claireさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

PASSION(2008年製作の映画)

4.0

心のどこかで、物語上では決して交わることのない河井青葉と占部房子という二人の役者が、同じ空間を共有してくれないかとずっと願っていた。ほとんど対極にある二人の女と、彼女たちが中心に位置する磁場のその外周>>続きを読む

天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

4.5

当たり前のことを言うと、完全に「ハッピーアワー」(=「カメラの前で演じること」)以降であり、「偶然と想像」以前の作品である。そして傑作。手前の五月、モニターの中の雄三、奥の三月、加えて雄三を見つめるカ>>続きを読む

永遠に君を愛す(2009年製作の映画)

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監督曰く、この時は自分で脚本を書きたくなかったが、次作からはもう一度自分で台詞を書くことに決めた、と。

春原さんのうた(2021年製作の映画)

2.0

以前から監督のTwitterをフォローしていて、去年の海外映画祭などの様子を見ながらとても楽しみにしていた。しかし、とてもびっくりしたのだが、そこでの監督の日記などに現れる主演の荒木知佳の印象と、映画>>続きを読む

恋の秋(1998年製作の映画)

4.0

ロメールの映画の全てがそうなのだけど、特にこの「四季の物語」シリーズではとにかく女が生き生きとして映っている。対して、男は愚かで情け無い。それはほとんど憧れのような眼差しに近い。できることなら彼女らの>>続きを読む

夏物語(1996年製作の映画)

5.0

「海辺のポーリーヌ」のポーリーヌことアマンダ・ラングレが、ほとんどポーリーヌの未来形として出演していことくらいは前情報を入れていたが、久しぶりに映画を見てて、溜息が止まらないというか、ただただ見惚れて>>続きを読む

王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

4.3

「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」じゃないけど、「三者関係、どこから撮るか?」は大きな問題で、言い換えるとそれは「どこにカメラを置くか?」であり、さらに問題は、「誰をどこに配置するか?」「>>続きを読む

怒りの日(1943年製作の映画)

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「裁かるゝジャンヌ」と連続で見るといろいろ気付かされることが多い。

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

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見ながら、そういえば「女と男のいる舗道」でアンナ・カリーナがこれを見て涙していたことを思い出した。ようやくドライヤーデビュー。

Daughters(2020年製作の映画)

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去年これをアップリンクで見ていたら本当にトラウマ的に邦画を劇場で見ることを辞めてしまっていたと思うから、数日後に始まる「euphoria S2」配信までの暇つぶしで見る去年未見の邦画リストとして消費す>>続きを読む

冬物語(1992年製作の映画)

5.0

プラトンもパスカルも(自戒を込めて、ドゥルーズもライプニッツもフッサールも)究極的には読む必要はない。世界を知覚できることと、哲学書を読んでいること、もっと広く、知識があることは無関係であり、むしろ「>>続きを読む

ある結婚の風景(1974年製作の映画)

4.0

「マスターオブゼロ」S3(個人的には2021のベスト5には入れたい)のレファレンスでアジズ・アンサリが今作を挙げていたけど、結末というか最後の1時間までの辿り着き方がなぞられていて、「マスターオブゼロ>>続きを読む

春のソナタ(1989年製作の映画)

4.6

脚本、俳優、インテリア、ロケーション、ファッションetc…のあらゆる美的感性が洗練されすぎていてこれは誰が見ても退屈しないだろうな、と。濱口竜介しかりホン・サンスしかりホナス・トルエバ「8月のエバ」し>>続きを読む

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.5

出てくる男が例外なく気持ち悪くて、先日の「偶然と想像」評で宮台真司が監督の「女になりきりたい願望と、女になりきれない落胆」について書いていたことはあながち突飛ではないと思う。図式的すぎるほどに男たちが>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

5.0

第3話のある場面で、何故映画を愛してしまうのかという問いの答えのような瞬間が映されていて、どうしようもなく泣けてきた。そこでは、何が偶然なのかは判然としないだけではなく、それがまるでどうでもいいことの>>続きを読む

スワン・ソング(2021年製作の映画)

3.0

レコードに針を落としてコンマ数秒のノイズの後に聞こえるのがフランク・オーシャンの「Moon River」なのはズルいけど、ここ2年くらいで同じ曲が少なくとも3回は使われているから安易と言えば安易でもあ>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.8

初っ端から(最後まで)音楽というか音の同期まじでうぜぇとか漏らしてたんだけどふつうに面白かった。物語的にはもう少しベターな方法があったとは思うけど。だけど、うん、ロマンス的には最高なんだけど、あのまま>>続きを読む

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)

4.2

Mica Leviのヤバい劇伴だけではなく、前半の、文化や身体から生まれる(=鳴る)音と非西洋的なリズム感は面白かった。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014年製作の映画)

4.1

1年以上振りにマーベル再開したが、「エターナルズ」の公開期間中に間に合わせたい気持ちと他にも見たい映画あるんだって気持ちとそもそも映画見てる暇なんかねえんだという気持ちでまあぼちぼちやっていこう。>>続きを読む