アラバンさんの映画レビュー・感想・評価

アラバン

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ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう/見上げた空に何が見える?(2021年製作の映画)

3.7

面白い映画という表現には合わないが、不思議な魅力がある映画。

呪いによって外見が変わってしまった男女の、ロマンチックストーリーが伏流しているとはいえ、それとは無関係な街の人々の日常の断片が、長めのシ
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ダウントン・アビー/新たなる時代へ(2022年製作の映画)

3.5

ドラマから見てるので、このキャストが揃っているだけでオールオッケー、、ではあるものの、ほんわかし過ぎというか、毒気がなさすぎというか、それはそれで悪くはないのだけど、、、

前作が、長編ドラマの締め方
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.8

観てる間はまぁまぁ退屈だったのに、観終わってからが本番というか、終わってからどんどん効いてくる不思議な映画。2回観てしまった。


ゴールに向かってストーリーを進めていく構成ではなく、エピソードのコラ
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デリシュ!(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

料理を切り口に貴族の没落と社会の転換期を描いていて、味付けは薄めも後味が良くて高評価。

元公爵お抱え料理人が、田舎でフランス初の大衆料理店(レストラン)をオープンする。

貴族だけではなく、農民でも
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淪落の人/みじめな人(2018年製作の映画)

3.8

香港とフィリピンには何かと縁があるので、これはもう必見の設定。

どんな状況になっても、自分を責め続けたり哀れんでネガティブに沈みこむのではなく、夢を持って前向きに生きていくことが大切、、、なんて言う
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ようこそ、シュティの国へ(2008年製作の映画)

3.6

インチキがばれて北部の町に左遷された郵便局長が、カルチャーギャップwを受け入れつつ北部に馴染んでいく様子と、妻に嘘をついたことを隠し通そうとするコメディ。
(このインチキのやり口がゲスの極み過ぎて笑え
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スーパーティーチャー 熱血格闘(2018年製作の映画)

3.5

この中身空っぽな感じのおバカなジャケはいかがなものかと思うほど、感動熱血学園ものの王道中の王道といえる作品。(王道中の王道=テンプレ)

ドニー・イェンのアクション以外何の期待もしてなかったが、GTO
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一発逆転のディベートレッスン(2017年製作の映画)

3.6

アラブ系女子学生を差別的に罵ったことで、懲罰委員会にかけられることになった老害教授が、クビ回避のための、その学生を個人指導してディベート大会に出場させ、イメージアップを図るという姑息な作戦にでる。>>続きを読む

ワン・セカンド 永遠の24フレーム(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

親をなくした女の子と娘を失った男が、最悪の出会いから徐々に心を通わせていく。
小汚くて冴えない男と、薄汚れたガキみたいな格好をした女の子という、いわば弱者のハートウォーミングストーリー。

また、「映
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こころに剣士を(2015年製作の映画)

4.1

エストニアの歴史を扱った本を読んだので再鑑賞。

不可侵条約を一方的に破ったドイツがソ連統治下のエストニアを侵略。その際一部のエストニア人はドイツ軍に編入されてソ連と戦ったために、戦後ソ連が再統治する
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アルゴ(2012年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

イランで実際に行われた救出作戦の映画化。

なんといっても出国の際の展開が緊迫感に溢れ、分かっていてもハラハラする。

実際はトラブルもなくスムーズに運んだらしいのだが(それはそれで見事)、そうは言っ
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

物語とは、底から這い上がっていくものか、底に落ちてしまうものかのどちらかに分類されるらしいが、この映画はどん底スタートからの右肩下がり一択という容赦のなさ。

不幸な女性がさらに酷い扱いをうけ、居場所
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チャーリング・クロス街84番地(1986年製作の映画)

3.7

ジャケとタイトルに惹かれたのだが、イメージ通りに温かく穏やかな作品だった。

ニューヨーク在住の女性脚本家とロンドンの古書店員との20年に渡る文通。
2人の手紙でのやり取りは、知性と誠実さとユーモアに
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マーティン・エデン(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

傑作。
ナポリの労働者青年が、上流階級の娘に惹かれたことから独学で作家を目指していく。

身分違いのロマンスであり、底辺青年のビルドゥングスロマンでもあるが、何より良かったのが、大切なものを失った痛み
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ジオストーム(2017年製作の映画)

3.3

ディザスター雑魚ムービーなイメージだったのに、うっかり見始めてしまったが、期待値ゼロ補正が効いたのか意外な面白さ。

大雑把な展開、付け合わせ程度の家族愛、やり過ぎなディザスター描写、アルマゲドンのま
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セブンティーン・アゲイン(2009年製作の映画)

3.5

ダークを見終わった後だけに、とてつもなく軽い映画を見たくなり、この作品をチョイス。

毒にも薬にもと言うとアレですが、一定の面白さは十分に担保されているので、さくっと見るには最適。

妻から離婚を突き
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ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

捻った設定が上手くいってなさそうなジャケイメージとは違って王道的なサスペンスで、特に後半は緊迫感が途切れなかった。

墜落した飛行機から取り出したブラックボックスの音声データに違和感を感じた分析官が、
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アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ChatGPTに基本的な感情パターンを組み込んだだけでキュンキュンしてきた、、みたいな記事を読んだばかりなので非常にタイムリーだった。

スーパーAIを搭載し、アルゴリズムによってどんどん進化し続ける
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メッセージ(2016年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

SF映画ではあるものの、SF的要素はギミックというか、この映画のメインは非常にパーソナルで内省的なものなので、この映画全体の静かな質感が非常に合っているし、短編小説の映画化にありがちな軽さも払拭してい>>続きを読む

クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

傑作。
重量級のドキドキハラハラが続く緊迫感溢れるスパイ映画でありつつ、ソ連の情報提供者との固い絆と、夫婦関係を描いた人間ドラマとしても素晴らしい。

KGBにマークされたので一旦はスパイ行為を中止し
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ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

「少年の君」のデレクツァン監督のデビュー作。あれほどのインパクトはないものの、現実と小説の境界が意外と曖昧なので、もう一度見ると気づくことがあるのかも。

愛情と憎しみを孕む親友2人の人生を、小説と現
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薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

3.7

超絶つまらなそうですが、さすがの高評価作品。
高額薬価の問題に一石を投じ、国の制度をも変えた実際の出来事をベースとした中国映画。

国内流通価格の20分の1で買えるインド製ジェネリックを密輸してボロ儲
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ミュンヘン:戦火燃ゆる前に(2021年製作の映画)

3.7

こういう、アクションではない戦争スパイものの秀作がドンドン出てきてほしいところ。

青春時代を共に過ごした若者たちが、それぞれドイツとイギリスで外交の重要人物となり、連携してヒトラーの戦争を阻止するべ
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その瞳に映るのは(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

英国軍の学校誤爆で多くの子供たちが犠牲になった実話を基にした、悲惨極まりない作品。

ドイツの司令部と学校をどうやって間違えるんだと思ったが、高速で飛ぶパイロット目線の映像が、視野不確かであまりにも危
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ムーンフォール(2021年製作の映画)

3.5

迫力の映像とツッコミを楽しみながらポーッと観る作品だと思っていたのに、思ったほどツッコミどころが多くなくて拍子抜け。ポーッとし過ぎて見逃してかも。

笑えたツッコミ箇所は、
「月面着陸装置は中国が提供
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.4

人類滅亡の危機にも関わらず、自分の利益を優先する政治家や、レベルが低すぎるメディアをアイロニカルに描いていて面白かった。

もう一捻り加えて、
マッチポンプな分断創出や、偽善利権あたりまで切り込んでも
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グレイマン(2022年製作の映画)

3.5

一年ぶりのNetflix。
前回はビーストオブノーネーション目当てでしたが今回はグレイマン。
アベンジャーズシリーズ制作陣とキャストが贈るアクションスリラーと言われれば、120%完全スルー案件ですが、
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フレンチ・ラン(2015年製作の映画)

3.6

おススメだかなんだかに頻繁に上がってくるものの、アクション駄作に違いないと思って完全スルーを決め込んでましたが、いや、意外な掘り出し物でした。

ルール無用のCIA捜査官と凄腕スリが、パリの街を駆け回
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ブロンクス物語/愛につつまれた街(1993年製作の映画)

4.5

これは若者の成長物語のド直球。

60年代ニューヨークの下町ブロンクスで、筋を通す父(デニーロ)に躾けられながらも、ギャングの首領ソニーに可愛がられる子供時代のカロジェロ。

この雰囲気が完璧に好み。
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チャイルド44 森に消えた子供たち(2015年製作の映画)

3.7

スターリン政権下のソ連の雰囲気を味わいたいという悪趣味な理由で久しぶりの再鑑賞。

最初に観た時は、原作が大好きだということもあり、過度な期待をかけ過ぎて肩透かしを食らいましたが、前のめりな原作バイア
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レミニセンス(2021年製作の映画)

3.6

水没しつつある未来の世界に、古典的なハードボイルド探偵ストーリーをはめ込みながら、肝心の主人公はヘナチョコという捻った?作品。

運命の女性が消え、その行方と謎の過去を追っていく展開は、古き良き探偵小
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オールド(2021年製作の映画)

3.5

1日で50年分の時間が流れる謎の島に閉じ込められた家族たち、、という設定は旨みたっぷり。

ホラー風味の演出が醸し出す異常な雰囲気の中で、人生を凝縮させた設定を活かしながら、トラブル続きのストーリーが
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少年の君(2019年製作の映画)

3.9

青春恋愛ストーリーっぽい邦題に騙されて普通にスルーするところでしたが、なんとなく見てみたら一気に引き込まれました。

とにかく撮り方がうまいというか、音の使い方が絶妙というか、何ならストーリーがなくて
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トップガン(1986年製作の映画)

3.2

初見。
35年前に作られ、当時の時代にマッチしたこの手のヒット作品を、思い出補正なしで見るのは何かと厳しい。

時代性があればあるほど、時が経つと古臭く感じるものなので仕方ありません。

偉そうで恐縮
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アオラレ(2020年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

さすがにあんな態度を取られたら腹立つでしょ。

確信犯的とはいえ女性があまりにも酷いキャラ設定のため感情移入が全く出来ず、大きな声では言えませんが、やっちゃえラッセルクロウという、フェミニストから目に
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善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)

4.0

この監督はラストシーンの天才ですか。
「ある画家の数奇な運命」も非常に素晴らしかったが、このラストはオールタイムベスト級。

反体制劇作家ドライマンのアパートを盗聴し続けるヴィースラーが、ある事件をき
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