに何の関わりがあるか。/>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

生きていたからまた更紗に会えた。松坂桃李は述懐する。

生きていても会いたい人にはなかなか会えぬものだ。この時の松坂桃李は至上の幸福であったはずだ。そう思う。

予告篇から概ねの展開を知るのだが、その
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宮本武蔵 二刀流開眼(1963年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

前作で約した通り武蔵は吉岡道場の当主吉岡清十郎の前に現れる。

吉岡清十郎。武蔵の敵役の扱いなのだがその実体は名門道場の悩み多き後継ぎ。自覚しているのだ。名門の子故に何者かでならねばならぬ、が、その何
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宮本武蔵 般若坂の決斗(1962年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

/僕は20歳だった。それが人の一生でいちばん美しい年齢だなどとだれにも言わせまい。一歩足を踏みはずせば、いっさいが若者をだめにしてしまうのだ。恋愛も思想も家族を失うことも、大人たちの仲間に入ることも。>>続きを読む

宮本武蔵(1961年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

1961年製作公開。原作吉川英治。脚色成澤昌茂 、鈴木尚之。監督内田吐夢。

70年代に『宮本武蔵 一乗寺の決斗』を並木座で観ている。吉川英治の原作を読んでいないので何が何やらよくわからなかった覚えが
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気狂いピエロ(1965年製作の映画)

3.5

1965年製作。原作ライオネル・ホワイト。脚色監督ジャン・リュック・ゴダール。

1983年に一度観ていて、若き日のわたしは大いに感傷的になった記憶がある。毎週のように中央線の夜行に乗って山を目指して
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.5

レコード盤で言ったらジャケ買いです。

上映開始直後は笑える話なのかと思って観ていたのだが、痛みを感じて笑うに笑えない。その地点を通過すると、「今昔物語」におけるいい女について行ったりやさしげな人に甘
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いつも2人で(1967年製作の映画)

3.5

1967年製作公開。原作脚色フレデリック・ラファエル。監督スタンリー・ドーネン。オードリー・ヘップバーンのハリウッド生活最後の作品。

いくつかの旅と夫婦生活を重ね合わせる作劇。一夜のアバンチュールや
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リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス(2019年製作の映画)

4.0

70年代。彼女の全盛期の頃、どうも好きになれなかった。歌唱というよりも全体的なスタイルが似つかわしくないと思ったのだろうか。とりわけホットパンツ姿と男関係の話が。情報の少ない時代だったので、そのまま固>>続きを読む

おかえり(1996年製作の映画)

4.0

1996年製作公開。脚本篠崎誠、山村玲。監督篠崎誠。

上村美穂という俳優を配したことで成功している。彼女の表情は、もはや別の世界に行き来する満足感に溢れていて、あやしい。

何かをしなければ危ういと
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劇場版ラジエーションハウス(2022年製作の映画)

2.5

何十回も見た予告篇。わたしが観た予告篇は2種類あって、最初のものは離島で得体のしれない病気が発生し、それに立ち向かう放射線技師と医者、といったサスペンスを感じたのだが、ある日突然予告篇の雰囲気が変わり>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

3.0

予告篇から、困った子供を預かって四苦八苦するコメディかと思っていた。とんだ説教臭い話だった。作中の台詞にもそうあったけれど。

四苦八苦したのはわたしの方で、子役の子を観ながら自分の子育てを思い出し、
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CURE キュア(1997年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

1997年製作公開。脚本監督黒沢清。

公開当時。ラストのファミレスでの得体の知れぬ静かなざわめきが不気味で、今の今までずーっと残っていた。

今回改めて観て、かなり説明されているのだなと感じ取りまし
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耳をすませば(1995年製作の映画)

4.0

新緑の季節。若者たちが新しい世界に飛び込んでいく。中学、高校、大学の新入生、新社会人。どの世代もわたしには眩しくて、キラキラしている。彼らには未来しかないのだから。そんな物語。

冒頭の「カントリー・
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アネット(2021年製作の映画)

2.5

レオス・カラックス久々の新作ということで出かける。

ああ、と冒頭から彼はこんなことしかしないよなと思いつつ、どんな物語が始まるのかと。いや、それほどたいした起伏のある物語でもないのに、『シェルブール
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火まつり(1985年製作の映画)

4.0

1985年製作公開。脚本中上健次。監督柳町光男。熊野で起こった一族殺害事件に着想を得て中上健次が脚本を書く。何もこんな事件を、と思うのだが。

山と海の境目を巡る相克。山の国熊野に海洋公園を作るという
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彼女と彼(1963年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

1963年製作公開。脚本清水邦夫、羽仁進。監督羽仁進。

左幸子のこころ根がさっぱりわからない。かなり変な人、と思うわたしが変なのだろうか。

団地の子とバタヤ集落の子の遊びのジャッジをしたり、夜中に
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風の武士(1964年製作の映画)

3.0

生娘をシャブ漬けにする戦略、だそうで、田舎から出てきた右も左も分からない女の子を無垢・生娘のうちに牛丼中毒にする。男に高い飯を奢ってもらえるようになれば、絶対食べない、のだそうだ。そんな下らぬジョーク>>続きを読む

ランナウェイズ(2010年製作の映画)

3.0

70年台半ば、わたしが洋楽ロック(何という呼び名)を聴いていた頃、スージー・クアトロが異彩を放って登場。と言えば聞こえはいいが、日本では際物のような感じで性的な物珍しさで売り出されていたような気がする>>続きを読む

女子高生に殺されたい(2022年製作の映画)

3.0

コミカルな話かと思っていたら存外果てしない欲望の話しだった。南沙良、河合優実、茅島みずきというお気に入りを観に行っただけなのに。

何年か前の早朝、とある役所に許可申請をするために東武野田線に乗り込ん
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めぐりあい(1968年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

1968年製作公開。脚本山田信夫 、恩地日出夫。監督恩地日出夫。

中三時、クラスの10%は高校に進学しなかった。高校からの大学進学も30%程度だった。それがこの先どういうことになるのか、みんな本作の
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やがて海へと届く(2022年製作の映画)

2.5

ちょうど10歳の時、理由は忘れたが休日家でひとり留守番をしていた。父も母も弟もいなかった。急に思いはあらぬ方向に向かい泣きじゃくったのを思い出す。両親の死を想像したのだ。いやその時現在ではなく、未来に>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

3.5

冒頭、賑やかな街角が映し出される。こどもたちがざわざわと湧いてくる。ご近所さんとの挨拶。こどもを呼ぶおかあさんの声が街に響く。日常とはこのようなものなのか。カメラはその街を舐めるようにグルグルと回って>>続きを読む

あこがれ(1966年製作の映画)

3.5

1966年製作公開。原作木下恵介。脚色山田太一。監督恩地日出夫。

何十年か振りに内藤洋子を観る。声も顔の造りも美保純を想起させる。はて、こんな感じだったっけ。

主演は新珠三千代となっているのだが、
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.0

最初の一行に支配されている一篇。

ラスト10分でそれがようやくわかったわたしは鈍感なのだろうか。今やわたしはこの作品の心情を反芻するしかないのです。

草原で薄衣と戯れながらひとを思い掌が下腹部に
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猫は逃げた(2021年製作の映画)

3.5

家にも猫が二匹いることは散々書かせていただいたのでその有様は省きますが、その猫が失踪したらわたしの連れ合いはますますおかしくなるのではあるまいかと心配になる。いや、彼女のことを心配するのではなく、わた>>続きを読む

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.5

俺はこんなんじゃないんだ、ギーグは叫ぶ。いや、ほとんどの人間はそう思っているんじゃなかろうか。やればできるんだ。でも、ほとんどの人間はそれをやらない。やらなかったということに気付く人間の方が少ないのか>>続きを読む

たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

2.5

1977年製作。脚本監督ロベール・ブレッソン。

物語を思い出そうとしても何も出てこない。数人の美男美女があっちに行ったりこっちに来たりしていた記憶しかない。政治集会や教会でのアジテーションも虚しく耳
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大菩薩峠(1957年製作の映画)

3.0

1957年製作公開。原作中里介山。脚色猪俣勝人 、柴英三郎。監督内田吐夢。主人公らしき人物机竜之介を御大片岡千恵蔵が演じる。無理がある。机竜之介と言えば、色白、細面、痩身の年の頃なら30代。五頭身の恰>>続きを読む

湖のランスロ(1974年製作の映画)

3.0

1974年製作。脚本監督ロベール・ブレッソン。

甲冑の弱点を突いて首は飛ぶは、腹は裂かれるわで始まる物語。12、13世紀中世ヨーロッパの円卓の騎士。徒労とも思える聖杯探求に鎬を削る。わたしにはさっぱ
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野球狂の詩(1977年製作の映画)

2.0

1977年製作公開。原作水島新司。脚本大工原正泰 、熊谷禄朗。監督加藤彰。

『嗚呼!!花の応援団 男涙の親衛隊』という作品と一緒にどこかで観た記録がある。鑑賞日からして封切のようだ。えっ、何でこんな
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ウェディング・ハイ(2022年製作の映画)

3.0

30年以上前の結婚式にウエディング・プランナーなんていなかった。いつ頃から職業として生まれたのだろうか。『愛なのに』では新郎となる者の精神安定剤として性の処理をしていたけれど。

まあよい。

結婚式
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余命10年(2022年製作の映画)

3.0

予告篇を観て、観ないと決めたのだが、サイトで出演者の項に黒木華、奈緒とあったので出掛けます。

予告篇、題名から不治の病ということは分かるので、それにつきつらつら記すのは止めておきます。

作劇があざ
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.0

1960年代後半に観ていたTVドラマ版は明るい感じだったので、何で映画作品はどす黒くなるんだろうといまだに思っている。コミックスがそういう風に描いているのだろうか。

ゴッサムシティ、とは人間の欲望と
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ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ(2021年製作の映画)

3.5

2016年9月に来日したアンドラ・レイを観に行った。きっかけはラジオ番組で彼女の唄を聴いたからだと思う。デビューアルバム「チアーズ・トゥ・ザ・フォール」を公演直後に買っているので余程気に入ったのではな>>続きを読む

危険な場所で(1951年製作の映画)

4.5

話の内容が二転三転して製作者や脚本家にも疎まれた呪われたフィルム、ということなのだが、そんな風には感じない。

足掛け9年単身赴任生活を続けた。職場に行けば沢山の人がいて、ルーティンの職務もあり、ざわ
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