バイオレンスかつセクシーな描写がOVAという媒体だからこそ表現することができており、これが本作の反社会的な雰囲気を見事に創造している傑作。
キャラクターに全てを語らせない骨太の美学がここにあり、キザで>>続きを読む
脚本のテンポが悪く、設定面でも他の異世界ものとの差別化も測れていなかったように思う。
迷宮の回あたりのシナリオは正直酷かったし、作画も結構息切れしていた。
ロアナプラの愉快な悪党どもが次々と襲い掛かってくる「偽札編」にこそ、本作の醍醐味が詰まっているといって過言ではないと思う。
賞金稼ぎのために集った悪党たちが、それぞれの個性に則った戦法でアクションを繰>>続きを読む
硝煙の漂う犯罪都市・ロアナプラの世界観をフィクションに留めない──この世の何処かに「ロアナプラ」が存在すると思わせる──のは、片渕監督の職人気質の賜物であり、実証的な手法を取っている所以ではないだろう>>続きを読む
主要キャラクターだけでなく、31歳のシンママアイドルや整形依存症の女性など、社会からみれば「普通じゃない」とされるものを認容するようなテーマを持った令和ならではのアニメだった。
「普通じゃない」ことを>>続きを読む
これまでに触れられてこなかった柱の出自だけでなく、炭治郎と一般隊士との関係を描いたりと無限城編で感情を揺さぶるための準備段階ともいえるエピソード。
上弦との戦いから一転した箸休め的な脚本であり、特筆す>>続きを読む
茶の間で観る分には気まずくなるような攻めたギャグが売りだったのに、劇場版のネタを使い回したり、アダルト要素も控えめだったりとスケールダウンしたのは否めない。原作準拠なら申し訳ないが、ディーン制作時代の>>続きを読む
今シーズンは「家族」というテーマが焦点となっているが、引き篭もって外界との接点を遮断していたかつての自分の後悔を重ねる脚本にこそ、本作の味があるのではないだろうか。
特に「#17兄貴の気持ち」では、タ>>続きを読む
等身大のありのままでキャラクターが作り込まれているからこそ、物語に没入してしまうのが本シリーズの魅力である。
部長という立場を通して数々の選択を迫られ、葛藤に押し潰されそうになる今期は、シリーズの中で>>続きを読む
人間が抱く「愛憎」を生々しくも、どこか叙情的に表現されており、その手法に全く無駄を感じさせないヒューマンドラマ。
氷山理論さながら、結末をすべて描ききらないことで省略された部分に強いインプレッションを>>続きを読む
手話を様々な解釈で読みとらせてくれる作品。
言語としての手話は勿論のこと、ヒロインの雪と共有できる「二人のだけの世界」として描いており、手話を恋愛表現にまで昇華してしまう本作の脚本の美しさに深く感銘を>>続きを読む
あまりにも有名シーンが多い今回の章においては、親子喧嘩だけで十分楽しめたのは確かだが、これまでのトリッキーな脚本が鳴りを潜めてしまっていたようにも思えたので、サブキャラクターたちの底力・魅力というもの>>続きを読む
まず原始人が蘇るという、これまでの中で最も意味のわからない始まり方で、野生的で本能に忠実なピクルの行動だけでひと笑いできた。
その後も常人には理解不能な理屈で葛藤する格闘家たちの姿がもう面白いし、各々>>続きを読む
フリーレンの旅路を主軸に、出会いと別れを叙情的に表現し、そして紡がれる想いを描いた作品で、物事の本質を捉えた脚本やキャラクターの台詞に納得させられることが本当に多かった。
また、アクションシーンでは、>>続きを読む
この手のジャンルが溢れ返る昨今のアニメにおいて、特にオリジナリティも感じさせない設定だった。そもそものキャラクターの目的が曖昧なうえに、どこか無機質ともいえる空気感が漂っており、アクションだけで観るア>>続きを読む
シュールでユニークな世界観だけでなく、狂気じみた演出があり、本作における狂気と笑いの絶妙なバランスは、さながらB級映画のような独特のセンスである。
脚本に関しては全くB級などではなく、ミステリー要素を>>続きを読む
「笑いあり涙あり」の1期から、「涙あり」に全振りしていた2期と比べると、明らかにトーンダウンしていると感じた。制作陣の競馬愛や丁寧に作ろうととする意気込みは感じるものの、それが特段作品自体の面白さに直>>続きを読む
アダルトゲームの栄枯盛衰をタイムトラベルによって巧みに表現しており、現代の衰退っぷりを目の当たりにしているからこそ、胸を打たれるものがあった。
終盤に差し掛かるにつれてテーマも壮大になっていき、アダル>>続きを読む
いくら描かれている事象が悲劇的だったとしても、キャラクターの心情に共感できる部分がない以上、魅力を感じることができなかった。
キャラクターのバックボーンは時間を掛けて描かれていたはずなのに、叙情がなく>>続きを読む
人間やヒューマノイド、AI、ロボットが共存する未来社会において、人間という存在を多角的にフィーチャーして描いた作品。
答えがない設問に対して、ネガティヴというよりはむしろシニカルかつ多角的に描く脚本の>>続きを読む
ヒロインの誰と結ばれるのか最後までわからないシナリオがラブコメの醍醐味なのに、他の個性的なヒロインをここまで排除してしまうのは本当に勿体無い。
人の命を扱う感動モノなら別にラブコメでやらなくとも他所で>>続きを読む
眼鏡が出会いのきっかけであり、眼鏡が関係を繋ぎ止めるという、眼鏡を中心に展開していくラブコメは割と斬新だった。
視力の悪い三重さんは、眼鏡を忘れたことを契機に小村くんの優しさを感じ取っており、あえて視>>続きを読む
相変わらず、台詞1つ取ってもセンスが光る作品。
シーンは学校や堀さんの自宅が多いが、この日常的な舞台に限られているからこそ、キャラクター各々が抱く感情や絶妙な人間関係を動的に感じ取ることができる脚本と>>続きを読む
ファルスというだけあって言葉遊びがシニカルかつ機知に富んでおり、世界観がダークファンタジーで、脚本はミステリーであってもさながら喜劇のようであることが本作の持味。
何気ない台詞やエピローグだけでなく、>>続きを読む
(13話まで)
音声でホラーを演出するところには鋭意工夫があったし、意図したものではないと思われるが、低予算ならではの視覚的な怖さも感じられた。
また、含蓄のある夜宵の台詞や詠子の思惑など、心霊現象一>>続きを読む
性は性でも「ED」をテーマにした今回は、かなりユニークだった。第1期から相変わらず本作品は男性側(ルーデウス視点)の感情を主体に進行していくが、今シーズンに関しては、男性ならではの共感性羞恥にもなる部>>続きを読む
ガイナックス作品だが、今石洋之に中島かずき、吉成曜といったスタッフの面々からしても、トリガーの礎を感じずにはいられない。臨場感や迫力の溢れるアニメーションには、2007年の作品であることを忘れさせる。>>続きを読む
回想によって物語の隙間を埋めていく構成が見事で、話が進む度に人物像やテーマに奥行きが増していくシナリオ構成が面白い。
残逆で凄惨な事実や性的描写を比喩で置換しており、アニメーションを用いた非常にユニー>>続きを読む
短い時間で視聴者を掴まえることが求められる昨今、アニメ界隈でも平気で1・2話切りされることが多々ある中で、1話目を拡大して導入部分を完結させたことで視聴者を逃がさないようなマーケティングが上手かった。>>続きを読む
スレッタと家族のシナリオについては、脱線せずに上手く完結させていたが、それ以外については風呂敷を広げすぎたせいで駆け足又は唐突なシーンも多く、感情移入しにくい場面が度々あった。
また、キャラクターに魅>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
シュールな笑いと狂気じみた演出は4期になっても健在だか、これだけ続いても金カムは脚本や構成の軸が一切ぶれない。そして今期から制作会社が変わったが、むしろ脚本構成が上手なブレインズベースとの親和性が高か>>続きを読む
石川県の田舎町から上京してきた美津未の着飾らない性格と都会の学生たちが持つペルソナとの対比や人間関係の絶妙な描写が光る作品。
用意された台詞に感じない程キャラクターがナチュラルに会話・思考しており、キ>>続きを読む
原作において他のシーズンと比べて失速気味だった「刀鍛冶の里編」だが、新たなシーンや演出を加えることで漫画では味わえない臨場感を生み出していた。
柱の戦闘シーンはカッコよく描かれており華を感じられたが、>>続きを読む
今の子どもたち向けというよりもむしろ、ポケモン第1〜2世代をターゲットにしたノスタルジーな演出やカットの数々で、ここまで変わらずに制作を続けてきたアニポケスタッフにリスペクトを感じずにはいられなかった>>続きを読む
キャラクターの背景を描きすぎないところや呆気なく死亡するところからは、命の価値の軽さが感じられ、本作を任侠たらしめていた要素である。
さらにメイドという要素が合わさることでポップに昇華され、本作の唯一>>続きを読む