そらになるらむさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

そらになるらむ

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ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)

4.3

「クソったれどもが」

憎しみや怒りは、ひどく愚かで醜い。
憎しみも怒りも、何も産み出さない。
そのことを真っ直ぐに伝える映画。

黒でも白でもない私だから、この作品の伝えたいことを客観的に観られたの
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.5

「僕は砂漠に導かれた。これは定めだ」

テレビを買い替えたので、実力を確認するために、映像美に折り紙付きの本作を視聴。

さすがに劇場には敵うはずもないけど、大満足です。凄いねぇ、最近の大画面テレビは
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黄金の七人(1965年製作の映画)

3.0

「一発勝負の女だからな」

なるほどまるっとルパン三世
カラリ・フワリはきっとお国柄
気のせいか金塊まで軽薄に見え

「君といると冷静さを失う」

ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

3.0

「要点を言え」

ん〜。
なんとも。

ときどき挿入される、レーンを転がるボーリングの球の穴から撮ったショットのように、僕の頭の中もゆっくり、ぐるぐると、進行方向に逆回転するのでした。

一投目は残念
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

「一番刺さったのは、“家とは心のなかにあるもの”」

コロナ以降、中高年のひとり登山が増えているという。
また、別の記事で、ソロキャンプが流行っているというのも読んだ。複数人でパーティを組んで山登りし
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クルエラ(2021年製作の映画)

4.0

「生まれたときから才気あふれ、ワルそのもの。少しイカれてる」

前から気になっていた。
“ラ・ラ・ランド”見ても、“女王陛下の〜”見ても、“ゾンビランド”見ても。

エマ・ストーンの顔って、正直言って
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真白の恋(2015年製作の映画)

3.0

「ムリムリ、真白は普通の子じゃないから」

ロケ地の魅力って大きい。
冬の富山と立山連峰。
3000m級の岩と雪の殿堂に、港のある都市が近接しているところは他にない。

説明的な言葉が多かったように思
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スパイダーマン3(2007年製作の映画)

3.5

「あなた、誰?」

驕れる者久しからず。

誰の心の中にもいるブラックスパイダーマンを覗き込む2時間。あなたも知らず知らず、周りの人を傷付けていませんか。

ブラックスーツには力が宿っている。
一度着
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スパイダーマン2(2004年製作の映画)

3.5

「授かりものは世の中のために使え」

「真面目で誠実」でないと、スーパーヒーローは務まらない。

今も昔も、トビー・マグワイア以上に、この資質を体現できる役者はいない。
全くもって羨ましい。

「誰か
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カラー・オブ・ハート(1998年製作の映画)

4.0

「ただ、よかったら、もう少し使える色を増やしてください」 

私の住んでいる街区には、デザインガイドラインが定められている。新しい建物を作るときは、その色や形が専門部会に審査される。突飛な色使いは排除
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.0

「勝敗はパイロットの腕だ」

あ〜、面白かった。
文句無し。

興行だもの、お客さんが喜んでナンボ。
私は大満足。

「大空はあなたのものよ」

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

2.0

「これで、家族だな」

結局のところ、ファミリーの美名のもとに、滅びゆくヤクザ稼業をロマンチックに見せたいだけのようにしか思えなかった。甘甘。おセンチ(死語)な映画。

綾野剛演じる山本については、都
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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

3.0

「前進あるのみ。友達もつくらなきゃ」

つよい強ーい女子たちが、スクリーン狭しと大暴れ。いろんな肌の色が力を合わせて、みんなで男どもをフルぼっこ。

それだけ。
どうだ、スカッと楽しんだか〜?

駄目
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.5

「私たちってね、もっといい加減に生きてんのよ」

最初から最後まで、ずっと胸がゾワゾワする映画だった。

出所者のストーリーを借りているけど、この作品が表現したいのは「弱きものと世の中」なのだと思う。
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.5

「合唱を選んだのに歌うのが怖いのか?」

大事な一歩を踏み出すには、誰かの支えや、ひと押しが要る。
たくさんの人から応援され、背中を押してもらえるルビーは幸せ。

父、母、兄、先生、恋人、…
周りのみ
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.5

「ダンス、好きでは?」
「いいや。あぁ、好きだ。君となら踊りたい」

どのカットを切り出しても美しいカメラワーク、対比の粋を尽くした色彩。

バーンスタイン作曲のお馴染みの曲たちにのって、画面狭しと繰
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我等の生涯の最良の年(1946年製作の映画)

3.0

「覚えているか、出征した頃を?」
「覚えてる。あの時よりもっと不安な気分だ」

転機。
復員した三人の、それぞれの再出発。

今の世の人生は、誰であれおよそ平々凡々。多少の山や谷はあるだろうが、戦争経
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ファニー・ガール(1968年製作の映画)

3.0

「♪私は大スター。誰も知らないだけ」

これだけ鼻梁が高いと、ものの見え方がわれわれ顔の平たい族とは違うはず。視角が270°ぐらいありそうだ。

この独特な風貌も、見慣れると愛くるしく思えてくるから不
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黄昏(1951年製作の映画)

3.0

「私を信じて愛し続けられるか?」

メロメロの、
ドロドロの、
トロットロ。

胸焼けしそうなくらい恋に身を焦がす。

いい歳をして愛に溺れるって見苦しい。
愛や恋に執着しない性分で生まれて、よかった
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おしゃれ泥棒(1966年製作の映画)

3.5

「まさか。あの彫刻の表情そっくりだ」

“映画だからこそ伝わる” 女優の魅力ってなんだろう。
 声色、言葉のリズム
 小さな所作、佇まい
 表情のうつろい、瞳の動き…

スチール写真じゃ伝わらないもの
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赤ちゃん教育(1938年製作の映画)

3.0

「恋の衝動は人間の行動に矛盾を生じさせる」

会話のラリー戦。
相手がへたり込むまで、ひたすら強打、強打、強打。

いわゆるスクリューボール・コメディを3本続けて見た。
耳からの情報量は、現代の平均的
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フィラデルフィア物語(1940年製作の映画)

3.5

「もうその表情は効かないぞ。畏れ多い女神の視線」

男も女も、老いも若きも、みんなズケズケ相手を非難。
図星なだけに、逃げ場所もない。

でもみんな、本心は素直なんです。耳に痛いその図星を、ちゃんと受
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ヒズ・ガール・フライデー(1940年製作の映画)

3.5

「新聞とはおさらば。私は女として生きる」

コロナ禍で、会社ではウェブ会議が当たり前になった。
会議が新形態になって、明らかに変わったこと。それは会議中の発話のルール。誰かが話し終えるまでは、会話を被
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

3.0

「そんなものだよ。縁ってものはなぁ」

この当時の風俗・習慣だけでなく、価値観や思考様式までも克明に記録されていて、博物館もの。

それはそれで興味深いのだけど、この歳の私ですら隔たりが大きすぎて、共
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お茶漬の味(1952年製作の映画)

3.0

「うちのだんな様もどっか行っちゃわないかな?遠いとこ」

長男が今春巣立って、うちの夫婦もいよいよ転換期を迎えつつあるが、この映画がすーっと腹落ちするほどには、私はまだ熟成できてない。

だんな様の境
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お早よう(1959年製作の映画)

3.5

「母さん、テレビ買っておくれよ」

昔々、小学校の道徳の時間。担任の先生が息抜きするために、時々、“明るいなかま”っていうテレビ番組を見させられていた気がする。“♪なかま、なかま、な〜か〜ま〜”という
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.2

「♪雨に唄えば、弾む心、よみがえる幸せ」

たくさん映画を観てきたけど、この作品ほど、見終わって幸せな気持ちになれる映画はない。

もちろん、唄も踊りも夢見心地なんだけど、一番みんなを幸せにするのは、
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私を野球につれてって(1949年製作の映画)

3.0

「♪私を野球につれてって。観客席につれてって」

今も昔も、二遊間コンビはチームの花形

野球好きの私に言わせてもらえば、守備ポジションごとに期待するキャラクターが違うんです。

その点、この映画の、
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踊る大紐育(ニューヨーク)(1949年製作の映画)

3.5

「♪君と一緒に歩けたら、どんなに鼻が高いだろう」

明るく、楽しく、伸びやかに。
この時代のアメリカの文化の顕れなのでしょうか、若々しく、心身とも健全で、自信に満ち溢れている空気が、銀幕から伝わってく
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

3.5

「話し合うだけ無駄だ。さようなら」

“理解できない映画は評価に値しない” とか意気がって、誉れ高い名作たちであれ、片っ端から、バッサバッサ斬り捨てるレビューを書いていた時期がある。

最近、スタンス
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バリー・リンドン(1975年製作の映画)

4.0

「分からない」
「探しなさい」

もちろん、この卑賤な若者の成り上がりジェットコースター人生自体も興味深いのです。原作あっぱれ。

とはいえ、3時間あまり、瞬きひとつ許さずに観る人を終始画面に引き摺り
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スパルタカス(1960年製作の映画)

3.5

「奴隷は死で自由を得る。だから死を恐れない」

自由とは、生死を賭してまでして勝ち取るもの。

スパルタカスの不撓不屈の精神と比べて、現代の私たちの“生きる覚悟”のなんと生っちょろいことか。

黒澤映
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ラブ・アクチュアリー(2003年製作の映画)

3.5

「私ばかり…」
「そう…そうなんだ。君ばかり」

ブルボンのお菓子が好きです。
甘すぎないところがいい。

スーパーで買うのはいつも、“バラエティ詰め合わせ”

ほんとは “ルマンド” が好きなんだけ
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フォー・ウェディング(1994年製作の映画)

3.5

「いい式だな。どう思う?」

〇〇式って大事、人生の節目。
過去を振り返り、将来を考える節目。

そして同時に、いろいろなことにチャレンジしたり、あるいは逆に、頭にモヤモヤ引っ掛かることを諦めるタイミ
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素敵なウソの恋まじない(2014年製作の映画)

3.0

「私がなりたいのはまさにキミだ」

ほっこり可愛らしい小品。
何歳になっても、恋には熱量が要る。

イギリスにはペットの買い取り制度があるようで安心しました。

「キミには本当のことを教えてあげよう」
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映画 聲の形(2016年製作の映画)

4.1

「友達の意味をずっと考えてた。君に会う理由を考えてた」

僕の目に映る、“✘”バッテンマーク。
僕が勝手にみんなに付ける、バッテンマーク。

いつの間にか、周りはみんな、バッテンマーク。知らずしらず、
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