観る前はエンタメ映画として面白ければ良いなと思って軽い気持ちで観たのだが、そんな舐めた態度をぶち壊すレベルで良く出来た映画だった。まず素晴らしいのは役者陣。僕は前々から田中圭という俳優がとても嫌いだっ>>続きを読む
1人のオタクとしては楽しんだが、1人の観客としては「レトロ」というべきか「古臭い」というべきか。判断に困る映画だった。僕とガンダムの関係性というのは父親に幼少期から刷り込まれたもの。という位置付けにな>>続きを読む
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「湯浅政明監督作品を観た…!」という充足感は他の何にも変え難いものであると改めて再確認した。「マインドゲーム」「四畳半神話体系」「夜は短し歩けよ乙女」「ピンポン」「夜明け告げるルーのうた」「Devil>>続きを読む
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今年観た日本映画では今のところ1番好きな映画。観る前は「ヒメアノ〜ル」や「愛しのアイリーン」などを彷彿とさせる日本映画にありがちな田舎を舞台にした胃が痛む様な不条理劇かと思っていたのに、中盤からはにわ>>続きを読む
忖度抜きに面白かった。観る前からは想像もつかない領域へと観客を引き摺り込むこの映画の魅力に完全にやられてしまった。あらすじに書いてある内容を始まって10分くらいで全て語り終えた時には「え? あとは何の>>続きを読む
僕がこの「五等分の花嫁」という作品を好きな理由は「花澤香菜や竹達彩奈や伊藤美来が自分の本名に非常に近い名前を呼んでくれるから」という非常に気持ち悪い理由である事を最初に告白した上で、この映画の話をしよ>>続きを読む
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通常上映1回 IMAX上映1回を観た結果、良いと思った所をかき消すくらい悪い部分が目について総合的にはそんなに好きくない映画になってしまった。まず良かったところから話すと、冒頭10秒近くで怒涛のテンポ>>続きを読む
白石和彌監督作の中でもかなり上位で好きな作品となった。僕はこういう厭で厭で堪らない残酷な映画が大好物なのだと改めて感じさせられた。白石和彌監督作で死刑囚との面会によって事件にどんどん取り憑かれていく話>>続きを読む
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MCUの最新作というよりは、完全に「大天才サムライミの監督最新作」として素晴らしかった。何故ならば、基本的なプロットが言わずと知れた大傑作「死霊のはらわた」と殆ど同じものだからだ。呪われた書物に取り憑>>続きを読む
非常に面白くなかった。散漫で空虚な作品と言わざるを得ない。作画は確かに整っていて品質は良い。だが、とにかくお話の面に於いて全く魅力がない。脚本は今や大御所脚本家になった虚淵玄であるが、この作品にも彼の>>続きを読む
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「怖い」映画だった。という事は言える。殆ど心霊映画に近い。主人公の岸井ゆきのは常に所在なさげな目をしていて、自分の意志を表に出さない。些かこの世に"順応しすぎている"ようにも見える自然な佇まい。そんな>>続きを読む
暫定今年ベスト。レオスカラックスが自らのフィルモグラフィの全てを破壊し、全てを繋げた究極のマスターピース。まず言及しなければならないのは、冒頭部の素晴らしさについて。レオスカラックス本人が登場し、こう>>続きを読む
自身の身に不幸が降り続けていたレオスカラックスがそれを映画の力で祓うが如く作り出した見事な映像芸術。
この映画が凄いのは、本当に誇張なく、世の中に存在する全ての映画のジャンルが115分の中に凝>>続きを読む
アレックス三部作の最終作。これぞ究極のセカイ系映画と言えるかもしれない。ただし、日本で無闇矢鱈に量産されてきた凡百のセカイ系の作品とは違い、この映画で描かれるポンヌフ橋の上での愛の縺れは、非常にエゴイ>>続きを読む
レオスカラックスの処女作にして、「アレックス三部作」の1作目。非常に奇妙な映画である。何故ならば、映画というナラティブに本来は存在する「関係性の発展への希望」がこの映画には存在しないからだ。この映画の>>続きを読む
明日はアカデミー賞の発表なので、去年観てたのにレビューし忘れていた作品賞最有力のこの作品を。長い時間をかけて熟成され、膿と化した「男らしさ」a.k.a.「犬の力」を祓うまでの物語…と一言で言ってしまえ>>続きを読む
僕の好みドストレートの暗黒映画。物語に関しては開始20分弱でオチが読めるので気乗りし切れるものでもないが、とにかくルックの面に関してはケチのつけようがない。猥雑で背徳に満ちた前半の見せ物小屋も、華やか>>続きを読む
「ハリウッドの破壊大帝」「観るラーメン二郎」でお馴染みマイケルベイの最新作。枯れる事を知らぬ彼の映画への飽くなきパッションが迸る快作だった。今回の「LA壊し祭り」も、やはり狂っている。単純な銀行強盗の>>続きを読む
ピクサーやっぱり巧え!と感心する爽やかで瑞々しい傑作。思春期の少女が身体的、精神的な変容を迎え、一歩成長を遂げるというプロットそのものは王道だが、体がレッサーパンダへと変化するという絵面1発がとにかく>>続きを読む
終盤の展開のヌルさなど、1本の映画としては詰めの甘い部分も目立つが、「バットマン映画」として考えれば、好きな要素が多い映画だった。バットマン史に残る古典的エピソード「Long Halloween」を意>>続きを読む
Fan's voice独占最速試写会にて。貶す所が一つたりとも見つからない堂々たる大傑作。監督自身の自伝的内容であるという事、モノクロ撮影という事から、アルフォンゾキュアロンの「ROMA」リーアイザッ>>続きを読む
心の底から「嫌い」な映画です。これを作った奴は切腹で良いと思う。元々藤井道人作品は大嫌いだったが、今回も本当に辛かった。とにかくこの映画にはメリハリが無い。楽しい場面でも悲しい場面でも常にピアノが鳴り>>続きを読む
満点の映画ではないが、観たい物をしっかり観せてくれたので満足。ブランドンクローネンバーグが親父譲りの作家性を全開にして放つのは、他人の頭の中に潜り込んで殺人を行う殺し屋が、次第に自我を保てなくなる物語>>続きを読む
Fan'svoiceオンライン試写にて。今年観た映画の中では今のところ1番頭のネジが吹っ飛んだ最高にイカレた映画だった。前作「RAW」でもデヴィッドクローネンバーグ的な精神と肉体の変容を大胆かつセンス>>続きを読む
「食べちゃいたいほど愛してる」という比喩表現があるが、この映画はまさにそれそのものを映像化した様な寓話であり、少女のモラトリアムからの卒業を描いた青春映画でもある。断じてこの映画はホラー映画ではない。>>続きを読む
「さくら荘のペットな彼女」「ノーゲームノーライフ」「ハナヤマタ」そして俺の生涯ベストアニメのひとつ「宇宙よりも遠い場所」を手がけてきたいしづかあつこ監督の最新オリジナル劇場用長編アニメという事で、勇み>>続きを読む
オリジナルは未見。兎にも角にもヤヌスカミンスキーによる変態的な撮影が凄すぎて語彙力を失ってしまう映画である。ドラマパートの何気ない画や完璧に統御されたミュージカルパートの数々を捉える撮影は「映画に酔っ>>続きを読む
Fan'svoiceオンライン試写にて。非常にヘンな映画だった。良い意味で既存の日本映画とは違った雰囲気を纏った怪作にして怪作。プロットとしては「ミッドナイトインパリ」と非常に良く似ている。もっと言っ>>続きを読む
これは、「新世紀エヴァンゲリオン」でもあり「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」でもある、究極のセカイ系映画である。前半は説明も何もないまま抽象的な描写が延々と続くのでかなりキツかったが、監督>>続きを読む
Fan's voice試写にて。今の所暫定今年ベスト。また一つ人生で大切にしたい愛おしい作品に出会ってしまった。1組の男女が出会ってから別れるまでの6年間を、現在から過去へと思い出していく。という構成>>続きを読む
文句をつける所が一つたりとも見つからない、ウェルメイドを地で行く超絶大傑作。タイトルの「CODA(コーダ)」とは、「Children of Deaf Adults= “⽿の聴こえない両親に育てられた⼦>>続きを読む
予告を観た時点で「これは…マズいのでは…」と思っていたが、その予感を丁寧になぞってくれる映画だった。この映画を要約すれば「シャバいファイトクラブ」の一言に尽きるのであるが、ファイトクラブをオールタイム>>続きを読む
老いてなお勢いの止まらないリドリースコット。今回描くのは、世界的ファッションブランド、グッチの創業者一族に起きた血生臭いにも程がある暗殺事件。この時点で面白くない訳がないのであるが、やはり期待を裏切ら>>続きを読む
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観る前からファンダムの予想合戦のお陰で冷めた態度を取ってしまっていたが、いざ映画が始まってみれば、深い感動に包まれていた。それは勿論、数多の数用意されたサプライズのせいでもあるが、何よりも物語に打ちの>>続きを読む
2021年の映画収めに相応しい傑作だった。ジョエルコーエンが初めて単独で監督脚本を務めたこの作品。驚いたのは、まさに彼がこれまで撮ってきた「無計画な計画殺人」映画の系譜にきちんと連なっているという事だ>>続きを読む
僕はこの映画のことを、コメディ映画として観る事は出来なかった。観てる間、確かに笑ってはいるのだが、それはこの映画で描かれる「現実社会」があまりに悍ましく救いようのない絶望に満ちている事に対する体の抵抗>>続きを読む