集団心理も相俟って徐々にエスカレートして増幅されていく悪意。
登場人物全員が見事にバカ。
胸糞と受け取るか滑稽に映るか。
その場に居合わせたかのような厭さは感じるが、この映画において全編ワンショット>>続きを読む
アイルランドの"取り替え子"をモチーフとした民間伝承系ホラー。
『レリック 遺物』や『ウィッチサマー』、『メタモルフォーゼ 変身』、『ダーク・アンド・ウィケッド』など、悪魔や幽霊ほか超自然的な作用に>>続きを読む
泥酔して目が覚めたら隣の部屋の中で、隣には死体が横たわっていた。
「何故?」を推理していく中盤までの流れは面白いがテンポが悪く、コメディスリラーということだが笑いと緊張感がどっちつかずな演出とオチの>>続きを読む
村シリーズを終わらせたと思っていたが、島の中にある村の話。
電子機器を用いたホラーは『回路』で作られてしまっているが不可視なもの同士の親和性は高く、フィクションである怪談と仮想空間VRを織り交ぜたア>>続きを読む
生後15ヶ月の娘を殺めたとされる被告の裁判を膨張する女性作家。
妊娠するということ。母親になるということ。
実際の法廷での発言を台詞に使用したらしいが、ドキュメンタリー畑の監督が長回しで捉える"視線">>続きを読む
中世フランスを舞台とした魔女狩りの悲劇。
「めでたしめでたし」のハッピーエンドから始まる本作、男根のメタファーでもある悪魔が魔女の体を蹂躙し心を蝕んでいく。
セル画がほとんどなく水彩で耽美に描き出さ>>続きを読む
移民問題もあって目立つ行動ができない、自身を表現できない主人公の心の代弁をしてくれる音楽との出会い。
優れた芸術作品に触れたその日その時から世界の見え方が変わる。
普遍的な音楽が自分にとって特別になる>>続きを読む
ブラム・ストーカー原作に基づく吸血鬼という古典ホラーをウーヴレダルが『エイリアン』を参考に映画化。
ウーヴレダルは真面目すぎるが故にハズシが少ない無難な作りになってる印象。
神に見放された船上の密室>>続きを読む
これまでのシリーズを踏襲しつつ、怪奇の元凶に辿り着く。
『戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04真相!トイレの花子さん』のいいとこ取りではあるが
フェイクドキュメンタリーにおいて、観客に告げた>>続きを読む
噂、嘘や欺瞞、悪意は不安で増幅され、情報は流行り病のように伝染していく。
『FAKE』からも分かるように物事は表裏一体であり、また大義名分、集団心理から傍観者・中立への断罪も辞さない作り手の問題視が>>続きを読む
ベルギーの14分短編映画。
主演俳優のお飾り役の女優たちが不満をぶちまける逃亡劇。
従来の映画作りとアカデミー賞の批判からはじまり、タイトル『◯◯マン』の多さ、ステレオタイプの意識改革。
監督の伝え>>続きを読む
娘を殺された元夫婦と犯行当時17歳の女性。
被害者家族は加害者を赦すことができるのか。
事件の全容を描かず想像に委ねることで、観客を中立に立たせてしまってどちら側にも感情移入しにくくなっている。
加>>続きを読む
エストニアの14分短編映画。
妻を亡くし、妻と過ごす最後の日。
愛に満ちた日常が夕日と共に海の底へと沈んでいく。
それでも輝きを失わない彼女と過ごした日々が呼び起こされる。
静かに淡々と過ぎていく時>>続きを読む
アメリカの18分短編映画。
父親を亡くして距離ができてしまった姉妹、ふたりを繋ぐのはディスコ愛。
ショートミュージカルムービーとして王道路線。
故に内容は薄いものの、きらびやかで可愛らしい映像と家族>>続きを読む
ジョアンナ・ホッグ監督の自伝的映画。
「題材とするのは実在の人物だけど。創った人物を主人公にしたい」と、自身の人生とかけ離れたものを映画化することで外の世界を知りたいという若き女性映画監督志望の主人>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
主人公の行動原理が物語の話運びのためのそれでしかない。
が、それを踏まえた上で考察するなら割と納得できる点も多い。
ただ説明不足と考察系映画は似て非なるもので不親切というよりは丸投げに近い。
団地が舞>>続きを読む
逃避行を男はかくれんぼと女は駆け落ちと言う。
傷つくために生まれてくる人間なんていない。
何も無い自分でも、誰かの心に居続けることはできる。
強引で気になるところもあれど、しっかり重く、余韻が凄い。>>続きを読む
始まりのショットから一気に引き込まれる。
いじめによって娘を殺された母親の怒りと痛み。
倫理的には問題がある、それでも責任逃れをしようとし、正当化する加害者側の醜さに触れることで、被害者側の母親を心の>>続きを読む
隣の部屋に引越ししてきた同級生との壁を隔てたワンカット会話劇。
短い時間の中で隣人同士になった二人の関係性を理解させ、短い時間だからこそ幕切れのその後を想像させる後味の悪さが最高のスリラー。
どこ>>続きを読む
アメリカの5分短編映画。
カクテルパーティーに訪れた客たちに苛立ちを募らせる店員。
鬱憤を吐き出すカンフーと呼べないカンフーアクションが笑える。
また、撮ってるのが女性監督というのがいい。
ストレス>>続きを読む
日本の6分短編映画。
なかやまえりか監督作『Veils』の後日談。
同性愛を打ち明けていない母親が訪ねてくる朝に寝坊したふたりのドタバタコメディ。
前作とは毛色の違うゆるーい日常の一端。
ふたりの出>>続きを読む
日本の18分短編映画。
結婚と聞けば男女を連想し、企業イメージアップにLGBTQの文字を掲げ、似非理解者が上辺で語る。
当事者であっても、親や周りに打ち明けられず、悪いことをしているわけではないのに>>続きを読む
カナダの19分短編映画。
"あの頃は叶わなかったこと"
LGBTQ映画は今を描くことが多いが、この作品は今が過去の想いを掘り起こす。
否定は何も生まないし、認め受け入れることは大切だと思う。
ただ、>>続きを読む
フランスの18分短編映画。
とあるアパルトマン屋上で出会った対照的なふたりの口論。
人種差別されるマイノリティ同士が引く一線、罵り合いながらもふたりしかいない閉鎖的空間だからこその反発理解。
何者に>>続きを読む
韓国の25分短編映画。
LGBTQや多様性が問われる今、トランスジェンダーが兵役の義務を課せられる。
ありそうでなかった徴兵制度への批判映画。
自分を女性だと認めてくれない自国への想いを映画的に表現>>続きを読む
ギリシャの17分短編映画。
漁の網にかかったイルカを助けたら海で溺れた漁師を助ける。
村で語り継がれるイルカ伝説、ギリシャ版『浦島太郎』をいい大人たちが学芸会のように即興芝居で再現する。
監督のメッ>>続きを読む
スペインの20分短編映画。
妻を亡くした男の元に届いた女性のクローン、過去に何が起こったのかを紐解くSFミステリ。
二人芝居でほぼ家の中、それでもスリリングな展開と謎を散りばめて観客の注意を引きつ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
痛覚が消えた世界で臓器アーティストが出会う生前にプラスチックを食べていた遺体。
古典と現代、人間の変化か或いは進化か。
"内なる美"が表象するものとは何か。
ボディホラーはじめ視覚的なものから内面を表>>続きを読む
25年ぶりの続編となる最終章。
メタ構造から"王国"へと吸い込まれていく夢遊病の美脚婆さん他新キャストを軸に、前作まで大風呂敷を広げた割にはちゃんと纏めてきたところは褒めたいが、言い訳による逃げとも>>続きを読む
白石晃士監督が手掛ける『コワすぎ!』の新シリーズ第2弾。
童貞・無職の男(38)が森の中で出会った女の子に一目惚れをする。
怪物に怪物をぶつけるのではなく、妖怪にストーカーをぶつける恋愛指南。
恋は>>続きを読む
白石晃士監督が手掛ける『コワすぎ!』の新シリーズ第1弾。
『最終章』で世界が再構築されたパラレルワールド。
コックリさんを呼び捨てにする乱暴な工藤、原点回帰的な作品。
くどう は あたらしい アイテ>>続きを読む
怪奇現象・心霊現象を取材・検証するシリーズ第7弾。
「これってもしかして」「私たち」「入れ替わってるー?」
シリーズ完結にして尻拭いと伏線回収。
友情物語であり、まさかの白石晃士フィルモグラフィーと>>続きを読む
怪奇現象・心霊現象を取材・検証するシリーズ第6弾。
もう白石晃士ワールド全開。
シリーズ通して言えることだが、工藤の横暴さについていく市川と何が起こってもカメラを絶対に離さず撮り続ける田代、この3人>>続きを読む
怪奇現象・心霊現象を取材・検証するシリーズ第5弾。
ここまでくるとモキュメンタリーとは?となる。
しかしフィクションがリアルになるという集団ヒステリーの話は妙に説得力がある。
『カルト』を彷彿とさせ>>続きを読む
怪奇現象・心霊現象を取材・検証するシリーズ第4弾。
「トイレの花子さん」という誰もが知っている学校の怪談でここまで話を広げる白石晃士が凄い。
テンポ良く時系列をいじってくる辺り激アツ展開なのだが、や>>続きを読む
怪奇現象・心霊現象を取材・検証するシリーズ第3弾。
河童のおどろおどろしさ、工藤の暴走とパワープレイ、胡散臭い陰陽道。
最早ここまでくるとモキュメンタリーを越えて笑ってしまう。
過去作DVDを出すこ>>続きを読む