sowhatさんの映画レビュー・感想・評価

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

2.0

【天才物理学者も女と国家には振り回される】

天才物理学者オッペンハイマー博士の伝記映画です。ケンブリッジ大学への留学以降の半生を描いています。

映画の冒頭、留学先で実験の失敗を叱責された彼は指導教
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

【面白かった転落物語(part1)と長くて退屈な成功物語(part2)】

父を失い、家を失い、仲間を失い、残ったのは母と指輪だけ。1作目はすべてを持っているポールがすべてを失う物語で、緊張感が持続し
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

【ボーは解釈されたがっている】

アメリカの男の子は15歳になったら「Sex & Drug & Rock'n'Roll!」と叫びながら車やバイクをかっ飛ばし大人になるそうですが、ボーはいずれにも手を出
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

【愚かで醜い人間たちを賢い犬たちが懲らしめる悲しい寓話】

心なき人たち。
父、妻と次男と犬に暴力を振るう愚か者。
兄、卑怯者でDV親父の共犯のくせに神の名をかたる愚か者。
役人、赤字を盾に犬保護施設
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ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ レゲエ・サンスプラッシュ デジタルリマスター(1980年製作の映画)

2.0

【撮影も録音も編集も雑すぎ!】

1979年7月3−7日、ジャマイカのJarrett Park, Montego Bayで開催された第2回Reggae Sunsplashのライブドキュメンタリー。
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ザ・ファーム/法律事務所(1993年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

【主役はジーン・ハックマン】

ハーバードのロースクールを優秀な成績で卒業した苦学生ミッチ(トム・クルーズ30)は引く手あまた。そんな彼は高額報酬、家と高級車などの好条件につられ、ニューヨークを離れメ
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恋をしましょう(1960年製作の映画)

3.0

【惜しげもなく与える菩薩様は鳥籠に収まらない】

マリリン・モンローが残した映画の中では後ろから数えて2本目、キャリア終盤の作品です。

1960(S35)の公開時に主演のマリリン・モンローは34歳、
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

【どうしたマシュー!つまらんぞヴォーン!】

スパイ小説シリーズを執筆中の中年女性作家、エリー・コンウェイ(ブライス・ダラス・ハワード)。小説はベストセラーのようだが、生活は地味で話し相手はペットの猫
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心中天網島(1969年製作の映画)

4.0

【真の主役は黒子たち】

人形浄瑠璃と歌舞伎と現代演劇を足して3で割ったような映画。ストーリーはほぼ原作通りだが、演出の斬新さ、無駄を削ぎ落とした美術と音楽の無常感、二役を演じた岩下志麻(公開時28歳
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.0

【ストレートに「情」に訴える物語】

時は戦争の記憶がまだ生々しかった昭和31年。舞台は外界から孤絶したような山奥の哭倉村。一代で製薬会社を興し巨万の富を築いた龍賀家当主、 時貞が死ぬところから物語が
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

【厨房に入らない父と台所に立つ息子】

戦後17年目、1962年(昭和37年)に公開された本作は、3世代の男たちそれぞれの生き様を台所に立つか立たないか、でみせてくれる。

高齢者代表、佐久間清太郎(
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お早よう(1959年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

【無駄があるからいいんじゃないのかな、世の中】

昭和34年、今から64年前に公開された本作。今でいうタウンハウスというのか、同一規格の一戸建て風集合住宅に暮らす平凡な庶民の日常を淡々とスケッチした本
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(2023年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

【北野武が加瀬亮にやられてたら傑作になったのに】

本作のストーリーは、本能寺の変の前後から中国大返し、山崎の戦いで光秀を討つまで。
物語としては、使い古されてもはや「定型」です。
みんな筋を知ってい
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

【ポップなファンタジー映画としてのナチス】

本作の舞台は第2次世界大戦中のドイツ。主人公は10歳の男の子、ジョジョ君です。ちょっと変わった男の子ジョジョを取り巻く人々も、また変わった人たちです。
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

【いやもう、あり得ない!】


まず主人公の敷島(神木隆之介)の外見ですが、まったく軍人に見えません。髪型はいつものままの長髪で、無精髭が伸びることもありません。外見も言動も、まるで令和のナイーブな若
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BELUSHI ベルーシ(2020年製作の映画)

4.0

【24時間365日、「ジョン・ベルーシ」であり続けるということ】


22歳で地元シカゴのコメディー劇団、ザ・セカンド・シティの初舞台。
24歳でナショナル・ランプーン・ラジオアワーに出演。
26歳で
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唄う六人の女(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

【大人の「まんが日本昔ばなし」】

「狂わせたいの」系のエロ・グロ・ナンセンスのダークファンタジーを予想して観に行ったら、ちゃんとテーマやストーリーがあることにびっくりしました。

萱島(竹野内豊)
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オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

【ユーモアもスタイリッシュもセクシーも枯渇した退屈なスパイ映画】

この映画に目新しいシーンや設定は何一つありません。どっかで観たことあるシーンの詰め合わせセット。手垢の付いた古臭いスパイ映画の焼き直
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コカイン・ベア(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

【パニック映画としては4点、バディ映画としては3点、バカ映画としては2点】


「多数の犠牲者が多彩な死に様を見せてくれる」という、パニック映画の基本はしっかり押さえてます。人体損壊シーンをギャグ
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ミッドウェイ(2019年製作の映画)

1.0

【日本人としてはこの映画から得られる教訓はありません】

主人公はアメリカ海軍の爆撃機のパイロット。
彼は勇敢で命知らずの西部劇型のヒーローです。
日本軍空母へ無謀な急降下爆撃を繰り返し、戦局を一変さ
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海軍特別年少兵(1972年製作の映画)

4.0

【自ら進んで志願兵となり玉砕に散った子供たち】

17歳になればみんな徴兵検査を受けさせられ、徴兵される運命の当時の若者たち。14、15歳で自ら志願するのが海軍特別年少兵制度です。本来三年間の基礎教育
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ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)

2.0

【金も権力も手に入れた老人:マイケルは「愛」を手に入れるのか】

すべてを手に入れた老人が、過去の悪行をすべてなかったことにして、最後に「愛」にすがろうとする、なんとも虫のいい話です。マイケルは失っ
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ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

3.0

【仕事と家庭の両立の悩むエリートビジネスマン:マイケルは「金」を手に入れた】


「やられたらやり返す」「裏切り者は許さない」これはマフィアの鉄の掟です。
マイケルも当然この掟に縛られています。
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ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.0

【偉大すぎる父と家督相続:マイケルは「権力」を手に入れた】

映画公開後には実際にマフィアの入団希望者が増加した、という証言があるほど人気となった本作。
その魅力は何と言っても、ヴィトー・コルレオー
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

【誰もいない広い部屋で一人積み木遊びをする天才老人は監督の心象風景か】

最初の舞台は戦時中の東京で、主人公は小学生の男の子、牧眞人です。
戦争の3年目、彼の母親は入院中の病院で焼夷弾に焼かれ、亡くな
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

【不死身にされて定期的に同じ格好で冒険をやらされ続ける呪いにかけられた男の悲劇】



世界を股にかけ、数々の冒険を繰り広げてきたインディー・ジョーンズ。
どんな素敵なじいさんになったのか。
親父(
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

2.0

【本作の真の主人公はピーター・B・パーカー】

本作の主人公、マイルスには屈託がありません。
立派な両親がいて、街には大勢の友達がいて、悩みを聞いてくれる不良のおじさんがいて、 グラフィティの才能が
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

2.0

【せっかくのいい素材がもったいない!】


ただの暴走系のホラーになってしまい、深みもクソもありません。
特にラスト、ケイディちゃんに「裏切りやがったな、クソガキ!」って…。
マナーもへったくれもない
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続・飢える魂(1956年製作の映画)

3.0

【「お母さん」であり「妻」である前に女は女であるという当たり前のこと】


丹羽文雄原作の人気ラジオドラマを映画化した本作は、二人の女性の生き様と心の揺れを丁寧に描きます。

小河内まゆみ(轟夕起子、
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飢える魂(1956年製作の映画)

3.0

【「お母さん」であり「妻」である前に女は女であるという当たり前のこと】


丹羽文雄原作の人気ラジオドラマを映画化した本作は、二人の女性の生き様と心の揺れを丁寧に描きます。

小河内まゆみ(轟夕起子、
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危険な女(1959年製作の映画)

3.0

犯罪映画、サスペンスとしてはいろいろと詰めが甘い映画です。

本作の見どころは、
①昭和34年当時の生活、風俗、風景
②渡辺美佐子(28)の陰影に富んだ演技
③高友子(26)のフレッシュな演技
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八つ墓村(1977年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

一番恐ろしいのは罪のない顔をした井川父兄とその他大勢の村民たち

【舞台】
島根県との県境に近い、岡山県北部の山村。
村ではスサノオノミコトの八岐大蛇退治の神楽を、祭りの際に奉納する慣わしがある。
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犬神家の一族(2006年製作の映画)

2.0

【昭和の俳優おそるべし】


同じ監督、同じ脚本、同じ編集者、同じセットを用いて、30年前の作品をリメイクした実験作。
俳優は、主演石坂浩二、バイプレイヤー加藤武と大滝秀治の3人以外は総取っ替え。
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犬神家の一族(1976年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

【原作に込められた胸焼けしそうな気色悪さを見事に映像化!】

菊人形の生首とか、湖面に突き出た下半身とか、佐清マスクとか、そんなビジュアル面が取り上げられることが多い本作ですが、私の感じる気色悪ポイン
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コンペティション(2021年製作の映画)

5.0

【創作とは…芸術とは…役者とは…映画業界とは…。すべてをシニカルな笑いに!】


ドSで美しい若き天才女性監督が恐ろしくもカッコいい!
監督が俳優に課す演劇エクササイズが詩的で過激で衝撃的!
建築とイ
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

【映画というフィクションで暴く教会という欺瞞】

主人公ベネデッタは6歳で修道院に入ります。
まず描かれるのは、父と院長の持参金交渉。
本作は宗教を扱った映画ですが、なにしろ俗物しか出てきません。
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