藍紺さんの映画レビュー・感想・評価

藍紺

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プリシラ(2023年製作の映画)

3.5

世界的スーパースター、エルヴィス・プレスリーと恋に落ちた14歳のプリシラ。世の女性たちが憧れる文字通りのシンデレラストーリーだけど現実は甘くない。

ソフィア・コッポラは本当にこういうジャンルが好きな
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.2

プロレス界で実際に活躍していた“呪われた一家”こと、フリッツ・フォン・エリックとその息子たちの物語。

これが実話であることに驚く。父親を信じレスラーとして成功することを目標に邁進する息子たち。しかし
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.3

恋愛物ならパスかなと思ってたけど、信頼しているレビュアーの方々が絶賛してるので鑑賞。

結論。観てよかったです皆様いつもありがとうございます!!!

『恋愛物』というより『出会いというか縁(えにし)物
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.0

東京上空に謎の巨大宇宙船が襲来。敵か味方か、友好なのか侵略なのか、目的も分からないまま時は経ち……。

日常と非日常の世界を生きている女子高生“門出”と“おんたん”がとても良い。拗らせている会話とか口
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.1

オッペンハイマーの心理描写を執拗に描いた3時間。核反応の映像や音が凄まじくてそれだけで恐怖を覚えた。理論物理学が得意で実験は不得手なオッペンハイマーって後の悲劇を考えると示唆的。新しい大発見の喜びもつ>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.0

中年男が昔の旧友とキャンプに行き温泉に入って帰郷。あらすじだけ書くとなんてことない物語なのに、確実に心にザラつきが残る。そんな作品だった。

昔は仲が良かったのだろう、しかし今となっては遠い日となって
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.2

家族の問題に直面した売れない小説家モンク。金欠で八方塞がりの中、自身が嫌悪していたコテコテの“黒人っぽい”小説を半ばヤケクソで書いたところ、予想外の大ベストセラーになってしまう。

これ大好き!爆笑す
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.3

圧倒的迫力。視覚からも聴覚からも様々な刺激が入り込む映画体験。

まず視覚。なんですかあのハルコンネン家パートの描写は!?英断とも云うべき白と黒で統一された世界観。不吉で1ミリも心躍らない花火。禍々し
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.7

普段はそれほど惹き付けられないマシュー・ヴォーン監督作だけど、サム・ロックウェルが出てるんじゃ仕方ない……、ということで鑑賞。

うん、なるほど!冒頭からどういう気持ちで観たらいいのかよく分からない展
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テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

4.0

再鑑賞。昔観た時はスーザン・サランドンのカッコ良さが子供だった自分にはとても眩しかったのだが、中年になった今はジーナ・デイヴィスがとても魅力的に感じた。いやー、なんて可愛らしいんだろうと。勿論スーザン>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.1

夫の転落死から端を発し、そこから夫婦の日常が法廷で暴かれていく。ベストセラー作家の妻、自身も作家で成功したいが家事や育児に多く時間を割く夫、そして事故で視覚障がいになった11歳の息子。三人三様、それぞ>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

はーあ、いやー、これは凄い、素晴らしかった。余計なものは何もないのに足りないものも何もない。温かいといっても恩着せがましくなくて善意の押し売りもない。瀬尾まいこ原作は昔読んでとても良かった印象があるが>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.0

撮影中に失踪した主演俳優フリオとその映画監督ミゲル。二人は親友でもあった。22年後、失踪したフリオを特集するTV番組にミゲルが出演協力するところから、止まっていた時が動き出す。

映画の中で映画を描く
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.0

盲目の天才鍼医ギョンスが目撃した宮廷の一部始終。謀略渦巻く朝鮮王朝を舞台にした宮廷サスペンス。

設定が面白いし二転三転するストーリーにハラハラ。ギョンスが視覚障害者のため暗闇のシーンが多いのだが、冴
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ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

4.0

美術学校の講師リジーは個展開催の準備に忙しい。だがそんなことはお構いなしと言わんばかりに些末な厄介事が舞い込んでくる。日々の生活と仕事の両立の難しさ。進まない創作活動にイライラは募るが、ままならない日>>続きを読む

ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

4.0

弱小個人投資家が金融業界のビリオネア達に仕掛けた壮大な挑戦。

コロナ禍のアメリカで実際に起こった事件ということもあり、リアルな臨場感がより感じられる作品だった。
資金力がなくて下落に耐え切れなくなっ
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.2

再鑑賞。
人生の大半を刑務所で過ごしてきた三上にとって、社会(シャバ)は生きづらくて窮屈な世界であるという現実。制限のある塀の中の方が彼にとっては生きやすい住処であるとは皮肉だね。前科者が職に就くこと
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

身体は成熟した大人の女性だが、胎児の脳を移植され赤ん坊のようなベラ。無垢なまま教育を受けていない彼女が旅の中で様々な経験を積み成長していく冒険譚。

面白かった!原作があるとはいえよくこんな物語を思い
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もっと遠くへ行こう。(2023年製作の映画)

3.7

シアーシャ・ローナンにポール・メスカルという超強力タッグで絶対面白いと思っていたら肩透かし……。
原作者のイアン・リードが脚本にも携わってるのに原作の良さが消えてしまっていてとても残念だった。監督ガー
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.9

壮大な北の大地を舞台に繰り広げられる金塊争奪戦の幕開け。不死身の杉元とアイヌの少女アシㇼパの出会いを中心に描く。

二〇三高地の爆撃戦から原作に忠実な始まりで、とても丁寧に作り込まれた印象。ただ序章も
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.1

原作も映画もそれぞれに魅力的。和山やまの世界観はそのままに、原作ファンの野木亜紀子が作品に込めた真摯な想いもガツンと伝わる良作だった。好き。

心身ともに揺れ動く多感な中3男子岡聡実が出会ってしまった
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雪山の絆(2023年製作の映画)

4.1

1972年に起こったウルグアイ空軍機571便遭難事故、今までも映画や文献で事件の顛末は知っていたのだが、今作はどのメディアよりも雄弁に生々しさを訴えかけてくるものだった。

飛行機墜落時の衝撃の激しさ
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コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

3.8

世界を襲った大災害により壊滅状態のソウルで、ただ一棟無傷のまま残った高層アパート。そこに群がる家を失った被災者たちを住民たちは排斥し始める……。

「災害時は犯罪者も聖職者もみな平等」と婦人会会長は口
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ブラックベリー(2023年製作の映画)

4.1

スマートフォン業界で一時代を築いたBlackBerryを生み出し成功を遂げたRIM社。その開発者と共同CEOの繁栄と転落の物語。

この競争はiPhoneが出る前から詰んでたんだろうな。マイクとダグは
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

3.8

永遠に取り除けない過去の重荷を背負ってカジノを渡り歩く元軍人の贖罪と復讐の物語。

オスカー・アイザックが孤高の主人公ウィリアム・テルを好演。抑制の効いた陰のある男がとてもよく似合ってたな。ウィレム・
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.7

世界的指揮者レナード・バーンスタインとその妻で女優のフェリシアの音楽と愛に満ちた生涯。
芸術家の夫とその彼を献身的に支える妻、昨今は支える側の人間にスポットを当てることが多くなった。私自身も有名人その
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終わらない週末(2023年製作の映画)

3.9

バラク・オバマ夫妻が制作に携わったことで話題のNetflixディザスター映画。ネトフリはここ何年かずっと終末物を年の瀬に公開してますが、この路線は続くのでしょうか?

ブラックミラーっぽいって感想が多
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ナイアド ~その決意は海を越える~(2023年製作の映画)

3.9

アネット・ベニングとジョディ・フォスターがカッコいいーーーーー!!!!!こんな風に歳を重ねたいと心から思える。皺も日焼けも美しい…。
絶対に夢を諦めない不屈の闘志を持ってても一人で目標を達成することは
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Pearl パール(2022年製作の映画)

4.1

前作「X」の重要人物でもあったパールの前日譚。タイ・ウエスト監督の映画愛も感じられる構成になっていて悲しくも楽しい作品だった。

わたし的“何を基準に映画を選んでるのか分からない女優ベスト3”は、イザ
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永い言い訳(2016年製作の映画)

4.1

再鑑賞。縁があって夫婦になって愛し合った人なのに、いつの間にかその存在がいて当たり前のようになってしまう。ここでは夫婦だけど、家族でも友人でも大切に思う人を軽んじることは自分を貶めることでもあるのだ。>>続きを読む

夢売るふたり(2012年製作の映画)

3.9

再鑑賞。
借金返済と店の開店資金を捻出する為に夫に結婚詐欺をさせる妻。
またしても嘘がテーマ。松たか子の物言わぬ真っ黒な瞳が忘れられない。夫と妻の夢だったはずが、いつの間にか夫の気持ちを置いてけぼりに
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ディア・ドクター(2009年製作の映画)

4.0

再鑑賞。山合の小さな村で医師として従事していた伊野が突然失踪する。彼は無免許医だった。

しばらく観ていると伊野がニセ医者であることに勘づいている人物に気付く。決定的な会話はないものの、登場人物の表情
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ゆれる(2006年製作の映画)

4.1

再鑑賞。
全てを奪う弟と、全てを奪われる兄。
キラーショットがありすぎて今回も「うひゃー」とか「えぐー」とか言いながら、時に顔を顰めながら、最後には涙してしまった。稔の足にとっくりから酒が滴り落ちるシ
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

4.1

アフリカからベルギーに難民としてやってきたロキタとトリ。姉弟と偽りロキタはビザが貰える日を夢見てドラッグの売人などをして暮らしている。そんなロキタを本当の姉のように慕うトリ。
ドキュメンタリーのような
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あしたの少女(2022年製作の映画)

4.0

冒頭、一人の少女がダンスの練習をするシーンから始まる。ターンから立ち上がる所が上手くできずに何回も必要に繰り返す。それが後々になって効いていて「ああ、そうか、それであのシーンを執拗に見せたのか」と唸っ>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.1

はー、面白い。人種問題、戦争と平和、貧富の差、ルッキズム、男と女、家父長制等々…、地球上のあらゆる対立する問題を突きつけられる。あけすけ過ぎて観てるこちらも気まずくなる瞬間が多々あった。
人類みな平等
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