そらになるらむさんの映画レビュー・感想・評価

そらになるらむ

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映画(800)
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戦場にかける橋(1957年製作の映画)

4.0

「喜んで働け」

戦争映画をたくさん観てきたけれど、この映画のラストの衝撃は抜きん出ている。ドーンと突き落とされて、深い虚無感に包まれる。
なるほどこれは傑出した作品だ。

ただの戦争映画じゃない。
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ノスタルジア(1983年製作の映画)

2.0

「美しい景色など見飽きている。結局は自己満足に過ぎない。うんざりだ」

超難解との評だったので、頭の中を真っ白にして、ただひたすら画面に集中した。何かを感じ取ろうと努力した。

…ちっとも理解できなか
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アポロンの地獄(1967年製作の映画)

3.0

「お前の人生の謎を知っているか?」
「知りたいと思わぬ」

強烈に印象に残る映画。
この作品もまた、映像が雄弁です。

この作品の強烈なのは、一つひとつの画ではなくて、多彩なアングルを脈絡なく繋げる編
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天国の日々(1978年製作の映画)

4.0

「悪魔は農場にいた」

久々に、人に話したくて仕方がなくなるような作品に出会いました。
すごいです、この映画。画が圧倒的に美しい。

果てしなく拡がる水平線。
低く垂れた雲、刻々と表情を変える光。
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北北西に進路を取れ(1959年製作の映画)

3.5

「事実の有無? 殺されないと信じてもらえませんか?」

全部のせ、てんこ盛り映画。
最後までハラハラドキドキ。
サービス満点、おなか一杯。

一番印象的なのは、大平原で複葉機からの攻撃を間一髪かわ
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ダイヤルMを廻せ!(1954年製作の映画)

3.0

「うまくない説明だね」

緻密な組み立ての倒叙法。本物のミステリー好きにはたまらない作品なのかも知れません。

しかし、いかんせん2時間通してのほぼワンシチュエーション密室劇で、場面の展開力に乏しく、
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見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

3.0

「きみには動機がある」

ヒッチコックは、見せ方・伝え方の天才。
一瞬も緩みのない構成。
ひとつひとつ意味のある、カット割りや小物の使い方。
そして加速するメリーゴーランド。
最初から最後まで、感心し
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アニー(1982年製作の映画)

3.5

「笑顔がお好きなんでしょ。笑顔をお見せしますわ」

一番古い1982年の劇場映画アニーです。
今日は一日、歌をテーマに映画をチョイスしてみました。

有名な「トゥモロー」だけじゃなくて、出てくるどの歌
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ひまわり(1970年製作の映画)

3.0

「もう離れられない。何があろうと」

映画音楽はイタリアに限る。

もう、最初から最後まで、ヘンリー・マンシーニのあのテーマ曲に気持ちを煽られっぱなしな訳です。

ただの焦れったいメロドラマなのに、あ
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小さな恋のメロディ(1971年製作の映画)

3.0

「ダニーも付き合いを覚えるころよ」

主役の女の子も男の子も、とにかく可愛いなぁ。この年頃の子ども達は、精一杯背伸びする姿が微笑ましい。

子役のキャスティングと、ビージーズの楽曲の勝利ですね。
あの
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ぼくたちの家族(2013年製作の映画)

3.0

「コウちゃん、何むすっとしてるの。こういう時は笑おうよ」

家族の一大事を機に、バラバラだった家族が結束して支え合う話。

幸いにして、我が家はずっと長い間、誰ひとり大きな病気をしていない。
大病院の
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空中庭園(2005年製作の映画)

2.0

「なんでそんなにいつも完璧な笑顔を作れるの?」

秘密のない(はずの)家族。
何でも話せる(はずの)家族。
それは、寒い家族。怖い家族。

回る回る、画面が回る。
揺れる揺れる、心も揺れる。
うー。気
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家族ゲーム(1983年製作の映画)

3.0

「チクチク痛い」

最近、「親の過保護」って話題にならないですよね。きっとね、昔のやり過ぎは今の当たり前になっちゃったんでしょう。
今も昔も、自信のない母親と興味のない父親。
でも今もみんな、拳を上げ
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トータル・リコール(1990年製作の映画)

3.0

「もう一度、同じ記憶を植え付ける」

ブレードランナーと同じフィリップ・K・ディック原作の近未来SFながら、こちらはかなりアクション寄り。

登場人物の気持ちに寄り添えないので、イマイチ没入できず。
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.5

「誰が記憶を作るの?」

レプリカントのKは「本物の男」になることを望み、AIホログラムのジョイは「本物の女」になることに憧れる。
彼らはみな、「人間より人間らしく」ありたい、と願っている。何とも切な
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

4.0

「過去を作って与えてやれば、感情も落ち着き制御も楽になる」

作品の舞台となった2019年11月のうちにこの歴史的カルト映画を観られてよかった。
世紀末(もはや死語?)な世界観にとっぷり浸かれます。巷
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カンフー・パンダ(2007年製作の映画)

3.5

「この世に偶然などない」

単純に面白いし、伝えたいメッセージも素敵。とてもよかった。

何よりも私はこのアニメの画が好き。陰陽や色彩が独特の雰囲気。
続編も見ます。ぜひ。

「秘密の材料はない」

プロジェクトA(1984年製作の映画)

3.5

「またお前か?」

すごいすごい。

椅子やら机やら帽子掛けやら、部屋の調度品を使っての、息の合った殺陣がすごい。
一つひとつのコミカルなアクションのデザインがすごい。

面白い面白くないを飛び越えて
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燃えよドラゴン(1973年製作の映画)

3.5

「五感を研ぎ澄ませるんだ」

設定は謎だらけなんだけど、面白いから何でも許す。まさに「考えるな、感じろ」だ。

ブルース・リー超速い、超強い。キメ顔も最強。ラストの鏡の間のシーンは映画史モノ。絶対観る
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トト・ザ・ヒーロー(1991年製作の映画)

3.0

「私が誰で、なぜ殺すのか、君にはわからない」

とてもキビしい映画です。鋭角のガラス片で自ら胸を突き刺す感じ。

誰もが抱えている幼年期からの度重なるコンプレックスを、容赦なくほじくり返してくる。
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

2.5

「さあ、どうだろう?」

たまに親戚で集まると、兄弟姉妹、イライラ・カリカリ突っかかって口喧嘩。耐えられないくらい嫌な思いをすることがありませんか?

実はあります、うちの一族。恥ずかしながら。
血の
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愛を読むひと(2008年製作の映画)

3.0

「坊や、大丈夫?」

前半を見て、下衆な欲情フィルムかと思いきや、後半一転、深くて重くて苦しくて、とっても切ない物語だった。テーマも大きくて、観た後にあれこれ考えさせられる。

前半の濡れ場の必要性を
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砂の器(1974年製作の映画)

4.0

「“宿命”って何かしら?」
「生まれてきたこと。生きていること」

言葉にできない。
音楽と映像で全てを語る。

幸福の黄色いハンカチ(1977年製作の映画)

4.0

「おい、一緒に行かないか、北海道」

赤いファミリアが疾走。北の大地

緑のスラックス 武田鉄矢
ピンクのカーディガン 桃井かおり
焦げ茶の革ジャン 高倉健

青空の下、パタパタはためく黄色いハンカチ
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蒲田行進曲(1982年製作の映画)

3.5

「何せ、コレがコレなもんで」

今さらながらではありますが、改めて。

男と女、離れて付いて突き放し。
バカの痴情に、お涙ちょちょ切れ。
死ぬまで尽くす弟分。
お前はなぜに、かくも真っ直ぐ。

緩急自
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ニライカナイからの手紙(2005年製作の映画)

3.5

「自分が信じたいと思うことを信じるんだよ」

沖縄の島が舞台の物語なのに、青い空のショットが無い。いつも高曇りの空。夕暮れの砂浜。柔らかい光。

島の空はいつも優しく、温かい。
傷ついた仲間を、島全員
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ぱいかじ南海作戦(2012年製作の映画)

2.5

「この風に当たっとると、体がフヮーッとして、頭がボォーッとして、いろんなことがどーでもいい気分になってくるとですと」

南の島のホームレス共同生活体験、みたいなやつ。焚き火してぐだぐだビール飲みたくな
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ホテル・ハイビスカス(2002年製作の映画)

2.5

「一泊4千円のところを、沖縄料理付きで3千円」

妙なハイテンションと、島のゆるーい空気感が替わりばんこに出てきて、私は最後までリズムに乗れなかった。
沖縄なのにギャグがちょっと寒い(笑)

こういう
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オーメン2/ダミアン(1978年製作の映画)

3.0

「僕の身に何かが起こるような気がする」

ホラーは、しっとりゾクゾク系が良い。

オーメンはいいな、1も2も。
ちゃんと地に脚がついていて、大地の冷たさが体躯に伝わる感じ。浮わついたところがない。
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チャイルド・プレイ(1988年製作の映画)

3.0

「よく聞け、仕返しするぞ。絶対にだ」

可愛げやら可笑しみで魅せるホラー。
最後まで結構しつこくて、腹を抱えて笑っちゃう。

ただの人形から化け物に豹変するその一瞬が、一番の見せ場。

人形も、ピエロ
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ディセント(2005年製作の映画)

2.5

「冒険好きな人間なら、もっと挑戦しないと」

ホラー研究の大家である私の妻が、絶対観るべしと激推しする本作。イヤな予感がして、何年も放置してきた。
単身赴任先から帰宅できない週末。ついに見た。寮の小さ
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ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)

4.0

「なぜ暗い店で?」
「ひどい顔をしているからよ」

うす味タランティーノ。

タランティーノ作品は、濃厚トマトジュースみたいな味わいだと思っていたけど、水で3倍に薄めても美味しかった。

登場人物の魅
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ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)

3.0

「わたし変なの。もう一人いるみたい」

黄色、緑色、そして赤色がかった、くすんだ画面。
古風で寂しげな声楽曲。
ビー玉越しの逆さの風景。

妖しい雰囲気に陶酔させられました。
でも、煙に巻かれて、何を
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インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)

2.5

「それ、吸わせてくれない?」

なんとも評し難い映画。
ゆらゆら、ふらふら、むらむら。

LGBTものが苦手なのは自覚していたけど、実はドラッグものも、僕には合わないようだ。いつも外れる。
お陰でまた
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永遠の門 ゴッホの見た未来(2018年製作の映画)

3.0

「僕が見ているものを人々と分かちあいたい」

天才の苦悩を、自分に引き寄せて理解することができなかった。ちょっと残念でした。

①ウィレム・デフォーは、演技というよりゴッホそのものになりきっていて怖い
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ゴーギャン タヒチ、楽園への旅(2017年製作の映画)

3.0

「彼のどこに神性が?」

高校のころ「月と六ペンス」を読んで、いたく共感した。高校生のくせに。
私には当時から、世捨て人願望があったのかも知れない。

何がいいたいかわからないと酷評されている本作。で
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