sunaimaiさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ラッカは静かに虐殺されている(2017年製作の映画)

3.1

アサド政権崩壊後に台頭したISの横暴を命懸けで世界に発信する組織RBSS。だが、ドイツに逃れた者はヘイトスピーチを浴び、シリアに残ればISに対する空爆の犠牲に。この世を逃げ場のない地獄だと断じる作品。>>続きを読む

スパイナル・タップ(1984年製作の映画)

3.8

なぜ今劇場公開なのか全くわからんけど、フェイクドキュメンタリーとしてもコメディとしても傑作。「スタンド・バイ・ミー」をとった監督というのが意外。「アンヴィル!夢をあきらめない男たち」は、この作品を、実>>続きを読む

ロボコップ(1987年製作の映画)

4.6

吹越満のモノマネのせいでB級作品かと思ったら、社会的な批評性を備えた硬派な映画!ED209の間抜けさや、巨大企業による公共サービスへの進出を、皮肉たっぷりに描写する手腕はさすが。ロボコップ目線の映像も>>続きを読む

スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

3.4

抑制された演出に好みが分かれそう。露骨な圧力や妨害があるわけではなく、歓喜の結末が訪れるでもない。ボストングローブの記者達が時に葛藤しつつも、どこか淡々と仕事に取り組む姿に頼もしさを覚えた。

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

4.2

王道でいながら、素材や製法には綿密さと挑戦がある、行列ができるラーメン店のような映画。冒頭から惜しみなく繰り出されるカーチェイス。ノリの良い音楽、銃撃戦、ロマンスは、全世界津々浦々、老若男女皆が楽しめ>>続きを読む

変態だ(2015年製作の映画)

3.7

MJ展の併映にて。意外にもカメラワークが良い。ロックや不倫SMという非日常と、家庭を持つという日常。非日常を生きるには、kill bear!という、みうらじゅんの主張が伝わる作品だった。熊は「世間」の>>続きを読む

365日のシンプルライフ(2013年製作の映画)

3.0

面白い実験映画だった。最初に預けた荷物から、何を持ち帰るかに注目していたけれど、結局は人生を一緒に過ごすパートナーこそが必用だよね、という話。答えが出るまでに365日も必要なかったね!

ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

4.3

予備知識無しで観たら、牧師のJBで驚き、さらにアレサ、レイ・チャールズまで!これはミュージカル映画じゃないか。そして想像を遥かに超えるカーチェイス。序盤のショッピングモール破壊に快哉。全編ノリノリで楽>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.4

オリジナルへの経緯に溢れた正当な続編。人それぞれの『ブレードランナー』があることを十分に心得て、解釈の仕方にも余裕を持たせてあるように感じた。ディックの原作要素をさらに盛り込もうとした姿勢にも拍手。

オール・ザ・キングスメン(2006年製作の映画)

3.6

不正を追求し民衆の支持を集め知事になった男が、権力を持つ側になるにつれ自己保身に走り疑心暗鬼になってゆく姿を描く。この映画、何度もクローズアップになる熱狂的な群衆達が真の主役。

人生フルーツ(2016年製作の映画)

4.2

東海テレビ作品にしては意外にもほっこりした印象。しかし台湾での旧友の墓参りあたりから、お爺さんの真摯な生き様が力強い通奏低音となる。最後に協力した伊万里の施設、落葉を撒き続けるお婆さん、我々は次の世代>>続きを読む

シンプル・プラン(1998年製作の映画)

3.2

突如大金を手にし、それ故に不幸に引きずり込まれてゆく過程が、不穏な空気とともに巧く演出されていた。表情での演技が多いのは好感。とりわけ兄役のビリー・ボブ・ソーントンが素晴らしい。青春映画のような雰囲気>>続きを読む

ジャングル・ブック(2015年製作の映画)

2.8

ジョン・ファブロー監督作ということで期待しすぎたか。映像は凄いがストーリーに意外性はない。子ども向け作品とはいえ、ジャングルに災いをもたらす人間の存在について、もう少し描写が欲しい。スカヨハ声の蛇には>>続きを読む

天使にラブ・ソングを…(1992年製作の映画)

2.8

合唱パートが大半を占めるのだろうと思いきや、マフィアものだったとは知らなかった!ウーピーゴールドバーグは今何をしているのかと思ったら、女優を引退してトーク業にいそしんでいるようで…。

マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

3.2

ほぼ無いに等しいストーリー設定、徹底的に省略された台詞。だからこそ映像は全編に渡ってクライマックスかのようなハイテンション。こんなかたちでマッドマックスが再び日の目を見ようとは!

いまを生きる(1989年製作の映画)

5.0

リアルタイムで見ていれば10代で出会えたていたのか!未見であったことを激しく後悔。終盤シリアスな展開になってゆくが、そこからのラストシーンは感涙もの。名台詞も満載。あらためてロビンウィリアムズの他界が>>続きを読む

すべての政府は嘘をつく(2016年製作の映画)

3.1

I.F.ストーンの言葉を基に展開される、ジャーナリズムとは何か、メディアのあるべき姿とは、といった問題提起。ニュースを受け取る側の私達もまた、シリアスな問題と向き合っていない、という批判もされていて納>>続きを読む

軍旗はためく下に(1972年製作の映画)

4.2

文芸座で。キネ旬2位に驚く。直木賞受賞の原作と深作欣二の演出が相乗効果となって観る者を惹き込む。主人公の軍曹夫人が行動する動機にも説得力がある。真相は語る者によって写り変わるが、「秩序」の犠牲者だった>>続きを読む

ケイト・プレイズ・クリスティーン(2016年製作の映画)

3.2

森達也の『FAKE』は、佐村河内守への好奇心を煽っておきながら放置することで、観客に自らの下世話さを気付かせる。『ケイト〜』はその下世話さに対して明確に異を唱え、観たいたものを突然、突き付ける。

あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)

3.9

初めてレコードに針を置いた瞬間。初めてコンサートに行って圧倒された帰り道。背伸びして好きになった、大人っぽいあの娘。そんな思い出を蘇らせてくれる映画。ケイト・ハドソンのちょいクセのある感じがヒロインに>>続きを読む

ブラック・レイン(1989年製作の映画)

3.7

意外と脚本はつまならい。だがそれを補って余りある要素が満載すぎ。ブレードランナーでお馴染のリドリー・スコット監督による独特な日本描写。松田優作はノースタントで決死の演技。健さんの意外と堪能なイングリッ>>続きを読む

ギャンブラー(1971年製作の映画)

3.0

アルトマン監督はここでも説明をほぼ排除した作風。トンチンカンな邦題を無視したとしても、マッケーブの姿を通じて一体何を描きたかったのか?うまくすると『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のようになったかもしれ>>続きを読む

スノーデン(2016年製作の映画)

4.3

スノーデンが暴露に至るまでの心情の変化に重きを置いたことで「CITIZENFOUR」とかぶらないように工夫されている。彼が最も心配した、暴露したのに関心を持たれない事態にはならずに済んだが、未だ予断を>>続きを読む

シチズンフォー スノーデンの暴露(2014年製作の映画)

4.7

この映画が凄いのは、香港のホテルでスノーデンが暴露をするまさにその瞬間から、ニュースが流れるのを見届け、そして逃亡の身支度をするまで、本人を撮影できたこと。原作を読んだ時の興奮が蘇った!

M★A★S★H マッシュ(1970年製作の映画)

3.6

戦場の話でありながら戦闘シーンの全くない画期的な映画。三人の軍医達が繰り広げる不謹慎な馬鹿騒ぎと、血みどろの手術シーンを繰り返し登場させることで、そこが確かに人の死にゆく戦場であるとわかる。エンドロー>>続きを読む

マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.0

拭い切れない過去を背負って生きる主人公リーをケイシーアフレックが好演。リーが抱えた過去はとても乗り切ることはできないが、じんわりと前進してゆく過程が描かれていて、観る者にも希望を与えてくれる。

暴走パニック 大激突(1976年製作の映画)

3.5

犯罪、オンナ、カーチェイス!破壊衝動を伴う非日常の世界を満喫。主演の渡瀬恒彦が、客席に座るオトコ達の視線を一手に引き受けている。揺れ動くカメラと怒鳴り合いに近い台詞の中で、川谷拓三にほっこり。

アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発(2015年製作の映画)

4.4

興味があったテーマで関連書も読んでいだが、贔屓目なしに見ても傑作!映像で再現された実験シーンは、わかっていても迫真もの。ミルグラム博士が、批判されつつも伝えんとしたメッセージが何であったかを、深く胸に>>続きを読む

あん(2015年製作の映画)

3.9

原作を読んで、ハンセン病資料館に行き、付近の多摩全生園の中を歩いてみた。施設の中で一生を終えた方々の思いはいかばかりであったか。今できることを精一杯やって生きていかなければいけないと思わされた。

S21 クメール・ルージュの虐殺者たち(2002年製作の映画)

3.1

アクトオブキリングの元ネタ。看守と囚人の再会。残酷な行為を行った看守に、当時の心境を静かに問い詰める囚人。ただ命令に従ったのだと無表情で述懐する看守。人間がいかに危うい生き物であるかを痛感。

ロボコップ(2014年製作の映画)

4.1

人工知能が普及した今の時代に、旧作をリスペクトしつつも設定を更新された優秀なリブート。企業倫理や人間性などのテーマに焦点を当て、ロボットに躊躇なく検挙や発砲をさせたい人間達が描かれる。右派のニュースと>>続きを読む

ティファニー ニューヨーク五番街の秘密(2016年製作の映画)

2.3

序盤のPANTONEでの色作りと、ウィンドーディスプレイの神様については興味深く拝見。セレブ達が嬉々として語る部分ではウトウト…。

ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)

4.2

イーサンホークが瞳で語る演技が良い。ストーリーもシンプルに凝縮されている。ドラッグに溺れたロックシンガー、スコットウエイランドが歌うvelvet revolver「fall to pieces」を思い>>続きを読む

宇宙人ポール(2011年製作の映画)

4.0

サイモンペッグ初心者でも、オマージュの元ネタ知らなくても、すごく楽しめる!友情、恋愛、ギャグ、アクション満載。台詞(脚本)がいいのでテンポに乗ってける。Tシャツへのこだわりと、キリスト教原理主義を皮肉>>続きを読む

トスカーナの贋作(2010年製作の映画)

3.6

夫婦を演じて行く大変さ。キアロスタミ作品には、すべての人生は演じられているという冷徹な視点がある。崩壊寸前の夫婦関係と、この映画のテーマ「贋作」が二重構造になっている。作中の台詞はどこまでが用意されて>>続きを読む

桜桃の味(1997年製作の映画)

3.0

ラストの翌朝を迎えたシーンに尽きる。それまでの絶望を解放するのに、こんな手法をとるとは!ただこれが斬新で独創的かというとどうか。日本の昭和のドキュメンタリーなんかは、監督の介入や虚実ないまぜなどは日常>>続きを読む