Siosさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

Sios

Sios

映画(632)
ドラマ(0)
アニメ(0)

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

3.9

人種差別主義者は夢まで危ない。

KKKに潜入する黒人警官。複雑な二人のロン。根底に通じるソウル。
根深い問題を痛快・痛烈に叩きつけられた。相手側を敵視する集団の心理の怖さも。

ブシェミ弟の変顔に不
>>続きを読む

山懐に抱かれて(2019年製作の映画)

4.2

放牧地のシバを食む牛さんの顔。
ずっと見ていられる。

北上山地での山地(やまち)酪農。家族に24年密着の凄み。骨太!
豊かな山林を開拓して、その力を美しい牧草地に変換。自給の酪農確立には長い年月がか
>>続きを読む

風たちの午後(1980年製作の映画)

4.3

二人の女の組み合わせが最強。
クールビューティーなミツを徹底マークするナツ。

ほくろが可愛らしいお顔。なのに、その垂れ目から、ちょっとぷにぷにした体全体から、火の玉のような念を発していそう。

物に
>>続きを読む

沈没家族 劇場版(2018年製作の映画)

2.7

共同で育児をする本能が人間には備わっているらしい。
現代社会で実践してみるとどうだったか。あの部屋に大勢出入りしてたの凄いな。

20年前、シングルマザーの子どもの共同保育が行われていた。その時の子ど
>>続きを読む

ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

3.8

ゾンビ化が進む現代人の生活が愛しい。
既に侵されつつありますね。

ショーンはいつも適当。エドとの掛け合いは安定してくだらなくて落ち着く。リズも魅力的。

近所のお店へのいつものリズム、イヴォンヌとす
>>続きを読む

アンデッド/ブラインド 不死身の少女と盲目の少年(2018年製作の映画)

3.7

半デビル化少女の熱演。
身のこなしは軽やかだし、素顔(どっちが素顔かわからんけど)も可愛い闇ヒロイン。絵心もあり。

足を踏み入れると残酷な死に方をするという森。凶悪犯が連れ込んだ盲目の少年は、謎の少
>>続きを読む

金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト(2017年製作の映画)

4.0

主演二人の演技、特に金子文子の独特の存在感でもって主張する面構えが逸品。

関東大震災に乗じて流れたデマと朝鮮人の虐殺、逮捕。
アナキストたちが思想を持つに到る背景は主人公により丁寧に語られ、日本人の
>>続きを読む

アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

3.9

クズ鉄町とかザレムの刃の質が高くて嬉しい。
銃夢の世界、個人的にはちょっと懐かしい。

殺戮少女の機甲術アクションとイドの夜の装いがカッコよかったな。モーターボールのレジェンドも、黒幕のあの人も雰囲気
>>続きを読む

マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)

4.1

切なくもあり清々しくもあり。
ありがちなフィクションで片付けない私的な語り口が好み。

海沿いの小さな町で書店を開く。フローレンスのお店と本への思いが爽やかで気持ちいい。
イギリスの田舎は、いいなあと
>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

4.0

落とし穴の底が抜けるような感覚。

緊急通報のオペレーターを担当する警官が、音声だけを頼りに事件に迫っていく。
もどかしさを感じて益々のめり込む。ドツボですね。
制裁者然としたエゴイストな人格の出来栄
>>続きを読む

アシク・ケリブ(1988年製作の映画)

3.9

先輩を埋葬するに際して感情の溢れだし方が素晴らしい。

貧しい吟遊詩人は、富豪の娘との結婚を認めてもらえず旅に出る。
一度脱がせてから着せる一連の丁寧さ、立派なラクダに見たことない鳥、将軍のファンキー
>>続きを読む

ゴッズ・オウン・カントリー(2017年製作の映画)

3.7

気持ちが通じるときの透き通ったような感触が瑞々しい。

代々続いてきたジリ貧牧場暮らしの閉塞。
自暴自棄の日々を送るジョニーが、臨時で雇われた知識、意識、技術の揃ったゲオルゲに引っ張られて成長していく
>>続きを読む

バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

4.3

おじさんのハヌマーン崇拝ダンスにポカーンとするイスラム少女の図。心掴まれる。
クリケットのユニフォームも可愛らしくてずるい。

インドにはぐれたパキスタン少女と、彼女に目をつけられたバジュランギおじさ
>>続きを読む

サスペリア(1977年製作の映画)

4.2

どぎつい原色使い。メリハリ効かせつつ印象的なサウンド。
過剰にデザインされた美しい恐怖がクセになる。

ドイツのフライブルクに着き、名門バレエ学校に入ったスージー・バニヨン。
次々と繰り出される仕掛け
>>続きを読む

サスペリア(2018年製作の映画)

4.1

オリジナルのアートの世界から写実へ。装いを新たにした感覚。

戦後のベルリン。派閥の分裂、空手の型風な舞いの実力、魔女全開な宴。特徴的な床や、雨、いびき、足音の数なんかは引き継いで…こちらの世界観も楽
>>続きを読む

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(2017年製作の映画)

4.2

『ライ麦畑でつかまえて』が生まれるまでの悲痛の月日。
サリンジャーの人物像に詳しくないこともあってか意外性を楽しめた。

彼の孤独感、戦地での体験と心の傷、父親に理解されないやるせなさ。才能を見守る恩
>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.4

タイトルの背景から良いし、ベコベコのボール、洗濯する女性たちの画の時点で好み。
ずっと目が釘付け。

心優しい家政婦。少年の心に残る出来事。とても私的な視点でドラマチック。
当時の社会的背景も伝わって
>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.0

アン女王の言動の起伏激しさが素晴らしい。
何かが欠落してるおばさまってなんか凄い。

センセーショナルな宮廷劇。下品で、こってり濃厚。ヨルゴス監督らしい刺激的なショットもふんだん。
レイチェルワイズの
>>続きを読む

バハールの涙(2018年製作の映画)

4.4

一人の女性戦闘員の経験、それは同時に、この場所で人々に起きている現実そのもの。
その両方を身に纏ったバハールの立ち姿に目を奪われた。

空爆の下、砂塵にまみれた戦い。
フランス人記者がとらえたのは、I
>>続きを読む

愛と銃弾(2017年製作の映画)

3.6

ナポリのアフロ美女にウキウキ。
ヴェスヴィオ火山とナポリ湾と魚介王。

消えるマフィアのボス夫婦と、その腹心、計画の目撃者が織り成す、楽しいヘンテコクライムもの。変な歌詞のミュージカル付きで、奥様とメ
>>続きを読む

ディアマンティーノ 未知との遭遇(2018年製作の映画)

3.8

開始1分でふわっふわ。
なんともレトロだし、PKシーンなんてシュールすぎる。

ピッチ上で異次元の力を発揮するポルトガルのスーパースター。W杯で力を出せず引退するも、彼の力を利用する組織や資金洗浄を疑
>>続きを読む

怪談累が渕(かさねがふち)(1960年製作の映画)

3.7

貸した金返せ~ 
しぶとい宗悦(中村鴈治郎)の顔力が並外れてて、笑わせにかかってるとしか思えない。おどろおもろい。

盲目の高利貸し、貧乏御家人、芸能のお師匠さん。有名な怪談噺です。
蛍が誘う因果の風
>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.0

全てはQueenの楽曲の破壊力。
鳥肌立つ規格外で過剰な音楽。

改装前の聖地ウェンブリーはやっぱり素晴らしい。渦を巻く人のうねりに感動。
マネージャーのポールは良い人顔すぎるけれど… 

缶詰めにな
>>続きを読む

ザ・マミー(2017年製作の映画)

3.7

トラの子がかわゆい。マミーのルックスも。

青春物になりそうなのに成り立たせてくれない、メキシコギャングの世界。ちょっとデビルズバックボーンぽい雰囲気。
母が消え、家を出る少女エストレヤと、同じような
>>続きを読む

家へ帰ろう(2017年製作の映画)

4.5

嫌いな国へのロードムービー。
過ぎ去った年月とブエノスアイレスからの距離が想起されることで、いろんな感情が刺激される。顔の皺が生む説得力。

娘たちのもとを脱け出し、偏屈だけど持ち前の愛嬌と老人の知恵
>>続きを読む

シークレット・ヴォイス(2018年製作の映画)

3.7

二人の歌い手の人生。お互いの人生に接する手触りが感じられて良い。
これまで別々の生き方をしてきた結果の今があり、二人が接して元の自分に戻り、それぞれがまた変わるという過程が丁寧。

記憶を失った国民的
>>続きを読む

ゼイカム -到来-(2018年製作の映画)

4.3

気持ち悪い黒メタル物質にヌルっと覆われ、外の世界から遮断される家。
これ好き!

TVモニターに表示される指令。政府への信頼や保守的思想、信仰、情報ネットワーク、移民問題、電磁パルス攻撃まで、諸々全て
>>続きを読む

シシリアン・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.8

少女ルナの目が鋭くて良い。

周囲に理解されない少女の気持ち。
実話ベースの少年の失踪事件が、これだけスピリチュアルな映画になる驚き。冷たい現実にはぞっとする。

静かな湖や立派な馬。山間の景色が素晴
>>続きを読む

特捜部Q カルテ番号64(2018年製作の映画)

4.4

これまで積み上げたものが豊かに熟成。まさに集大成!
カールとアサドの5年越しの愛も遂に結実か。

少女収容施設で施された治療に、食卓を囲む死者の謎、聞き慣れない薬物なんかも絡んで、興味がそそられる。
>>続きを読む

恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

4.2

密林でのファンキー&こってりなギリギリ展開と迫力サウンドが楽しすぎる!

ヤバい荷物を積み込んでオフロードラリー。命知らずの男前たち。集まるまで時間かけても、もちろんテストランなんてしない。いつの間に
>>続きを読む

沖縄スパイ戦史(2018年製作の映画)

4.1

スパイ監視について語ることを住民が躊躇していたのが、強く印象に残った。
住民同士で疑いの目を向け、密告する仕組みは残酷。

沖縄戦では、現地少年兵によるゲリラ戦部隊も組織された。護郷隊という名前からし
>>続きを読む

大悪党(1968年製作の映画)

3.5

やくざ者、スター歌手、検察、悪徳弁護士…  
男に翻弄される緑魔子の必死さがたまらん。

洋裁学校通いのお嬢様が、唐突にピンチに陥り、ドン底に堕ち、服従させられて孤立。
美女が追い詰められるのも、手解
>>続きを読む

イット・カムズ・アット・ナイト(2017年製作の映画)

3.4

頭の中に疑いしかなくなる大人、夢遊する子供。
未来が見えない世界の雰囲気が伝わってくる。

森へ逃げてきたはいいが、謎の恐怖はその森の闇から忍び寄ってくる。
森に繋がるあの扉、なぜ真っ赤なの?かなり怖
>>続きを読む

懺悔(1984年製作の映画)

4.1

独裁を受け継ぎ正当化する市長親子。一人二役。
特に親父は得体の知れない人格で、正気とは思えない。

まず死者として何度も現れ、気味が悪くもシュール。
生前がまた薄気味悪くて、テノール美声を披露しつつ、
>>続きを読む

祈り(1967年製作の映画)

4.2

山岳地帯の絶景の岩山と谷、石造りの建造物、要塞の村と、どこを切り取っても極上の映像が続く。

異教との争い、腕を切るか切らないか執拗な原理主義。刺すような思念に押し潰されそうになる。
個としての気高さ
>>続きを読む

不滅の女(1963年製作の映画)

3.7

まつ毛バシバシな美女に浮かされる虚ろなおっさんが面白い。一時の接触から妄想をさ迷い続けるような。

反復されるイメージ、真っ白な車にしつこい犬の鳴き声、不自然に静止したり変に主張する人物、全てはイスタ
>>続きを読む