さやかさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

さやか

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卯の花腐し(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

二人でいることは、彼女たちにとってきっと同等に大切だった。それでも全うしなきゃいけないことがあって、だからこそさいごの一瞬まで「楽しく過ごしたい」と、「少しでも長く続くように」と、それぞれ願った。

サウンド・リザバー(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

大事な言葉を、ずっと自分の中に留められたら。それだけ聞くと、素敵かもしれない。でももし、「内に届く」まで時間がかかるとしたら。ゆっくりと浮かび上がってくる言葉が心を震わす驚きと喜び。その時間は確かにか>>続きを読む

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

世界は、背中を押す言葉やメロディーに溢れている。気づくきっかけは何だっていい。掬い上げて、つなげて、1つになった瞬間、目に映る景色は輝きを放つ。夢に向かう道。どれだけ蛇行してても、誰かが残した足跡の上>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「行かないで。その場所を知らない僕は、君のもとへ帰れない」。目も口元も見えず、表情も声色もわからない。それなのに、彼の思いがなだれ込んでくるよう。命を失い、時が止まり、自分でいるための拠り所はただ1つ>>続きを読む

のびた関係(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

離れていても、共有できることがある。思い出して、戻れる懐かしい時間がある。互いにラーメンをすする音。少しずつ昔みたいに話せるノリ。そうして近付けたから、でも直接じゃないから触れられる秘密へ。その先で知>>続きを読む

ハカイ団の野望 悲劇!オンライン会議の結末(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

悪も、一番大切なのは自分と仲間の命。最後にさらりと心をさらっていく展開に、思わず頷く。作品に込めたメッセージとともに、関わった方々の「始まりから終わりまで、ずっと楽しんで仕上げた」空気感に、ふふっと口>>続きを読む

トマトは大嫌い(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

丁寧な説明、優しい言葉。でも淡白な距離ばかり。苦しくてつい人を求めてしまう時、本当に欲しているのはそれじゃない。心を占めたのは、自分の「嫌い」に怖じけず目を向けてくれる、厳しい温もり。このささやかなト>>続きを読む

MELT(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

心の底ではきっと分かっている。自分のそばには何があって、何がないか。だから、ないものには強く惹かれるし、あるものはひたすら疎ましく感じてしまう。その2つが同じものと悟ったとき、救われるのか、絶望するの>>続きを読む

ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん(2015年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

まるでずっと絵画の中にいるみたい。それでいて、わずかな瞳の動きや細やかな仕草、質感が分かるような環境音が心を揺する。そうして引き込まれた世界で、ひたむきに信じた道を踏み進める女の子から目が離せなくなっ>>続きを読む

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

一人は苦しい。でも、仲間を知った一人は、強い。絵本の世界ながら飛び抜けた奇跡は起こらないけど、みんなのささやかな優しさが降り積もって、最後までじんわりあたたか。派手に立ち回ることも、感情が渦巻いて大き>>続きを読む

カツベン!(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

たとえ望んだことでなくても、自分の行いには必ず落とし前を。でも、手から何度すり抜けても夢にかじりついていく姿に、思わず背中を押している、そして押されている私がいる。最後のつもりであの「説明」に心を込め>>続きを読む

テッド・バンディ(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

彼が犯人だーーそう知っていながらも、徐々に疑惑の目が薄れてしまう展開に、自分自身が信じられない。法に引き裂かれた悲恋に見えるのは何故?浅はかな弁論、逃亡中ながら女性に向ける視線、自分に好意を持つ女性を>>続きを読む

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

人は生きている。だから、暮らしている街も生きている。全てに始まりがあるから、必ず訪れる終わり。毎日変わりないことを繰り返しているようで、ゆっくりそこに向かって歩を進めている。「できることから、少しずつ>>続きを読む

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

生まれ持った血筋か、生きてきた道筋か、どちらが望ましいかなんて誰にもわからない。心と体は別でも、分けては生きてゆけないもの。抗えない衝動と喜び、貫くことの痛みを知った彼女は、きっとその思いも迷いも丸ご>>続きを読む

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

どれだけ時が経っても、ありありとよみがえる記憶。恐怖も怒りも悲しみも、全て受け止める力を備えて、過去に、今に、未来に対峙する。目をそらさずに見届けたのは、背負ってきた苦しみの末路かもしれない。犠牲は少>>続きを読む

海辺の迷子たち(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「写真を撮ることは、自分と向き合うことになる」。それは、好きなことだからとも思う。好きだから続けたいのに、好きだからこそ苦しい。その狭間で手放すか、掴み続けるか、答えのない決断を迫られ、揺れ続ける。ほ>>続きを読む

ユメみばなにうつつ(2019年製作の映画)

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山に登る。それも富士山に。その行為自体が非日常で、まさに「夢」みたいだったのかもしれない。ぷつぷつと、記憶や夢と同じようにシーンが飛ぶ。それが不安で、怖さもあって、でもどこか心地よくて。この浮遊感、い>>続きを読む

リワインドメモリー(2017年製作の映画)

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「ただいま」「おかえり」そう思い会える人が、記憶があるだけで、こうも人は前を向けるものなんだ。これまで確かに歩んできたんだから、何も持っていないわけがない。忘れても、思い出すきっかけは存外にすぐ近くに>>続きを読む

いまは昔(2018年製作の映画)

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何がどう変わったのかはわからない。でも確かに、分かち合えてた喜びが少しずつなくなっていく。触れたことのない幸せは教えてくれたけど、それを無くして空いた大きな穴を埋めるヒントは与えてくれなかった。一向に>>続きを読む

パラレルツインズ(2019年製作の映画)

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「あの道を選んでいれば…」。その先を知れたら、何と思うだろう。やっぱり少しはないものをねだって、嫉妬にかられるだろう。でも彼女たちのように、「そっちは任せたから」と背中を押し合えたら、今の自分を「これ>>続きを読む

父、かえれ!(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「式呼べよ!」そう言ってふくれる父。でも、そこへ現れた彼氏に、背中で眠ってしまった娘を預けるシーンは、さながらバージンロード。あなた自らの手で、娘を見送れたんだよ。周りを振り回しても、嘘偽りなく愛にあ>>続きを読む

座敷わらし(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

自分がそうだと思ったら現実になる、のかもしれない。どう転ぶかは、活かすかは自分次第。彼も、あの妖怪も、できる範囲のことで選び、動き、生きられる道を進んだだけのこと。予想と違っても、それはそれで幸せもあ>>続きを読む

ケンジとケイスケと(2017年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「人生は想定外だらけ。思い通りでなくていい」。その優しくて力強いメッセージに、肩の力が抜ける。エネルギーの波にのまれないように、でもいつ来るかわからないその場その時をいつでも心に描きながら、確実に歩を>>続きを読む

憧れ(2017年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「苦しかった時が、懐かしいと思える不思議」。それは、痛みが大きかったからこそ、それを乗り越えられたからこそ。もがいて、立ち止まって、迷って、たとえ目をつぶっても、いつか目を開けられたときに、あぁいつの>>続きを読む

閃光(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

懐かしい空想に浸ることは、救いだ。知っている幸福に、手軽に触れられる。でもそれは、あくまで一瞬。ずっと逃げ込むことはできない。遊んだ過去を走馬灯にしないよう、「今」に帰る。思い出は、そのステップにもな>>続きを読む

近すぎるのに遠い、だなんて。(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

近くにいるから明かしにくいことも、非日常に身を委ねればふと口をつくことがある。「今なら言えるかも」。そうしてやっと、心が近づいていく。踏み出すには少し勇気が必要だったことも、いざ振り返ればささいなこと>>続きを読む

VR職場(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「労働者が1番つらいことは報われないこと」「真面目だから狂うんだ」働いている環境に痛みを感じている人には、大事な言葉が散りばめられすぎていて、思わず頷く。息を忘れるほどわかるから、抗いたい気持ちがある>>続きを読む

適度なふたり(2019年製作の映画)

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人は忘れやすい。苦手だったことも、好きだったことも。でもきっと気付ける。思い出せる。だから一緒にいること、一日一日暮らしていくことはいとおしい。

ラムネ(2019年製作の映画)

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大人にとってはそんなこと。でも幼いときのそれは、大きなこと。だから、気持ちがすぐにすとんと落ちてしまうし、ささいなきっかけでわくわくあがってこれる。あの軽やかさを、思い出せれば。

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