森野c5果実さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

森野c5果実

森野c5果実

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脳内ニューヨーク(2008年製作の映画)

3.8

なんだこの迷作は、と閉口したままエンドクレジットを眺めた。
カウフマンは観客が置いてけぼりになろうと知ったことではないのでしょうね。
それでも好きか嫌いかというと大好きで、謎多き人に恋してる気分。

黒猫・白猫(1998年製作の映画)

4.0

デシベル強め。
人間も動物もみな自由奔放で、80dBは優に越える騒々しさ。
だけどその撹拌する感じが堪らなく可笑しくて、細かいことを気にする方が野暮。
「これでいいのだ!!」という締めがピッタリ。

ロシュフォールの恋人たち(1966年製作の映画)

4.0

出会う前から恋をするって、なんてロマンチックなんでしょう。
20代中盤だからこそ信じられることもあるんだなぁと思う。

ラストカットを敢えて引き画で見せる演出が憎いね。

グッバイ、サマー(2015年製作の映画)

4.4

思春期の悩みは滑稽で、真剣だ。
煩わしい学校と、窮屈な家。渦中にいると どうしようもなく不安で苦しい。
だけど、そのフラストレーションが成長の起爆剤になる。

私が辛抱堪らずに初めて家を飛び出したのは
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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

4.0

映画史に名を残す あのハリーポッターの最新シリーズならやはり面白いんだろうな、観たいなと思っていたら、いつの間にか映画館に居ました。魔法かしら。

ハリーポッター1作目のようなワクワク感を期待していた
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紅の豚(1992年製作の映画)

4.0

自分勝手で、時にデリカシーに欠ける言動をするのが男なのだ。女は目を瞑り、桟橋のように迎え入れてね。
などという美学を理解した上で
「マルコ、今にローストポークになっちゃうから。私イヤよ、そんなお葬式。
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猫の恩返し(2002年製作の映画)

3.0

映画とは言い難い。
単なるアニメ止まりの作品。

現実逃避も出来なければ、懐古にも浸れない中途半端なファンタジー。

白猫ユキはもっと活かせたはずだ。
猫の国へ辿り着いたハルに対して帰るよう促したのは
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百万円と苦虫女(2008年製作の映画)

4.0

夢追う人も、そうじゃない人も、持って行く物はたった唯一。
熱く静かに畝る心があれば、なんとかなるなる。
その心が折れてしまいそうな時は、ドーナツ咥えて帰ればいい。

君の名は。(2016年製作の映画)

4.0

初めから終わりまで、ひたすら空が美しかった。
そしてRADWIMPSの楽曲効果で映画全体に緩急がついてた。
それはもう、凄まじい緩急。
実は●年前から××でした!というタイムパラドックスの件には突っ込
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鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

恋は盲目だとしりつつ、それでも騙されちゃったお爺ちゃん。
鑑定士として成功を収めていたが、色恋沙汰においては真贋を見極められなかったという皮肉。

素行を見るに、お爺ちゃんが恨みを買うのは当然かも知れ
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アリス(1988年製作の映画)

4.5

この感じを私は知ってる。
止まぬドアノックに追われたこともある気がする。
私もいた世界。
しまい込んでいた感覚を引き出してくれる、鍵のような作品。

対話の可能性(1982年製作の映画)

4.0

ジュゼッペ・アルチンボルドを彷彿とさせる「永遠の対話」が特にお気に入り。
第一次産業、第二次産業、第三次産業の力関係というより、それらが合わさって人間社会の成り立ちが成り立ってるという表現が面白い。
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闇・光・闇(1989年製作の映画)

3.5

粘土だからこそ観られる気持ち悪さ。
対照的に、音の効果がハマってて小気味よい。

ひなぎく(1966年製作の映画)

3.5

カットひとつひとつが印象的で、どれを切り取ってもファッション誌の表紙を飾れそう。
"おしゃれ映画"と呼ばれる所以はよく解った。

大胆不敵に楽しむけれど、そのためには働かなくちゃいけない。
ガス代を気
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ナイロビの蜂(2005年製作の映画)

4.5

利己主義が蔓延する世の中で、そうとは知らずに穏やかな日々をおくる。
無関心は、危ない。
そして、知らないというのを知らないことが1番危ない。

白けた演説から「私を探求して」という台詞までの冒頭シーン
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ローズ・イン・タイドランド(2005年製作の映画)

3.4

小児性愛、死体愛好、児童虐待がたっぷり詰まった2時間。
これ以上やったらアウトっていう線を超えないよう、
非常に際どいところで踏み止まれるテリー・ギリアム監督は変態のプロ。
不思議の国のアリス的なおと
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最強のふたり(2011年製作の映画)

4.0

社会的立場や趣味が対照的なふたり。
全身麻痺になってしまった内省的な大富豪フィリップと、スラム育ちで前科持ちの青年ドリス。
普通ならありえない異色の組み合わせが織り成す、ブラックジョークなコメディ。
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めぐり逢わせのお弁当(2013年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

めぐり逢わせのお弁当。
メインディッシュは添えられた手紙。

お弁当の誤配から始まった 見知らぬ男女の文通。
互いの寂しさを埋め合うプラトニックな戯れが温かくも切ない。
手軽にやり取りできる現代でも、
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LIFE!(2013年製作の映画)

3.8

ほんのりファンタジー色の自己啓発作品。
直向きに丁寧にやり通すこと、
果敢に挑戦することでしか味わえない素晴らしさがあること。
この映画には人生を彩る緩急が詰まっている。

グラフ雑誌を題材にしている
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フィリップ、きみを愛してる!(2009年製作の映画)

4.0

そうだ、これ実話なんだ……と、観終わった後 開いた口がふさがらなかったです。
冒頭と締めに現れる雲の演出が効いてましたね。

チョイ役だけど相変わらずロドリゴ・サントロがカッコ可愛いくて幸せ。
(彼見
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ズートピア(2016年製作の映画)

4.8

まさに"いい映画"
無意識の偏見的な思考や差別意識を炙り出されてハッとした。
そして、決して説教じみていないオチでそれらを洗い流されたような感じ。
心のデトックス。
今、胸は希望で溢れている。

『ア
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ターミナル(2004年製作の映画)

3.0

突如として無国籍となり、空港に閉じ込められてしまった主人公の数ヶ月に及ぶ留置生活。
閉ざされた空間の中でどう展開するのか、公開当時から気になっていて やっと鑑賞。

数ヶ月間足止めを食らったものの拘束
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ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)

3.5

飼い犬に手を噛まれる ならぬ、
飼い獣に手を噛まれる怪獣映画。

分かりやすいのは良いけれど
"恐竜を見くびり、手懐けようとする人間の愚かさを描くぞ"という主張がちょっと強い。
そのくせ、怪獣映画を思
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ウィ・アンド・アイ(2012年製作の映画)

3.5

思春期真っ只中の高校生たちを乗せたバスでの小一時間。
彼らが繰り広げるスクールカースト、無法地帯っぷりはエネルギッシュで、
観終わる頃には バスの運転手に同情して疲労感。

仲間といる時の高校生って怖
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僕らのミライへ逆回転(2008年製作の映画)

3.8

邦題のおかげでタイムスリップものかと思いました笑

映画本編よりも映像作りの視点で大変興味深く、ミシェルゴンドリーの世界観のレシピを鑑賞したような感じ。
皆で作り上げていく楽しみだったり、映像制作の醍
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シェフ!~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~(2012年製作の映画)

3.0

うっかり “三ツ星フードトラック始めました”じゃない方のシェフをレンタル。

分子料理(窒素を駆使したゲテモノ)や、屈折したジャパニーズ文化で笑いを取ろうとする展開になるとは意外でした 笑
コメディと
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タイヨウのうた(2006年製作の映画)

4.0

映画というよりはYUIのPVとして評価します。
「好きなバナナは食べ物で…」と、踏切での変顔が見所。

きみに読む物語(2004年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

王道ラブストーリー。
特にひねりやクセはなく、分かりやすい展開。
大衆ウケが良いのも納得。

婚約者を裏切って元彼の許に舞い戻る件はざらついた気持ちになるけど、
愛を貫いて天寿を全うする力強さに それ
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戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

3.0

豊かな人脈と才能のおかげで戦争の渦中を生きながらえた天才ピアニストの半生。
人脈を築くのは自身の人間性によるものだし、そこを否定するつもりはないが
そもそも その人柄の良さを示す場面描写の不足と
"天
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ダージリン急行(2007年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

パン、スロー、ズームアップを多用した撮り方、登場人物の思考を露骨に表現しないあたり、とてもウェスアンダーソン。
そういう技巧には惹かれる部分があるけれど、作品としては終始眠たい。
互いを信じあっていこ
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ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!(2005年製作の映画)

3.5

過去の作品と比べると各段に映像のレベルは上がった。
カメラワークも自由自在だし、CGも取り入れ、不可能な表現はないといった感じ。もはやクレイアニメの範疇を超えている。
しかしそれはクレイアニメとしての
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ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ!(1993年製作の映画)

4.8

少し丸みをおびて愛嬌のあるデザインになったウォレスと、二足歩行を体得したグルミットに親近感。
対照的に、ペンギンとは思えないほど異質な怖さを醸し出すフェザー・マッグロウ。
狡知に長けるその様、すごくぞ
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ウォレスとグルミット、危機一髪!(1995年製作の映画)

4.2

ウォレス以外の人間が初めて登場し、街の全体像も見えて
作品の世界が広がった。
『ひつじのショーン』にはウォレスとグルミットは登場しないようだけど、プルプル(ショーン)達の牧場はどのくらい離れた場所にあ
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ウォレスとグルミット/チーズ・ホリデー(1989年製作の映画)

5.0

チーズとクラッカーをつまみながら、日本語吹き替えで観たい作品。
あの何とも言えない静けさと間合い、それを払拭するウォレスのおとぼけ感が絶妙。
哀愁漂わせながら目元だけでツッコミ役を務めるグルミットとの
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リザとキツネと恋する死者たち(2014年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

私にとって大当たりの怪作。
中毒性のあるBGMに乗せてリズミカルに人が死んでいき、当然 ヒロイン リザは絶望するわけだけども、その様が失笑必至。

そして、殺人の容疑者となったリザに張り込む刑事ゾルタ
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