フラハティさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

フラハティ

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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

3.9

家の前の雪をかこう。
また積もる。
家の前の雪をかこう。
また積もる。


人生とは進んでいく時間と過ごすこと。
上手く過ごせればきっと幸せだ。
だが人生とはそんなに簡単じゃない。
誰もが、どこかで悲
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ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

4.3

自分だったらどうするか。


この映画は絶対的にメルギブが撮りたかった題材なんだろうなーと個人的には思ったりする。
敬虔なキリシタンであるメルギブソン。
本作のデズモンドもそうで、結果的に彼の信念が多
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話の話(1979年製作の映画)

5.0

【特集】ユーリーノルシュテインの世界。


ラストの六本目は『話の話』
あぁ、これがノルシュテインの"ノスタルジア"か。
ノルシュテインの幼き日の思い出と、詩のように浮かび上がる情景。
集大成とも言え
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霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

4.2

【特集】ユーリーノルシュテインの世界。


五本目は『霧の中のハリネズミ』
子グマくんの家へ向かうために、ハリネズミくんは霧のなかの森を通り抜けなければいけない。

本作は霧につつまれた森という恐怖心
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アオサギとツル(1974年製作の映画)

3.4

【特集】ユーリーノルシュテインの世界。


四本目は『アオサギとツル』
日本の浮世絵と水墨画が参考にされ、今までの作風とは少し変わってる。

恋愛とは繊細で、美しく、めんどくさいのだ。
こうやってみる
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キツネとウサギ(1973年製作の映画)

3.7

【特集】ユーリーノルシュテインの世界。


三本目は『キツネとウサギ』
前二作とは作風が変わり、民話からの子ども向け作品。
ウサギくんの家が、キツネさんに乗っ取られることで巻き起こるどたばた劇。

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ケルジェネツの戦い(1971年製作の映画)

3.2

【特集】ユーリーノルシュテインの世界。


二本目は『ケルジェネツの戦い』
中世のフレスコ画が命を吹き込まれる。

前作との違いは、戦いと平和を描いている部分。
前作は戦うことで、新たな可能性を導き出
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25日・最初の日(1968年製作の映画)

3.0

【特集】ユーリーノルシュティンの世界。


一本目は『25日・最初の日』
「まさに最も輝かしい25日最初の日が浮上する。」
1917年10月25日(旧暦)の十月革命がモチーフとなった本作。

赤が灰色
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ドッグヴィル(2003年製作の映画)

4.9

トムは思った。


本作はトリアーによる小説と言っても過言じゃない。かなり実験的な映画。
"ドッグヴィル"という町には、建物や風景は存在しない。
あるのは人の存在と、床に書かれた町の説明(建物の単語)
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

3.5

ばかでかい赤い3枚の看板。
迷ったやつかボンクラしか通らない道なのに。


本作を観たときに感じた。
この映画をどう観ればいいかわからなくなった。
自分は怒りに身を任せた行動なんて滅多にしない。
自分
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ミッドナイトムービー(2005年製作の映画)

3.4

真夜中映画(ミッドナイトムービー)は、現在の映画界に多大な影響を与えた。


『エル・トポ』
『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』
『ピンク・フラミンゴ』
『ハーダー・ゼイ・カム』
『ロッキー・ホラ
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欲望(1966年製作の映画)

4.4

現実とはどこに存在するのか。


意味のある瞬間が全て無となり、意味のない瞬間が全て現実になる。
カメラを通して見る虚像と、目で見る現実。

60年代イギリスの輝かしき"スウィンギングロンドン"と、芸
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ショート・ターム(2013年製作の映画)

3.8

あなたにはわからない。


"ショートターム12"は、家庭に問題がある少年少女を一時的に保護する施設。
拠り所であるはずの家庭から弾かれ、居場所を無くす子供たち。
心に抱えた闇は、奥深くに潜り込む。
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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

3.9

ホドロフスキーは映画を芸術と捉える。


映画とは芸術であり、そんなもので金を儲けるつもりもない。
評価されるのは興業が良いか悪いかで、賞を受賞しているかしていないかだ。
映画の本来の良さとは。
映画
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キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

4.2

『カントリーロード
私を故郷へ連れていって
私の居るべき場所へ
ウエストバージニアの母なる山へ
私を連れていっておくれ
カントリーロード』


前作よりも面白いと感じた人はたぶん少数派?
僕はこっちの
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ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)

3.7

桜の花言葉は?


移民の少年と靴磨きの男との出会い。
彼らが過ごすル・アーヴルの街。
第二次世界大戦で大規模な被害を受け、焼け野原となった地。
しかしその状態から"奇跡"とも呼べる復興を遂げ、今では
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ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)

4.0

第二次世界大戦は、ドイツの敗北をもって終焉を迎えた。
だがドイツは、いやヒトラーは、忘れものでは済まされない大きな罪を残していった。


戦争は何を残していった?
怒りか。
悲しみか。
憎しみか。
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ムーンライト(2016年製作の映画)

3.6

自分らしく生きるとは?


2017年アカデミー賞作品賞受賞。
授賞式ではゴタゴタがありながら、LGBT作品としてのアカデミー受賞は初。

一人の少年が大人になるまで。
本作は現代社会の問題である様々
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ねこぢる草(2000年製作の映画)

4.1

なるほど、わからん。


漫画『ねこぢるうどん』の映画化。
作者は31歳の若さで自殺。
本作は作者の死後に制作されたもので、原作の直接的な映画化ではない。

たった30分ほどの短編(中編?)ではあるが
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グッドフェローズ(1990年製作の映画)

3.8

マフィアの一瞬の輝きと一生の転落。


初見のときは、正直そんなにだと思った。
長いし、主人公魅力あんまないしとか。
だが再び観ると面白く感じる。なんだろうなこの感覚。

マフィアは縄張り意識が強く、
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ピンクとグレー(2016年製作の映画)

2.7

「君を有名にしてやるよ。」
なるほど。最初に感じた違和感はこれか。


白木蓮吾。
彼は突然の死を遂げた。
河田大貴。
彼は蓮吾によって一躍有名人になった。

突然の死を遂げた白木蓮吾。
彼の親友であ
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メランコリア(2011年製作の映画)

4.6

"メランコリア"とは憂鬱、鬱という意味。
本作では、地球に接近する惑星の名前が"メランコリア"と呼ばれる。


監督のラースフォントリアーが実際に鬱になっていたときに、セラピストから言われた言葉でこの
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バクマン。(2015年製作の映画)

3.6

『友情・努力・勝利』
これぞジャンプ。
これぞ青春。


熱い、熱い。すげぇド直球。
熱すぎて少しこっちが恥ずかしくなる。笑
マンガの実写化のため、たぶん原作ファンは物足りないだろうと思う。
でも僕は
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ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.5

世界の救済。
郷愁。
1+1=1


世界の救済を説く男。
主人公は余命わずかなアンドレイ。
本作の主人公であるアンドレイは、おそらく監督のタルコフスキー自身の投影。
何度もロシアへの思いやイタリアに
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ゆれる(2006年製作の映画)

3.9

『ゆれる』
何がゆれた?
あの吊り橋か。
兄の真実か。
僕の心か。


母の死で実家に戻った猛。
そこには、実家のガソリンスタンドを継いだ兄の稔と父の姿があった。
子供の頃によく行った渓谷に行こうと誘
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キングスマン(2015年製作の映画)

4.1

不謹慎だって?不謹慎だからいいんだろ。
最近のスパイ映画は暗すぎるよ。


近年のリアルさを求めたスパイ映画とは対照的なあり得なさ。
多少オールドな作風でありながら、新しい風が吹き込む。
僕が気に入っ
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セトウツミ(2016年製作の映画)

3.7

「しょーもな。」
「アホちゃう。」


川辺で高校生二人組がダベるだけ。
瀬戸と内海。
対照的な二人の日常会話。
起承転結はなく、これといったオチもない。でも面白い。
独特な間とか言葉のセンスとか、こ
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ソウ ザ・ファイナル 3D(2010年製作の映画)

2.6

「ゲームオーバー。」


遂に本作で幕を閉じる『saw』。
多くのトラウマを観客に与えながら、謎が謎を呼ぶストーリーと、複雑に絡み合った人物たち。
そして最後に待ち受ける衝撃。
やっと終わりかという気
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ソウ6(2009年製作の映画)

3.4

「やぁ、ウィリアム。また会うとは思わなかっただろう。」


おぉ…見事に復活したな。
4、5での低空飛行が、本作でようやく上昇気流に乗り始めた。
シリーズでも2番目に好き。


4と5では過去作の裏話
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ソウ5(2008年製作の映画)

2.8

「やぁ、ストラム捜査官。選択は君次第だ。」


そうだよ、これが『saw』だよ。
前作よりは個人的にはいいね。前作よりは!
メインのゲームが2の頃のような感じがあって好きだ。

本作は1~4までの過去
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アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

5.0

『良い映画には二種類しかない。内容が素晴らしいか、撮り方が素晴らしいかだ。』


キューブリック作品には今までいくつか触れている。
とにかく画作りにこだわることで知られているが、本作ほどその異質さや美
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ソウ4(2007年製作の映画)

2.5

「やぁ、リッグ。ゲームをしよう。」


ほれ観ろ。微妙になってしまったじゃないか。
前作からの嫌な予感が的中だ。

本作は執念を捨てろというのがゲームのテーマ。
このテーマがよくわからない。
SWAT
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.3

「ただいま。」
そんな言葉を言えないまま、僕は12年ぶりに家族の元へ向かう。


賛否両論の本作。
"家族"という問題。
空白の12年間。
ルイは自らの死を伝えに来た。
あの時止まっていた家族の時間は
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イカとクジラ(2005年製作の映画)

3.9

『ねえ、君。ねえ、君。
寂しく年老いていく君。
僕のことがわかるかい。』


自分勝手な両親と、その両親に翻弄される子どもたち。
子どもの問題は親の問題。

この作品は、崩壊しかかっている家族がどうに
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ソウ3(2006年製作の映画)

3.1

「やぁ、ジェフ。ゲームをしよう。」


シリーズを見直そうと思い借りた本作。
なんかもうめんどくさくなってきた。笑
と言いながら普通に面白いという。
なんか2までしか面白くないとか思ってたけど、普通に
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神々のたそがれ(2013年製作の映画)

4.4

空前絶後二十一世紀最高傑作。


人間が神になる惑星アルカナル。
地球から800年ほど遅れてルネサンスを迎えた。
だがこの惑星を見て、誰もルネサンスが訪れているとは思わないだろう。
地球からは30人も
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