clearさんの映画レビュー・感想・評価

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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

2時間ずっとあまりにも隙がなく完璧なため、感動するというよりすご……って関心してしまった。ずっとさぼっていた感想を久々に書きたくなるぐらい余韻が深い。

・導入の筆の音、あんなふうに聞いたのは初めてか
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ほとんど動かないカメラと独特な画面比のためか、スクリーンでホームビデオを見ているような不思議な感覚だった。

監督の前作「セインツ~」のときも思ったけれど、光の切り取り方がうまい。光が当たった時のルー
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.5

クイーンというバンドがあったことはもちろん知っているし、曲も何曲か知ってる。そんなレベルの知識しかなくても、ラストの20分なぜかずっと泣いてた。

映画上の脚色で事実と異なる部分があったとしても、私み
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テルマ(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。
北欧特有の寒々として凛とした雰囲気によく合っている内容だった。
綺麗な撮影、スコア、女性二人の惹かれ合うシークエンス、どれをとっても好みだった。主演女優の横顔、今年のベストオブ横顔。
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

4.0

「音を立てる」の基準が若干曖昧なことが気になったけれど、面白いアイデアだなと思う。
視点が長女にうつった時、映画館から音が消える(正確には弱いノイズ音のようなものしか聞こえなくなる)演出が印象的。この
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.0

終始不気味な違和感がつきまとっている感じが好き。ネタが全部分かると「Get Out」は思ったよりも優しい言葉だった。

これはドキュメンタリー映画だ、という旨の発言を監督が最近したけど、それを思うとな
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KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

4.5

ストップモーションだなんて言われないと分からないぐらいに画が素晴らしかった。気が遠くなるような作業量だろうから、メイキング延々とみたい。
日本造形もよく調べてくれたんだなと分かる。海外作品で自文化の灯
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女神の見えざる手(2016年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

面白いところを書こうとすると全てネタバレになる。

毒をもって毒を制す、がこれほど正しく理解できる映画もなかなかない。
途中、彼女でも予見できない不測の事態があったとしても最終的な結論にいたるまでの道
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夜明けの祈り(2016年製作の映画)

3.9

「信仰は24時間の希望と1分の希望」という言葉が印象的。その言葉を発するマリア役の人がとてもよかった。

実話ベースだということを考えると胸が悪くなるのだけれど救いがあってよかった。ただ院長がどう生き
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あさがくるまえに(2016年製作の映画)

4.0

生と死を真摯に描いた感じで好印象。手術シーンを長回しで観せる独特の演出だけれど、そこに死にたいする誠実さが表れていた気がする。俳優陣の演技も、ほぼピアノのみの劇伴も好み。

ラストは死から生にかえる。
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パターソン(2016年製作の映画)

4.5

特に劇的なことがあるわけじゃないし、とても淡々と進む映画だけど、これはとても好き。

同じような毎日なようで、毎日少しずつ違う。慎ましいパターソンの生活を見ていると自分の今の生活も悪くない、むしろいと
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ダンケルク(2017年製作の映画)

3.8

映像と音がすさまじい。心臓がビリビリした。何か水攻めをくらっている気分になって苦しかった。

何より後悔したのは歴史的な背景をよく分かっていなかったため内容を把握するのに時間がかかったこと。
肝心のド
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ワンダーウーマン(2017年製作の映画)

4.0

マーベルやらDC系列の映画をあんまり観たことがなくてワンダーウーマンがどういう人なのかさえ分からずに行ったけどとても楽しかった。
女たちのかっこいいこと。島出てからも面白かったけど、島内の話もっと観た
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夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

4.2

評判がよかったので行ってみたら思った以上によくて後半泣いちゃった。「歌うたいのバラッド」が入ってくるタイミング反則的にいい。歌にのせてアニメーションが広がっていく。あんなの泣いてしまう。。

海外では
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静かなる情熱 エミリ・ディキンスン(2016年製作の映画)

3.6

エミリ・ディキンスンの詩は何扁か知ってるけどご本人がどういう人かまでは知らない。映画がどこまで忠実か分からないけど、この通りの人だったら時代背景的に生きづらそうだなーと思う。ただ自分なりの信念があるの>>続きを読む

ブレンダンとケルズの秘密(2009年製作の映画)

4.5

「ソング・オブ・ザ・シー」同様、幻想的かつ神秘的な世界観で今回も動く絵本を観ているようだった。ものすごく綺麗。アイルランド民謡のような音楽も耳に残る。最後音楽にのせてケルズの書が開いていくところが最高>>続きを読む

ローサは密告された(2016年製作の映画)

4.5

ものすごくリアル。カメラも固定ではなく、恐らく手持ちで登場人物を追うもんだから画面がグラグラするもののとにかく臨場感に溢れている。

上映後のトークショーでも言っていたけど、登場人物はみんな善か悪かで
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ウーナ 13歳の欲動(2016年製作の映画)

3.7

不穏で胃がキリキリしそう。実生活では主役の二人どちらにも関わりたくない。スコットみたいな面倒みてくれる気のいいあんちゃんにはぜひ関わりたい。(かなり損な役回り)

元々が舞台だからか監督が舞台演出家だ
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ウィッチ(2015年製作の映画)

4.0

大きなくくりとしてはホラーなんだろうけど、怖くはない。ただ一貫して不気味。画面も暗いし。

序盤がややゆっくり進むので眠くなりかけたところ中盤から、もっといえば娘が魔女なんじゃ、と疑い始めたときぐらい
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裁き(2014年製作の映画)

4.0

踊らないボリウッド映画はなんか新鮮だった。といってもインドらしさは全開なのだけれど。

もっと法廷劇みたいなのを想像していたのだけれど、それ以外の要素も強くてインドの生活を撮ったドキュメンタリーを観て
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草原の河(2015年製作の映画)

3.5

チベット映画は初めてだった。映画というよりもチベット民族のある家族の生活を追ったドキュメンタリーのようだった。チベットの広大な大地を見ているだけで飽きない。

父、息子、娘の関係は中々複雑だけれど、あ
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ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

4.5

久々に本格的な戦闘シーンを見た気がする。音がすごく印象に残る。特にヘルメットに銃弾が当たった時の「チーン」って感じの音。

アンドリュー・ガーフィールドは繊細でナイーブな感じが持ち味だと思うので、「沈
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ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

5.0

大好き。
2時間40分と長いけど、長くないと父と娘の間を表現しきれないんだろうと思った。もう絶妙におかしい間。

堅物そうに見える娘と冗談が好きな父。人間性というか価値観が違いすぎてあなた達ほんとに同
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エル ELLE(2016年製作の映画)

4.5

フランス映画祭にて。

これコメディだよね?って問いかけたくなるブラックユーモア満載なつくり。不謹慎で変態性も高めなのに(褒めてる)楽しめるのは監督が女性を真摯に描いているのと、何といっても主演のイザ
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怪物はささやく(2016年製作の映画)

4.5

紙芝居のような影絵のようなアニメーション(ちょっと絵が怖い)と現実パートの切り替えが見事。
フェリシティ・ジョーンズが演じる母に冒頭から死の匂いが漂ってるので、あらすじを知らなくても結末は何となく読め
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セールスマン(2016年製作の映画)

4.5

舞台好きな人が見たらラストの二つの家族が対面するシーンなんてたまらないんじゃないだろうか。とても好き。

旦那さん嫁への態度冷たい、もうちょっといたわってあげなよ、とか思ったけどイラン社会がこうなのか
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.5

これはかなり好きなSF。視覚や聴覚に頼りすぎることなくドラマがちゃんとあって風呂敷を広げすぎることなく見事にまとまっていたと思う。
冒頭とラストのシーン、同じシーンでも全てが分かってしまえば全く違って
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.0

内容がどうとかいうよりも音楽のセンスが全く自分に合わずどうしても入り込めなかった。

主人公が帰省した目的に唯一気づくのが血の繋がらない兄嫁(兄もひょっとしたら悟っていたかもしれないが)というのは何と
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光をくれた人(2016年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

ヒロインの行動は理解できなくはないんだけど、共感はできずイライラしながら観ることになった。
愛情をもってきれいにみせようとしても罪は罪だと思う。トムを赦さないと言ったあたりで何様だ、という気分になって
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20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.2

「母と息子のラブストーリー」の謳い文句にふさわしい映画。監督のお母さん素敵な人だったんだろうなぁ。自分の母を題材にしてこんなふうに脚本書いて作品つくれるの素晴らしい且つうらやましい。

母を主軸とした
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

よくあるつらい過去を乗り越えて生きる、という内容ではなく乗り越えられないまま違う道を生きる、という話がかなり新鮮にうつった。

兄がリーに息子のパトリックのことを託したのは、もちろんパトリックの今後を
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カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)

4.0

ある選択が人生を決める。違う選択をしたらどうだったのか、と人間誰しもが思うだろうけど時間を巻き戻すことはできない。
アレンじーちゃん老いらくの恋物語は何ともかわいく少し切なかった。

60年ぐらい前な
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パーソナル・ショッパー(2016年製作の映画)

4.2

ここまでスピリチュアルな内容だともホラーめいた内容だとも思っていなかった。いい意味で裏切られた気分。
ラストの台詞が何とも拍子抜けで笑ってしまった。あれは言葉通りに受けとればいいもんなんだろうか。
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百日告別(2015年製作の映画)

3.8

人が亡くなったときの喪失感は万国共通なんだな、と。
亡くなってから100日の意味を初めて知った。実際には100日で簡単に別れを告げられるものではないと思うけれど、そういう日が与えられていることで何かし
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正しい日 間違えた日(2015年製作の映画)

4.6

二部構成に分かれていて、ほとんど同じ筋書きを辿るけど、言動が少しずつ変わり最終的に全く違う結末になる。見終わったあと妙に幸せな気分になり、お酒が飲みたくなるいつものホン・サンス節。これがまぁ面白い。>>続きを読む

フリー・ファイヤー(2016年製作の映画)

3.3

まさかそんなにずっと銃撃戦じゃないだろうと思ったら、ほんとにひたすらドンパチしてたし、10秒に一回ぐらいの頻度でFワードがでてきた。めっちゃ楽しい。というか俳優陣がすっごく楽しそうだったw
狙い外しす
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