熱い法廷物というより、正義に目覚めた老弁護士の再起をかけた闘いの物語。後半でポール・ニューマンが陪審員に正義を説くシーンは、名シーンには違いないだろうけど、無理やり情緒に持っていった感じが否めなくて、>>続きを読む
他人はもちろん、家族の絆が希薄になった現代だからこそ、この映画は刺さる。
絆って何ですかって問いかけは、現代社会にとって一番重いテーマであり、誰もが目を背けたい問題だからである。
昨今の虐待死事件>>続きを読む
アメリカが何故、銃社会かと言うと、自分の身は自分で守るという自由が憲法で保障されているからですね。だから、国内で銃乱射事件が起きて銃規制の議論がわき起こっても、この理屈を盾に潰されてしまう。その背景に>>続きを読む
1960年代のアメリカでは、白人と黒人を同じ人間として扱っていなかった。高等教育はもちろんのこと、トイレや飲水の利用においてさえも、公然と差別が行われていた。同じ人間ではないのだから区別するのは当たり>>続きを読む
たまにはアニメーションもいいんじゃないかってことで、だらだらと書いてみます。
結論から言いますと、私はこの物語を、中学生の甘酸っぱい恋物語としてではなく、サイコスリラーとして捉えております。
何を>>続きを読む
古き良きアメリカのお話。ノスタルジックな雰囲気に包まれたお話。
そんな感想で終わらせるのがもったいないくらいの作品である。
1930年代〜40年代のアメリカがどんな時代だったか分からない。ラジオか>>続きを読む
昭和チックな家庭における日常、そして、その中に垣間見える人間の心の機微。煩わしい家族だけれど、かと言って放っておくわけにもいかない。何かしてやろうと思った時には大抵遅くて、間に合わない。まとめるとそん>>続きを読む
3Dメガネを着用しての視聴だっただけに、映画を観ているというよりはアトラクションに興じている感覚でした。
また、80年代の映画、音楽、ゲーム、アニメなどのポップカルチャーの洪水には、自ずと興奮しまし>>続きを読む
アイオワのド田舎で主婦として退屈な日常を送っている中年主婦が、旦那と子供が出かけている4日間の間に、ふらりと現れた写真家のおっさんと恋に落ち、女を取り戻す話…と言えば聞こえがよろしく、いささか文学的に>>続きを読む
これまでに色んなデ・ニーロを観てきた。マフィアのボス、ベトナム帰りのタクシードライバー、ボクサー、コメディアン。どんな種類の人間にもなれる、カメレオン役者…いや、映画の世界においてはほとんど神と言って>>続きを読む
禁酒法時代のアメリカが舞台。
主人公のトムはアイリッシュマフィアのボス・レオの友人。ゴリゴリの武闘派マフィアではなく、頭の切れる参謀タイプといったところである。バクチ好きだったり、人の女を平気で寝取>>続きを読む
100本目。
フランス郊外の団地を舞台にした三組の男女の群像劇である。
車椅子生活を送る羽目になった自称写真家の汚らしいおっさんと、夜勤にも人生に疲れた感じの女性看護師。
鍵っ子のイケメンジャリ>>続きを読む
約20年前に観た映画。
ほとんど慟哭に近い感じで涙を流して観た記憶がある。
しかし、20年経過して、冷静になった頭でもう一度観てみると、この作品はとても残酷だと気づく。
何が残酷か? それは主人>>続きを読む
今更ですが、好きな映画の一つなので。
悪とは何か?と真剣に考えさせられる話である。それは言い換えれば、ジョーカーが見る者に強烈な印象を残したってことでもある。
ジョーカーは、これまで見たどんな悪と>>続きを読む
1983年。北イタリアの避暑地を舞台に、17歳の少年と24歳の青年の一夏の恋を描く。
非の打ち所がないってのは、こういう作品のことを指すんだろう。
ロケーション、登場人物、映像、音楽、すべてにおい>>続きを読む
バツイチ子持ちのおっちゃんが、新しい命の誕生を前に、前の家族や今の家族との関係性に悩み苦しむお話。
この手の話は、観ている人がどんな立場に置かれているかで、感情移入できる対象が変わってくるんじゃなか>>続きを読む
イギリスは戦勝国だから善だとされて、ドイツは敗戦国だから悪だとされる。ユダヤ資本に乗っ取られた映画の世界なら、尚のことである。
そもそもの話、戦時下において、善も悪もあるのか? ルーズベルトだろうが>>続きを読む
北野武監督の「菊次郎の夏」は、もしかすると、この映画が元ネタになっているのでは? そして、この映画は、ジョン・カサヴェテス監督の「グロリア」の影響を受けているのでは?
思わずそう勘繰ってみたほどに既>>続きを読む
ものすごく昔の映画だが、擦り切れるほど観ている作品である。「プリティ・ウーマン」の監督が撮っている。
「スカーフェイス」でヤクザと情婦の関係だったアル・パチーノとミシェル・ファイファーが今作にて再共>>続きを読む
「この映画を作った人は女のことがよく分かっている」なんて言えば、如何にも女のことが分かっているように思われそうだから最初に断っておくが、自分は女性のことが未だによく分かっていない。なので、自分にはいま>>続きを読む
病気の女の子が出てくるからと言って、うっとうしい闘病モノになってない。主人公のグレッグと女の子の距離感も良くて決して恋愛関係には発展しない。最初は受け身だったグレッグが、女の子を喜ばせようとして次第に>>続きを読む
レンタルビデオ屋でレンタルされているが、よく探さないと分からない。
キャストは脇役に至るまで見事なまでに棒演技である。それも、ドキュメンタリーチックに自然にしゃべってるのではなくて、素人がわざと芝居>>続きを読む
幻想的なオープニングだったので、おとぎ話でも始まるのかと思ったら、色んな意味で想像を裏切られた。
60年代のレトロな雰囲気に暗めの色調が滲み、そこにエロ・グロ・冷戦時代の緊張した空気なども合わさって>>続きを読む
「君の名は」という作品が世間で流行っていた頃、昔やってたNHKの連ドラのことだと思って、「ああ〜、倉田てつをと鈴木京香の出てたドラマ?」と言ったら、若人たちがキョトンとしていた。恥ずかしながら、新海誠>>続きを読む
ジャン・クロードは50歳の冴えない中年オヤジである。執行官と言って、家賃滞納者に裁判所の命令を通達する仕事をやっている。とてもじゃないが、やりがいのある仕事とは言えず、本人も嫌々ながらやっているフシが>>続きを読む
「黒澤の野郎! あいつの家にバズーカぶっ放してやるからな!」
さすがの三船敏郎も、黒澤監督の無茶苦茶な演出には烈火の如く怒った。
恐怖の表情を引き出すためとは言え、あれだけの矢を放たれては、生きて>>続きを読む
映画で師匠キャラと言えば、ニュー・シネマ・パラダイスに出てくる映写技師のおっちゃんだと思う。事実、映画好きの少年・トトにとって、おっちゃんは映画の師匠であり、人生の師でもあった。
やがて、成長したト>>続きを読む
黒澤映画といえば、三船敏郎のイメージが強いけれども、自分は、志村喬が一番カッコいいと思っている。
実際、黒澤作品にとって欠かせないのは志村さんの方ではないのか。
「7人の侍」で侍大将を演じた彼には>>続きを読む
「映像が美しい映画は何か?」と聞かれたら、真っ先にこの作品を挙げる。
燃えるように美しい夕焼けを背景に、労働者たちが労働に勤しみ、大量のイナゴの群れが飛び交う。ミレーの落穂拾いを彷彿とさせるような、>>続きを読む
やっていることは不愉快極まりない。しかし、これで怒ってしまったら負けだ。ミヒャエル・ハネケは、明らかに怒らせるためにこれを作っている。わざと神経を逆撫で、人間の持つ薄っぺらな良識や常識を、炙り出そうと>>続きを読む
あらゆるジャンルの中で最も好きなのはロードムービーである。旅をしながら見聞を広め、出会いと別れを繰り返し、その中で成長していくという過程に、人生の悲哀が詰まっているからだ。
映画はこれまでに様々な「>>続きを読む
娘を殺された母親の復讐譚ならば、わざわざ金を払って見るまでもなかった。これはそんな陳腐な物語ではない。
「怒りは怒りを来たす」と誰かがいみじくも言ったように、復讐のために放たれたエネルギーは思わぬベ>>続きを読む
「あんまり死ぬの怖がるとな、死にたくなっちゃうんだよ」
ソナチネは、数ある北野作品の中でも「純粋なバイオレンス」に位置付けられる作品である。
また、本作は、多くの批評家が指摘するように、他作品との>>続きを読む
「ヘミングウェイが書いていた。この世は素晴らしい。戦う価値があると。後半の部分には賛成だ」
七つの大罪になぞらえた殺人事件が発生。定年を一週間後に控えたサマセット刑事(モーガン・フリーマン)と若手刑>>続きを読む
リプリーは何故友人を殺さなければならなかったのか。そして、何故、友人に成り済まさねばならなかったのか?
これに関しては、故・淀川長治氏が面白い解説を加えている。
リプリーは友人を好きだったのだ。友>>続きを読む
E・Tを最初に見たときの衝撃は計り知れない。その滑稽な宇宙人はかつて近所にあった駄菓子屋のオヤジに似ていたからである。オヤジは、子供相手に商売をしているくせに子供が嫌いという、デタラメな奴だった。子供>>続きを読む