しろくま74さんの映画レビュー・感想・評価

しろくま74

しろくま74

ディカプリオと同い年のしろくまです。
レコードが好きです。

レビューには、人それぞれの病理が浮き彫りになっていて、自分のものには苦笑するやら、ひとのは興味深いやらです。

裁いてるつもりで、実は裁かれている。けれど、裁いたつもりの作品に、いつしか赦されているとするなら、映画ってすごいですよね。

映画(513)
ドラマ(0)

舟を編む(2013年製作の映画)

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数年前に観た記憶で、自分のために何かを書きたくなった。細やかなシーンは覚えていないけれど、辞書(つまりは言葉)がモチーフのこの映画ならば、きっと許してもらえると思って。

This movie is
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眺めのいい部屋(1986年製作の映画)

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ハリー・ポッターのあの怖い怖い魔女さんが、もうなんというか、ぷにっとふわっとしていて可愛いかった。若さってすごいですね。

私自身の青春を振り返って、なぜシンドかったのかを考えた時、光輝く同年代の女性
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愛に関する短いフィルム(1988年製作の映画)

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『殺人に関する短いフィルム』と同様に、こちらも『デカローグ』のなかの『第6話 ある愛に関する物語』をロングバージョンにしたもの。

キェシロフスキの核心をつかむならば、まずは『デカローグ』から観た方が
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殺人に関する短いフィルム(1987年製作の映画)

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あるひとの名前を声に出してみる。

好きな人、憧れの人、怖い人、憎い人、不思議な人、少しだけ触れ合った人、遠い人、近い人、親、兄弟姉妹、親戚、祖父母、先輩、後輩、上司、部下、もう関わり合いたくない人、
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気狂いピエロ(1965年製作の映画)

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私のなかでのゴダール受容は、端的にリミックスの官能に尽きる。創始者の作品そのものに反応できなかったとしても、優れた後継者が『パルプ・フィクション』や『ベイビー・ドライバー』を作ってくれている。それで十>>続きを読む

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)

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ウディ・アレンを意識的に観たのはこれで二作目。一作目は『ミッドナイト・イン・パリ』。

幻冬舎の見城徹氏が、作家としての必要条件に「今まで見たことのない原色を見せてくれること」と、かつて言っていたのが
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マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

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失恋男のグダグダをさせたら、右に出る者がいないジョン・キューザック。そこにいるだけでラブコメのハートがとんでいるキャメロン・ディアス。

パッケージのおっさん仮面集団が怖くって、長いこと手が出なかった
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(500)日のサマー(2009年製作の映画)

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あぁ良く出来てるなぁと、クスクス笑いながら観た。主演のふたりとも、可愛かった。

監督のマーク・ウェブさん、調べたら同い年だった。国は違っても、演出上のファッションや音楽やなんかは違っても、同じ時期に
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007 スカイフォール(2012年製作の映画)

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『世界一キライなあなたに(Me Before You)』のなかで、ふたりがDVDを観て、はじめて仲良くなるシーンがある。

フランス映画の『神々と男たち』(私は知らない)。観終わったあと「その歳になる
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グッドフェローズ(1990年製作の映画)

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レイ・リオッタ演じるヘンリー・ヒルが、彼女を伴って、行列で賑わうレストランの裏口から、長回しワンショットで中へ入るシーンがある。

すれ違う従業員に多額のチップを渡しながら、特別席につき、ふたりで酒と
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世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)

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原題『Me Before You(君と出会う前の僕。あなたと出会う前の私)』

くるくると生き物のように眉毛が動く、素敵な女優さんだった。まったく似ていないのに(当たり前ですが)、妻の表情やいろんな癖
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キングスマン(2015年製作の映画)

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久しぶりに、最低で想像力のかけらもない、クソな映画を観てしまった。コリン・ファース氏に敬意を表してこの程度にしておくが、全世界を敵にまわしてでも、私はこのような映画を否定する。胸糞が悪い。アホか。>>続きを読む

ストーカー(1979年製作の映画)

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いきなりであれですが、私のIDを”しろくま”としているのは、妻にそう呼ばれているからだ。黒いパジャマと白いパジャマをわざわざ揃え、”クロクマ”と呼んだり”シロクマ”と呼んだりして、彼女は喜んでいる。手>>続きを読む

惑星ソラリス(1972年製作の映画)

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2つ前のレビューで、ピアノ映画に対する不満を縷々(るる)述べているうちに、タルコフスキーが観たくなった。過去にふれた3作品ほどを通して、映画というよりも音楽を感じていたからだ。

学生時代に観た『鏡』
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アビエイター(2004年製作の映画)

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ディカプリオについては、40歳を過ぎて好きになった。同い年ということもあり、自分の歳の取り方が彼を通して確認できるためだ。あんなにキレイな人がそれでもこんな感じなんだから、まぁオレもしょうがないよな…>>続きを読む

シーモアさんと、大人のための人生入門(2014年製作の映画)

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いつしかピアノの音に魅せられ、聴くのも演奏するのも大好きなので、映画のテーマがピアノだったりすると、すわ、これは観ねばとなってしまう。

ある日湖に行くと、美人な女神が現れて尋ねたとする。「あなたが落
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50回目のファースト・キス(2004年製作の映画)

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映画が笑ってほしい箇所で、ちゃんとぐふふと笑う妻と一緒に観た。

だから気に入ったのかと思えば、観終わったあとで「映画って同じような時間なのに、描く密度がこんなにも違うのね…」とか、わりと辛辣なことを
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12モンキーズ(1995年製作の映画)

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トニー・スコット監督の『デジャヴ』よりも、こちらが正しくデジャヴな映画だった。科学者集団が『未来世紀ブラジル』を思わせるところがあり、ん?と思ったら監督が同じだったんですね。

私なりのSF作品の定義
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サヨナラの代わりに(2014年製作の映画)

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大真面目なギャグ映画を立て続けに2本観た。これはもう、そういうジャンルで良いと思う。

でもヒラリー・スワンクは、ほんとうに凄い女優さんだと思う。いつも彼女を観ると、はじめは女装したマット・デイモンに
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デジャヴ(2006年製作の映画)

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この映画そのものが既視感のみで構成されているという、SFサスペンスアクションラブコメディ映画だった。ラブコメは違うか。まぁいいや。

大真面目なギャグ映画って、避けられないジャンル(?)なのかもしれな
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セールスマン(2016年製作の映画)

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ファルハディ作品に触れたのは『ある過去の行方』がはじまりで、絵画でいう筆致や、小説でいう文体のようなものに好印象を持っていた。

それを妻が覚えていてくれて、ツタヤ準新作100円の日に、「この監督好き
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別離(2011年製作の映画)

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巧妙なレールに乗せられてある種の感動をえたとき、そのレールの巧妙さを注目することに、私はどうしてもためらいを感じてしまう。

巧妙であることは、それ自身が確かにひとつの技能(art)であり、表現とは、
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T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

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『トレインスポッティング』と続けて観た。感じる人の感じ方も、そのありようもよく分かるいっぽうで、核心に反応できない私は、語るべき言葉を持たない。

もちろん映画としては大変面白く、前作とはまた違ったペ
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トレインスポッティング(1996年製作の映画)

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ある種のフェティシズムをもたずには、やはり官能はもたらされない。そのことをあらためて実感した映画だった。

1996年公開といえば、私もまだ22歳(新進気鋭の群像新人賞作家のような顔をしていた。という
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20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

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インテリジェンスと苦労のなかに独特なキャラを立ち上げている母親、夢に破れかけている年上の素敵なお姉さん、憧れと不安をいつでも突きつけてくる幼馴染の少女。

とても既視感の強い3人の女性たち。ほとんど私
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

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これまで妻と2人で観た映画は、その内容よりも隣にいた彼女の気配とともにある。

結婚18年。記憶されているそれらの作品は、好評・不評に関わらず、1本ずつが、記憶の森に植樹した木々のように立ち、わたした
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ダンケルク(2017年製作の映画)

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おかしな言い方だけれど、自分が"物理的に"年をとったんだなと痛感した。

戦争とは、なんといっても若者たちの命を大量に奪うことであると理解しているものの、ノーランの描く群像は、圧倒的に青年、青年、青年
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

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何の留保もなく、あの名作の続きが楽しめた。

細かく拾っていけば、いくらでもレビューしたくなる。けれど、"映像"がすべてを雄弁に、過不足なく物語ってくれたこの続編。野暮のような気がするので自粛。

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ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

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何ひとつシュッとできないキアヌが、愛しくてたまらない。まったく死神になりきれてない。

脚本がカッコつけようとするほどに、Mr.Wickがドンくさくなる。

けれどそこが、期せずして役柄の哀愁とシンク
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エル ELLE(2016年製作の映画)

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西川美和・再鑑賞の旅を終えたばかりで、少しばかり変な覚醒をしているせいかもしれない。男が描くことのできる"女のすべて"の、これが精一杯なんだろうなと思った。

イザベル・ユペール演じるミシェルは、妙齢
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

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ファミレスとコインランドリーのシーンで不覚にも涙した。あの頃、確かに私もこの世界にいた。

好きなコは素敵な歌詞で、音楽は恋や世界のありようそのもので、あてもなく”20号線”をドライブすることが、思い
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マネー・ショート 華麗なる大逆転(2016年製作の映画)

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DVDのパッケージを見て、『オーシャンズ』みたいなやつと思って借りた妻が、途中で挫折したので引き継いで観た。

勘違いした妻エライ。面白かった。

地方都市で細々とグラフィック・デザインの仕事をしてい
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パパが遺した物語(2015年製作の映画)

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ラッセル・クロウの実像は知らないけれど、俳優としての彼を見ていると、世界には、クマ族という種類の男たちがいることを実感する。

なんとなく会員制になっているようで、その証拠に、クマ族同士はアイコンタク
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永い言い訳(2016年製作の映画)

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西川美和を求めて。その5。

少なからず肩透かしを感じたのが2年前の初見時。いま、再び5作品を連続して観てもその感想はまったく変わらず、ちょっと動揺している。

"描ききった"という宣伝文句があるけれ
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夢売るふたり(2012年製作の映画)

4.5

西川美和を求めて。その4。

この映画を観て、はじめて女性たちの魂に触れたような気がした。言葉よりも高い精度で、音楽よりも官能的に、絵画よりも見通しよく。皮膚感覚ですべてを感じた。

それはもう、何に
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ディア・ドクター(2009年製作の映画)

4.5

西川美和を求めて。その3。

むしろまだ若いとされるだろうこの監督に対し、全盛期という言葉を使うのは間違っているとは思う。けれど、この作品に関しては、その言葉を使わずにはいられないくらい、圧倒的だった
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