SUNSHOWERさんの映画レビュー・感想・評価

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犬王(2021年製作の映画)

3.6

実在したと言われる猿楽師「犬王」を描いた物語。実際の時代背景がベースになっているので、少し勉強して観たほうが楽しめるかも。原作や時代を無視したロックオペラという演出が、独創的な世界観とともに成功してい>>続きを読む

オールド・フォックス 11歳の選択(2023年製作の映画)

3.9

カミングオブエイジであり、ハードボイルドであり、上質なヒューマンドラマ。親と子の関係や、時代の移り変わりを、エレガントかつ土臭く描いた演出が、本当に素晴らしかった。リャオジェ少年とシャ老人の演技も見事>>続きを読む

かくしごと(2024年製作の映画)

3.6

常に緊迫感に包まれたストーリーラインが見事で、スクリーンに引き込まれた。人物描写や演出は少しリアリティに欠けていたけど、全体的に解りやすく作られているので、幅広い層に観てもらえるかも。酒向芳さんの演技>>続きを読む

ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ(2022年製作の映画)

3.8

肝っ玉かあさんというキャラだけでなく、人物描写が上手く、豊かでリアルだったからこそ、センシティブなテーマに切り込めたんだと思う。ドイツとトルコ移民の関係や、ドイツ人口の3割が移民を占めてる現状など、知>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

いわずもがな、映像、演出、演技、脚本、音楽、どれをとっても素晴らしくて圧巻だった。話題になっている原爆の描き方に関しては、わたしはあれで良かったんだと思う。だって事実、アメリカにはそれを体験をした人が>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

3.8

子どもが世の中のことを10%くらいしか理解していないのだとしたら、結局、大人たちだって30%くらいのことしか理解できていないのだ。わからないことを自分でわかっている分、子どもたちの方が素直で、何を望ん>>続きを読む

ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

3.9

ハリウッドじゃない方のアメリカ映画。政治・人種・貧富・善悪などを、「分断」ではなく「違い」として描いていた頃のアメリカ映画。かといって、古臭いわけでも、問題から目を逸らしてるわけでもないところがすごい>>続きを読む

ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.6

演出や人物描写など、あまい部分はあったけど、ストーリーのアイデアが良くて楽しめた。むしろアイデアのみが逸品なので、他の監督・脚本バージョンを観てみたい感じ。そもそもこの作品のテーマって何なんだろう? >>続きを読む

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

3.6

確かにアイスランドとデンマークの歴史を知らないと理解するのがむずかしい作品だと思う。でも近年は、見る側に合わせるのではなく、見る側が寄り添うタイプの映画が増えているから、これでいいのだとも思う。背景を>>続きを読む

あのこと(2021年製作の映画)

3.7

あまりにセンセーショナル&直情的に描かれているので、これだと目を背ける人や、逆に中絶に反対する人を生むんじゃないかと思った。でもラストシーンを観て間違っていたことに気づく。これは何か一方的な意見を描い>>続きを読む

陰陽師0(2024年製作の映画)

3.6

〈白組〉オスカー受賞後1発目の作品。エンタメとしてテンポも映像も心地よいので、最後まで飽きずに観れた。VFXもゴジラほどとは行かないまでも、思っていた以上の迫力で大満足。呪術や時代考証など相当こだわっ>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.7

非アジア人のための映画であることは変わりないけど、アジア人の心をちゃんと掴めているのが今までの映画と違う。細かい仕草や間、空気感、マインド、アジア人にしかわからない言語で作ってあるから素敵に感じるのだ>>続きを読む

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.6

意外にもフェミニズム要素は薄く、純粋なホラー作品。気持ち悪さという面だったり、ストーリーの設定という面では、純粋に楽しめた。あのプロローグだと、テーマに性的なものを持ってくるより、「罪の意識」に絞った>>続きを読む

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.8

男らしさが美徳であり、時として女はそれを邪魔する存在とされていた時代の英雄譚を、現代の解釈で作り直した物語。ある意味、男性側から描いた『バービー』、いわゆるケンの物語と言ってもいいかも。女性たちの忠告>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.7

おんたんのために生まれてきたんだと確信できるあのちゃんと、無機質感のある声がダーク門出に超絶ハマってたいくらちゃん。ファンからしたら少しアクの抜けた「デデデデ」に仕上がっていたけど、それでも最後まで観>>続きを読む

コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

3.9

おもしろかった。押し付けるフェミニズムではなく、寄り添うフェミニズム映画。分かりやすく作ってはあるものの、同時に現実の難解さや歪さも描けているのが素晴らしかった。あえてテーマのはっきりした答えは出さず>>続きを読む

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.6

現実味のない話だけど、キャラクター作りの上手さという点では、リック・ベンソン節完全復活と言っても良いかも。それに加えて、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの演技の上手さ! NITRAMと似た風貌のシーン>>続きを読む

パリ13区(2021年製作の映画)

3.8

おもしろかった。誰もが思い悩み、そして囚われる「恋愛とセックス」。センシティブなテーマながらも絶妙なラインに描いた作品だと思う。決してキャラに感情移入できる感じじゃなけど、恋愛のあり方に対しては人とし>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイ・ワイフ(2021年製作の映画)

3.8

おもしろかった。上質でエモーショナルな大人のラブストーリー。追えば追うほど自分を見失う恋愛のセオリーを、人生や社会になぞらえて物語にしているのが素晴らしかった。女が自由を求めれば求めるほど、男は焦って>>続きを読む

ソウルメイト(2023年製作の映画)

3.7

良きシスターフッド映画。中国版オリジナルよりフェミニズム色が強くなった感じ。2人の関係を引き裂く象徴として〈男性〉、つなぐ象徴として〈女性〉と描いてるのが韓国ぽくておもしろかった。ここまで波乱じゃない>>続きを読む

恋は光(2022年製作の映画)

3.7

原作の雰囲気そのままに、小林ワールドで再構築された逸品。小林作品初の人は、慣れるまで時間がかかるかもしれないけど、慣れてしまえばどっぷり世界に浸れるはず。ラストの理屈はわたし的にあまり腑に落ちなかった>>続きを読む

カラーパープル(2023年製作の映画)

3.6

日本で言えば演歌のような物語。黒人文化の土壌を築いた先人たちの壮絶な苦労を知ることができ、時に黒人女性にとっては大きなアイデンティティになると思う。ミュージカル化については、演歌もしかり、話で聞けば暗>>続きを読む

熱のあとに(2023年製作の映画)

3.9

めっちゃおもしろかった。ちゃんと現実にある感情で勝負しようとしているところや、全部を見せすぎずに物語を紡ぐところなど、センスだけじゃない奥深さを感じた。女子なら誰もが通るであろう独善的な恋愛観を、上手>>続きを読む

カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~(2024年製作の映画)

3.6

90歳近いとは思えないほどのバイタリティ。「楽しむ」ということと「楽しませる」ということの密接な関係性を理解しているから、彼女を見ても、彼女の作品を見ても、心から楽しい気持ちになれる。彼女の人生を楽し>>続きを読む

ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)

3.9

せっかくなのでモノクロ版で観てみたけど、めっちゃおもしろかった。演技、カメラワーク、プロット、音楽の使い方など、確信的に50年代の演出を模していて、現代邦画にはないくらい深い人間ドラマを描いていた。も>>続きを読む

ウィッシュ(2023年製作の映画)

3.9

めちゃくちゃ良かった。ディズニー100周年の総括であって、今後のディズニーの所信表明。なぜ、夢のようなおとぎ話にこだわって作品を作るのかが分かるストーリー構成になっていて、これからも作り続けるという固>>続きを読む

ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

3.8

韓国の映画やドラマで「脱北」を扱った作品はよくあるけど、実際のそれは想像を超えるほど壮絶で、胸が張り裂けそうだった。そして、この受け入れがたい現実を垣間見ることができたのは、危険を顧みず活動しているキ>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.7

コメディまっしぐらな作品かと思いきや、甘酸っぱい中学生の青春ドラマ。高校生みたいにパヤパヤしてないし、小学生ほど子どもじゃない、中学生の繊細な時期を絶妙に描けてた。野木亜紀子さんの親しみやすいストーリ>>続きを読む

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.7

演出や撮り方は圧巻だったけど、ストーリーは普通だったのが残念。こういうタイプのストーリーは、ラストにブチ切れるか、ブッ倒れるかしかないわけで、もっと予想外の展開が欲しかった。とは言え、演出や演技には目>>続きを読む

サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

3.8

ここ最近のウディアレン作品の中でも一番おもしろかったかも。小ぶりな作品だけど、80歳過ぎて撮ったとは思えないほどの現役感があった。特にクラシック映画(主にヨーロッパ映画)へのリスペクトが熱くて、観てる>>続きを読む

NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

3.8

『ビバリウム』同様、見せ方やプロットが上手いのでぐいぐい引き込まれた。『ビバリウム』では物語の全貌をはっきり見せなかったのに対し、今作はやりすぎなくらいきっちり伏線を回収。私的には前作のようにもっと混>>続きを読む

宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました(2022年製作の映画)

3.8

あらすじを知っただけでも人に話したくなるくらいプロットが魅力な作品。北朝鮮の描写がニュースで目にする程度の印象レベルで描いているので、シリアスになりすぎずおもしろかった。最後はしっかり感動させて「統一>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.7

テンポもギミックもよく出来ていて、エンタメとして楽しんで観れた。観る前は「何が悪いのかを探すことに集中し、システムを見直すことをしないから、同じことを延々繰り返す日本人」を憂えてるのかと思ったら、「後>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.7

質の高い二次創作という感じ。つまらないわけじゃないし世界観も保ってるけど、オリジナルにはあと1歩足らない感じ。逆にスピルバーグの素晴らしさを痛感した。完結とは言わずに、スピルバーグにきちっと締めてもら>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.8

低予算ながら、緻密に計算された演出を使って、その当時の映像じゃないかと錯覚するくらいのリアルさと説得力を出していたのが素晴らしかった。悲劇なのに、心地よい穏やかさと優しさがあったのも良かった。こんな西>>続きを読む

ティル(2022年製作の映画)

3.7

もちろん過去にあった凄惨な事件について知ることも重要だけど、母メイミーがとった、感情の中ではなくシステムの中で対決していこうとする姿勢は、現代においても大きく学ぶものがあると思う。そんなメイミーの強い>>続きを読む

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