ネブュラーさんの映画レビュー・感想・評価

ネブュラー

ネブュラー

約束(2021年製作の映画)

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年に一度のフランス映画祭、イザベルユペール出るのかぁでなんとなくみにいったら、良いフランス政治スリラーにばったり出会った。
イザベル・ユペール、レダ・カテブのダブル主演といっていい映画推進力の両輪ぶり
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.5

デューンしてきました。
なにはともあれ、デヴィッド・リンチ版から映像技術が比べ物にならないくらいに発展し、リンチ版は閉塞的なセットが多いように感じるが、本作はかなり開放的でいて、ドゥニヴィルヌーブらし
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フリー・ガイ(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

「NPCが主役」というアイデアにひかれ、ずっと心待ちにしていたフリーガイ。レディプレイヤーワンほどのスケールの大きさはない。が、設定が大きな原動力になり、ストーリーをスムーズに押し進めていく。
モブ殺
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.3

エアー版がファミリー層を意識したのか、全体的にフワッとというか中途半端で想像力に欠いたスクアッドだったなという個人的感想だが、今作は露悪的ともいっていいゴア描写とシュールなユーモア、想像力に溢れすぎた>>続きを読む

メジャーリーグ(1989年製作の映画)

3.9

ただのワイルドシングから、洗練されたワイルドシングへ。チャーリー・シーンの登場シーンは、色褪せない。

フィアー・ストリート Part 3: 1666(2021年製作の映画)

4.6

縦横無尽すぎるホラー、いちおう完?。
続編の匂いを漂わせながらも一旦腑に落ちるエンディングを迎えてくれた。
本編の中で、これだけ時代に合わせて様々な特色をみせてくれる映画は楽しいし、トンマナの振れ幅が
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フィアー・ストリート Part 2: 1978(2021年製作の映画)

4.4

「スプラッタ♪スプラッタ♪スプラッタ♪ぷ〜〜♪虹のゲートまで〜」陽気さを忘れない、順当に面白い仕上がりでパワーアップ。
チェチェチェチェチェチェチェとランナウェイズが歌うだけでライトさに包まれるドーピ
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フィアー・ストリート Part 1: 1994(2021年製作の映画)

4.3

ITのような、閉ざされた街で綿々と続く負の連鎖と向き合うティーンたち。
マヤホーク×ショッピングモール、ゴーストフェイスらしき彼など、映画・ドラマ的文脈からミスリードというか、あらゆる印象を連想させる
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僕のミッシー(2020年製作の映画)

4.2

ジムキャリーの狂気と、ミスタービーンの狂気のフォロワー、ラプカスさん。
なんで最後の感覚だけ、ちょっとまともなの。

プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

資本主義への批判的描写がある一方、共産主義的暴力革命をストーリー的にちょっと良さげな感じで描きながら、こちらとしては平等という名目のもと、他人の行動を制御するためには殺してもいいのかという倫理的疑問を>>続きを読む

ザ・ハント(2020年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

ブラムハウス産人間狩り映画。
冒頭から「およよ?」とさせられる展開、それがギアシフトの合図かと思いきや、何度かブレーキを入れられる感覚。
面白いリズムで変わっていく視点、さらにコメディタッチが軽くしな
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続·ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画(2020年製作の映画)

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前作以上に有名になってしまったボラットというキャラクター、サシャバロンコーエンに課せられた制約の中で、前作よりもまだまとも?に、爆笑を与えてくれる。
カルチャーギャップコメディは、ボラットと娘の共同作
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幸福の黄色いハンカチ(1977年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

必殺・黄色いハンカチ。
あまりも有名すぎるラストだが、分かっていても涙腺を刺激してくる。
男とは何たるや、女とは何たるやなど、今みるとあまりに古臭い価値観の押し付けは一種のフリであり、漢・高倉健を演出
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

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父子の関係、シンジの真の選択、エヴァンゲリオン世界の時系列的謎、そして誰と繋がるのか問題。
色々落とし前をつけにきます。
数多の犠牲を伴った結果だけど、まじで良かったね。おめでとうというか、コピー通り
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イエスマン “YES”は人生のパスワード(2008年製作の映画)

4.3

ジムキャリーほど、「やみくもイエス」の効能を100%引き出せる奴はいない説。
生まれ持った陽キャオーラを、ここぞとばかりに発揮していく。こんな奴がイエスイエス言ってたら、秒で友達100人だよ。
こうい
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ノマドランド(2020年製作の映画)

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ノマドの景色から見える可能性。経済格差、経済危機などの社会的背景が推進してしまったノマド的生き方は、100年時代を全うしなければいけないより若い世代の一つの選択肢な気がする。季節労働だけではなく、イン>>続きを読む

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「インサイド・ヘッド」「ウォーリー」「モンスターズ・インク」などピクサー傑作群を産み出してきたピートドクター最新作「ソウルフルワールド」。遅ればせながら、鑑賞。
うーん、安定の大傑作!!笑
設定の奇天
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セールスマン(2016年製作の映画)

4.3

「セールスマンの死」の戯曲と共鳴する。
劇中劇の悲劇、本作の主人公・ある夫婦に降りかかった悲劇とそれがもたらすさらなる悲劇。
イランの住空間、この殺伐としていて、ふと冷たい感覚を残すある種の残酷さが、
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カポネ(2020年製作の映画)

4.0

静かに侵食されていくカポネの凶世界。
しっかりと顔が露わになった、そしてスカーフェイスのトム・ハーディ。らしい画面が何とも豪華ながら、カポネの晩年の情けなさよ。。うんこ垂らしは、なかなかお目にかかれな
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恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

人生の肯定を重ねていくループ。ビル・マーレイのおどけた感じ、皮肉な感じがコメディとしてのクオリティを担保しながら、よくよく見ていくとなかなか奥が深い。映画内ではリアルとして同じ日を繰り返していくわけだ>>続きを読む

パッドマン 5億人の女性を救った男(2018年製作の映画)

3.6

「仕事にも行かないで、女の股に興味がある奴」と字面だけ見ると確かに変態なんだが、確固たる問題意識と実行力が社会を動かす、真面目でチャーミングな伝記もの。
どれだけ男女、そして社会から踏まれ続けるんだと
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ライリー・ノース 復讐の女神(2018年製作の映画)

3.0

インスタントの軽食的な映画感覚が、空虚でしかない方向に向かった、これは悪いピエールモレル。
リベンジものは相対する敵が憎くないと感情がのらないし、ライリーノースの強さの原動力が単調なアクションや唐突す
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ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)

4.3

至極真っ当な感想、ガメラの敵にはなりたくないよねに共感。
そんな至極真っ当な水野美紀に対して、寒さと足出しファッションの両立をいちいち持ち出してくるセンスよ。。
レギオンのとてつもない強さ、「仙台消滅
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ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

4.2

少女たちという絶対領域を、ソフィアコッポラが封印。ふーいん!瓶の中にきゅっ。
そんな軽いノリではない。ある種の虐待であり、翼の折れたエンジェルと形容しても良い、かわいい姉妹たちの残酷シスターフッド物語
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みんな死んだ(2020年製作の映画)

3.6

マックGからの影響を感じるポーランド産「そして誰もいなくなった」。
ジャンピンジャックフラッシュが幕開ける、冒頭から漂うパリピな生産性のないパーティーが演出する縦横無尽に行き当たりばったりな展開をばか
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

5.0

こんなに場所ごとに、そして店舗までどこか分かってしまう映画もないな。。
明大前やら下高井戸やら、あの甲州街道沿い、多摩川沿い、みなとみらいの風景。
景色が血肉となっているからこそ、それだけでキューーー
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殺しの烙印(1967年製作の映画)

4.5

唐突に見える記号たち、炊かれた米の匂い、蝶の死骸がべたべた張り付けられた壁、取り換え可能な目玉、ガスライター。。
収拾がつかないこの世界をさらに匂わせるエロティシズム、デカダンスな雰囲気、これはやばい
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

5.0

ヤクザという日本で育まれた一つの文化の衰退、士農工商の時代に近しい、ある生い立ちのサイクルが生む悲劇。
スターサンズ、藤井道人監督、「新聞記者」同様、日本が抱える暗部を切り取る。
日本社会のシステムに
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関東無宿(1963年製作の映画)

3.8

「敷島の大和男子の逝く径は赤き着物か白き着物か」
鈴木清順監督の描く、舞台的演出や博打シーンの迫力が凄まじい。
おかる八の潰れた耳、寿司を触った手で扱う花札、暑苦しい表情、鏡として用いられるアイテム、
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ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)

4.3

平成3部作の第一作となるガメラ。
ガメラのクリクリな目から分かる、人間サイドとしての優しみが五臓六腑に染み渡るで〜。時代を感じる特撮映像が日本をリアルすぎるほどにぶち壊していくのだが、中洲、渋谷は知る
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ウォーリー(2008年製作の映画)

5.0

最高にエモい、機械じかけのラブストーリー。
このキュンさは、子供のころに味わった「王様の剣」のリスシーンに近い。
単純ながら奥深い「名前をただ呼び合う」という行為、動き、そして音楽。
機械がこの原始的
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工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

南北関係にメスを入れた大傑作。
スパイものとしての圧倒的緊張感が工夫に工夫を重ね終盤まで保たれる。
また、そこにアクション的要素を一切排した、表情、セリフ、情報の引き出し具合で緊張の糸を渡り続けるスリ
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聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

4.2

全体的に緑がかり、色彩に乏しい鬱屈とした村の雰囲気。瞳孔が開いちゃってるのか、クラブシーンから見せつける「やばい奴」の眼光。この全体のただならぬ雰囲気が静けさをもって、よりセンシティブに観客である自分>>続きを読む

フルートベール駅で(2013年製作の映画)

4.6

ライアン・クーグラー×マイケル・B・ジョーダンの幕開け。
オスカー・グラント三世射殺事件を題材にし、当時の撮影映像も挿入される。
ある男の新年の決意から、突然の死までなんとも淡々とあっけなく終わりを迎
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ザ・リチュアル いけにえの儀式(2017年製作の映画)

4.4

スウェーデンの森を舞台とした邪教崇拝ものとして、様々な点から禍々しさを演出してくれる本作。
「ミッドサマー」にも通ずる、人体開きや管楽器と重低音がうねる不気味な民謡チックな音楽。
枯れた木々の羅列は、
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