杜口さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

杜口

杜口

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ドッグヴィル(2003年製作の映画)

4.2

とにかく暗い。
最初は文芸映画かな?とか軽い気持ちで見ていたら陰鬱すぎ。同じ日にポールマッカートニー のライブだったんですけど、同じ日に見たことを後悔する程。
舞台みたいなセットだし、なんか必要なのか
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ウォッチメン(2009年製作の映画)

4.6

ザックスナイダー監督の良さが詰まってる。

ここ数年、ジャスティスリーグにバットマンvsスーパーマンとザックスナイダー監督作は駄目駄目だったので、評価だだ下がりだったが、久しぶりに今作見返したら、この
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トータル・リコール(1990年製作の映画)

3.7

バーホーベンらしいグロさを所々に配置していて、(この味わいのあるSFXが凄い!)基本は単純な逃走劇として見せていて、楽しいエンタメ作品って感じになってる。

最初の方に出てくる色々とめんどくさい俺誰?
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水の話(1958年製作の映画)

4.0

短いけど結構見応える。

映像自体は空撮以外トリュフォーが撮ったものだが、ナレーションと音楽付け加えて、ゴダールが編集してしまえば、ゴダールそのもの。
ジャズのかかった空撮のシーンに突如切り替わる演出
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バイオハザード(2002年製作の映画)

3.3

ゲームが元だけど、基本的には普通のハリウッド映画って感じ。ただ、人の死がキューブとかファイナルディスティネーション、ソウみたいな2000年代(キューブは1997年だけど)に流行する冷めた見せ方になって>>続きを読む

ザ・キープ(1983年製作の映画)

3.1

この映画は怪物が出てくる気配すら見せない序盤が全て。

マイケルマンの演出の能力が遺憾なく発揮されるのはそこまでで、後はストーリー的にも演出的にもだらだら。
最後の怪物がどこから来たと聞かれ、お前の中
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スクリーマーズ(1996年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

これまでのSFやホラー映画のパターンを凝縮した良作。

物語は砂中を蠢く物体が、人を無残に殺してしまうシーンで始まる。そんで、その物体の正体がわからず怖いみたいなトレマーズ的な話で進むのかと思ったら、
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遊星よりの物体X(1951年製作の映画)

4.1

まあ比べるのもおかしいけど、カーペンター版に比べりゃそりゃ怖くはない。

でも、映像よき。淡々と撮ってるんだけども、ちゃんと映画してる。
喋りの時間も、ポーカーしながらとか、電報の記載されたメモめくり
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ボーダーライン(2015年製作の映画)

4.2

今回は今作に対する素晴らしい文があったので、もう特に言うことはないなあ。
https://yosntoiu.exblog.jp/25542949/

ドゥニヴィルヌーヴは現代の映画監督の中でも、かなり
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.7

家で見たときはふ〜んって感じだったけど、今回IMAXで視聴したら、印象が思いっきり変わってしまった。

真っ暗な闇、闇。宇宙に画面と壁の境目は消え失せ、闇が開く。
蓮實は、闇が闇として露呈していたのは
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アモーレス・ペロス(1999年製作の映画)

3.7

いやぁメキシコには住みたくないねえ。
反観光映画としては一流かな笑

メキシコの環境の悪さがひたすら目に焼き付く。バベルもそうだけど、普通あまり映画で見せないものを見せるよねこの監督。もちろん、それが
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未知との遭遇 特別編(1980年製作の映画)

4.5

スピルバーグはやっぱいいなあ。

未知の世界とこちらの世界とを繋ぐ扉。そこから射す光。宇宙船が接近すれば、車や郵便受けやらあらゆるものは揺れ出し、おもちゃは動き出す。
主人公は謎のぶつを執拗に作り続け
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エイリアン2(1986年製作の映画)

4.4

今作は一作目のホラーテイストと打って変わって、アクション映画。

映画的にはそんな面白いショットはないけど、ハラハラドキドキして見飽きない。
でも、意外にアクションはラストに集中していて、多くはない。
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複製された男(2013年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

この映画はとりあえず、クソ邦題は忘れて鑑賞することをお勧めします。

邦題は明らかに映画に出てくる象徴を見誤らせる先入観を、与えるためにつけたとしか思えない。
それを除けば、この作品は素晴らしい。
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メイド・イン・USA(1967年製作の映画)

4.0

題名通り、アメリカの消費社会を描き出す作品。

しかし、よくあるモンタージュ使って、消費社会批判をしているわけでもない。
ゴダールもモンタージュ使ってファシズムへの批判したりとかはあるけど、今作は違う
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リズと青い鳥(2018年製作の映画)

4.5

アニメ的な誇張表現を極力抑えたどこまでも映画的演出に溢れた作品。

徹底して人物は言葉で考えをぶちまけたりせず、演出でみせていく。
歩く時、つい壁をさすったり、壁に寄っかかって、手持ち無沙汰に足を動か
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ピクニック(1936年製作の映画)

4.6

眩い光に包まれ、屈託ない笑顔を振りまくバタイユ。その笑顔に雨が降り、日とともに儚く消えゆく様が美しい。

画面は光に溢れ、散らばる木陰は、風にざわめく木々に連れられ、動く。
そのために、常に画面は震え
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28日後...(2002年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

あぁいい映画だったなあといった感じ。

病院で目を覚まし、人気の無い街を不安の中彷徨い歩く始まりのシーン。ウォーキングデッドでも同じことやってるけど、そっちは原作が2003年。28日後...が2002
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コードギアス 反逆のルルーシュIII 皇道(おうどう)(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

展開が凄まじくてクラクラする。

正直シャルル・ジ・ブリタニアの計画は、2001年から始まり、エヴァやらゼノギアスやらで何度も使われているような話やから、ああいつものねって感じやった。
が、普通はそれ
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コードギアス 反逆のルルーシュII 叛道(はんどう)(2017年製作の映画)

3.7

映画が映画として成立するその境界線ギリギリに立つ。

昨今ショットの数は映画もアニメも増えているけど、今作はそんなのは比較にならない。元のテレビアニメ24話分を映画一本にまとめるという暴挙に出てるので
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コードギアス 反逆のルルーシュⅠ 興道(こうどう)(2017年製作の映画)

3.9

キャラクターの魅力を保ちつつ、物語のダイナミズムも失われてない稀有な作品。

普通、ダイナミックな展開がある物語を作ろうとすると、登場人物がただの駒のようになってしまう。つまり、登場人物一人ひとりが感
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猟奇的な彼女(2001年製作の映画)

3.9

ペラいストーリーと不必要な所はバッサリカットする演出で、個人的にはエドガーライトを思い出した。

全体的にコメディタッチなのもエドガーライトっぽい。リアリティを要求する人には向かないかも。
あと、「泣
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.0

非常に点数がつけづらい。

前々から蓮實が指摘する通り、クリストファー・ノーランは映画としては決定的なショットとかアクションが撮れないなど色々と問題が多い。
しかし、脚本は驚くほど綿密に出来上がってい
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コンタクト(1997年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

これは凄い。

非常にリアリティをもって宇宙人との接触に対しての社会の混乱が描かれる。それに対して個人である主人公が研究に熱意をかける理由。それが秘められた人生、そして宗教家である彼と出会い変わりゆく
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2010年(1984年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

前作の2001年宇宙の旅と比べると演出、撮影の平凡さにがっくりした人もいるだろう。
でも、原作である2010年宇宙の旅がそもそもハルとの悲しき別れとか、ボーマン船長と妻のほしのこえ並みの悲しき恋模様、
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トワイライトQ(1987年製作の映画)

4.0

トワイライト・ゾーンのオマージュである題からもわかるように不思議な話を一話完結でみせていくシリーズの予定だったのだろう。が、2話のみで打ち切りになってしまった。
そんな本作だが、押井守が監督、脚本の迷
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ノック・ノック(2015年製作の映画)

2.5

ファニー・ゲームの劣化版という評が目立つが、そっちは未視聴だからわからん。あと不快だからと酷評しているのもあったが、それも映画の力であり、酷評する理由にはならない。が、それを差し引いてもこれは駄作か駄>>続きを読む

マザー!(2017年製作の映画)

4.2

日本で公開中止となった本作。グロいってのもあるんだろうが、欧米で批判が殺到したのは、むしろ逆説的にサタニズムを扱っているからなんじゃないかなあ。

話は夫婦の家を舞台に、不気味な客が訪れ...
夫は神
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ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)

3.2

今回はこれまでのDCの映画と打って変わって完全なエンターテイメント作品となった。
が、途中で監督が変わって2時間にまとめたせいか知らんが、終末感の無さといったらもう凄くて、ラストの盛り上がりもなく、最
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湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

3.0

この映画が好きな人が多いことは納得できる。
たしかに1人の女性が周りを変えていく様は、見ていて面白いし、感動シーンもたくさんある。
が、登校を拒む子を無理矢理登校させる親は現代においては如何なものか。
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.8

皆、孤独であり、生きる意味を探す。
その中には、マリエットのように集団に属し大義を得る者もいれば、ラブのようにウォレスの使い、または天使として使命を執行することに意味を見出す者もいる。
または、デッカ
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

4.8

後にも先にもここまで緻密に練り込まれた魅力的な世界観を描き出した映画はない。
よく言われる弟トニーと比べて、兄であるリドリーのほうには映画的運動がないって話だが、わたしはそうは思わない。
むしろ、タル
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ゴッド・ディーバ(2004年製作の映画)

3.7

ゴッド・ディーバはブレードランナーと同じくこの世界観が好きか嫌いかによって、面白さが大きく左右される。
が、それを抜きにしてもメタファーがCGと実写の対比という映像的面にまで表れる緻密な構成は素晴らし
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

4.4

スターウォーズ史上最も無駄なく完成度の高いストーリー。
その分、いつものハッタリ的な部分は削がれ、リアリティのある渋い作品となった。そういう意味では、スターウォーズ8と対照的である。

ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999年製作の映画)

3.3

個人的には怖さを感じなかったのに加え、関連作品も未チェックなため、なかなか評価が難しい。
映画としては、カットが多くてショットの有機的なつながりがちょっと感じられなかったのは良くない。
が、序盤のイン
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サンタクロース(1985年製作の映画)

3.2

幻想的サンタクロースの世界に資本主義の闇が迫る。
ハートフルでちょっぴり毒のある現実と虚構のバランスがとれた作品。