sonozyさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

瞳をとじて(2023年製作の映画)

5.0

ビクトル・エリセ監督による31年ぶりという長編新作。
長め&地味めながら素晴らしかった。
さらに、監督の長編デビュー作『ミツバチのささやき(1973)』の主人公アナ・トレントが、アナという女性役で登場
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A Brighter Tomorrow(英題)(2023年製作の映画)

3.0

現在70歳のナンニ・モレッティ監督作。
1956年。ソ連の侵攻から逃れたハンガリーのサーカス団がローマに到着。
彼らを招待したイタリア共産党機関紙の編集長エンニオと恋人ベラ(バルボラ・ボブローヴァ)、
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弟は僕のヒーロー(2019年製作の映画)

4.0

ステファノ・チパーニ初の長編監督作
ヴィッド・ディ・ドナテッロ賞: ヤング・ダヴィッド賞

陽気な両親と2人の姉と暮らす5歳のジャックは初めてできた弟に大喜び。
生まれてきた弟ジョーはダウン症だったが
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

4.0

写真家ナン・ゴールディンの人生とキャリア、そして彼女自身が陥った医療用麻薬オピオイド中毒蔓延の責任を追及する活動を追ったドキュメンタリー。
ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞(最高賞)受賞。

1970年
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システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたい(2019年製作の映画)

5.0

9歳の少女ベニー。
母親と暮らしたい・愛されたいだけなのに、それが叶わず、幼児の頃のトラウマの影響もあり、制御不能の暴言・暴力で行く先々で問題を起こし、行き場を失っていく。

グループホームのスタッフ
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雪山の絆(2023年製作の映画)

5.0

1972年にウルグアイのラグビーチームのメンバーら乗客40人とクルー5人を乗せてチリに向かったチャーター機・ウルグアイ空軍571便が雪深いアンデスで墜落。

墜落時に生き残った人々が、残った一部の機体
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エクスペンダブルズ ニューブラッド(2023年製作の映画)

3.0

エクスペンダブルズ・シリーズは1作目を見たような見てないような程度での鑑賞です。
リー(ジェイソン・ステイサム)の相変わらずの無双っぷり。後は任せた感漂うバーニー(シルベスター・スタローン)。
ガンナ
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Sharper:騙す人(2023年製作の映画)

4.0

「Sharper: 巧みに騙す人」というタイトルの意味が表示され、ニューヨークの古書店のオーナーのトム(ジャスティス・スミス)と、そこに来たサンドラ(ブリアナ・ミドルトン)との出会いから始まるサスペン>>続きを読む

白衣の男(1951年製作の映画)

3.5

画期的な「究極の繊維」を開発するため周囲を巻き込みながら研究に取り組む異端児の研究者シド(アレック・ギネス)の一騒動。

クビにはなるものの、こっそり研究&研究費も使い込めちゃうユルい研究所。奇妙なリ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.0

フランスの女性監督ジュスティーヌ・トリエによるカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。

人里離れた雪山の山荘で、作家夫妻のサミュエルとサンドラ、視覚障害のある息子ダニエルの3人が暮らしている。
訪れた女
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I ~人に生まれて~/人として生まれる(2021年製作の映画)

3.5

中国の女性監督リリー・ニーの初長編作。
14歳のシナンは、PCでオンラインゲームや、近所の店のおっちゃんからポルノ雑誌「真男大(=Real Man)」を買ってオナってる、学校ではいじめられがちな男の子
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Dream Scenario(原題)(2023年製作の映画)

3.5

ノルウェー映画『シック・オブ・マイセルフ』のクリストファー・ボルグリ脚本/監督によるニコケイ主演の新作。
A24制作/配給。
アリ・アスターやニコケイ他がプロデューサーに名を連ねてます。

生物学教授
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ブルーバック あの海を見ていた(2022年製作の映画)

3.5

西オーストラリアの美しい海(湾)を一望する家で、海と共に暮らす母娘。
無秩序な開発から海を守るため環境活動家となり海洋保護区をつくった母ドラと(ラダ・ミッチェル)、海洋生物学者となった娘アビー(ミア・
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アウトフィット(2022年製作の映画)

3.5

1956年のシカゴでスーツの仕立て屋を営むカッター(裁断士) レオナルド(マーク・ライアンス)を主人公とするサイコクライムスリラー。

受付嬢メイブル(ゾーイ・ドゥイッチ)と二人で営む小さな店には、地
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私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?(2022年製作の映画)

4.0

フランスの国家的スキャンダルを捉えた著作『La Syndicaliste(組合活動家)』を基とする社会派サスペンス。

原子力企業アレバ社の労働組合代表モーリーン・カーニー(イザベル・ユペール)が、新
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メイ・ディセンバー ゆれる真実(2023年製作の映画)

4.5

ナタリー・ポートマン、ジュリアン・ムーア共演のトッド・ヘインズの新作。

女優のエリザベス(ナタリー・ポートマン)が、新作映画で演じるグレイシー(ジュリアン・ムーア)という女性を深く知るため自宅を訪れ
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悲しき天使(1991年製作の映画)

4.0

アキ・カウリスマキの約4分の短編(MV)
1994年、パリの夜。
レニングラード・カウボーイズが「Those Were the Days(悲しき天使)」を演奏する店の入口で、ロバを連れた男がいきなりシ
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Bico(2004年製作の映画)

3.5

アキ・カウリスマキの約5分の短編。
ポルトガルの北西端、ジェレス国立公園内にある深い山に囲まれた小さな村・Bicoの冬。
1970年代に電気が通り、10年後には多くの若者が村を去り、残ったのは老人と牛
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Valimo(2007年製作の映画)

4.0

アキ・カウリスマキの約3分の短編。
Valimo(鋳物工場)で働く5人。正午になり揃って階段を上り、ミニ映画館仕立ての映写室へ。チケット売る女性ともぎりのおっちゃんが、いつもの目線でいるのが可笑しい。
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ミス・シャンプー(2023年製作の映画)

3.5

『あの頃、君を追いかけた』の台湾の監督ギデンズ・コーのNetflix新作。

雨の夜、一人残ってカットの練習をしていた見習い美容師フェンが勤めるヘアサロンに、怪我を負ったヤクザ(タイ)が突然逃げ込んで
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プリシラ(2023年製作の映画)

4.0

エルヴィス・プレスリーの元妻プリシラが1985年に出版した回顧録『Elvis and Me』を基に、プリシラも脚本に参加した、プリシラの視点で描かれる彼女とエルヴィスの物語。A24配給。

1959年
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ラ・メゾン 小説家と娼婦(2022年製作の映画)

3.0

娼婦の世界を実際に体験すべく、地元の娼館で2年間娼婦として働いた経験を元に書かれたフランスの作家エマ・ベッケルの小説『La Maison』の映画化。
小説は、その大胆すぎる取材方法にフェミニストから激
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ザ・フィッツ(原題)(2015年製作の映画)

4.5

『ゴッズ・クリーチャー』のアンナ・ローズ・ホルマー監督の長編デビュー作。

地元のコミュニティセンター(リクリエーションセンター)で、兄と一緒にボクシングジムでトレーニングしたり雑用したりしている11
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.0

アメリカが生んだ20世紀を代表する大指揮者/作曲家レナード・バーンスタインとその妻・女優のフェリシア・モンテアレグレの物語。

クラシックに疎いので、レナード・バーンスタインも名前を知っている程度です
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ゴッズ・クリーチャー(2022年製作の映画)

3.5

陰鬱さ、閉塞感が漂うアイルランドの小さな漁村。
男たちが漁に出て、女性たちは水産加工場で働いている。

水産加工場で働くアイリーン(エミリー・ワトソン)の家族は、夫コン、要介護の義父パディ、娘エリンと
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Saltburn(2023年製作の映画)

4.0

「プロミシング・ヤング・ウーマン」で注目を集めたエメラルド・フェネルの長編監督第2作。
オックスフォード大学に入学したオリヴァー(バリー・コーガン)は、多くの上流階級の学生たちに溶け込むのに苦労するが
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

無口なトイレ清掃員 平山(役所広司)の繰り返される毎日の中でのささやかな喜びや哀しみが尊い作品でした。

朝食代わりの缶コーヒーBOSS
昼食のサンドイッチと牛乳といつもいる孤独なOLさん
寝る前に読
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テイラー・スウィフト:THE ERAS TOUR(2023年製作の映画)

5.0

2023〜2024に行われているテイラー・スウィフトの「The Eras Tour」。
2023年8月、7万人を超える観客を集めたロサンゼルスのSoFiスタジアムで行われたライブを堪能する3時間。
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鏡の中の女(1975年製作の映画)

4.0

マリアという回復が難しい患者を担当する精神科医のエニー(リヴ・ウルマン)の物語。
原題(英題)『Face to face』通り、次第に精神を病んでいく彼女が過去のトラウマ(祖母や両親との関係)と自己の
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きっと、それは愛じゃない(2022年製作の映画)

3.5

パキスタン出身のシェカール・カプール監督作。
ドキュメンタリー映画作家のゾーイ(リリー・ジェームズ)は、陽気な母キャス(エマ・トンプソン)と共に久しぶりに再会した隣家の幼馴染で医師のカズ(シャザド・ラ
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Winter boy(2022年製作の映画)

2.5

交通事故で愛する父を突然亡くした17歳の高校生リュカの喪失感の物語。
原題は『Le lycéen(高校生)』
クリストフ・オノレ監督の半自伝的作品とのことで、監督がリュカの父役で出てきます。

うーん
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アース・ママ(2023年製作の映画)

4.5

元バレーボール選手でオリンピック出場経歴を持つ黒人女性サバナ・リーフの長編監督デビュー作。A24作品。素晴らしかった。

写真スタジオで働きながら、幼い娘と息子を取り戻すべく、薬物更生プログラムに参加
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枯れ葉(2023年製作の映画)

5.0

引退宣言から6年、しれっと復活してくれたアキ・カウリスマキ監督。
いつも通り最低限のセリフ、ほぼ無表情な登場人物のまなざしや微細な表情の変化、ミニマルなインテリア、散りばめられた可笑しみ要素。
ラジオ
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独立機関銃隊未だ射撃中(1963年製作の映画)

4.0

1945年8月、終戦間近の旧満州のソ連国境付近。
コンクリートで固められた狭いトーチカ陣地を死守する5人の守備兵の物語。

酒で気合を入れるベテランの班長・山根(三橋達也)、朴訥とした射手の上等兵・渡
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.5

1920年代にオクラホマ州で発生した、先住民のオセージ族 連続殺人事件について書かれた2017年のノンフィクション『Killers of the Flower Moon:The Osage Murde>>続きを読む

What's Up, Tiger Lily?(原題)(1966年製作の映画)

3.0

ウディ・アレンの長編デビューは、こんなフザケた作品だったんですね〜。
谷口千吉監督の1965年作『国際秘密警察 鍵の鍵』をAmerican International Picturesが買い取ったよう
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