デニロさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

デニロ

デニロ

映画(2057)
ドラマ(0)
アニメ(0)

私は殺される(1948年製作の映画)

3.5

1948年製作。原作脚色ルシール・フレッチャー。監督アナトール・リトヴァク。

キックバックが縺れて殺人事件になる話。

彼の国では、法律を作っている国会議員が、自らが作った法律を蹂躙するという無法を
>>続きを読む

波影(1965年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

1965年製作公開。原作水上勉。脚色八住利雄。監督豊田四郎。同じ原作者水上勉の「五番町夕霧楼」の細かな設定を踏襲しております。昭和9年から戦争を経て売春禁止法制定の時代を大空真弓の思い出を描く。冒頭、>>続きを読む

ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

一昔前、マリリン・モンローを演じていたミシェル・ウィリアムズが、かつては美女代表で鳴らした松坂慶子の今を彷彿とさせるお姿で報われぬ人生を送っている芸術家を演じている。彼女の芸術作品は粘土による塑像。オ>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.0

酒は止めた。会いたい。/すぐに来て。/男と女。喜び勇んで部屋を飛び出した男は交通事故に遭う。そんなシーンに『めぐり逢い』をまた観たくなった。

映画が始まり、ラジオからロシアのウクライナ侵攻のニュース
>>続きを読む

スペードの女王(1949年製作の映画)

3.0

1948年製作。原作アレクサンドル・プーシュキン。脚色ロドニー・アクランド 、アーサー・ボイス。監督ソロルド・ディッキンソン。

若き日の伯爵夫人は若い男としたい放題。朝な夕な寝室に男を引き入れ、仰向
>>続きを読む

晩春(1949年製作の映画)

4.0

もう何十年も前のこと。バス停でバスを待っていると、近くに並んでいた男が、あ、と女性の名で呼び止める声を耳にする。どうやら娘のようで、何かぎこちない会話だったけど、父親が近くで少し飲んでいこうかと誘うと>>続きを読む

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

千代ちゃん/出口夏希は、魚臭いなんてへっちゃらだ。毎日元気な笑顔と一緒にお父さんが捌いた魚を届けてくれる。なんてったってそれが当たり前だから。お父さんが捌いた魚を食べてくれる人が美味しいって喜んでくれ>>続きを読む

四つの結婚(1944年製作の映画)

3.5

1944年製作公開。原作太宰治。脚色八木隆一郎。監督青柳信雄。入江たか子、山田五十鈴、山根寿子、高峰秀子の四姉妹。『上海の月』という成瀬巳喜男監督作品を観に行った際に同時上映された作品。

東宝映画作
>>続きを読む

エターナル・ドーター(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

「A24の知られざる映画たち presented by U-NEXT」のホームページを眺めて本作のミステリアスなゴシックドラマの惹句が目に入ってしまったのが運の尽き。

さっぱり分からない。

途中か
>>続きを読む

カサンドラ・クロス(1976年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

1976年製作。脚本ジョルジュ・パン・コスマトス、ロバート・カッツ 、トム・マンキーウィッツ。監督ジョルジュ・パン・コスマトス 。

細菌と列車の話だと記憶していた。公開当時全く興味がなかったので観て
>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

最後にニーナ・シモンの「Feeling good」が流れる。

小料理屋の女将石川さゆりの店に三浦友和が訪れる。勝手知ったる行きつけの店のこと、役所広司が半開きの店の戸を覗き込むと、泣いている石川さゆ
>>続きを読む

母を恋はずや(1934年製作の映画)

3.5

1934年製作公開。原作小宮周太郎。脚色池田忠雄。脚色補助荒田正雄。構成野田高梧。監督小津安二郎。始まりと終わりが欠落している73分版。完成版93分。生伴奏:天池穂高(ピアノ)

プロローグがなく、ラ
>>続きを読む

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.0

あの時、『バベットの晩餐会』を観ていなければ、わたしは今こうして気を張らずに生きていることはなかったんじゃないかと思う。生きながら死んでいるようなそんな毎日を送っていたんじゃないかと、多分。バベットの>>続きを読む

恐怖省(1944年製作の映画)

4.0

1944年製作。原作グレアム・グリーン。脚色シートン・I・ミラー。監督 フリッツ・ラング。

椅子に座り、時が過ぎゆくのを待つ男。その時が訪れ、自由の身だ。そこは精神病院。始まりはそんな感じでなんだか
>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

3.0

今どき何でナポレオンなんだ。英雄か悪魔かみたいな惹句があったけど、かなリ平べったい描き方をしていた。フランス人にとってナポレオンとはどんな人物だったんだろう。本作で描かれたナポレオンを素直に受け入れる>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

3.0

予告篇からなりすましの話なんだろうな、と思っていたけれど。

無戸籍の女子が必要に迫られて他人になり代わる。始めは妹、そして、という話。

年月が前後して分かり難いこともあるからか、人間関係も観ている
>>続きを読む

喜劇 特出しヒモ天国(1975年製作の映画)

3.0

1975年製作公開。原作林征二。脚色山本英明 、松本功。監督森崎東。同時公開は、『日本暴力列島 京阪神殺しの軍団』だとのこと。

本作を観ながら、昨年出版された「踊る菩薩 ストリッパー・一条さゆりとそ
>>続きを読む

女相続人(1949年製作の映画)

3.5

1949年製作。原作ヘンリー・ジェームズ。脚色ルース・ゲーツ、オーガスタス・ゲーツ。監督ウィリアム・ワイラー。

中高生の頃読んでいた世界名作映画の紹介本に本作が掲載されていて、イケてないお嬢様がダメ
>>続きを読む

関の彌太ッぺ(1963年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

1963年製作公開。原作長谷川伸。脚色成澤昌茂。監督山下耕作。

川の土手沿いに花を摘む少女。中村錦之助がその少女に声を掛ける。きれいな花だね。この辺りから先は『フランケンシュタイン』の怪物の物語をな
>>続きを読む

朝がくるとむなしくなる(2022年製作の映画)

3.5

唐田えりかを観に行く。

人生、大騒ぎするような出来事ばかりだったら身が持たない。毎日毎日は単調でとりとめのないことの集積だ。朝起きて学校や勤務先に出掛けるルーティンを振り切って何かをしようなんて思っ
>>続きを読む

オアシス 4K レストア(2002年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

2002年製作。脚本監督イ・チャンドン。

イ・チャンドンの自由なこころがオアシスというタペストリーから、もしも、という物語を作り出す。

もしも、わたしが脳性麻痺じゃなかったら好きな男子と電車に乗っ
>>続きを読む

五番町夕霧楼(1963年製作の映画)

3.5

1963年製作公開。原作水上勉。脚色鈴木尚之 、田坂具隆。監督田坂具隆。2006年に『誠実一路 「田坂具隆の世界」 with島耕二』という三百人劇場での特集で一度観ている。その時は佐久間良子のカラダを>>続きを読む

モスラ(1961年製作の映画)

3.0

1961年製作公開。原作中村真一郎、福永武彦、堀田善衛。脚色関沢新一。特技監督円谷英二。監督本多猪四郎。

『モスラ』といえばザ・ピーナツの小美人が漏れなくついてくるものだと思っていた。
わたしが初め
>>続きを読む

春の画 SHUNGA(2023年製作の映画)

3.5

ほら 恥ずかしがる間敷でこっちにおいで ああ白い肌 お前の泉を探しに行き候よ ここ哉な 之哉な あっちっ哉な 此辺りが 
あああ、そこが急所 
おや、こんなところから泉が吹き溢れている ちゃんと脚を開
>>続きを読む

怪物の木こり(2023年製作の映画)

3.5

伊勢佳世を初めて観たのはイキウメの舞台だっただろうか。意識したのはイキウメ退団後、NODA-MAP/Q:A Night At The Kabukiで平清盛命の六波羅禿を演じた時。東京芸術劇場プレイハウ>>続きを読む

ほかげ(2023年製作の映画)

3.0

東京国際映画祭の劇場予告で知った作品。他の作品とは少し毛色の変わった作品の様だったので興味を抱いた。趣里、森山未來だから何とか観られるのだろうとも。

終戦直後。生きるために何をしていたのかというよう
>>続きを読む

結婚式のメンバー(1952年製作の映画)

3.5

エキセントリックな12歳の少女を観ながら、幼い隣人の従弟を観ながら、少女に教え諭すメイドを観ながら、そして職人の父親を観ながら、これ最近観たような作品だぞ、とモヤモヤし始める。

題名からお気楽なコメ
>>続きを読む

モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

スージー・クアトロのキャッチフレーズは、子宮で感じるスージー・クアトロ、だった。曰く/ベースは子宮に響くのよ。/本作の女子たちは卵巣で感じる。何を?まんまるい赤い月。

なんで本作に足を運んだのかよく
>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.5

76歳のビートたけしに羽柴秀吉を演じさせるというところからして、北野武は歴史絵巻を描こうとしたのではないだろう。徳川家康役の小林薫も72歳の老人だし。でも、しっかりと戦場は描いておりました。監督の意に>>続きを読む

伊豆の踊子(1967年製作の映画)

3.5

1967年製作公開。原作川端康成。脚色井手俊郎、恩地日出夫。監督、恩地日出夫。

タイトルロールに酒井和歌子の名前があったのでいつ出て来るんだろうと目を凝らしていたんですが。

天城の山は10代の終わ
>>続きを読む

花腐し(2023年製作の映画)

4.5

ラスト。さとうほなみの背中を追う綾野剛。「さよならの向う側」のメロディが静かに流れていく。♬約束なしの お別れです/後姿 みないで下さい♬ あの日、俺は、親友と彼女の姿をみえないフリをした。聞こえない>>続きを読む

キャロル・キング ホーム・アゲイン ライブ・イン・セントラルパーク(2023年製作の映画)

3.5

『つづれおり』(Tapestry)が発売されたのは1971年。ラジオから毎日“It's Too Late”が流れていた。未来があるなんて思えもしなかった日々にこのワンフレーズは堪えた。この世界に愛なん>>続きを読む

黒い画集 あるサラリーマンの証言(1960年製作の映画)

3.5

1970年代にテレビで観た記録があるんだけれどちゃんと観たくなって、ようやく。

この間、向井理、水川あさみの「リムジン」という芝居を観たのですが、自分の仕出かしてしまったことを隠し通そうか、告白しよ
>>続きを読む

関東無宿(1963年製作の映画)

3.5

1963年製作公開。原作平林たい子。脚色八木保太郎。監督鈴木清順。

松原智恵子(18歳)、進千賀子(19歳)、中原早苗(28歳)がセーラー服で登場する冒頭シーンにちょっとめまいがしてきます。そんな時
>>続きを読む

4日間 FOUR DAYS, TOKIO(2023年製作の映画)

2.5

彼女を知ったのは「六番目の小夜子」という舞台だった。その舞台を観に行く道すがら、何故にそのチケットを購入したのか分からない、ああ、行くの面倒くさいなと思っていたものだった。小さな劇場に着くとパンフレッ>>続きを読む

二人静か(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

エンドロール終了後、新宿ゴールデン街にあると思しきバーが映し出される。店主は映画雑誌を広げ、カウンターには若い女。女は携帯で、もう来ているよ、待ってると言いながら店主にビールとグラスふたつ、と注文する>>続きを読む