はくあさんの映画レビュー・感想・評価

はくあ

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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

4.2

単に「日本に来たらなんか大変だけど楽しかったね」みたいな話にも見えるし、一方で深い話のような気もする不思議な映画。

日本描写の精度はかなり高く、当時の街をそのまま撮ってきたかのような新宿・渋谷の空気
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.2

ゴジラが放射熱戦を吐く予備動作から着弾後の爆煙が過去一でカッコよく、これだけでも見る価値はある。

ドラマ的な部分は破綻していると思うのだけど、特にあげるとすれば、ゴジラとの戦いよりも主人公個人の決着
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ソナチネ(1993年製作の映画)

4.8

抗争のために沖縄に送り込まれたヤクザたちが意図せず満喫するバカンスとその終わり。

日常が暴力に塗りつぶされるシーンが随所にあり、というかそれの連続でできている映画のような気もするんだけど、その切り替
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クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男(2019年製作の映画)

4.3

タランティーノが映画を愛しており、天才監督であり、どんなスターも一緒に仕事をしたいと思う人である、ということを再確認するドキュメンタリー。単なるB級映画好きのおじさんじゃなかった。レザボア・ドッグスを>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.4

ウェス・アンダーソン作品の鑑賞ははじめてだったが、聞いていたとおり凝ったお人だった。
こんなにややこしい構造にする必要があったのかはわからないが、画面や演出は好き。
天才キッズ同士の名前暗記ゲーム、宇
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007/ムーンレイカー(1979年製作の映画)

3.8

ジョーズが優生思想に立ち向かうところ、実はすごくいい映画なのかもしれん。

パパラッツィ(1963年製作の映画)

4.0

ブリジット・バルドーを追うパパラッチについてのフィルム。動いてるゴダールをはじめて見たかもしれない。まるで動物の生態ビデオのように撮影されるパパラッチたちがちょっと愛おしかった。

アデュー・フィリピーヌ(1962年製作の映画)

4.2

こういう映画はけっこう好きです。さんざんフランス人の色恋を見せておきながら、最後の最後に「色恋以外に大事なことがあるだろ」とセリフで言わせる図太さ。道中のなんてことない会話も、最後に待ち受ける兵役によ>>続きを読む

ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

4.2

飛行機の中で英語で見たのでほとんどストーリーがわからなかった……。執拗なリロード描写と念の入ったとどめの刺し方は好き。コンチネンタルの掟もサクッと破るのね。
コモン、ローレンス・フィッシュバーンの出演
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.7

心象風景的かつまっすぐなストーリー。見てすぐに感想が出るタイプの映画でもないですが、ひとまずおもしろかったです。宮崎駿からの何らかのメッセージを受けとった。

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

4.3

踊って殺せるAI人形・ミーガンが女の子を守るという目的のもとに他者を傷つけまくるホラー映画。

テンポがよく、ストーリー運びにもおかしなところがないので、喉越しよく見られる映画でした。
殺される相手に
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ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

4.6

シリーズが締めにかかるということもあり、怪作の感さえただようすごい仕上がりっぷりでした。終始ファミリーや息子がターゲットにされ、ドムが子犬のような目になるシーンが多かった。
車とファミリーですべての問
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ウイークエンド(1967年製作の映画)

3.9

脈絡のない展開と長回し・長台詞が合わさってなかなか鑑賞しにくい映画。60年代ゴダールを取り巻く内部の論理としてはなにか成立しているのかもしれないが、フラットな状態で観ると評価が難しい。
前半はけっこう
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はなればなれに(1964年製作の映画)

4.0

ナレーションや一分間の沈黙、地下鉄に乗る人の表情のようなところで観客に直接・間接に語りかけてくるのがおもしろい。取ってつけたようなハッピーエンドもいいですね。単なる犯罪映画として見るとけっこうシュール>>続きを読む

狂った一頁(1926年製作の映画)

3.1

サイレント映画で、活動弁士なしで見るのはちょっと厳しい。多重露光を多用した映像は当時の前衛であっただろうことを思わせる。
狂気の描写は「集団ヒステリー」という言葉がよく似合い、どこか時代性を感じさせる
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.6

おもしろかったです! 最後発ということもあり、シンシリーズの中ではまっすぐな仕上がりになってたんじゃないでしょうか。

ぼくは仮面ライダーシリーズに造詣がないため、以下の感想もそれが前提になります。
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007は二度死ぬ(1967年製作の映画)

3.8

トンデモ日本ではあるのだが、007自体のとんでもなさのほうが上回ってるので結果的にそこそこまともな日本に見える。やたら長尺の相撲シーンとか、漁村の雰囲気とかは実際よかったように思います。カラッと晴れた>>続きを読む

ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.7

いい映画ですね。さいきん「キメラ 満洲国の肖像」を読んだこともあり観てみたのですが、溥儀という人の「時代に翻弄された」という言葉ではとても足りないような激動の人生に浸れました。

最初の即位〜満洲国崩
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007/私を愛したスパイ(1977年製作の映画)

4.1

終始気が抜けていておもしろかったです。今回の相手役のロシア女スパイ、あんまり何もしてなくない? ジョーズの攻撃モーションがめちゃくちゃ遅いのにもウケてしまった。

キラーカブトガニ(2021年製作の映画)

4.2

ほっこりした気持ちになるパニック映画でした! けっこう好き。
どうしようもない映画であることを想定して観にいったところ、意外にもよくできたB級映画でした。CGのクオリティ以外はひどいところ無いのでは?
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アルファヴィル(1965年製作の映画)

4.0

ずっと難しい会話が繰り広げられる映画でした。語彙の制限や過去も未来もない世界というのは「1984年」っぽいアイデアで、加えてそこに極限の論理性が持ちこまれている。「なぜ」のない世界≒自明な論理的帰結し>>続きを読む

オースティン・パワーズ ゴールドメンバー(2002年製作の映画)

4.1

安定したしょうもなさでよかったです。オランダ人って欧米だとこんなにいじられポジションなの? 予算の大半を占めてそうな劇中劇の豪華カメオ出演も見どころ。マイケル・ケインもしっかりカッコいい。

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

3.9

おしゃれ映画かと思いきやそうでもなく、終始気まずいシーンが続くすごい映画。登場人物は全体的に性格にもコミュニケーションにも難ありで、おもしろくなりそうなことがあってもその後すぐにうまくいかなくなってし>>続きを読む

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

4.1

前半と後半で2組の男女の出会いを描いた作品で、観ていて「香港の恋愛はレベルが高すぎる」みたいな気持ちになりました。特に後半のほう、人の家に侵入して勝手に模様替えするのは恋なのか?
トニー・レオンのカ
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007/ゴールデンアイ(1995年製作の映画)

4.2

爆発とキスが5秒ごとに出てきてあまりにおもしろかった。戦車シーンのしつこさは必見。

花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

4.2

これを含めてウォンカーウァイ作品を4連続で観たので、彼の映画のリズムみたいなものに少し慣れてきた気がする。お互いの配偶者どうしが不倫しているという状況があり、緊張のあるシーンがけっこう多かった気がしま>>続きを読む

2046 4Kレストア版(2004年製作の映画)

4.5

男が女と出会って別れて……という話なんだけど、全体にいい緊張感がみなぎっていてとても雰囲気がよい作品だった。10ドルあげるとか黒手袋とか、サイドストーリーのつくりがうまいのかなあ。現実と作中作のSFを>>続きを読む

天使の涙 4Kレストア版(1995年製作の映画)

4.4

スタイリッシュかつちょっと変な人たちがずっと出てくる映画。手ぶれ、スローモーションを多用した撮り方や色味にわかりやすいカッコよさがあって、これがウォン・カーウァイとクリストファー・ドイルの最強タッグか>>続きを読む

ブエノスアイレス 4Kレストア版(1997年製作の映画)

4.1

ウォンカーウァイ初見のため、この作品がどれぐらい監督としての傾向に沿っているかわかりませんが、けっこう独特な撮り方だなと思いました。ストーリーの成立ギリギリまでぶつ切りにするようなつなぎ方というか。観>>続きを読む

大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

1.5

全編にわたり隙のないつまらなさ。つまらないギャグとかはなんとか許すとしても、政治パートとか作戦パートの書き割りっぽさが耐えられないですね。ラストシーンはちょっとだけおもしろいけど意味はわからない。

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

4.5

これはいい映画ですね。白黒で画角も一定した会話劇という抑制的なセッティングですが、終始引きこまれます。
 リズムに乗れない会話の気まずい感じを有効活用して観客を惹きつけていたように思いますが、それでい
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バブル(2022年製作の映画)

4.6

良かった〜。ちょっと泣きました。世間での感想がけっこう分かれていたので身構えながら観にいったんですが、なぜか自分にはどハマりでした。こういうパターンもあるんですね。

アクションはスタイリッシュ、画よ
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まっぱだか(2021年製作の映画)

-

ロケ地クイズ・全問正解が狙えるぐらいのスーパー地元。花隈公園がここまでカッコよく使われたことは今までなかったんじゃないだろうか。
少しのきっかけでひとの気持ちが爆発して行くところがむしろリアルに感じた
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.4

わたしがウルトラマンをほぼ見ていないという前提での感想です。
全体的にはおもしろく、かつ味つけが薄めになっていて食べやすい感じをうけました。キャラクターのアクの強さとか、政治的なやり取りの濃さといった
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僕の村は戦場だった(1962年製作の映画)

4.3

赤軍の偵察兵としてはたらく戦災孤児の少年を主軸とした戦争映画。「ローラーとバイオリン」に引き続き、少年のプライドやかたくなさがよく出ていました。
冒頭の、捕えられた少年が中佐を呼ぶように宣言するシーン
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ローラーとバイオリン(1960年製作の映画)

4.2

バイオリンを習っている7歳のおぼっちゃんがローラー車を運転する労働者と奇妙な友情を育んでいくものの、最終的に母親に阻まれて……という話。少年のいじらしさや未熟な部分、翻って大人びている部分、劇中で成長>>続きを読む

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