sinさんの映画レビュー・感想・評価

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人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

3.5

男女の情念、色彩へのこだわりが強い監督の個性がこれでもかと発揮され良い出来。
だが小栗旬がそこまで病弱な見た目ではないので太宰としてのキャラ像もなんとなくふわふわしている印象だった。
妻がインクをつけ
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七つまでは神のうち(2011年製作の映画)

4.0

低予算ホラーであり、最後にネタバラシがあるためそれまでは本当に不安。「面白くなるのか」を抱えたまま1時間見なくてはならないのが結構きつい。
最後の20分くらいは全てわかり満足感があるが、ストーリーはそ
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オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主(2013年製作の映画)

2.5

ティーンズ版コンスタンティンという感じ。
全ての出来事がかなりサクサクと進むため、感情移入できる箇所がかなり少ない。
最後の彼女とのシーンでようやく感情移入できたがそれでは遅すぎる…

主人公のやたら
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

5.0

並行世界がテーマなので、最初の30分はその理解にかなり苦しむ。だが分かったところで展開もずっとカオスなためもう何が何だかわからない状態が続く。まさに「考えるな、感じろ」の世界。

時間が経ち何とかその
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リピーテッド(2014年製作の映画)

4.5

ニコールキッドマンの演技が冴え渡る記憶喪失スリラー。
設定や最初の演出が完全に「50回目のファーストキス」で、原作者はあれを観てこのスリラーを書いたのかもしれない。
最後まで緊張感があるシナリオ構成が
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ウィッチサマー(2019年製作の映画)

3.0

ティーン向けホラーのためストーリーも単純で全然怖くないが、とにかく演出が派手で良かった。ワーキャー騒いで見るのに最適。
主人公の絶妙な冴えなさ加減が非常に良い塩梅

レリック ー遺物ー(2020年製作の映画)

2.5

老婆が怖いよーというホラーは大体ピンとこないものが多いが、これもその傾向がある。監督の実体験から着想を得た、「痴呆によって人格が変わってしまう」をホラー化したものらしいが、離れの家が時々出てくる事で老>>続きを読む

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.5

YouTuberのギスギスした世界と、推しにはまり込む人間をかなりうまく描いている。
主人公2人の仲がいいのは30分だけで、あとはずっとドロドロ。しかしただ仲が悪いだけではなく、ぶつかり合いながらも相
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ワーニング その映画を観るな(2019年製作の映画)

4.0

評価は全体的に低めだが、私はかなり楽しく見られたし普通に怖かった。ハンディカメラ視点の演出が怖いかそうでないかで分かれるかもしれない

おどろおどろしい映像や美術は韓国映画のオハコで、程よい臨場感が得
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

2.5

itやストシンのキッズ冒険ものを、少し年齢層高めにしたスリラーという感じ。
犯罪者は主人公に手を出さないものの、キツめの家庭内虐待などは出てくるので児童が痛い目に遭っているのが苦手な人にはオススメでき
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ミナリ(2020年製作の映画)

4.0

アジア系がアメリカで生きる事を壮大な風景とともに描き出している。
どのシーンも絵画のようで美しく、主人公の少年のキャラがかなり良かった。

途中から吹き替えで見たが、吹き替えは子役がちゃんと声を当てて
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ラ・ヨローナ~泣く女~(2019年製作の映画)

4.5

期待しないで見たが、死霊館の監督作品だったようでカメラワークもかなり美しく、恐怖演出も上手くて良質なホラーだった。

最初から正体が分かっているので、得体の知れない怖さなどは無く、そこが少し残念

カフカ「変身」(2019年製作の映画)

3.0

小説原作の「変身」を忠実に映像化している。特段アレンジされているわけでもなく映像化されているので、それほど感動はないのだが、虫の造形が7:3くらいの絶妙なキモカワ具合で良かった。

しかも日にちが経つ
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RRR(2022年製作の映画)

5.0

息もつかせぬアクションや演出のバランスが見事。ダブル主人公の説明から、事件の回収まで全てのシーンで疑問を残さないのは大衆娯楽作品として1番大事な部分だが、ストーリーの単純さと3時間もの長尺がそれを可能>>続きを読む

スマホを落としただけなのに(2022年製作の映画)

5.0

原作を超えるリアルさ、テンポの良さ、構成力。
原作では日本の表現力の限界か、やや犯人のキャラ造形に無理があったように思うが、そこをしっかりと練り直し現実味をしっかり出している。

現代らしいスマホの操
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カラダ探し(2022年製作の映画)

2.5

邦画に金がかけられない昨今、「ホラー✖️青春キラキラドラマを作ろう!」と無茶な発想した勇気はかなりすごい。なんせキラキラ青春が邪魔すぎて全然怖くない。

ホラーの合間に差し込まれる青春シーンでは登場人
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

4.5

皮肉がこれでもかときいていて面白くも恐ろしい映画。

アメリカ政府の大きな机や背後のマップは、構図にこだわるスタンリーキューブリックの意思がしっかり伝わってくる。

どこかみんな間抜けで、何かが足りな
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.5

前作未視聴で、完全に知識ゼロで見たため序盤はなぜ主人公が親友?の息子に複雑な表情をするのかわからず理解するのに苦労した。
ストーリー自体は単純なのでそれ以外は問題なく楽しめる。

戦闘機での空中戦シー
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エゴイスト(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

静かでとても素晴らしい映画だった。
ここまでリアルにゲイの男性を掘り下げる作品は日本ではなかなかなかったのでは?

鈴木亮平の演技が何よりすごい。他の俳優より飛び抜けてすごく、モキュメンタリーのような
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きさらぎ駅(2022年製作の映画)

4.5

最近の国産ホラーにしてはCGも真面目にホラーしてるシナリオもかなりいいし、好感。

実質2週目であるところの主人公が時々コミカルで良かった。前回の監督作品「真・鮫島事件」は本当にクソ映画だったので、や
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X エックス(2022年製作の映画)

3.0

セックス!殺戮!という感想しかない…
ホラーにしては面白かったしシナリオ構成もかなり良かったけど、老夫婦が実際人を殺せるまで強いのか、リアリティに欠けあんまり怖さを感じなかった。

続編で過去編をやる
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聖なる証(2022年製作の映画)

5.0

ピューの演技がとにかくすごい。そして監督の現実と虚像をうまく混ぜ込む技術が遺憾なく発揮され、唯一無二の作品となっている。
しずかに登場人物の心境や世界観に浸りたい人におすすめ。

自分が信じるものが全
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

5.0

構成がとにかく美しい。
視聴者になんの疑問も残さず、全てを回収しきっちりと終わる。これは邦画というよりアニメの表現やストーリー構成に近い。
登場人物の特色もはっきりしており、最後には監督のプロデューサ
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アングスト/不安(1983年製作の映画)

4.0

不安、と言うのは主人公よりも視聴者の心境に近い。
何も後悔しないサイコパスの心理を終始しっかり描写しているため、被害者が殺されると分かっていてもものすごく不安な気持ちで見てしまう。

映像は安っぽいな
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ソレダケ that’s it(2015年製作の映画)

3.0

序盤はモノクロで進み、途中から主人公とヒロインの心が通じたためなのかカラーになる。
だがモノクロは他作品より微妙に黄身がかっていて黒がくっきり見えるところが東京の汚いビル群とバッチリあっており、ずっと
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ウィッカーマン(1973年製作の映画)

3.5

ミッドサマーの原型と言われているらしく、確かにミッドサマーで見たようなシーンが多くある。
ただこちらの方はより性的で、宗教間の思想の違いによる摩擦というのをしっかりと出している。

敬虔なキリスト信者
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フッテージ(2012年製作の映画)

2.5

あまりに記憶に残っていなかったので知らないうちに2回目視聴となってしまった。

びっくり要素が多い割に、そこまで怖くなく、インパクトに欠ける。
悪魔に支配されたとして、小さな子供が家族全員を首吊りにし
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ジェイコブス・ラダー(1990年製作の映画)

3.0

今が夢なのか現実なのか、視聴者には難しい描写をしっかりと表現できている。合間に挟まる不穏な戦争の記憶や、支離滅裂な行動や人間関係が最後にまとまるシーンが切なく悲しかった。
最後にヒヤッとする事実の字幕
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アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.5

映像がとにかくすごいし美しい。月に降り立った時の真っ黒な空とカーチェイスなんか現代だからこそ見れたという感じ。
主人公が父を探す任務を受け、ずっと父のことを考えているのだが、その間何人もの人間が死んで
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母が教えてくれたこと(2016年製作の映画)

3.0

がんのため死にゆく母とそれを見守るゲイの息子、それを認めない父を中心にじっくりと描き出している。
元気な姿からどんどん弱っていく母が切なかったが、演出や主人公が淡々としているのでそこまで悲壮感はない。
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スクリーム3(2000年製作の映画)

3.5

3も俳優続投で、やや息切れしたのか「これで最後にしてくれ」という製作陣の叫びがかすかに聞こえる。
映画ネタや1からの鉄板展開もしっかり引き継ぎ、美しく終わらせた感じのある作品

スクリーム2(1997年製作の映画)

4.5

スクリーム1から俳優続投でちゃんと雰囲気がそのままなのはすごい。前回の犯人のせいで、微妙に変わった人間関係や犯人探しがよりスリリングに際立っていてよかった。

スクリーム(1996年製作の映画)

4.5

ふんわりあったイメージを再確認するために試聴。
映画あるあるネタを披露するターンの方がずっと多く、笑えるホラーだった
女性に反撃されて逃したり、躓いて転んだり、ドタバタ感が高いキラーも愛嬌があってよか
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返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)

3.5

映像がとにかく金がかかっているし、俳優陣の演技もよく、基本的な起承転結がしっかりしているので安心して見られる。
何より日本語吹き替えがめちゃくちゃ豪華。人気声優目白押しなのでそこを楽しむだけでもお釣り
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ベルファスト(2021年製作の映画)

4.5

昔のその町の人情や生活を映し出すアイルランド版三丁目の夕日という感じだが、こちらはかなり深刻な宗教戦争が関わっているのでそこまで感動ものでもなく、かつ表現が押し付けがましくない。白黒フィルムなことも含>>続きを読む

二代目はニューハーフ(2013年製作の映画)

4.0

シナリオとキャラの作り方がかなり完成度が高い。
ヤクザもので王道といえば王道な展開だが、ニューハーフの主人公が関わることで意外な深みが出ており良い。

実際の新宿2丁目での撮影や、本物のニューハーフや
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