レクさんの映画レビュー・感想・評価

レク

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デモニック(2021年製作の映画)

3.3

ニール・ブロンカンプ監督のSF設定は斬新且つ実験的で面白いが、その冠が作品の物足りなさに拍車をかけている。

フラットに見ても後半の弱さが目立つ上、恐怖の対象である悪魔の存在への説得力が弱い。
結果、
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父さんのバイオリン(2022年製作の映画)

3.8

父親を亡くした少女が、疎遠だった名バイオリニストの叔父の家へと引き取られる。

兄弟の確執と和解、構築されていく叔父と姪の絆。
ベタ過ぎる。だから良い。
王道の感動ストーリーがトルコの街並みと音楽で彩
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危険なUターン(2016年製作の映画)

3.0

犯罪報道記者の女性が事件の容疑者として検挙されたことでその事件の捜査を始める。

実話に基づくということで、インドの危険運転に警鐘を鳴らす硬派なサスペンス映画かと思いきや…非現実的なフィクション性をぶ
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フォトコピー(2021年製作の映画)

3.7

家父長制や男尊女卑、SNSを介した性暴力、インドネシアに抱える現代社会の闇。

晒されるのはいつも被害者。
その被害者が声を上げることの重要性を説く、MeTooに通ずるテーマとジェンダーを問わない語り
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バブル(2022年製作の映画)

2.5

重力が壊れた東京を舞台にパルクールで戦うボーイミーツガールもの。

パルクール視点で様々な角度から映す荒廃した東京の街並みや水や泡の描写など映像美は素晴らしいが、チームとしての一体感や世界観への没入を
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お嬢さん(2016年製作の映画)

3.8

原作『荊の城』の舞台であるイギリスから日本統治下の朝鮮半島へと置き換えたパク・チャヌク監督の大胆な換骨奪胎。

様式美と猥雑さ、耽美と淫靡、語り手と聞き手、真実と虚偽。
3部構成による焦点化の使い分け
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ドラゴンボール超 スーパーヒーロー(2022年製作の映画)

3.5

孫悟空が壊滅させた悪の組織「レッドリボン軍」の意志を継ぐ者たちと孫悟空の息子・孫悟飯。
原点回帰しつつ進化し続ける『ドラゴンボール』次世代の戦いが胸熱。
加えて、原作者・鳥山明のヒロイズムの真髄を改め
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スーパーヒーローズ(2021年製作の映画)

4.3

カップルの出会いからの10年と同棲からの10年、2つの時系列を同時進行に描くことで、時間の概念そのものを恋愛劇として演出する話法の素晴らしさたるや。

現実と創作、理論と感情、暖色と寒色、これらの対比
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

4.0

幸せな空気が一変、阿鼻叫喚の地獄と化す。

安全圏に居るはずの観客が、格差社会によって増幅された悪意まみれの世界に突如放り込まれる感覚に襲われる。
混沌を鎮圧する術は善悪の垣根を越えた"秩序"。
銃声
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.1

過去の哀愁を感じさせつつ、成長を提示する"物語"。
父と子、世代を越える想いが胸熱。

前作『トップガン』で足りなかった部分や不満点が改善され、不可能を可能にする男"マーヴェリック"ないし"トム・クル
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.3

熱い想いと苦悩や重責、対立と信頼で変化する関係性。
残したいものと心に留まり続けるもの。
作り手側の視点ながら視聴者視点で感じるフィクションが持つ力の可能性。
フィクションに触れたあとで見たリアルの景
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トップガン(1986年製作の映画)

3.2

ライバル関係、友情、恋愛、手に汗握るドッグファイト。
80年代の青春を呼び起こしてくれる。

とはいえ、記憶の片隅にあった"当時は熱くなったアクション"がこんなにも見辛かったなんて。
この手の映画を感
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マルガリータで乾杯を!(2014年製作の映画)

3.7

インドでタブー視されている障がい者の性や恋愛をテーマに描いたヒューマンドラマ。

カルキ・ケクランが自己肯定感の低い脳性麻痺の女性を演じ、自身と向き合い、自信をつけていく。
公開当時、インドでは同性愛
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PROSPECT プロスペクト(2018年製作の映画)

3.5

宝石採掘のため、親子が危険な惑星へと向かう。
低予算のSF映画だからこそ、ヒューマンドラマに振り切った潔さ。

冒頭は少々退屈で総じて地味だが、心の変遷とふたりの絆が物語を牽引していくのがいい。
タイ
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女子高生に殺されたい(2022年製作の映画)

3.4

古屋兎丸による同名コミックを城定秀夫監督が実写映画化。

殺人事件と自己暗殺性愛、映画と舞台演劇。
妄想だけに留まらず、作り上げた物語を現実に変える。
願望も贖罪も、結局は自己満足で独りよがりなもので
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弾丸ラナリスク(2020年製作の映画)

3.1

日本の14分短編映画。

河川敷で拳銃を拾った2人の高校生の狂気。
タイトル通り「危険を冒す」妄想と現実の境目を思春期による不安定さで揺さぶり、後戻りのできない青春という危うさを感じさせられる。
自主
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シェラ・デ・コブレの幽霊(1964年製作の映画)

3.6

探偵ナイトスクープで取り上げられた史上最高に怖い映画。

鑑賞することが出来たことに感無量…とはいえ、蓋を開けてみたらミステリー色強め。
怖いかはさて置いて、話としては面白い。
ホラーという媒体はその
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サタン 〜悪魔の通り道〜(2011年製作の映画)

3.2

轢き逃げをした男女グループが警官に脅されて金を用意するために狂言誘拐を計画する。

インド映画にしてはかなり薄味のストーリーテリングながら、カメラワークや第四の壁など観客に向けた演出は凝っていてテンポ
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息子の面影(2020年製作の映画)

3.9

メキシコからアメリカへと渡り消息を絶った息子を探す旅に出た母親。

ドキュメンタリー調の静謐さから一変、猛然たる劇映画的演出で加速していく話運び。
美しさと残酷さを兼ね備えた映像センスで捉えた夢へと向
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レフェリー(2008年製作の映画)

3.0

イタリアの16分短編映画。
ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の最優秀短編賞受賞作。

不正により左遷された審判と羊泥棒。
最下部リーグのサッカーの試合で2人に対照的な運命が待ち受ける。
キリストの恩恵な
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エンドレス・ルーーープ(2022年製作の映画)

3.0

ギャングの金を失くした恋人を救うために奮闘する女性がタイムループにハマる。
ドイツ映画『ラン・ローラ・ラン』のインド版リメイク。

コメディに振り切った改変は見易さはあれど、インド特有のタメの長さとタ
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ダマカ:テロ独占生中継(2021年製作の映画)

3.2

韓国映画『テロ、ライブ』のインド版リメイク。

ストーリーラインはほぼ同じながら、数ある韓国映画のリメイク作品の中でもインドならではのタメとドラマ寄りな演出の改変点は『真実を知る者』(『悪魔は誰だ』の
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ザ・ドア 交差する世界(2009年製作の映画)

3.2

浮気中に娘を事故死させてしまった男が、マルチバースの扉を開く。

パラレル・ワールド設定と人間が誰しも抱く後悔の念や親の子を想う感情が上手く噛み合っている。
設定の甘さ含めストーリーの粗はあるが、虚無
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.0

情報過多で知らない人はついていくのがやっと。
しかし、現代に置き換えた特撮ヒーローものとハイテンポな潔さで細かいことを抜きに強引に持っていかれる感じは嫌いではない。

人間を好きになったウルトラマンが
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流浪の月(2022年製作の映画)

3.4

他人を判断するためのフィルターを可視化したような作品。

「あなた変わったね」「こんな人だと思わなかった」「あの人は◯◯だから」
それって自分の物差しで相手を測ってるだけなんですよね。


ただ、逃げ
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モンスター 変身する美女(2014年製作の映画)

4.1

立て続けに両親を亡くして孤独になった青年がイタリアへ渡り美女と出逢う。

理屈を超える感情、未知の恐怖と美しい物語。
人生は短いからこそ価値があるものだという普遍的なメッセージを突きつける。
原題『S
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アルカディア(2017年製作の映画)

3.6

10年前に逃げ出したカルト集団の村を再び訪れる兄弟。

非日常的な舞台装置を介して兄弟が日常を、絆を取り戻していく過程がとても良い。
「理解するな、感じろ」の設定だが、描いている人間ドラマは堅実。
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キャビン・イン・ザ・ウッズ(2012年製作の映画)

3.3

ヤク中の親友を救うために手錠をかけて小屋に一週間軟禁する。

神の啓示か、将また神の悪戯か。
超常現象を用いて二人の男の半生を"第三者が見る物語"として描き出す。
大半が二人の男の会話劇で謎は謎のまま
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驚き!海の生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!(2021年製作の映画)

3.0

『#劇場版ダーウィンが来た!』第3弾。

珍しい魚の映像から貝の割り方を教える可愛らしいラッコの親子の映像やズキンアザラシの過酷な独り立ち、海にまつわる我々の知らない弱肉強食の世界。
地球温暖化にも目
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アガタ(2016年製作の映画)

1.5

イタリアの15分短編映画。
40歳独身女性の家に冷凍保存された精子と人工授精キットが届く。

剥製師と妊娠という生と死の対比は理解できるが、登場人物の心理が理解できない。
コメディとしてこの題材を選ん
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トゥループ・ゼロ~夜空に恋したガールスカウト~(2019年製作の映画)

4.0

宇宙に憧れる少女が仲間を集めてガールスカウトの大会で優勝を目指す。

誰にでも長所があれば短所もある。
それを個性だと認め合うことで生まれる絆、子どもたちが一生懸命に頑張る姿は可愛らしく胸熱。
某映画
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ペトラは静かに対峙する(2018年製作の映画)

3.8

著名な彫刻家が自分の父親ではないかと近づいた女性がその男の素性を知り、負の連鎖へと巻き込まれていく。

静謐の中に垣間見える悲劇。
タイトルに惹かれて観たけど、物語はギリシア神話を下敷きにしているよう
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.2

サム・ライミのホラー演出とそれをヒーロー映画に持ち込む遊び心はとても楽しめたのだけれども、ヒーロー同士がそれぞれの正義でぶつかり合う『シビル・ウォー』とは異なり、私情が絡む内輪揉めが加速していっている>>続きを読む

死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.7

内にある暴力性と可視化される脅威。

前半の描写のせいか後半のドラマが地味だが、実際には後半の方が凄いことをしている。
犯罪心理学と主に一貫性の原理や返報性の原理を用いたマインド・コントロール、その演
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サリュート7(2017年製作の映画)

3.8

ロシア国営宇宙開発企業全面協力のもと無重力撮影で製作された実話ベース。

ソ連の開発した宇宙ステーションを復旧させた歴史に残るスペースミッション。
悔しいかな、ロシアの映像技術の高さを改めて痛感する。
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二人のオーディション(2017年製作の映画)

4.0

ドイツの17分短編映画。
恋人同士の二人がオーケストラのオーディションを受ける。

知らぬが仏、言わぬが花。
短編映画だからこそ描ける二人の関係性の変化と突っかかり、幕引きの鮮やかさと含みを持たせた趣
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