JunichiOoyaさんの映画レビュー・感想・評価 - 22ページ目

JunichiOoya

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私をくいとめて(2020年製作の映画)

5.0

今年最後の新作見物。
映画館通いとしては30日の年末恒例『ハッピーアワー』(京阪神三館上映のうち私はシネヌーヴォで)を残すのみとなりました。

前のめりになりすぎて、おもしろくはあるけれど多分そこまで
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サウラ家の人々(2017年製作の映画)

3.0

映画を見始めてから改めて「そういえばカルロス・サウラの映画って見てないわ」と気づく。『カルメン』『フラメンコ』そして『フラメンコフラメンコ』。多分この3本しか見てない。
だから、よくわからなかった。
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無頼(2020年製作の映画)

2.0

ある程度覚悟はしていたのだが、あまりに平板凡庸な作りに半ば予想通り、半ば唖然。
「朝起きて歯を磨いて顔を洗ってご飯を食べてランドセルを背負って学校に行って云々…」とダラダラ出来事を追いかけてもただ単調
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FUNAN フナン(2018年製作の映画)

5.0

私の学生時代は77年からの4年間。
ほぼ「民主カンプチア」=クメール・ルージュ=ポル・ポトの時代と被っている。
さて、私は学生時代に彼の国に何を思ったのか? 遡れば70年の大阪万博。当時中学一年生の私
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アメリカの影(1959年製作の映画)

3.0

カサヴェテスの最初の長編映画とのこと。
黒人としてのルーツを持つ三人の兄妹。それぞれのキャリア、性格、そして何より「外見」の違いがとても大きく(でも「きょうだい」としてしっかり繋がり続けている)、そこ
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オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

5.0

今回のカサヴェテス懐古上映(大阪十三)では、この作品がダントツのお気に入り。

巷間いわれるように演出には即興が多用されているのだろうが、(文字化されているのかどうかは別にして)脚本そのものは周到に組
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チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976年製作の映画)

4.0

稼業としてやってることは裕次郎のそれと大差ないように思うのだが、ベン・ギャザラのストリップ小屋オーナーはどん詰まりの閉塞てんこ盛り。

必死に商売に精出してようやく返した借金は一晩でその何倍に生まれ変
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フェイシズ(1968年製作の映画)

4.0

中年になっても人と人との関係崩壊にはやはり「性格の不一致」に留まらない「肌の触れ合いの有無」が大きな要素を占めるのね。
もちろん実際には「気持ち」と「身体」の他にも「お金」も「世間体」あるんだけれど。
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チェルノブイリ・クライシス/史上最悪の原発事故(1986年製作の映画)

1.0

今関あきよしさんのFBから『カリーナの林檎』を教えていただき一昨日拝見した。
そこからこの記録映画へ。

それにしても…、と絶句してしまう。何という主体不在の無責任さだろう。
極めて人為的な核の事故に
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カリーナの林檎 〜チェルノブイリの森〜(2011年製作の映画)

4.0

2004年に今関さんが海を渡ってベラルーシで、ほぼ孤立無援で作り上げたドラマ。

終盤湧き上がるようににして聞こえてくる大林宣彦さんの声に陶然とする。
今日明日YouTube限定公開の2020年再編集
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こわれゆく女(1974年製作の映画)

5.0

関西では少し前にアップリンク京都で懐古上映が企画されたカサヴェテス。あの組織で起こった出来事に未だに納得がいかず、浅井さんの映画館に行くことができないでいる私にとって、年末の十三第七芸術劇場とシアター>>続きを読む

種をまく人(2016年製作の映画)

3.0

監督さんは、この映画が実質長編デビューらしくて、そもそもは絵を描く人なんでしょうね。

演出的には随分と大向こうを狙ったあざとい工夫も多くて(終盤のドライブはいうに及ばず…)とても楽しめるんですが、そ
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マーティン・エデン(2019年製作の映画)

3.0

『野生の呼び声』しか読んだことのないアメリカ人作家の小説が原作とのこと。「当たるを幸い」的に書き散らした人、という印象だったが、この「自伝的小説」の言う通りなら然もありなんという感じ。

一番興味深か
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大観覧車/あなたの宇宙は大丈夫ですか(2018年製作の映画)

2.0

大阪の上映館ではこの映画の興行に合わせて「日韓合作映画特集」という企画をやってて『福岡』『デッドエンドの思い出』『ひと夏のファンタジア』『でんげい』なんかも上映。
それらと比べると正直随分と見劣りする
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空に聞く(2018年製作の映画)

5.0

今年もたくさん素敵なドキュメンタリーを見てきたけれど、とりわけこの映画は出色。

震災後、学業を中断してボランティアとして大学院仲間の瀬尾夏美さんとともに現地で暮らした小森はるかさん。
彼女が切り取る
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福岡(2019年製作の映画)

5.0

シネヌーヴォ「日韓合作映画特集」
この企画上映のメイン作品『大観覧車』目当てで見に行って、結果的にこちらの映画に気持ちを持って行かれた。

監督のチャン・リュルは吉林省生まれの朝鮮族。そもそもが国家(
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GOGO(ゴゴ)94歳の小学生(2020年製作の映画)

3.0

Filmarksオンライン試写で拝見。
ゆったりと多幸感溢れる94歳のお婆ちゃんの小学校生活を見る側も一緒に味わう。

ドキュメンタリーという建て付けだが、同じ監督さんの『世界の果ての通学路』同様、当
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眠る虫(2019年製作の映画)

3.0

緩い感覚の異人譚。

お婆ちゃんのキャスティングは如何なものか、と思うけど、バス内の長回しはとても良い雰囲気でしたね。
ただ、あの小箱。事務所で使ってるいろんなゴム印を納めた古い木箱そっくりで。そこは
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異端の鳥(2019年製作の映画)

3.0

なんか残酷なのは苦手やなあ、ということでひとまず原作だけ読んでお終いにしていたのですが。(小説には随分と失望させられました)
京都でギャラリーを運営する先輩は、この映画を至極気に入ったようで、周囲に消
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ミセス・ノイズィ(2019年製作の映画)

3.0

予告編を劇場で見て随分と期待して見物に行きました。

残念だったは二点。
①夫の描き方にはっきりした思い切りがない。いい人にもいい加減な人にもどうでもいい人にも見える=見せる演出。作家は逃げを打ったよ
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.0

私が拝見しているいくつかのタイムラインではとにかく絶賛の嵐で、オールタイムベストにという方も何人も。

とにかく絵が綺麗ですね。「絵」ってスクリーンに映し出されるその「絵」ね。
それに対して「肖像画」
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乙姫二万年(2019年製作の映画)

3.0

にいやなおゆきさんが一人で手仕事で作りきったアニメーション。
絵と実写とおもちゃと写真のないまぜ感がとても心地よい。
30数分の作品。YouTubeで是非ともご覧あれ。

声優夫婦の甘くない生活(2019年製作の映画)

2.0

フライヤーを見た時から気になっていて是非とも劇場で、と思っていたらオンライン試写に声掛けいただき、勇んで見物。
とはいえ、いやあ…。ゾワっとした違和感だけが満載の映画でした。

ロシア、というかソ連か
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アンダードッグ 前編(2020年製作の映画)

2.0

前後編ということで、まとめて見たけれど正編続編という括りでも良いかも。
前編だけ見て、はいお終いでも大丈夫。あえて4時間以上付き合うほどのことはないですよ。

それにしても内容が随分と薄い。長い時間拘
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普通に死ぬ いのちの自立(2020年製作の映画)

4.0

重度障害を持つ人が「普通に生き」「普通に死ぬ」ことをいかにして獲得するか。

カメラは、グループホームやデイサービスを担う人たち、そして当事者の家族の目となって大量のことばを見る者に浴びせかけてくる。
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罪の声(2020年製作の映画)

4.0

6本分のポイントが貯まったので今日はロハで見物。

大掛かりな話を沢山の登場人物で超特急で描くので、まあ手っ取り早く新書を2時間で読んで知識を整理する、みたいな感じ。原作もそんな感じなのかしら?

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花子(2001年製作の映画)

5.0

サンクスシアターで一等楽しみにしていた映画。

監督 佐藤真
撮影 大津幸四郎
録音 弦巻裕
編集 秦岳志
主題歌 「ひとりの女性に」
   藤井裕、忌野清志郎

今村花子、桃子、知左&泰信 一家の日
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

5.0

同じ日に見物した『淀川アジール』『アウステルリッツ』との兼ね合いで早朝8時20分からの回で。おかげで朝一から気合いが入りました。

同棲(互いの関係は「最終盤」ではあるけれど)、演劇を捨てきれない男、
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アウステルリッツ(2016年製作の映画)

3.0

ゼーバルトは『移民たち』とか『土星の環』とか読んでたけど『アウステルリッツ』は未読。

せっかくなんでこの機会にと読んでから劇場へ。原作はいわく言い難い「散文」で(ゼーバルトの著作は推し並べてそうだけ
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冬の河童(1995年製作の映画)

3.0

京都ルーメンギャラリーにて風間詩織初個展。
風間さんの長編はこの映画だけ見てなかったので。

この日は秘蔵のTVドラマ映像も含めの出血大奉仕大会+打ち上げにも潜り込ませていただき幸せ気分。
風間さんは
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生きちゃった(2020年製作の映画)

2.0

香港映画なんですね。
男の子二人と女の子一人のセットもの。
中途半端に歳だけ食って悲惨な青年期を送る三人。

殆ど効果の無さそうな外国語(中・米)を習うシーンと太賀が「日本人だからなのかなあ」と詠嘆す
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おらおらでひとりいぐも(2020年製作の映画)

5.0

う〜ん、この小説って映画になるかしらん? という思いがあったので、前もって三年前の文藝春芥川賞受賞作掲載号を読み返してから映画館へ。

今年は『アルプススタンド〜』や『劇場』、最近だと『タイトル、拒絶
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Mank/マンク(2020年製作の映画)

3.0

『市民ケーン』製作の裏話としてのオーソン・ウエルズとハーマン・マンキーウィッツの確執を、アプトン・シンクレアのカリフォルニア知事選玉砕を絡めながら過剰な台詞で二時間強見せつけてくれる。

ことばの情報
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脳天パラダイス(2019年製作の映画)

3.0

物語としては破綻してます。
いや、そういうふうに作ったのよ、と言われたとしても、やっぱり破綻しています。

でもだから嫌いです、おもしろくなかったです、というわけではない。

その理由は、見てる間ずっ
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