2017年4月より開始。邦画から洋画まで、何でも見ます。よろしくお願いします。
バツイチ子持ちのおっちゃんが、新しい命の誕生を前に、前の家族や今の家族との関係性に悩み苦しむお話。
この手の話は、観ている人がどんな立場に置かれているかで、感情移入できる対象が変わってくるんじゃなか>>続きを読む
イギリスは戦勝国だから善だとされて、ドイツは敗戦国だから悪だとされる。ユダヤ資本に乗っ取られた映画の世界なら、尚のことである。
そもそもの話、戦時下において、善も悪もあるのか? ルーズベルトだろうが>>続きを読む
北野武監督の「菊次郎の夏」は、もしかすると、この映画が元ネタになっているのでは? そして、この映画は、ジョン・カサヴェテス監督の「グロリア」の影響を受けているのでは?
思わずそう勘繰ってみたほどに既>>続きを読む
ものすごく昔の映画だが、擦り切れるほど観ている作品である。「プリティ・ウーマン」の監督が撮っている。
「スカーフェイス」でヤクザと情婦の関係だったアル・パチーノとミシェル・ファイファーが今作にて再共>>続きを読む
「この映画を作った人は女のことがよく分かっている」なんて言えば、如何にも女のことが分かっているように思われそうだから最初に断っておくが、自分は女性のことが未だによく分かっていない。なので、自分にはいま>>続きを読む
病気の女の子が出てくるからと言って、うっとうしい闘病モノになってない。主人公のグレッグと女の子の距離感も良くて決して恋愛関係には発展しない。最初は受け身だったグレッグが、女の子を喜ばせようとして次第に>>続きを読む
レンタルビデオ屋でレンタルされているが、よく探さないと分からない。
キャストは脇役に至るまで見事なまでに棒演技である。それも、ドキュメンタリーチックに自然にしゃべってるのではなくて、素人がわざと芝居>>続きを読む
幻想的なオープニングだったので、おとぎ話でも始まるのかと思ったら、色んな意味で想像を裏切られた。
60年代のレトロな雰囲気に暗めの色調が滲み、そこにエロ・グロ・冷戦時代の緊張した空気なども合わさって>>続きを読む
「君の名は」という作品が世間で流行っていた頃、昔やってたNHKの連ドラのことだと思って、「ああ〜、倉田てつをと鈴木京香の出てたドラマ?」と言ったら、若人たちがキョトンとしていた。恥ずかしながら、新海誠>>続きを読む
ジャン・クロードは50歳の冴えない中年オヤジである。執行官と言って、家賃滞納者に裁判所の命令を通達する仕事をやっている。とてもじゃないが、やりがいのある仕事とは言えず、本人も嫌々ながらやっているフシが>>続きを読む
「黒澤の野郎! あいつの家にバズーカぶっ放してやるからな!」
さすがの三船敏郎も、黒澤監督の無茶苦茶な演出には烈火の如く怒った。
恐怖の表情を引き出すためとは言え、あれだけの矢を放たれては、生きて>>続きを読む
映画で師匠キャラと言えば、ニュー・シネマ・パラダイスに出てくる映写技師のおっちゃんだと思う。事実、映画好きの少年・トトにとって、おっちゃんは映画の師匠であり、人生の師でもあった。
やがて、成長したト>>続きを読む
黒澤映画といえば、三船敏郎のイメージが強いけれども、自分は、志村喬が一番カッコいいと思っている。
実際、黒澤作品にとって欠かせないのは志村さんの方ではないのか。
「7人の侍」で侍大将を演じた彼には>>続きを読む
「映像が美しい映画は何か?」と聞かれたら、真っ先にこの作品を挙げる。
燃えるように美しい夕焼けを背景に、労働者たちが労働に勤しみ、大量のイナゴの群れが飛び交う。ミレーの落穂拾いを彷彿とさせるような、>>続きを読む
やっていることは不愉快極まりない。しかし、これで怒ってしまったら負けだ。ミヒャエル・ハネケは、明らかに怒らせるためにこれを作っている。わざと神経を逆撫で、人間の持つ薄っぺらな良識や常識を、炙り出そうと>>続きを読む
あらゆるジャンルの中で最も好きなのはロードムービーである。旅をしながら見聞を広め、出会いと別れを繰り返し、その中で成長していくという過程に、人生の悲哀が詰まっているからだ。
映画はこれまでに様々な「>>続きを読む
娘を殺された母親の復讐譚ならば、わざわざ金を払って見るまでもなかった。これはそんな陳腐な物語ではない。
「怒りは怒りを来たす」と誰かがいみじくも言ったように、復讐のために放たれたエネルギーは思わぬベ>>続きを読む
「あんまり死ぬの怖がるとな、死にたくなっちゃうんだよ」
ソナチネは、数ある北野作品の中でも「純粋なバイオレンス」に位置付けられる作品である。
また、本作は、多くの批評家が指摘するように、他作品との>>続きを読む
「ヘミングウェイが書いていた。この世は素晴らしい。戦う価値があると。後半の部分には賛成だ」
七つの大罪になぞらえた殺人事件が発生。定年を一週間後に控えたサマセット刑事(モーガン・フリーマン)と若手刑>>続きを読む
リプリーは何故友人を殺さなければならなかったのか。そして、何故、友人に成り済まさねばならなかったのか?
これに関しては、故・淀川長治氏が面白い解説を加えている。
リプリーは友人を好きだったのだ。友>>続きを読む
E・Tを最初に見たときの衝撃は計り知れない。その滑稽な宇宙人はかつて近所にあった駄菓子屋のオヤジに似ていたからである。オヤジは、子供相手に商売をしているくせに子供が嫌いという、デタラメな奴だった。子供>>続きを読む
恋はするものでなくて落ちるものである。そして、結婚していながら恋に落ちた者は、地獄に堕ちると相場は決まっている。
だが、この作品は、いわゆる地獄不倫物ではない。不倫しているのに、全然ドロドロしていな>>続きを読む
「死と同じように避けられないものがある。それは生きることだ」
将来を悲観し自殺しようとした若きバレリーナを励ますべく、初老のコメディアンが吐く台詞である。
老齢に差し掛かり、すっかり落ちぶれたコメ>>続きを読む
「あなたは本当に死ぬのがヘタクソね」
この映画で一番感動した台詞である。
舞台はスウェーデン。
主人公のオーヴェは癇癪持ちのおじいちゃんで、何かと小言を言うことから、近隣住民から煙たがられている>>続きを読む
デヴィッド・リンチは好き嫌いの分かれる監督である。嫌いな人は、大体、気持ち悪いと答える。確かに気持ち悪いが、彼の作品には「気持ち悪さで引き立てられた美しさ」があるんじゃなかろうか。
「ブルーベルベ>>続きを読む
「外見的な美しさに興味はないの。重要なのは、その人が何をしたか」
トレーラーで旅をする少女(ジュリエット・ルイス)が、ジョニー・デップとの会話の中で言うセリフである。
ジョニー・デップ演じるギルバ>>続きを読む
ゴッドファーザーPart2で何気に凄いのは、リー・ストラスバーグが出ている点だろう。リー・ストラスバーグは、アクターズ・スタジオの創設者にして、メソッド演技法の発明者である。言ってみれば、アメリカ演劇>>続きを読む
絵本作家のおばあさんを被写体にしたドキュメンタリー。
息子さんが建てた家に住み、アーミッシュの人みたいに近代以前の生活様式をずっと続けておられる。文明社会に生きている我々と、200年前のような生活を>>続きを読む
今更だが、ゴッドファーザーの話をしよう。間違いなく5本の指に入るくらい好きな映画なのに、今までレビューを書いてこなかったのが不思議である。
この作品は、いわゆるヤクザ映画ではなくて、イタリアにルーツ>>続きを読む
「となりのトトロに似ている」と思った映画が二つある。スペイン映画の「ミツバチのささやき」と、これから紹介する台湾映画の「冬冬の夏休み」だ。
主人公の冬冬(トントン)は小学校を卒業したばかりの男の子で>>続きを読む
1960年代、白人と黒人の人種間対立は極点に達した。そして、1967年、アメリカ第5の都市デトロイトにおいて、黒人たちによる暴動が発生した。これを鎮圧すべく警察や州兵が投入され、街はほとんど内戦状態と>>続きを読む
原作の「長いお別れ」を読んだ読者諸君が怒るのも無理はない。小説で描かれたマーロウと、映画で描かれた彼は、あまりにも違いすぎる。「ロバート・アルトマンが撮ったのだから」と言ったところで許してくれようはず>>続きを読む
幼なじみの女の子がいるとする。その子と自分は将来くっつくだろうと、何となく思っている。しかし、大抵の場合、それは男の幻想だ。
そんな独り善がりな想いを、この映画は粉々に打ち砕いてくれる。男の幻想と心>>続きを読む
アキ・カウリスマキ監督の作る映画には独特の空気がある。そして、弱者を包む優しさがある。
最新作は、そうしたものを踏襲しながら、同時に欧米社会への強烈な皮肉を含んでいた。昨今のトランプ政権に象徴される>>続きを読む
末期がんを宣告された双葉には、やるべきことがあった。
蒸発した旦那を連れ戻し、銭湯を再開させること。
弱い娘を独り立ちさせること。
そして、彼女に真実を告げること。
死にゆく母が持てるすべてを>>続きを読む
「うちのカミさんがね、ちょっとイカれてましてね」
刑事コロンボのセリフではない。「こわれゆく女」という作品の、主人公の心情を、私が勝手に忖度しただけである。
カサヴェテスの嫁(ジーナ・ローランズ>>続きを読む