敬虔なクリスチャンである看護師の女性が余命僅かなダンサーの看護とともに救いへと誘おうとするが…。
レイシストの女性ばかりが集まる集会から長回しのカメラが崩壊に至るまでを追い続ける。前半から後半にかけての接続こそが長回しが生んだ効果だと思うが、それにしても湖畔の映像の見辛さはどうか。
ATGとのことで身構えていたらほっこりで安心。一人の医学部生を中心に多数の人物が登場、ポスト学生運動の世代にある医学生たちのあるあるをやる。
ポルノスターの男性が地元に戻ってくる。まるでダメな環境で、ダサい恋愛をしながら、それでも再起に執念を燃やす。2016年の雰囲気というか、決して2023年ではない空気感もよい。一緒に鑑賞したのがほぼ仕事>>続きを読む
一流レストランを辞めた主人公が移民支援施設で働くことに。クライマックスを料理番組に押し込んだ剛腕さはちょっとどうかと思うが、みんなで料理を作って和気藹々としているところはよかった。
ポップな邦題とアイキャッチが疎ましくなるほど、かなりキモい男性が単身パリに乗り込み、パリらしさの殆どないアバンチュールを繰り広げる。どういうわけか観続けられるのは、やはりホンサンスの巧さだろうか。
ホラー映画の続編にして、予算の増加に伴う品質の向上に成功した稀有な例。舞台を怪しげなマンションに移し、丁寧に環境を構築していく。マンションから抜け出すという映画を動かす大きな力に支えられている。特筆す>>続きを読む
続編鑑賞のため。かなりスタンダードな悪魔祓いモノ。エスニックな雰囲気はあるものの、最近流行った映画の目撃に近い鑑賞体験にまでかと言われるとそうでもない。
浜辺に来た三人の男女。反復と変調を繰り返しながら遷移する展開の心地よさ。豊かなコミュニケーションとシンプルなカメラも含めてロメールを想起させる。むしろ制約を増やすことでロメールらしさを先鋭化させてはい>>続きを読む
高層マンションを地下に叩き落とすだけであらふしぎ。観たこともないシチュエーションに早変わり!コメディからシリアスへのスイッチが激しく、鑑賞後の満足感が高い。
作りの硬いヒューマンドラマ。時代に取り残された男が、自死の決意をきっかけに変化を迎合していく。トム・ハンクスがアメリカの病理を全て背負っているかのような苦しい顔をしている。オチ及びインフルエンサーが全>>続きを読む
要は『ベニスに死す』の性的欲望剥き出し版。あっさり二人は出会い、ふにゃっと謎は解ける。
閉店間際の浴室向け設備販売店に一人の女。店長の男が相手をすることに。やましいビデオの設定のようだが、それを抜けた先にいいオチが用意されている。
娘を殺した元同級生を赦すか赦さざるか、主演の松浦りょうの無言の雰囲気に全てを託して物語がゆっくりと展開していく。反復の映画になりそうでならなかったり。少し物足りなさもあるが、かなり骨太の映画を目指した>>続きを読む
フリッツ・ラングの西部劇。古典西部劇をそれほど観ていないので他と比べてどうかわからないが、かなり王道の流れだったように思う。一人の女性を取り合うコミカルな展開もある。
示唆とメタファーに富む作風は近年の作品と共通しているが、主人公たちが性的に下品で興味のある対象にならなかったのでノレない。『逃げた女』は「何から逃げたのか?」「なぜ逃げたのか?」が気になり、それがメタ>>続きを読む
シリーズ4作目にして、前作までは一旦ほとんどリセットとして再び網走刑務所から。雪道を滑走するトラックには様々な人が乗り合い、人間模様を豊かにしていく。プログラムピクチャーのフォーマットを借りて『駅馬車>>続きを読む
地元長崎に戻ってきた橘が任侠モノのフォーマットで立ち回る。網走からずいぶん離れていまいちピンときていない。
かなりいい映画だと思った。首都東京の歌舞伎町周辺を再解釈したかのような目新しさ。国籍が混じり合う複雑な抗争というダイナミズムの中に、男と女のミニマムな恋愛が揺れる。夜の首都高を疾走する映像の抜け感がず>>続きを読む
網走刑務所から離れた元囚人が娑婆で色々と騒ぎを起こす。石井輝男が高速で撮りあげた外連味たっぷりの脚本に酔える。トルコ風呂拷問で苦しむ高倉健がいい。博打で大枚叩く女というのもかっこいい。
4と5でリブートに失敗したシリーズが、まさかウッズボローを離れたことで成功するとは思わなかった。スラッシャー映画としての面白みを確かに携え、それでいてちゃんとスクリームをやろうとする。7が期待できる。
この頃のフランスが中絶禁止だということを知らなかった。カメラと被写体との距離感が絶妙で、まるで自らが焦燥と絶望とに晒されている感覚がある。
奥行きのある画面構成も見事だが、死への接近(同時に生への渇望と)を含意するクライマックスのトラッキングショットがとてもいい。物語は難しくてよくわかっていない。
混沌を極めた映画製作の裏側。十字架に磔にされたシャルロット・ゲンズブールが猛烈な原色の点滅の中で何かに気づいているように見える。ギャスパー・ノエがリスペクトしているのであろう映画監督の言葉を引用しなが>>続きを読む
誕生日パーティーを機にルーザーたちが一念発起。両親不在の家に友人たちを招くが、その規模は際限なく増加していく。コントロールを失った大衆を前になす術のない主人公に共感。「私がこの人じゃなくて良かった…」>>続きを読む
虚言癖のある兄に呼ばれて寂しい街アトランティックシティに着いた弟は「ハワイの孤島を王国にしよう」と持ちかけられる。兄の周りには謎の女が二人、そして怪しげな男たちの姿もあった。弟にはまたいつもの兄の虚言>>続きを読む
パンクバンドが再結成することに。社会の枠に収まっていないか?と問われ続ける映画は、やや過剰な演出の味付けがコメディとしてはノイズに感じられたり、反対に狂気を引き出すという意味では成功している。現在から>>続きを読む
刑事の男が巻き込まれた犯罪組織による銀行強盗作戦はそれぞれの思惑が交錯し全くうまくいかない。組織の女は刑事の男に取り入って抜けるよう画策する。オチの演出はボブラフェルソンによるポストアメリカニューシネ>>続きを読む
ナイルの源流を探検するためにやってきた英国人二人の受難は、辛くも英国へと戻ってきてからだった。
結婚した資産家の男性を毒殺しまた結婚を繰り返す悪女と、その犯罪に気づいた司法省の女がハワイで迎合。そこで一人の男性を奪い合うことに。
こうしたデスゲームモノでしか得られない栄養があるのだが、残念、この映画にはありませんでした。伝えたいメッセージが先行して説教くさく、なにより画面が弱い。