ハルさんの映画レビュー・感想・評価

ハル

ハル

2017年4月より開始。邦画から洋画まで、何でも見ます。よろしくお願いします。

恋恋風塵(れんれんふうじん)(1987年製作の映画)

4.0

幼なじみの女の子がいるとする。その子と自分は将来くっつくだろうと、何となく思っている。しかし、大抵の場合、それは男の幻想だ。

そんな独り善がりな想いを、この映画は粉々に打ち砕いてくれる。男の幻想と心
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希望のかなた(2017年製作の映画)

4.5

アキ・カウリスマキ監督の作る映画には独特の空気がある。そして、弱者を包む優しさがある。

最新作は、そうしたものを踏襲しながら、同時に欧米社会への強烈な皮肉を含んでいた。昨今のトランプ政権に象徴される
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湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

4.5

末期がんを宣告された双葉には、やるべきことがあった。

蒸発した旦那を連れ戻し、銭湯を再開させること。

弱い娘を独り立ちさせること。

そして、彼女に真実を告げること。

死にゆく母が持てるすべてを
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こわれゆく女(1974年製作の映画)

3.6

「うちのカミさんがね、ちょっとイカれてましてね」 

刑事コロンボのセリフではない。「こわれゆく女」という作品の、主人公の心情を、私が勝手に忖度しただけである。

カサヴェテスの嫁(ジーナ・ローランズ
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.7

12年前、ルイは故郷を離れなければならなかった。恐らく、そのことと彼の性的嗜好とは無関係ではない。ともかくも、彼が家族と何らかの確執を持って家を出ただろうことは疑いのないところである。

その後、彼は
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.0

主人公は59歳の大工のおじさんである。日本語に東北訛りや関西訛りがあるようにイギリスにも地方によって訛りがあるのだろう、ものすごく癖のある喋り方をなさる。

この人は心臓の病に罹っていて医者から働くな
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ポリス・ストーリー 香港国際警察(1985年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

普通の人間がやったら確実に死んじゃうようなことを、ジャッキーは普通にやってしまう。

まず、傘の把手を引っ掛けてバスに飛び乗るなんて、発想も含めて凄い。バスの止め方もすげえの一言に尽きる。

が、やっ
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はじまりの街(2016年製作の映画)

3.8

舞台はイタリア。

アンナが一人息子のヴァレリオを連れて秋の深まるトレノへ降り立つ。夫の暴力に耐えかねローマから逃れてきた彼女には、親友のカレラだけが頼り。彼女の家へ転がり込み、そこで心機一転、再起を
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.0

世界12地域に突如として謎の物体が出現。柿の種のようにもバカウケのようにも米粒のようにも見える、その物体は、人類の目に未知なる脅威として映った。(見ようによっては黒いバナナに見えないこともない)

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キングス・オブ・サマー(2013年製作の映画)

4.0

デジタルスクリーンにて、遅ればせながら鑑賞。

高校生のジョーとその親友パトリックが親への不満から家出を計画。風変わりな少年ビアジオとともに森の中に隠れ家を建て、自給自足の生活を始める。楽しく刺激的な
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インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年製作の映画)

3.9

「ブレードランナー2049」の番宣であれば、「ブレードランナー」の吹替版を放映してほしかった。とは言え、4周連続インディー・ジョーンズというのも粋なはからいである。

とりわけ、2作目の「魔宮の伝説」
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スパイダーマン(2002年製作の映画)

3.5

蜘蛛に噛まれて恐るべき身体能力を手に入れた青年が弱きを助け悪を挫く。アメリカ式勧善懲悪の代表作を、「死霊のはらわた」のサム・ライミ監督が映画化。

金と時間を掛けて作られただろうにもかかわらず、B級作
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.5

前作のラストで、デッカード(ハリソン・フォード)は試作型レプリカントのレイチェルとともに謎の失踪を遂げた。

今作はそれから30年後の2049年が舞台となる。

巷には新型のレプリカントが放たれ、旧型
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ダンケルク(2017年製作の映画)

5.0

フランスの北、ドーバー海峡に面したところにダンケルクという港町がある。

1939年、ナチスドイツがポーランドに侵攻して第二次世界大戦が勃発した。そして、その翌年、1940年、勢いを得たナチスはフラン
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エル ELLE(2016年製作の映画)

3.7

64歳(劇中では49歳の設定)の女優が、冒頭でいきなりレイプされる。

そこまでならまだいい。彼女は心身ともに傷ついているだろうにもかかわらず、黙々と部屋の後片付けをしたり、寿司の出前を取ったりする。
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関ヶ原(2017年製作の映画)

3.5

関が原の戦い、または、そこに至るまでの経緯について、多少なりとも予備知識のある方には、有意義な時間になるだろう。

逆に知識のない方、歴史の苦手な方には、退屈な時間となるはずで、迫り来る睡魔と戦わなく
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パターソン(2016年製作の映画)

4.5

舞台はニュージャージー州パターソン。

街と同じ名前のバスの運転手が主人公である。

街の一角に構えた一軒家に愛する妻と愛犬とともに暮らし、朝が来ては職場へ出かけ、夜が来ては散歩がてら近所のバーに出向
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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

4.5

ルパート・パプキンなる青年は、コメディアン志望の、頭のネジが何本かぶっ飛んじまっている男である。自分には才能があると思い込み、そのために、多くの客から喝采を浴びることを信じている。

そんな男が目標と
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アンドリューNDR114(1999年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ロボットが人間と触れ合う中で、人間らしい心を持つようになる。人間でありたいと願うようになる。

ここまではよくある話だ。

この物語はそこからさらに一歩踏み込んでいる。

主人公のロボット・アンドリュ
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ディア・ハンター(1978年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

1978年公開、マイケル・チミノ監督作品。ベトナム戦争を背景に、戦争で傷ついた若者たちと、その仲間たちの友情を描いた傑作である。

ロバート・デ・ニーロを主演に迎え、クリストファー・ウォーケン、メリル
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グッバイ、サマー(2015年製作の映画)

3.8


フランスの郊外・ヴェルサイユ。ある中学校のクラスに変わった生徒がいる。女の子っぽい見た目をしているが、れっきとした14歳の男の子である。その名はダニエル。

ダニエルは、見た目の問題も含めて、実に多
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アメリカン・スリープオーバー(2010年製作の映画)

4.0

アメリカには、スリープオーバーと言って、子供らが他人の家で寝起きを共にする、「お泊り会」があるそうである。

冒頭、高校1年の少女マギーはプールで友人にぼやいている。そろそろ夏も終わり、新学期が始まろ
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台北ストーリー(1985年製作の映画)

4.5

1980年代の台北。都市が急速に発展していくさなかで、二人の男女の関係には綻びが生まれつつある。

女は名をアジンと言って不動産デベロッパーで働くキャリアウーマンである。かつてリトルリーグで名を馳せた
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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

4.5

東京には、およそ1000万人の人間が暮らしているという。その中で、どれだけの人間が充実した時間を過ごし、幸福を噛み締めていることだろう。恐らく、その絶対数は限りなく少ないはずだ。無機質な大都会にあって>>続きを読む

シベールの日曜日(1962年製作の映画)

4.0

ハーディー・クリューガー扮する元パイロットの男ピエールは、修道院に捨てられた少女と出会い、彼女の中に自身のそれに似た孤独を感じる。2人は日曜日が訪れるたびに親子の振りをして逢瀬を重ねるが、いつしか周囲>>続きを読む

イップ・マン 序章(2008年製作の映画)

3.7

1935年、広東省仏山市は、多くの道場が軒を連ねる、中国武術の街であった。詠春拳の使い手・葉問(イップ・マン)も、その一角にて武舘を構え、日々の鍛錬に勤しんでいる。ある日、北派の武道家が仲間を引き連れ>>続きを読む

わたしに会うまでの1600キロ(2014年製作の映画)

3.5

自己への嫌悪感からヘロイン中毒、セックス中毒になった女性が、メキシコからカナダまでの1600キロ(青森から鹿児島くらいの距離)を、踏破する話。実話が元になっている。

「自分探しの旅」と言って具体的に
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幸福の黄色いハンカチ(1977年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

北海道を舞台に、刑期を終えた男(高倉健)が、道中で知り合った男女(武田鉄矢と桃井かおり)とともに、かつて一緒に暮らしていた女との棲家を目指す。

1978年制作、山田洋次監督による傑作ロードムービー。
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イージー★ライダー(1969年製作の映画)

3.5

二人のヒッピーが麻薬を売り捌いて手に入れたバイクで自由を求め旅に出る。しかし、どこを探しても、彼らの求める「アメリカ」は見つからない。保守的で差別の象徴の如くに描かれたアメリカには自由を受け入れる余地>>続きを読む

木洩れ日の家で(2007年製作の映画)

4.0


舞台はポーランド。深い木立に覆われて一軒の古いあばら屋が建っている。その年期の入った外観もさることながら、屋内は光と影が絶妙なコントラストを成しており、老人と愛犬がひっそりと暮らすにはちょうど良い。
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.0

タイトルにマンチェスターの文字があることから、多くの方がイギリスのお話と勘違いしたことだろう。かくいう私も、実際にその目で観るまでは己の無知を全く疑おうともしなかった。

アメリカ合衆国に、イギリスの
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シェフとギャルソン、リストランテの夜(1996年製作の映画)

3.8


あるイタリア移民の話。

頑固で融通の利かない兄と、そんな彼に振り回される弟、二人は大望を抱いて渡米し、小さなレストランを開きます。

兄はシェフとして、弟は主に経営面で店を支えていますが、思うよう
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.0


時は1932年、ヨーロッパの仮想国・ズブロフカ共和国。雪深い山々に囲まれたそのホテルには、ヨーロッパ中の貴族や上流階級の面々が訪れ、絢爛たる香気に包まれている。彼らをもてなすは、伝説のコンシェルジュ
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プールサイド・デイズ(2013年製作の映画)

4.0


ダンカンは14歳の内向的な少年。両親の離婚後、母親に引き取られ、父親に会えない寂しさを募らせている。母親の新恋人・トレントは、新しい父親になろうと努力しているからでもあるのだろう、根暗なダンカンに対
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ブルージャスミン(2013年製作の映画)

3.1


かつて、ジャスミンの人生は、素晴らしい夫と豪奢な生活に恵まれ、一点の曇りもないかのように見えた。然し、栄華を極めた人生も、夫の逮捕により終止符を打たれる。すべてを失い、文無しとなったジャスミンは、妹
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フルートベール駅で(2013年製作の映画)

3.8

主人公のオスカーは22歳の黒人青年で、前科があり、嫁も子供もいるのに、定職にも就いていない。 

お世辞にも褒められた人間ではないが、大切な人のために変わろうとする強い意志がある。 

明日への希望を
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