しろくま74さんの映画レビュー・感想・評価

しろくま74

しろくま74

ディカプリオと同い年のしろくまです。
レコードが好きです。

レビューには、人それぞれの病理が浮き彫りになっていて、自分のものには苦笑するやら、ひとのは興味深いやらです。

裁いてるつもりで、実は裁かれている。けれど、裁いたつもりの作品に、いつしか赦されているとするなら、映画ってすごいですよね。

映画(535)
ドラマ(0)

J・エドガー(2011年製作の映画)

-

『J・エドガー』というタイトルは、西郷隆盛なら『吉之助(きちのすけ)』と題する感覚かもしれない。

薩摩藩の下級藩士でありながら、藩主・島津斉彬(なりあきら)に取り立てられ、幼馴染の大久保利通とタッグ
>>続きを読む

フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)

-

ひと目見て、好印象ながら恋にはいたらず、別の場所で二回目に出会いながらその人とは思わず、三回目にはっきり、好きと分かった感じだろうか。

『カポーティ』で大感動はしていたけれど、題材によるものなのか、
>>続きを読む

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

-

18年前、結婚したての新婚さんだったのに、なぜか妻が借りてきた思い出の一本。

当時、おっかなくて理由を聞けなかったのだけれど、昨日尋ねたら、借りたことも観たことも、彼女はすっかり忘れていた。妻よ…そ
>>続きを読む

白い家の少女(1976年製作の映画)

-

『羊たちの沈黙』のレクター博士を、少女時代のジョデーがやっているのか?とワクワクしたものの、少し当たっていて、だいぶ違っていた。

普通に楽しめるローティーンの青春ドラマ。近代国家以降の、13歳を生き
>>続きを読む

LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

-

逆説的だけれど、実話に基づくこの映画を通して、フィクションの素晴らしさを感じることになった。

ものごころが芽生え、母親への思慕(しぼ)を自覚した頃の、あの独特の揺らぎが素晴らしく表現されていたからだ
>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

-

驚くほど、何も感じられない映画で、ぼうぜんとしている。こんなことってあるんですね。好きも嫌いもなく、共感はおろか違和感すらない。

まるで自分が、半魚人になったようだった。あ、でも、彼はいろいろと反応
>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

-

面白く観たあとに残る、なんだろう、この違和感は。

その正体を突きとめるには、映画的語法をちゃんと吸収して、紐解(ひもと)いていかないと無理な気がする。

映画、オレ好きですって言えない理由がこの作品
>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

-

とても有名な話として、例えば太宰治を読んで自分のことが書いてあると愛読者は思う、というのがあるけれど、それに近い感覚をこの映画に持った。

これまで、そうした経験をもたずにきたのに、この歳になって…う
>>続きを読む

パリ、ジュテーム(2006年製作の映画)

-

出不精(でぶしょう)を、フランス語で言うと“de vous chaud(ドゥ ヴ ショー)”になるらしい。直訳すると“太って暑苦しい君”。

というのは嘘です。太ってはいないけれど出不精な私に、妻は旅
>>続きを読む

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

-

こう言ってしまうのもなんなのだけれど、俺、アメリカ映画を喜んで観ていていいのかな、と少し疑ってしまうような作品だった。

というのも、この映画が、あまりにもアングロ・サクソン的な精神の称揚(しょうよう
>>続きを読む

アバウト・シュミット(2002年製作の映画)

-

先日『サイドウェイ』を観て大感激して、『ネブラスカ』の静かな感動とつながり、アレクサンダー・ペイン監督をはじめて意識した。

文章を書くときは、ちょっとしたトランス状態になっているので、自分が何を書い
>>続きを読む

マグノリアの花たち/スティール・マグノリア(1989年製作の映画)

-

妻にたずねた、彼女のオールタイム・ベストからの一本。パッケージから女子映画かと思ったものの、さにあらず。面白かった。

ブロードウェイの戯曲が原作となっている作品らしく、話の展開や、人物の掘り下げ方(
>>続きを読む

マイ・マザー(2009年製作の映画)

-

『たかが世界の終わり』の映画的文体を味わいたくなって、XD(グザヴィエ・ドラン)の処女作を観た。

少年は象徴的に父殺しをおこなうものだけれど、母殺しはおこなわない。オイディプス神話は実に巧みにできて
>>続きを読む

サイドウェイ(2004年製作の映画)

4.0

BSで録画してなかったら、まず観なかったであろう作品。めちゃめちゃ良かった。

映画的なうんぬんというより、脚本がもう大人の味わいに満ちている。最近は、評点を入れなくなっていたのだけれど、例外的に入れ
>>続きを読む

サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS(2000年製作の映画)

-

映画のミックスジュース現象を続けて。

『ハート・オブ・ウーマン』が、女の心の声が聞こえてしまう男の話だったなら、こちらは自分の心の声を、他人に聞かれてしまう男の話。

とはいえ、安藤政信くんの心は、
>>続きを読む

ハート・オブ・ウーマン(2000年製作の映画)

-

最近、映画の記憶が溶け合って、ミックスジュースのような味わいになっている。

息子が幼稚園に通っていたころ、一緒にテレビで「ぼくのミックスジュース」という歌を聴いて大感動した。色んな思いがあるけれど、
>>続きを読む

Lie Lie Lie(1997年製作の映画)

-

学生時代のギリギリ最後のころにこの映画を観て、妙にリアリティを感じたのは、未来の(今の)自分が描かれていたからだと、はっと気がついた。

思えば、10代から20代はじめにかけて心ひかれたものは、ほぼ未
>>続きを読む

もののけ姫(1997年製作の映画)

-

ロマンティシズムが食い殺されることで生きていく道は、そのロマンを食い殺した相手と、共に生きていこうとする新しいロマンだと、青春時代の終わり近くに思った。

前のレビューでそう書いてみたら、『もののけ姫
>>続きを読む

恋愛寫眞 Collage of Our Life(2003年製作の映画)

-

男のロマンティシズムが、どのように成り立っているのかがよく分かる映画で、初見時、ちいさく赤面しながら観た覚えがある。『腑抜けども』が"女スプラッター"なら、こちらは"男イリュージョン"。

常々、表現
>>続きを読む

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ(2007年製作の映画)

-

『桐島』の吉田大八つながり、と言ってはちょっとアレなんだけれど、この”女スプラッター映画”についても、少し書いておこうと思った。

吉田大八氏の監督としての魅力がどこにあるのかは、私は知らない。けれど
>>続きを読む

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

-

『Pay It Forward』の思い出しレビューをしたら、連鎖的にこの映画が、心にぽっかり浮かんだ。

オスメントくん → シックス・センス → 幽霊 → ゾンビ → 生が死を追いこす → 価値の転
>>続きを読む

ペイ・フォワード 可能の王国(2000年製作の映画)

-

毎日、妻と顔をあわせれば、しゃべっている。かつてNHKの連ドラ『芋たこなんきん』で、藤山直美と國村隼が、ほぼ毎回おしゃべりしてたけれど、私たち夫婦のことかと思って観ていた。

だから『ビフォアシリーズ
>>続きを読む

舟を編む(2013年製作の映画)

-

数年前に観た記憶で、自分のために何かを書きたくなった。細やかなシーンは覚えていないけれど、辞書(つまりは言葉)がモチーフのこの映画ならば、きっと許してもらえると思って。

This movie is
>>続きを読む

眺めのいい部屋(1986年製作の映画)

-

ハリー・ポッターのあの怖い怖い魔女さんが、もうなんというか、ぷにっとふわっとしていて可愛いかった。若さってすごいですね。

私自身の青春を振り返って、なぜシンドかったのかを考えた時、光輝く同年代の女性
>>続きを読む

愛に関する短いフィルム(1988年製作の映画)

-

『殺人に関する短いフィルム』と同様に、こちらも『デカローグ』のなかの『第6話 ある愛に関する物語』をロングバージョンにしたもの。

キェシロフスキの核心をつかむならば、まずは『デカローグ』から観た方が
>>続きを読む

殺人に関する短いフィルム(1987年製作の映画)

-

あるひとの名前を声に出してみる。

好きな人、憧れの人、怖い人、憎い人、不思議な人、少しだけ触れ合った人、遠い人、近い人、親、兄弟姉妹、親戚、祖父母、先輩、後輩、上司、部下、もう関わり合いたくない人、
>>続きを読む

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

-

私のなかでのゴダール受容は、端的にリミックスの官能に尽きる。創始者の作品そのものに反応できなかったとしても、優れた後継者が『パルプ・フィクション』や『ベイビー・ドライバー』を作ってくれている。それで十>>続きを読む

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)

-

ウディ・アレンを意識的に観たのはこれで二作目。一作目は『ミッドナイト・イン・パリ』。

幻冬舎の見城徹氏が、作家としての必要条件に「今まで見たことのない原色を見せてくれること」と、かつて言っていたのが
>>続きを読む

マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

-

失恋男のグダグダをさせたら、右に出る者がいないジョン・キューザック。そこにいるだけでラブコメのハートがとんでいるキャメロン・ディアス。

パッケージのおっさん仮面集団が怖くって、長いこと手が出なかった
>>続きを読む

(500)日のサマー(2009年製作の映画)

-

あぁ良く出来てるなぁと、クスクス笑いながら観た。主演のふたりとも、可愛かった。

監督のマーク・ウェブさん、調べたら同い年だった。国は違っても、演出上のファッションや音楽やなんかは違っても、同じ時期に
>>続きを読む

007 スカイフォール(2012年製作の映画)

-

『世界一キライなあなたに(Me Before You)』のなかで、ふたりがDVDを観て、はじめて仲良くなるシーンがある。

フランス映画の『神々と男たち』(私は知らない)。観終わったあと「その歳になる
>>続きを読む

グッドフェローズ(1990年製作の映画)

-

レイ・リオッタ演じるヘンリー・ヒルが、彼女を伴って、行列で賑わうレストランの裏口から、長回しワンショットで中へ入るシーンがある。

すれ違う従業員に多額のチップを渡しながら、特別席につき、ふたりで酒と
>>続きを読む

世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)

-

原題『Me Before You(君と出会う前の僕。あなたと出会う前の私)』

くるくると生き物のように眉毛が動く、素敵な女優さんだった。まったく似ていないのに(当たり前ですが)、妻の表情やいろんな癖
>>続きを読む

キングスマン(2015年製作の映画)

-

久しぶりに、最低で想像力のかけらもない、クソな映画を観てしまった。コリン・ファース氏に敬意を表してこの程度にしておくが、全世界を敵にまわしてでも、私はこのような映画を否定する。胸糞が悪い。アホか。>>続きを読む

ストーカー(1979年製作の映画)

-

いきなりであれですが、私のIDを”しろくま”としているのは、妻にそう呼ばれているからだ。黒いパジャマと白いパジャマをわざわざ揃え、”クロクマ”と呼んだり”シロクマ”と呼んだりして、彼女は喜んでいる。手>>続きを読む

惑星ソラリス(1972年製作の映画)

-

2つ前のレビューで、ピアノ映画に対する不満を縷々(るる)述べているうちに、タルコフスキーが観たくなった。過去にふれた3作品ほどを通して、映画というよりも音楽を感じていたからだ。

学生時代に観た『鏡』
>>続きを読む

>|