Siosさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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列車旅行のすすめ(2019年製作の映画)

4.4

次から次へと奇天烈な世界を連れ回されてしまう快感。

列車の向かいに座る男が不意に口を開く。
陰謀、犯罪、都市伝説、変態。饒舌な語り口と風変わりな音楽(終いには民謡風まで)に乗せて、シュールで下品な作
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パラサイティック/モーテル・アカシア(2019年製作の映画)

3.4

悩める二代目。
これは戸惑っちゃうわ。違法じゃないらしいけど恐ろしいビジネス。

フィリピンの民話ベースなんだけども、ティムロス風の父から岡田准一風の息子への承継。景色は寒々(スロベニアロケらしい)。
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存在するもの(2019年製作の映画)

3.2

父ちゃんが、頭ごなし×意味不明な教え×話通じない度高い怪演。
大工仕事の腕は確か。綺麗な仕上がり。

ある家の惨劇。
双子の妹の訃報が届き帰郷する兄だったが、父母とのやりとりには違和感が漂い、次第に露
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マニャニータ(2019年製作の映画)

3.2

プリミティブな解決方法の意外な効力。

顔に傷のある女スナイパーが酒を浴びる姿が胸に苦しい。
ビールとフォークソング(ラヴディアス作詞の曲もあるらしい)をお供に、麻薬、暴力といったフィリピンの社会問題
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フリーソロ(2018年製作の映画)

4.3

巨大な岩壁に向き合う想像を超えた孤独。
無条件の感動!

カリフォルニア州ヨセミテの巨岩エル・キャピタンへの挑戦。
リアルにバーフバリ並みのことしちゃってる偉業。
それを全てカメラにとらえているのがま
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.9

ハリウッドの舞台裏でやらかす二人を眺める至福。

気儘なブラピと、子役と戯れるデカプ。
表と裏の違いはあれど互いに居心地の良さを感じていそう。
ブラピが乗り込む牧場の雰囲気がすこぶる良くて堪らんかった
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Tommy/トミー(1975年製作の映画)

4.1

ピンボールへの偏愛が激しい。
ナンセンスなクロスの造形が好き。

ミザルキカザルになったトミー少年の溜めが凄くて、自由になる時の疾走感が気持ちいい。
ザ・フーの曲はとにかく楽しいし、王者エルトンはスー
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ムクシン(2006年製作の映画)

4.3

恋の原型に触れる。
愛溢れる終幕に喝采。

オーキッド10歳。メンバーがどう足りないのかわからんけど謎の遊びに飛び入り、自転車にちょこんと乗っかる。凄くいい並木道。
バスのおじさんのホイッスルにほのぼ
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グブラ(2005年製作の映画)

4.1

シビアめな側面がグサッときた。

数年後のオーキッド。父の身に危機。
貧富の差はじめ種々の問題とともに、人と人の関わりあいが散りばめられる。マレーシアの借金取りも怖い。売春婦姉妹に声を掛ける、聖職者夫
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細い目(2004年製作の映画)

4.1

小さなオーキッドに気持ちよく魅了される。
利発で口も表情も達者。

香港映画好きなオーキッドは、海賊版VCDを売る中国人少年ジェイソンと偶然出会う。一瞬の恋。心の記憶の少女も尊い。
畏まらない軽やかエ
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チャイルド・プレイ(2019年製作の映画)

3.7

夏の贈り物には定番フルーツを。
シャレと思いやりが尖ってる人形。

制御されてるとき威圧感しかないデザイン性は理解困難だけども、制御解除でこれだけ暴走するなんて。ワルい方が愛敬感じる不思議。
チャッキ
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ラブン(2003年製作の映画)

3.8

冒頭から画面の外を想像させて印象的。

田舎に移住する老夫婦とその娘オーキッド。
都会も田舎もいろいろあるマレーシアということで、特に途中からご近所付き合いが穏やかでなくなっていく。雌鳥のキアも切ない
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ムアラフ 改心(2007年製作の映画)

4.5

フレッシュで清らか。尚且つ包容力もあって好き。

家出して二人だけで暮らす姉妹。妹(アナ)大好きな姉アニという関係が楽しい。さらに、迷える青年教師と生まれながらの指導者アニ。
善良なのに軽やかなチャー
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メモリーズ・オブ・サマー(2016年製作の映画)

4.2

ピリリッと痛い。
予感と現実に掻き乱される子ども心。

ポーランドの短い夏。
ママと二人、水辺でちゃぷちゃぷ、また涼しげにちゃぷちゃぷ。それだけで満足なのに、ピョトレック坊やの独占欲は一蹴されて、得意
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田園の守り人たち(2017年製作の映画)

4.4

長く激戦が続く時も、農村では女たちが農耕作業の音を刻み続ける。

とにかく美しいフランスの田園風景とともに、音が印象に残った。
第一次大戦のドイツとの戦闘の背後。女には女の戦いがある。
気丈な母の登場
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.6

イライラしそうな登場人物たちの奥底にほんの少し共感。

行動や思いがマトモじゃなくても、どうしようもないこともある。息苦しい。マモルの恋愛観はいろいろ理解できない域。
言葉も多めに溢れてるけれど、芸が
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

3.7

観る人によって感じることが変わりそうで面白い。

悩めるジャック。虚無を形にしていくとどうなるか。
潔癖症やら何やら、試行錯誤を繰り返す中で消える症状と増える症状。監督とジャックが重なる部分があるのか
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僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

4.7

当時の空気を感じられるのが凄い。

第二次大戦後、ソ連支配下の社会主義東ドイツ。ベルリンの壁が作られるより前。人々はそれぞれに過去を抱えるが、簡単に口にできるものじゃない。

戦争に加担していない世代
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ベルリン・アレクサンダー広場(1980年製作の映画)

4.5

苦痛を浴び続け、絶望に沈んでいく。
ビール、コニャック、キュンメル。酒、女、犯罪、暴力の繰り返し。その度に目覚め、また壊れ、その右腕でしたこと、されたことを反芻する。痛切の時間。

第一次大戦後、19
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新聞記者(2019年製作の映画)

3.4

隠すと怪しい。
オープンにされたら恥ずかしい何かがある。

内閣情報調査室が汚い仕事をして隠しているものとは。善人と悪人はっきり目で、悪の手口がいろいろ繰り出されます。気付けないのが、ずっともどかしい
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マローボーン家の掟(2017年製作の映画)

4.1

完成度高い、良くできたお話。ちょっと心臓にはよくない。
魔女娘アニャの天使ぶりが素晴らしい。

一家が過去から逃れて住むのは、異国の使われていなかった屋敷。4人兄妹と心を交わす地元の村の少女1人。弁護
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イーちゃんの白い杖(2018年製作の映画)

4.2

イーちゃんの豊かな表情が良い、声が良い。
暗がりのピアノに胸打たれた。

全盲のイーちゃんの20年を通して感じる、盲学校の恩師の導き、早点字、娘にとって母にとっての天井、全盲と弱視の差。生きて、戦って
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主戦場(2018年製作の映画)

3.6

思い上がりと虚勢、怯えと隠蔽。
愛国心には見えない。

尊厳が軽い、進歩しない国民になりたくないもんです。なんとかして事実はきちんと調査するのが大事。
政治に関して踏み込みが中途半端に感じる一方で、そ
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ドイツチェーンソー大量虐殺(1990年製作の映画)

3.8

遂に統一だ。
自由だ。
混沌だ。
愉快愉快!

東ドイツから西ドイツへ大移動。美女も移動。
西はチェーンソー、東はナイフ、石ころだって使う。大量生産・大量消費の時代が到来し、全てが可能な世界。下品でぐ
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チャパクア(1966年製作の映画)

3.0

不快でワケわからん1960年代のLSDの世界。
ギター背負ったナースが手助けしてくれる。

整然としていないし理解もできない映像に奇妙な旋律、そして謎の啓発。アルコールでLSDを飲むと危ないらしい。平
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サンタ・サングレ/聖なる血(1989年製作の映画)

4.4

ファンキーでサイコで神聖。我らが聖人リリオ様。

それでいてシンプルな切ないストーリーと、郷愁を誘う音楽。父と母と女とサーカスという心の原風景。
トークで森下くるみさんも語られてたように、自分に引き寄
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グレンとグレンダ(1953年製作の映画)

3.1

ケーススタディと考察、ベラルゴシによる神の実験。服装倒錯について順繰りに説明。
突如ヘンテコ映像へ展開して微笑ましい。

生命の神秘の謎を引き合いに語られる主張。
嫌いじゃない。静かに心動かされるもの
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たちあがる女(2018年製作の映画)

4.3

山の声に突き動かされる山女の芯の強さ。目が離せない。

アイスランドの地熱を帯びた苔が美しい原野で決行する工作。目標は鉄塔電線網。ヘリやドローンまで投入して犯人捜索・追跡する割りに結構無防備だったりも
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マルリナの明日/殺人者マルリナ(2017年製作の映画)

3.2

マルリナのクールな魅力に皆惚れる。夫婦共々寡黙。

インドネシアのゆったりした荒野。
乗り込んできた盗賊と手荷物片手に追われるマルリナ。
バスと馬の可愛さは絶品でした。美しい沐浴も。

田舎の盗賊がな
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.0

ファンタジーにも思える長い二人旅。少しだけの変化。
ラストのまとまり方も濃ゆくない仕上がりで、いろいろ考える余地があるのがよい。

デタラメなイタリア系のヴィゴ。道を見ない運転スタイル。彼のアバウトさ
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017年製作の映画)

4.4

鮮やかな色使いがキレイ。肩の力が抜けた無神経で下品なユーモアと軽快な音楽。
大好きなシリーズ。

ストーリーと宇宙人たちのキャラクターが分かりやすいし楽しい。
1作目から登場する札付きの下等動物やお目
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ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)

3.6

知りたい、やってみたい。
欲求に魅入られた人間の心の奥の恐ろしさ。

一見普通の男が仕込みの手順を進める必死さが可笑しい。アドバイスを受けてその場所へ赴く無邪気さから伝わってくる、誰でもいいという感覚
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マイティ・ソー バトルロイヤル(2017年製作の映画)

3.7

ソーは気楽に観られて好き。
存在の仕方も、毎度派手に現れるのも、アホらしくて良い。

1作目と3作目が好きですね。
最初は筋肉隆々の浮浪者で、確かに何コレて感じ。段々とお茶目さが馴染んできて楽しい。
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12か月の未来図(2017年製作の映画)

3.7

皮肉が現実に。名門高校から問題中学へ。パリ市内から郊外へ。
ギャップが苦痛になるか、喜びに変わるか。
爽やかな余韻。

少しずつ偏見よりも向き合うことを大事にしていく主人公。生真面目で皮肉屋なおじさん
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アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

3.8

ヒーローにも大事な人がいる。

前作の壮大なお預けから期待どおりに、派手な展開が繋がって揃い踏みのバトルが熱い。
GotGの面々はやっぱり楽しくて、確かにアホなの?って思っちゃった(笑)

振り返れば
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ハロウィン(2018年製作の映画)

4.0

解き放たれる悪。
衰え知らずでノンストップのマイケルに胸が踊る。

40年間囚われの身の殺人鬼。彼に興味の目を向ける研究者やジャーナリストと、備え続けてきたローリー。
積年の対決に興奮し、ローリーの家
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