Siosさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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パンク(2020年製作の映画)

2.9

自転車から聞こえる音の風情が堪らなくいい。

パンク犯は誰か、何から何まで疑い尽くすトキオ。
植込みの中に潜り込んだり、独自調査の下手くそ加減と壊れる精神がヤバさが出てて面白い。

駐輪場で絡む女が苦
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ひまわり(1970年製作の映画)

4.5

画面を美しく埋め尽くす一面のひまわり。
一輪一輪は愛らしい表情で語りかけてくるよう。

大戦中のナポリで燃え上がった愛の行く末。
気儘で爛漫な性格に、肉感的な魅力を備えた美貌、突き進む行動力。感情豊か
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ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

3.7

あらゆる苦痛と薬に埋もれて思うようにいかない。
そんな人間に見入ってしまう。

近年撮影していないという映画監督。逞しいペネロペのママ。感覚のずれもあって切ない。
移り住んできた街と部屋も綺麗。ピチピ
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タッチ・ミー・ノット~ローラと秘密のカウンセリング~(2018年製作の映画)

3.5

内からの生声を抑えない。
既存の価値観にいかに捕らわれているかに気づく。

障がいと悩みを超越した、癒しのカウンセリング空間。模索を続けるローラ。
夜の社交場では縄芸も探求。主の佇まいを醸し出すトラン
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島にて(2019年製作の映画)

3.5

海越しに望む鳥海山は悠然として極上の眺め。

山形県の離島“飛島”。
立派なタコ、バーベキュー、おばあちゃんの剥く山菜。覚束ない船出がなんとも言えず味わい深い。
島で一人の学生は、オジサンが遊び相手。
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

3.8

ジョーとローリー美しい。目を奪われた。
時制を往き来しながら見えてくる姉妹それぞれの思い。

賑やかで善良な家族に心安らぐし、間に挟まれる風景も美しくてうっとり。
ベスとクリスクーパーの距離感が程よく
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ナイチンゲール(2019年製作の映画)

4.2

盗みと強奪の原野。
オーストラリアの闇はおぞましかった。

英国入植後のタスマニアでの暴力による支配。
家族を奪われた女囚が、アボリジニの案内人と共に将校を追走。自分の問題に執着し、他人を踏みにじる将
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ルース・エドガー(2019年製作の映画)

3.9

外面を剥いだ中身が大事。
そのまた裏側は見えない。

アフリカ出身の養子が期待の星から一転、疑心暗鬼の対象に。外から飛び込んだ者目線での米国の内情という趣も感じられて、見応えあり。
皆何かに必死。評価
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山の焚火(1985年製作の映画)

4.2

アルプスの悠久の中にあって、坊やの成長は止まらない。

父母の見守りの手を越え、母が与えてやれる愛は終いには陳腐化し、露骨に拒まれ、坊やは変わったと思い知る。坊やに現れる感性を、間近で姉は対等に受け止
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ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

3.9

ややこしいけど憎みきれない。
レネー・ゼルウィガーのぎりぎりの演技が素晴らしい。

厄介で神経質な人格になったジュディ・ガーランド。周囲を心配させ、自分もヨレヨレ。子どもの生活にも影響が出て、追い込ま
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ゴーストマスター(2018年製作の映画)

3.4

飛躍する脚本。血飛沫も飛ぶ。

青春映画の撮影現場はドン詰まり。
映画の世界は甘くない。渾身の脚本が日の目を見ることはない。壁ドンの修練と探究。悩める主役にちょっとキュンキュンする。
スマホ命の君の散
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真実(2019年製作の映画)

3.7

そこに人と会話が実在する空気は、是枝監督ならでは。

自伝の発表が刺激する疑念。周囲に対する態度の辛辣さ。目の前のライバルと争う必死さ。
周囲は彼女に少しずつ思いをぶつけ、投げかけていく。

大女優を
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

4.2

サスペンス、ミステリー、ファンタジー、ヒーロー、、、
ジャンルを行き来していくのが面白い。

殺人事件の関係者と原因。
役割と費用対効果、損得と欲求に特化していく世の中、
人々の思いは追いやられ、押し
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トレイン・ミッション(2018年製作の映画)

2.3

うろうろ、せかせかと、車内で何度も行ったり来たり。
さらには乱闘を繰り広げるロートルにハラハラ。

手が込みすぎてる大掛かりな謀略。なのに、背景の謎には全く重きを置いてないのが笑える。
振り返ってみる
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.9

こんな習わし誰が考えたの?
人々は教義にひれ伏し、メシアを祭り上げる。

仕組まれてる感じの圧力が気持ち悪い。事前に教えなくて申し訳ないとか言うのがまたわざとらしい。
全ては調和とサイクルを追求するあ
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戦火を越えて(1965年製作の映画)

4.2

躍動する老人に目が釘付け。
ごつい体で荒野を全力で駆ける。

戦地で負傷した息子に会いたい。その一心で旅行く農夫。ジョージアの田舎者の髭ぼうぼうな風貌と朴訥とした人柄はどこか愛敬もあって、軍隊に似つか
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寄生体XXX/スキンウォーカー(2018年製作の映画)

3.7

身勝手で理不尽な、虚弱体質の怪物。
他人を犠牲にしない限り肌が荒れてしまう、延々と続く孤独な戦い。

腐敗の周期がだんだん早くなってきて、“またかよ”とか“せっかくいいとこなのに”って感じが面白い。新
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

3.9

死に囲まれて。でも死なない男。

いつからか、仕事、仕事、のデニーロ。
マフィアに怖い労組、ジミーたちとトニーたち。裏社会の駆け引き歴史が恐ろしくも虚しい。ジョー・ペシの静かな威圧感が圧巻でした。
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.7

目の前に血の通ったひとりの女の子。
実際に接してみて一つの命を実感。

ジョジョ君が住む世界はブラックでポップ。大好きな虚像アドルフのささやきで一杯。
スカヨハママとのやりとりで心清らかに。戦争キライ
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ブラックシープ(2006年製作の映画)

3.9

ふわふわ羊が襲ってくるギャップに心乱れる。

兄貴が経営する牧場に戻ってきた羊恐怖症の弟。そこで行われていた遺伝子研究。
秘密を暴こうとする地球なんたら団体の男女が大概なんだけど、ヒロインの天然癒しパ
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.1

誰が誰を食い物にするか。
例えば、気づくとミクロとマクロの視点で反転しているような。巧い。

まんまと上流家庭に入り込む下流の一家。
世界各地で広がる分断。上下の落差と方位、色気ある役者の対称的な配置
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FREAKS フリークス 能力者たち(2018年製作の映画)

3.9

恨めしそうな「アイス食べたいよ~」がかわいい。
「ママ欲しいよ~」は怖い。

家の外に出たら危険だと教えられて育ったクロエ7歳。監禁親父は結構怪しいけど、アイスクリーム屋のじいさんも輪をかけて怪しくて
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緋ぢりめん博徒(1972年製作の映画)

3.2

浜千鳥のお紋による殴り込みがカッコ良すぎて痺れる。
決心を胸に、独特の威圧感を発していて、迫力溢れる画面。鈴使いも巧い。

女たちの兄弟の正義。
女博徒である鬼百合のお勝が、刑務所での江戸川お秀との出
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仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

4.1

内面を覗いて負う傷、消耗、恐怖。

お前は病んでいる… 
対になっているようで、バランスが破綻している女優エリザベートと看護婦アルマ。
常に新鮮であって、普遍的な基礎にもなってしまうベルイマン。鋭く抉
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デビルズ・ソナタ(2018年製作の映画)

2.8

父が遺した城で、天才バイオリニストの生意気娘と馴れ馴れしいおじさまマネージャーが挑む謎解きアドベンチャーにドキドキ。
リアルなのかわからんけど、城の鍵でかっ!

天才作曲家(ルトガーハウアー)が楽譜に
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叫びとささやき(1972年製作の映画)

4.3

鮮烈な色彩とともに示される対極様々。
常に痛みを伴っている感覚。

赤い部屋の邸宅。病の床に伏す次女の傍で過ごす長女、三女、メイド。女優たちのアップの演技は刺激に充ちている。
ホラーな出来事に対処する
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

3.9

浮上シーンの流れにはグッときちゃった!

旧三部作愛強すぎるくらいだけども、レイが生き生きしてたのも良かったし、能力ある者と名もない者とが力合わせて。それからあんなジジイは困り者なのと、バブ超かわいい
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ゾンビランド:ダブルタップ(2019年製作の映画)

3.9

何にも考えなくてよい下らなさ!
旅の仲間たちのその後。

エマストーンが楽しんで演じてるように見えて良かった。ヒッピーに向ける視線なんか好き。リトルロックも10年で変わったけどかわいいし、出てくる人み
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象は静かに座っている(2018年製作の映画)

4.2

見えない何かに期待して苦しむか、諦めて甘んじるか。

中国の寂れた町。慰めは猿だけ。
家族、アパート、ごろつき、学校。いつもどこでも、若者だけでなく孫から爺さん婆さんまで、全方向にお先真っ暗。ただずっ
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ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

4.1

童話が現実になったような悲しい感触。
森を駆けるシーンはただ美しい。

税関職員の主人公にちょっとビビるけど、税関というのが象徴的。
異物とどう接するか考えさせられる。森の動物たちも美しくて、見応えた
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ジョーカー(2019年製作の映画)

3.8

アーサーが到達してしまった境地。
メイクとジャケットで現れた姿に目を奪われてしまう。

世の中が浴びせる脚光。それまでは冷たい視線を浴びせ続けていたのに。コメディアン目指してる状況が泣けてくるし、悲し
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アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール(2018年製作の映画)

4.1

並外れた歌声。ここぞの時に一瞬でファンにさせちゃう感じ。
O SoleMioも良い。

挫折、歌声、挫折…の繰り返し。
ふてくされるボチェッリさんも愛らしかった。
他の道との選択があったんだとか、大事
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花と嵐とギャング(1961年製作の映画)

3.3

ふざけたギャングが大勢出てきて賑やか。
“スマイリー健”さんがとってもお茶目!

石井輝男監督と組んだこの映画は、高倉健さんがスター街道を進む一つのきっかけにもなったらしい。
ギャング仲間による銀行強
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死を忘れた男(2018年製作の映画)

3.8

ベトナムホラー恐るべし。
荒唐無稽に振り切れていて気持ちいい。新たな境地かも。

病気の子を持ち夢遊病に悩む女は、夢に導かれて土の中から白骨と日記を掘り起こし、ある男の壮大な悲劇の旅を知ることになる。
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湖上のリンゴ(2019年製作の映画)

3.2

辺境の少年の思春期模様。
シャイな少年(兄)と無邪気な弟がキュート。

トルコやジョージアの伝統楽器サズ。師匠から指導を受ける少年。
いきなりの謎掛け対決で師匠の声の伸びやかさに驚く。しかし、それも束
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ラ・ヨローナ ~彷徨う女~(2018年製作の映画)

4.2

水の化身が出てくると嬉しくなる。
特にプールに浮かぶ姿はかわいかった。

虐殺と陵辱の裁判を受けている老将軍。じじいの色欲、幻聴、認知が続き、退職していくメイドたち。
南米の伝説ヨローナによる数々の水
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