坂さんの映画レビュー・感想・評価

坂

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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.7

生まれた時点でヤングケアラーとしてしか育つ術がなかった人の物語。
テンポは早いけれど、無音のコンサートシーンは鮮烈で音楽に対する"わからない"というものが音楽が好きな身分としてとても恐ろしく思えた。
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.3

ボブの登場シーン強キャラ感強いのに、なんもないんかい〜〜!

流浪の月(2022年製作の映画)

3.6

原作が好きな人には各々の背景に抱える物語が丁寧にされてなくて、少し悲しい気持ちになったと思う。

二人の抱える問題は重たく、周囲を取り巻く人をも蝕んでいるのに、過去未来の切り替えなど、所々ポップに演出
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ワイルド・アット・ハート(1990年製作の映画)

3.6

簡潔にいうと、狂気的な世界の中に描かれているので、そちらに目が奪われがちだけどデヴィッド・リンチ監督の思う愛の形はこうなんだろうな…と。

二人だけしか必要のない世界なのに、家族になるかもしれないとい
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街の上で(2019年製作の映画)

4.0

小説でもなんでも、こういうオフビートで、垢抜けない人物でも起こるドラマをさらっと描く作品が好き。

一貫して「あぁ、いるよね、こういう雰囲気の人」と「その周りの人達」って感じが良かった。

邦画をあま
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ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

3.6

何も持たずに生まれて、何も持たずに死んでいく。
沢山の人が浮かんでは消えていったので、時間を重ねることに次第に恐怖を覚えた。

他者と違うのは容貌が若返りしていくだけで、心の成長は皆と同じように進むの
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わたしはロランス(2012年製作の映画)

4.7

見てきたドラン監督の作品で一番好きな作品。

前衛芸術のようなカメラワークや芸術的カットに目を奪われがちだが、各々の人間性は決して殺されず、むしろ短い使われ方の人間でも個性と、それに付随する物語が鮮明
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友だちの恋人(1987年製作の映画)

3.5

気になる人間を目の前にすると薄い人間性が浮き彫りになる。

あくまで自意識の中にしかない裏切りが芽生えているのにも関わらず、友人という関係が続くことに不和を感じる。お洒落な映画に見えて、最後のペアルッ
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パリのランデブー(1994年製作の映画)

4.5

エリック・ロメール監督作品二作目にして彼の撮るスタイルと表現したい女性(ヒロイン)像がなんとなく理解できたような気がする。

軟派男達をサラッと躱すそれぞれの女性の台詞がかっこよかった。傍観視点的には
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海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

4.2

これぞフランス映画〜〜

やっと見られたエリック・ロメール作品、世間的一般には一番正当なことを言っているピエールが虐められていることが割に合わなさすぎるとも思うが、嫉妬やマリオンを手に入れたい欲が先行
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ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

4.2

ジャームッシュ特有のわかりやすい動きのあるストーリーではないけれど、しっかり物語がある作品。

地元を嫌いニューヨークに住み、すっかり土地に馴染みを装うウィリーのキャラクターが若者特有のダサさが巧くで
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マンディンゴ(1975年製作の映画)

3.8

「ある奴隷少女に起こった出来事」を読んでから見ると、両作がお互いに答え合わせをしているかのような日常にあったであろうシーンが数多く存在した。

公開当時大ヒットしたもののお蔵入りしたとのことで期待値が
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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

5.0

自分は平均的な生活に平凡な幸せを享受することができていると思っていたのに、環境という外的要因によって、知らず知らず殺されていたのだと気付かされた。
知らず知らずの内に自縄自縛し、自身をカテゴライズ化し
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ボディガード(1992年製作の映画)

3.0

なんだかんだ見てなかったシリーズ。
自分は恋愛系の王道が好きなんだなと再認識した。

ケビン・コスナーやクリント・イーストウッドのような渋いおっちゃんが偶にキュートなのにも弱い。流されるのか〜と思うけ
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ロッキー(1976年製作の映画)

3.0

スポーツが主題の映画は別に苦手ではないし、寧ろ好きなのに、あまり入り込めなかった。

無名ボクサーの彼女としてのエイドリアンのキャラクターはとても現実味を帯びていて、ロマンス映画かと見紛う程。

アメ
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.6

エリオは一夏だからこそ焦り、オリヴァーの見えない心に一喜一憂する。世界大戦のモニュメントのシーンで「大事なことは何も知らないんだ」から、「知って欲しいから」の気持ちを発信して無理やり受け取らせる所が好>>続きを読む

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

5.0

あくまで、僕のひねくれた解釈を置こうと思う。僕は二人の物語というよりも、ジュリー・デルピーに視点を覚えて共感するから、この作品が好きだ。

官能的で肉欲的な言葉でセックスをしているのに、お互いの思考と
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

3.6

カルロス・フェロが南米のディカプリオと呼ばれる所以がひしひしと伝わった。
サブの役者が全て霞むほど、魔力のように感じる整った容姿と構成。

出だしが物凄くスピーディーだっただけに犯した罪の構成が似たよ
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Summer of 85(2020年製作の映画)

3.0

期待値が高すぎたかもしれない。
最近死と静かに向き合う映画を見たからかもしれないけれど正直な感想、物語が流暢に進みすぎてあんまり感情移入ができなかった。

若い夏を主題としてのポップな映像や、違和感な
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.3

ラストが孤独で終わる映画が好きなのなんでなんだろうな〜。
哀愁漂う質感がとても心地良い。

切り取り方を変えるとただ身勝手な男女とそれに付随する人々の物語なのに、ハンターの素朴な純粋さと砂漠を漂ってい
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サマーフィーリング(2016年製作の映画)

4.5

残暑が残りつつも、秋を感じた瞬間、突然心が冷たくなったような気がして、この映画を思い出して再度鑑賞。

動の夏があれば、静の夏もある。
限りなく静から始まる映像と緩やかに時間を経て乗り越えるそれぞれの
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ミッドナイト・ラン(1988年製作の映画)

4.7

コメディ作品なのに見れば見るほど味が出るタイプの映画、現時点ロードムービーで一番好きな映画。

デニーロの幅広さが本当に凄すぎる。

映画に苦手意識を持ってる人or知らない人と一緒に観るなら…とよく考
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ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

3.9

ジャームッシュの本領。異なるキャラクターと各々に付随する見えない背景を撮るのが非常に上手い。

どこか小洒落ていて、入り込めない雰囲気をずっと漂わせているのにも関わらず、観客を繋ぎ止めるシーンが数多く
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ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

5.0

アート映画としての当作品についていけないのはわかるし、物語を重要視する姿勢も勿論わかる。だが、この作品はもっと見るべきところ、掘るべきところがある。

廃れない「革新」を宿している。

ゴダールが引き
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シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

4.6

モブの役者からも飛び出す心の叫びが伝わる素晴らしい作品。

「力とは、人を殺す正当な理由がある時に殺さない事だ。」
現世では当たり前になっていることなのに、この台詞のシーンに毎度一杯食わされたと思う。
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HOT SUMMER NIGHTS ホット・サマー・ナイツ(2017年製作の映画)

3.4

何でだろう、凄く青臭いし、ありきたりな終演なのに好きだった。

作品全体としてメッセージ性も特に隠喩を感じることもないし、見終わった後の快感もない。知らない少年の語り口調ベースの選択には少し疑問を覚え
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バッファロー’66(1998年製作の映画)

3.8

親のことが好きなのに、自分のことは常に二の次にされてきた。
それでも親の関心を引き寄せたくてしょうがないキャラクターがその後の会話に奥行きを持たせているから面白い。

男として虚勢を張ってしまう部分は
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スカーフェイス(1983年製作の映画)

3.7

アル・パチーノとミシェル・フェイファーが光りに光っている映画。

全てのモブを寄せ付けないほどに彼ら二人が輝きを放っている。とてもその種のキャラクターを切り取れていると思う。

仁義を通すといいながら
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俺たちに明日はない(1967年製作の映画)

3.3

アメリカン・ニューシネマと呼ばれる時代の代表作。

大学の映画論の勉強で取り扱われていた記憶があるけれど未鑑賞だったので…。

ガンアクションや、カーチェイスもよく見られるようになった今となっては真新
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ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

2.0

面白い物語の上澄みだけ掬っちゃった印象を受けた。

特に、タイラーの兄が死んだ話は掘るべきところで掘った方が良い。ザックとタイラーを強固に繋ぐ瞬間にもなりえただろうに…。居眠り運転で殺してしまったとし
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.8

フレディの誕生日とTwitterで見て。
ただの流行り映画だと思っていて見なかった。
劇場で見なかったことを後悔している。

映画の内容としては良くあるタイプのミュージシャン伝記映画で、それだけなら評
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