レクさんの映画レビュー・感想・評価

レク

レク

やがて、霞立ち込めて(2024年製作の映画)

2.5

タイトルに惹かれて鑑賞。

インドネシアとマレーシアの国境で頭部と体が一致しない死体が見つかる。

連続殺人、国や民族、土着信仰、警察の腐敗など様々なテーマを盛り込みすぎ。
途中から急に面白くなくなっ
>>続きを読む

ベニー・ラブズ・ユー(2019年製作の映画)

4.0

字幕〈じゃじゃ〜ん〉
想いが重いが、笑って泣ける?可愛い殺人人形の話。

人形ホラー系譜の中でも狙われるのが持ち主の周りの人間というハズシ、スプラッターを分かってる人が魅せるホラー演出、そして様々な映
>>続きを読む

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.6

何がアート作品でどこが『ミッドサマー』に似てるのか分からなかった話。

どちらかと言えば本質的にはダーレン・アロノフスキー『マザー!』の方が近い。
禁断の果実に齧りつく未亡人、全裸の侵入者、責任転嫁、
>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.5

松村北斗、フリスビー下手すぎる話。

目には見えない悩みを共感してほしいわけではなく、同情されたいとも思わない。
ただそういった個々が生きづらいと感じていることに少しでも理解を示し寄り添う優しさを。
>>続きを読む

墓泥棒と失われた女神(2023年製作の映画)

4.2

ギリシア神話のオルフェウスを下敷きにしながらアリアドネの糸を彷彿とさせる粋な演出、解放されることでたどり着く魂の所在。

フェリーニへオマージュを捧げ、現実と幻想、生と死、過去と現代をシームレスに紡ぎ
>>続きを読む

ウルフクリーク 猟奇殺人谷(2005年製作の映画)

3.4

ミックおじさんの無言の間が怖すぎる話。

実際にあったバックパッカー監禁事件に基づくということでどこまでが実話かは定かではないが、『悪魔のいけにえ』はじめこの監督が映画好きなことは分かる。
更にゴア描
>>続きを読む

ファイナルドラゴン(1976年製作の映画)

3.8

必殺技"奪命流星"、最後までちんちんのことだと思ってた話。

毒薬の解毒剤をめぐる騙し騙されのミステリ・カンフーアクション。
リアルでは香港黒社会との関係も噂されるジミー・ウォングに頭の上がらないジャ
>>続きを読む

KOTOKO(2011年製作の映画)

4.0

塚本晋也が全然大丈夫じゃなくて心配になる話。
精神的に病んでいるKOTOKOが見る視点を体現させるように、手ぶれカメラでこちらの精神に揺さぶりをかけてくる。

現実と虚構の境界線を蛇行し続けている映画
>>続きを読む

ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

3.9

上司がバカだと部下が苦労する話。
死と隣り合わせの環境で生きる為の嘘がバレそうになった時の緊張感はハンパない。

強制収容所でユダヤ人がペルシャ人になりすました実話ベースというのが驚き。
偽ペルシャ語
>>続きを読む

夢の丘(2019年製作の映画)

3.6

やられた。僕が考えてた短編アイデアと被った話。
所謂視覚的な恐怖描写やジャンプスケア演出を使わずに、ただの丘を雰囲気だけで精神的に恐怖させる巧さ。
何より、低予算における幽霊像を逆手に取った恐怖描写は
>>続きを読む

恐怖と戦慄の美女(1975年製作の映画)

3.2

3作からなるオムニバス形式ながら3話ともに恐怖を齎す美女(?)をひとりの女優が演じ分ける、1人3役の活躍っぷり。

女教師と男子生徒、よく似た姉妹、襲いかかる人形、それぞれ個性的で三者三様の怖さを楽し
>>続きを読む

アラーニェの虫籠 リファイン版(2018年製作の映画)

3.3

いわくつきの集合住宅に引っ越したJD。
死体死体虫死体虫虫。
蛆虫が苦手な僕にとっては実写だとキツかったかもと思いながら苦虫を噛み潰したような顔で鑑賞していた。

アニメという土俵だから表現できる部分
>>続きを読む

こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.8

何もわからず悪気ない言動で周りの空気がピリついた経験は誰もがしているはず。
家族や学校、小さなコミュニティの中で孤立していく怖さを突きつける。
理解されずとも寄り添ってくれる人が傍に居れば。
そんなこ
>>続きを読む

美しい夜、残酷な朝(2004年製作の映画)

3.7

三池崇史は実写化はじめ商業映画ではなくニッチなホラー映画を撮り続けてほしいと思わせる話。
三者三様のオムニバス形式のホラー。

パク・チャヌクはどこか品があって綺麗すぎるが、その後の三池崇史が禍々しす
>>続きを読む

ラ・ヨローナ~泣く女~(2019年製作の映画)

2.5

物理干渉するパワー系幽霊に驚く子役の顔の方が幽霊より怖い話。

何がすごいかって、ジャンプスケアのタイミングがすべて読み通りの王道脅かしタイミングだったこと。
ってか幽霊のトータル出演時間長くない?
>>続きを読む

健康"超"分析:知られざるオナカの世界(2024年製作の映画)

3.7

小林尊の三つ編みが一番気になる話。
乳糖不耐症、便秘、肥満、大食漢、腸を知れば全てが変わる。
マイクロバイオームへの理解、食事と健康の関係をフェルトを使ったストップモーションアニメーションでわかり易く
>>続きを読む

スカイウォーカーズ: ある愛の物語(2024年製作の映画)

3.5

恐怖を前に感じる生の実感と自己成長。
傍から見れば自己顕示欲に取り憑かれた迷惑行為の犯罪者なわけだが。

"高い建物に登る"という行為に「夢に向かう、高みを目指す(人生観)」や「乗り越えるべき壁や障害
>>続きを読む

マーダー・ミステリー2(2023年製作の映画)

3.7

終始フザけながら事件を解決した夫婦が私立探偵に転職、事件に巻き込まれる。

ミステリ要素に少し比重を持ってきたことで1作目より更にパワーアップ。
とはいえ相変わらず軽く観られるドタバタコメディであり、
>>続きを読む

モンスター/怪物(2023年製作の映画)

3.0

車のトランクに姉を放置しすぎな話。
台詞なしのインドネシア産スリラー。

誘拐された姉弟の脱出劇というシンプル構造故に序盤から飽きがくるが、中盤に新たな展開を見せるも登場人物たちが脚本の上で動かされて
>>続きを読む

BODIES BODIES BODIES/ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ(2022年製作の映画)

1.5

A24だから観たけど、オシャレに同性愛を上辺だけで使うな。

パリピの男女たちが人狼ゲームもどきの殺人ゲームを始めたら実際に死人が出て疑心暗鬼になっていく。
新感覚フーダニットを謳い文句にしているが、
>>続きを読む

ホック(2023年製作の映画)

3.5

待ちに待った初体験で大きな壁が立ち塞がる。

"ブラジャーの外し方が分からない!"

マジックテープ?マグネット?暗証番号?この最大の試練を男はどう乗り切るのか。
オチがしょうもなさすぎて笑ってしまっ
>>続きを読む

カラーズ・オブ・エビル:レッド(2024年製作の映画)

3.8

女性器を傷つけられ紅唇を切り取られた女性の遺体が見つかり、検察官と被害者の母親が捜査に乗り出すポーランド産サスペンス。

過去の事件との類似性、構成によるミスリード。
錯時法で徐々に明かされる情報から
>>続きを読む

ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

3.7

音だけで真実を暴いてない話。

テロか、ミスか、陰謀か。
何が真実かを探る過程で追い詰められていく主人公というサスペンススリラー展開は面白い。
それ故にこの件はヒューマンエラーに対する皮肉とも読み解け
>>続きを読む

夜陰に消えて(2024年製作の映画)

2.0

夫婦の離婚調停中に夫が子どもたちを預ったら夜中に子どもたちが失踪した話。

まさか表のはずはないと勘繰り裏を読んでいたら、どストレートの表だった真相に逆に驚いた。
これは酷い。
ミステリのトリックとし
>>続きを読む

ありふれた教室(2023年製作の映画)

3.9

取り返しのつかない事態に陥った時のあの空気感がヒシヒシと伝わる99分。

1=0.99…のように、"主張"であるはずの言葉がさも"真実"のように語られる怖さ。
正しくあろうとすることは良いことだが、必
>>続きを読む

我、邪で邪を制す(2023年製作の映画)

4.0

余命宣告を受け自分が台湾でNo.3の最重要指名手配犯であることを知ってトップ2を殺しに行く話。
何これ、おもろ。

筋書きからして変な映画なんだけど、バイオレンスアクションは流石台湾だし哀愁漂うダーク
>>続きを読む

ゴヨ(2024年製作の映画)

3.6

美術館でガイドをしている自閉スペクトラム症の青年が、家庭に問題を抱える熟女の人妻に一目惚れをする話。

素敵な人や風景を絵画的に表現するロマンチックさと性を学ぶ下品な会話のギャップ。
過保護と自立、干
>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

-

1本の映画として評価できないが、実写化映画としてもシリーズ導入としてもクオリティは高い。

シリアスとコミカルのバランスに関しても原作はこれ以上にフザけているが、あれ以上おちゃらけていたら北海道の寒さ
>>続きを読む

余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。(2024年製作の映画)

3.3

奪われる時間と与えられる幸せ。
期限や終わりが見えるからこそ、今を、その先を愛しむ。

手垢まみれのベタでありふれた露命の物語ではあるが、恋愛一辺倒ではなく友情や家族愛を描くことでかけがえのないもの、
>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.6

映画撮影中に失踪した俳優と元映画監督の記憶をめぐるヒューマンミステリ。

これまでの出来事を脳に刻む"記憶"と映画という芸術を世に残す"記録"。
劇中映画と本筋の逆位置が生きてくる。
監督の自己投影と
>>続きを読む

ひどくくすんだ赤(2022年製作の映画)

3.8

文字通り誰もが想像するヒーロー像をぶっ壊す罪と贖罪、かつてスーパー戦隊のレッドだった男の末路。
コミカルな描写から急勾配にシリアスへと加速する物語の吸引力は流石。
ヒーローに憧れる子どもたちには絶対に
>>続きを読む

セーヌ川の水面の下に(2024年製作の映画)

3.7

タイトルクレジット直前の水面の上に顔出すとこ笑える話。

環境を破壊し続ける人間たちが生きる世界に適応すべく突然変異した巨大鮫。
社会風刺で物語を肉付けし、物理的に鮫に肉を食い千切らせる。
パニックホ
>>続きを読む

ソウルメイト(2023年製作の映画)

3.5

オリジナル未鑑賞。

愛して愛しても近づく程見えない話。
対照的な二人が様々な経験を重ねることで価値観の違いでぶつかり、それでも相手を好きでいられる尊さ。
友情と形容するには軽すぎて、同性愛に非ず。
>>続きを読む

システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたい(2019年製作の映画)

4.4

暴力のトラウマから癇癪を起こしてしまう少女。
施設は受け入れ拒否、少女の将来を考える大人たちや母親でさえも最善の策が分からない。
ただ母親と一緒にいたいだけなのに、愛情の枯渇は依存として彼女を縛り付け
>>続きを読む

ジェニファーのしたこと(2024年製作の映画)

3.0

タイトルが既にネタバレの話。

某奇跡体験、某仰天や法廷ミステリ等のTV番組に近い感覚ではあるが、真相にアンビリバボーとはならず(というか何れかの番組で観てた)。
が、調べれば調べるほどこの事件が与え
>>続きを読む

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

4.3

他人には打ち明けられない過去や苦悩の共有から深まる関係。
映画として劇的な"何か"は起こらないが、些細な出来事が登場人物たちの人生を大きく変えていく。

笑いを生む掛け合いのセンスで牽引していく物語で
>>続きを読む