JunichiOoyaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

JunichiOoya

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あはらまどかの静かな怒り(2023年製作の映画)

1.0

脚本、監督のお二人が優しく温かなお人柄っぽく(連日の舞台挨拶とフライヤーの手撒きを恥ずかしそうに頑張っておられる)、いつも応援している堤健介さんが脚本担当の『虹のかけら』に出ておられた篠崎雅美さんもち>>続きを読む

ヤジと民主主義 劇場拡大版(2023年製作の映画)

3.0

①裁判を扱った記録映画は難しいと思う。係争中の題材を扱うのではなく(もちろん原告被告双方が控訴しているわけで「係争中」ではあるのだけれど被写体のお二人にとっての二審判決がクライマックスになっているのは>>続きを読む

未帰還の友に(2023年製作の映画)

3.0

地元の本屋で正月セールをやってて(明日まで)古本が全品2割引。3日に相当酩酊した状態で買った岩波文庫が『テス』(上下)と『富嶽百景』。3冊で590円はお買い得だったのかどうか…
閑話休題。『未帰還の友
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火だるま槐多よ(2023年製作の映画)

2.0

1919年に22歳でスペイン風邪で亡くなった画家を、今の東京の若い人たちが追体験しようとしているのだと思うけど、映画として壮絶に失敗してしまっている。

なぜか槐多の絵に魅せられ街中でタブレット片手に
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父は憶えている(2022年製作の映画)

5.0

このキルギスの映画監督は『馬を放つ』しか見てなくて、その巧みさを感じることはなかったのだけど、今回は嫌味なくらい外連味たっぷり(過ぎ)で。

キルギスの爺さんがロシアに出稼ぎに出て行方不目になって「多
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映画(窒息)(2021年製作の映画)

4.0

一生懸命竹を穂先を研いでるシーンは『七人の侍』でしたね。

役者さん皆の大仰な芝居は演出によるものなのでしょうが、結構グロテスクな描写とニヤニヤしながら見ることができました。
大仰といえばオープニング
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アントニオ猪木をさがして(2023年製作の映画)

2.0

ドキュメンタリーにドラマパートが挿入されることは否定しませんが、あまりにベタで辛かった。→ なのでとても間延びして長く感じる。

もっともっとアントニオ猪木を「さがして」欲しかった。

北朝鮮のことも
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草原に抱かれて/へその緒(2022年製作の映画)

5.0

原題は『臍帯』ですね。「臍帯」というと私など「臍帯血」くらいしかイメージできないけど、要は臍の緒ということね。

主人公と母親は(とういかすべからく親と子は)臍の緒で繋がるわけで、その「繋がり」の解き
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コーポ・ア・コーポ(2023年製作の映画)

3.0

しかし通天閣から十三まで、あのチャリでは、ちとしんどいでっせ。

ご覧になった方、多くはないと思うのですが梅村和史さん(鈴木卓爾さんのお弟子さんだと思います)の『静謐と夕暮』というそれはそれは素敵な映
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東京夫婦善哉(2023年製作の映画)

5.0

監督の藤澤勇夫さんは舞台挨拶の自己紹介で「最初、降旗組で健さんの映画の助監督なんかをやってまして」みたいなことをおっしゃておられたけれど、私にはやはり『バイバイ・ラブ』。女装の美少年ギーコが不良のウタ>>続きを読む

ふまじめ通信(2023年製作の映画)

3.0

舞台になってる和歌山加太といえば、若い頃可愛がっていただいた欧州雑貨輸入会社の社長にクルーザーに乗せてもらって釣りに行ったことを思い出す。
結構頻繁にご一緒して(まあご自分はビールでグデングデンなんで
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マルセル・マルソー 沈黙のアート(2022年製作の映画)

5.0

非常に抑制の効いた筆致(映像表現なのでこうは言わないと思うけど私にはまさに「筆致」が相応しく見えた)で丁寧にパントマイムを浮かび上がらせる演出が85分というコンパクトな尺で過不足なく語られていて感銘を>>続きを読む

青すぎる、青(2023年製作の映画)

3.0

今回の今関さん映画はより一層師匠の大林宣彦テイストが強く。
ただ、登場する二人の青い絵は、どちらも美大の卒業制作としてはあまりにもお粗末で冴えませんでした。
高校の美術部が描いた「ミューズは溺れない』
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サタデー・フィクション(2019年製作の映画)

3.0

マジックミラー作戦のカラクリは少々緩めですが、そしてヤマザクラの音声中断はもっと緩かったですが、全体としてムードを楽しめたので良し、です。

中島歩さんは台詞や動きが多くなると、ご自分の身体(しんたい
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生きない(2023年製作の映画)

3.0

ふた昔ほど前の『生きない』(大河内奈々子さんが良かったわ)と被ってしまって見逃すところでしたが、映画監督の岸本景子さんに堤健介さんが脚本やってたり保坂直希さんがプロデューサーだったりなんだと教えていた>>続きを読む

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

5.0

勢いで満点にしましたが…。

流石にちょっと冗長に過ぎるかも。
前半部分の整理が雑な感じ。仲野大賀さんは別人かと。もう少し身体絞って演じても良かったかも。『消えた女』にどうしても必要な役者さんだったっ
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花腐し(2023年製作の映画)

2.0

何よりも辛かったのは私には卑猥さが見えなかったこと。

同じ日に『愛にイナズマ』を見たのだけれど、どちらも映画を撮りたいのになかなか撮ることができない表現者の鬱屈を映像化したお話。
でも、2本にはその
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パトリシア・ハイスミスに恋して(2022年製作の映画)

2.0

火曜はテアトルシネマグループサービスデイで会員は1200円です。スクリーンは音響が自慢の一番。
で、久しぶりの劇場独り占め貸切見物でした。

それは良いのだけれど(対極的には興行界として悲しい出来事だ
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道で拾った女(2023年製作の映画)

4.0

『あいたくてあいたくてあいたくて』と違って平凡で利己的で幼さいっぱいの浜田学さん。ただ、優しすぎるところは一緒でそれがいまおか組?

この日は関西初日で佐々木心音さんがとっておきのピンクのドレスで舞台
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ハミンンンンンング(2023年製作の映画)

4.0

私のような高齢者はあれを「鼻歌」というのだが…。

だから「ハミングやめて(やめろ)」の台詞は最後までしっくりこなかったなあ。
全国的に全世代的に「ハミング」の意味はこれで合ってるんですね? じゃ私が
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The Path パルバティ・バウル 風狂の歌ごえ(2019年製作の映画)

3.0

ベンガルの吟遊詩人というか「風狂のうたびと」とも呼ばれるらしい「バウル」についてのドキュメンタリー。
というよりは阿部櫻子さんがヒンディ語を学びインドに留学する過程で、偶然同居することになった15歳の
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過去負う者(2023年製作の映画)

3.0

箱書きのみを役者さんと共有して、あとは彼らに自由に「台詞」を発語してもらう、っていう建て付けは前作の『ある職場』と同じ。寛容と不寛容については、作り手の意思表明に観客のそれを優先させようとする(つまり>>続きを読む

こいびとのみつけかた(2023年製作の映画)

5.0

役者さんたちの演じる登場人物が皆、変さ値がとても高くて、心地よい100分を過ごせました。

そもそも大好きな(絵の上手な)河屋秀俊さんが出てるし。川瀬陽太さんは『ローリング』を別格にすると『やまぶき』
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ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)

5.0

平すと大体1日1本の映画見物、というのが十数年来の暮らしなんだけど、物販はほぼ素通り。「作り手の応援になりますよ、買ってください」というのはその通りなんだけど、なにぶん手元不如意で。

でもこの映画は
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(2023年製作の映画)

4.0

辺見庸さんの原作を読んだのは映画化を知ってから。
最初に思ったのは「はて? これは絵になりにくいよなあ」ということ。
ポスターに宮沢りえさんが写ってて余計に「はて? りえさん、誰を演じるの?」って。
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女の仕事(2022年製作の映画)

2.0

主演のお二人と監督さんを含む6人の賑やかな舞台挨拶付き。会場のシアターセブンではスタッフ推しの映画ですが…。

ロマンポルノの懐かしさを思えばそれなりの出来栄えですが、ラストの『真夜中のカーボーイ』は
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Love song(2023年製作の映画)

2.0

主演の人は昔AKBだったそうな、知らんけど。藤吉久美子と本田博太郎のお二人がそこはかとないTVドラマテイストを醸しておられました。

野球どアホウ未亡人(2023年製作の映画)

5.0

『まなみ100%』がなければ10月一番のお気に入りになったかもしれない怪作。

主演の森山みつきさんといえば『REVOLUTION+1』ですが(サインをいただく時にそう言ったら「そこから来ますか!」と
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自分革命映画闘争(2023年製作の映画)

2.0

神戸芸術工科大の教員を引退するにあたっての石井岳龍さんの仕舞い興行的な。

一緒に作りを担う助手(助教って昔はこう言ってましたよね)や実習助手(学内の立場とかよくわかりませんが)はもちろんのこと、大量
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almost people(2023年製作の映画)

2.0

男女男女、四人の兄弟姉妹はそれぞれに喜怒哀楽一つずつ感情に欠落を持っていてそれぞれのエピソードを四人の監督がオムニバスで描くという、ちょっと企画倒れ、無理くりっぽいお話。

「喜び」が無い人を横浜聡子
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