みなみさんの映画レビュー・感想・評価

みなみ

みなみ

東京の女(1933年製作の映画)

3.5

小津安二郎は悲劇を撮っていた!僅か9日間で撮影されたらしく60分を割る中編だが、その手際の良さは一級。らしさ溢れる佳作だ。当時の貞操観念の働きがこれほどまでとは…!

青春の夢いまいづこ(1932年製作の映画)

3.0

大学を中退し会社社長となった男の元に、就職難でかつての級友が頼ってきた。『生れてはみたけれど』と同じく会社組織で生きることの悲しさが描かれる。こういう映画を受けて『釣りバカ日誌』なのかな。見合いのシー>>続きを読む

生れてはみたけれど(1932年製作の映画)

3.5

学校に馴染めない兄弟が父の教えもあって漸く馴染むも、ある時父の会社での姿を目撃してしまう。子供への理想と、会社員として働く父の矛盾が鋭く指摘され、会社員の私も少し凹む。デシーカ『自転車泥棒』に繋がるの>>続きを読む

光陰的故事(1982年製作の映画)

3.5

台湾ニューシネマの立ち上げと重なる記念碑的オムニバス映画。どれもミニマムで心穏やかに鑑賞できる。第2話のエドワード・ヤンが頭一つ抜けた良さがある。

東京の合唱(コーラス)(1931年製作の映画)

3.0

小津安二郎のサイレント映画。男は恩給直前で仕事を解雇されられる。子供に二輪車を買う約束をしたのに。夫がレストランの客引きをしているところを妻に目撃される。その後の展開、項垂れる夫婦のカットにおける相似>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.0

将来を約束された医学生が突然退学。カフェで働きながら、夜な夜な男たちを懲らしめる。手段としての映画が社会を次のステージへ導くため、必要とされているのは極めて毒性の高い映画であり、「すべての男性がこうで>>続きを読む

四月の永い夢(2017年製作の映画)

4.5

彼氏を亡くした喪失感のまま生きる女の元に一通の手紙が届く。丁寧な描写が見事な傑作。心の機微が俳優の顔を通して生き生きと伝わってくる。朝倉あきは売れまくってほしい。気づけば薄幸の主人公のこれからを願わず>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

4.0

女が旧友を訪ね、それを3度繰り返す。具体的なことは殆ど何も明らかにされぬまま、映画は完璧なまでの反復を行う。反復により様々な点に目がつく。例えば外的な男性であったりする。この配置は『燃ゆる女の肖像』を>>続きを読む

落第はしたけれど(1930年製作の映画)

3.0

小津安二郎初期のサイレントコメディ。例の人々の動きが揃うシーンなど当時の映画表現の特異さを垣間見る。音がない映画にリズムをつけようとしたのかな。落第はしたけども、及第して卒業した奴らも結局職がないじゃ>>続きを読む

ホラーマニアvs5人のシリアルキラー(2020年製作の映画)

2.5

イケてないホラーマニアが紛れ込んだのは殺人鬼の集会だった……!80年代ホラーオマージュが全編に仕込まれて楽しいのだが、もう1つ2つクセが欲しかった気もする。何らかのどんでん返しを期待してたのかな。やや>>続きを読む

朗かに歩め(1930年製作の映画)

3.0

背景はアメリカでキャラクタだけ日本人の小津安二郎初期作品。

その夜の妻(1930年製作の映画)

3.0

小津安二郎初期監督作品にはこうしたノワールがあるのが驚き。背景が日本ではないのに登場人物は全員日本人というケレン味?も悪くない。まだスタイルは確立されていないようだが、節々にアメリカ的演出のエッセンス>>続きを読む

学生ロマンス 若き日(1929年製作の映画)

2.5

まだその所謂小津調は現れず。コミカルなサイレント青春映画。国産のものはあまり観たことがないのでそうした価値はある。

おいしいコーヒーの真実(2006年製作の映画)

3.0

コーヒーを消費する先進国の人々とコーヒーを生産する後進国の人々の様子が交互に描かれる先進国に住まう我々に向けた問題提起。恥ずかしながらフェアトレードに関してほとんど知識がなかったので、ついでに調べたの>>続きを読む

聖者たちの食卓(2011年製作の映画)

3.0

タイムラインで話題だったので鑑賞。がっつり見入ってしまう。インドで大量の食事を提供する寺院の毎日。食と衛生。インドに行けば価値観が変わる、の理由が詰まった映画。国が違えばここまで違うか。

さようならCP(1972年製作の映画)

3.0

脳性麻痺の実際に寄り添うドキュメンタリー。都合の良い感動へ逃げない真摯なカメラ。

和製喧嘩友達(1929年製作の映画)

2.5

小津安二郎最初期の映画。元々は長編だったそう。オリジナルはアメリカ映画らしいが、こういうのが『トラック野郎』の源になってたりするじゃなかろうか。

大学は出たけれど(1929年製作の映画)

3.0

小津安二郎最初期の作品。田中絹代が出てきた。サイレント時代の活躍を初めて観たかも。とても観やすい。

アブノーマル・ウォッチャー(2015年製作の映画)

2.5

変態大家に見守られながらラスト15分まで不倫騒動をやる夫婦。見守ることが十分に気味悪いのでここまで引き伸ばしたのは正解。胸糞悪さ相まった佳作

赤ちゃん教育(1938年製作の映画)

2.0

ラブコメディの傑作と言われる本作だが、コメディのラインが随分今と異なるため、当時のような評価をするのは難しい。あまりに早い展開に加えて、ヒロインがとにかくヘイトを集めまくる。

コーヒーが冷めないうちに(2018年製作の映画)

2.5

「4回泣けます」と言われた時点で泣く気も観る気も失せるが、機会があり鑑賞。物語は悪くない。4つの短編が連なることもあり、これは地上波の連続ドラマで良かったんじゃないかと。

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.5

ミステリ分類における館モノは最も古典的で格調高くあるが、それが映画で成功した例はあまりない。館モノと並ぶジャンルの列車モノと比較すると、館は不動であるが列車は移動するという、運動量の差が現れていると思>>続きを読む

ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)

3.0

40数年前のディストピア映画は、当時何に危惧をしていたかを想像することができる。増えすぎた人間、環境問題や食糧問題、そして倫理的なタブーへの接近。舞台となる2022年を目前にした現代との対比すると面白>>続きを読む

見えない恐怖(1971年製作の映画)

4.0

視覚障害者の女性に卑劣な殺人者が襲いかかる。遅ばせながらリチャード・フライシャー監督の作品は初鑑賞となったがまさかここまで面白いとは。序盤から露わになる違和感、線のように持続し途切れることのない緊張、>>続きを読む

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)

4.0

稀代のアナーキスト奥崎謙三に迫る傑作ドキュメンタリー。戦争というあまりに強大な矛盾を自らの手で解消させようともがいているよう。カメラはそれをただ目撃しているだけに過ぎない。凄まじい熱量と狂気に圧倒され>>続きを読む

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