魔女は再び目を覚まし、我々は禍々しい舞踊を捧げる。
イタリアホラー界の巨匠ダリオ・アルジェントの代表作『サスペリア(1977)』をリメイク。
監督は『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ。>>続きを読む
あなたがいるから僕は存在し、どこに向かっていくかわからない。
ポルトガルの都市ポルト。
一人の孤独な青年は、深夜ある女性と出会う。
その夜は一生に一度の出会い。
ブラジルの新鋭ゲイブ・クリンガー>>続きを読む
深遠なる旅路へ。
映像の詩人と呼ばれたA.タルコフスキーの代表作。
そして祖国ソ連で撮影された最後の映画。
誰も足を踏み入れない場所“ゾーン”
その奥には願いが叶う“部屋”がある。
タイトルの『ス>>続きを読む
不意にぼやけ、不意に訪れるあの日。
『タクシードライバー』は傑作だと思っているし、『ドライヴ』も独特な映像で面白いと感じた。
本作はその二作と比較されるような宣伝のされ方をしていて、たぶん好みに合>>続きを読む
まるでベトナムのような惨劇があの当時のデトロイトに。
一触即発の環境であった60年代、デトロイト。
昔から今までアメリカは、多くの人種とともに存続していた。
そして、今でも語られているのは黒人差別>>続きを読む
私は絶滅すべきでしょうか?
自分はこの世界でちょっと浮いてるんじゃね?とか、受け入れてくれてないんじゃね?って誰もが些細にも感じるようなところを上手く突いたような映画。
浮わついたあいつらとは違う>>続きを読む
“狂王”と呼ばれた王の生涯。
ヴィスコンティの「ドイツ三部作」の幕引きとなる本作。
ヴィスコンティ史上最も長い、四時間もの時間をかけた本作(復元版ということではあるけど)。
きっとヴィスコンティは>>続きを読む
「あなたにとって映画とは?」
映画を観ることに人生を捧げたすべての者たちへ。
2018年ラスト鑑賞!
本作では、映画を観ることに人生を捧げた人物をシネマニアと呼ぶ。
NYを拠点としたシネマニアたち>>続きを読む
数々の映画監督を魅了し、今なお高い人気を誇るカール・テオドア・ドライヤーのおそらく最も有名な作品。
数々の映画で題材とされてきたジャンヌ・ダルク。
本作は、歴史に残された“ジャンヌ・ダルク裁判”の>>続きを読む
あの頃の自分は、未来の自分を見てなんて思うのだろう。
眩いL.Aの街の明かりは、静かに湖へと消えていく。
今年最後の劇場締めくくり映画。
ガーくんの渾身の全裸走りとか、オタク気質な男を演じている>>続きを読む
誰もが幸せになる世界を作りたいなら、自分だけが幸せになるという考えを捨てるべき。
もし完璧な世界があるとしたら、そういう世界なんだろう。
カウリスマキ作品の中でも、これが一番好き。
前作(ル・アー>>続きを読む
マッティ・ペロンパーに捧ぐpart2。
フィンランドが失業者で溢れた頃、その当時が本作の舞台。
1992年ごろから失業率が二桁となったフィンランド。
やはり国民は生活に苦しみ、職がない人間も珍しく>>続きを読む
マッティ・ペロンパーに捧ぐpart1。
本作はマッティの遺作であり、カティとの共演作品では二作目となる。
そして、大体の作品で不幸が降りかかるんだけど、本作は不幸がない。
コーヒーが切れるくらい。>>続きを読む
「僕は臆病者だ。」
会社をクビになったフランス人。
長年働いてきたにも関わらず、国籍によって弾かれることになり、やっすい金時計が退職手当のようなもの。
誰とも関わることはない孤独な男は自殺を決意す>>続きを読む
世界最悪のバンドがアメリカへ行く。
黒サングラス。
黒ジャケット。
黒トンガリヘア。
黒トンガリクツ。
さあいざアメリカへ!
アキ監督の持ち前のコメディセンスが炸裂。
このゆるさはこの監督じゃな>>続きを読む
労働者三部作最終作。
マッチ工場で働く娘。
実家に住む両親は、仕事に就くわけではなく、家にずっといるだけ。
家事もすべて娘がやっている。
工場へ行き、帰ってくれば家事。
友達もおらず、恋人もおら>>続きを読む
労働者三部作二作目。
虹の世界まで君を連れていこう。
少し変則的なフィルム・ノワールもの。
無罪放免の男が、強盗により人生をかき回される話。
シンプルなストーリーだからこそその監督の色が出るものだ>>続きを読む
アキ・カウリスマキ、労働者三部作の一作目。
ゴミ処理場の職員である主人公が出会う、スーパーの女性。
一瞬にして恋に落ちる。
労働者階級から見える、当時のフィンランドの社会。
高級レストランでは、>>続きを読む
束縛からの解放、自分を獲得。
『リアリティのダンス』より数年後…。
変わらず両親のもとで閉塞的な生活を続けてきたアレハンドロ。
ようやく彼に転機が訪れる。
詩との出会いだ。
全てが束縛の連続であ>>続きを読む
母の死により立ち止まった人生を、再び歩き始める。
人生ベストの『雨の日は会えない~』の監督、ジャン=マルク・ヴァレの作品。
テーマはやはり次作と似ており、“死による喪失と対峙すべき現実”。
最愛>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
三度目の殺人はいつ起こった…?
ふらふらとした三隅の証言と、真実が歪んでいく事件。
本作が描いていたことのなかで印象的なのは“真実という曖昧な物事のなかで、人が人を裁くという矛盾”。
それ以外で>>続きを読む
天国とは夢の叶う場所のことである。
アメリカで生まれた野球。
例えば、子どもの将来の夢では、プロ野球選手がよく挙げられる。
本作で登場する人物は、プロでのプレイが叶った。
しかし、ある出来事により>>続きを読む
この映画をリアルタイムで観れたことを誇りに思う。
批評家から(Tomato)の評価が低く、観客からの評価が高いという、なんともQueenらしいとも言える本作。
僕はライトファンレベルで、もちろんリ>>続きを読む
映画史に残る偉大な監督エドワード・D・ウッド・Jr.
通称エド・ウッド。
この監督を知ったのは本作からであり、彼の監督としての凄さは、たった一作観ただけでも存分に理解できるはず。
子供の頃から>>続きを読む
家族にとってのハッピーエンド。
「近年SNSは教会の役割を担っている。」
自分の近況、自分の思想、自分の交遊関係、自分の愚痴…。
または懺悔や相談など、身近な人間ではなくとも、まったく顔も名前も知>>続きを読む
本作が念願の小津デビュー。
日本が誇る名監督小津安二郎。
本作は多くの映画ランキングで必ず名前が挙がるほどの名作。
遅ればせながら、名監督に挑む。
難解という勝手な先入観があり、カメラワークがど>>続きを読む
She's a Killer Queen.
セロン姉さんが40代にして、アクションスパイ映画へ。
宣伝の際もアクションが非常に推されていた。あと音楽。
東西時代のドイツを舞台に、二重スパイのミッ>>続きを読む
人生において上も下もない。
人生で辛いことや苦しいことに直面したとき、あの犬よりもマシだと思えば生きていける。
辛いけれど、宇宙船で死んでしまったライカ犬よりはマシだ。
母親は何らかの原因で体調>>続きを読む
逆さのアメリカ国旗が語る、この土地の全て。
雪が覆う農地ウインド・リバー。
ネイティブアメリカンの保留地として、存在を維持している。
ひとりの少女が命を落とした。
白い雪の上に、赤い血が否応なく惨>>続きを読む
信念に基づいた、最高のアンチヒーロー。
60~70年にかけて西部劇が衰退し始め、新たなブームが生まれた。
刑事ものの誕生である。
本作のハリー・キャラハンは、まさに西部劇の人物像を踏襲したようなキ>>続きを読む
今日を忘れるな。
しっかり胸に刻め。
会社崩壊の危機。
一人の男が会社から解雇通告を受ける。
進めていた仕事のデータを部下に受け継ぐ。
世界経済の中心であるウォール街で、ある一人の男が危機に気づい>>続きを読む
沈黙を打ち破るのは。
戦時下。
ドイツの将校は、老人と姪の二人暮らしの家に居候することになる。
二人は沈黙を貫く。
敵国である将校と言葉を交わすことを拒んだ。
憎き相手にせめてもの抵抗を。
ド>>続きを読む
たった一枚の紙切れが、誰かの人生を狂わせている。
一枚の偽札。
悪ガキが作った無価値の産物。
一枚の偽札。
人を欺くために作られた無価値の産物。
一枚の偽札。
人を狂わせる無価値の産物。
ロベー>>続きを読む
市川崑監督の金田一耕助作品第五作。
「さようなら、金田一耕助。」
素晴らしかった。
シリーズの締め括りとして、個人的に『犬神家の一族』の次に好きだし、何より退廃さや新しい芽生えなど、この当時の日本>>続きを読む
この憎しみはloopしている。
未来から送られてきた人間を撃ち殺し、その報酬を得る仕事ルーパー。
仕事を辞めるためには、未来の自分を撃ち殺し、大量の報酬を得て、残りの人生を過ごす以外に選択肢はない>>続きを読む
あぁ、他人のことなんてどうでもいいんだ。
ウォール街で働くことに対する最高の優越感。
いつもの美容に対するルーティーンは、素晴らしき自分を高い位置に存在させるためでもある。
筋トレで磨きあげた美し>>続きを読む