スーパーエイプマンさんの映画レビュー・感想・評価

スーパーエイプマン

スーパーエイプマン

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.0

少しの光だけ灯った部屋の中、2人で会話する場面や、逃走中の男がネイティブ・アメリカンに連れられて川を下っていく場面。そして豪邸の中でのネイティブ・アメリカンの描き方。この豊かさよ。
ケリー・ライカート
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

5.0

ぶっち切りで凄い。
室内で2人の人物が会話する、ただそれだけを捉えているだけにも関わらず、言葉に出来ないほど美しかった。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

どこに行くのかわからない物語を魚眼レンズを使った撮影やモノクロームの画質といった小手先の技を使いながら撮っていく前半のおどろおどろしい質感がすばらしい。ダークで耽美な衣装やセットの造り込みにも舌を巻か>>続きを読む

ザ・シューター/極大射程(2007年製作の映画)

3.5

スカッと傑作。
フークアって武装した個人が組織を無茶苦茶に破壊する映画ばかり撮っているな……。

拳銃を売る男(1953年製作の映画)

4.5

放浪者と少年が奇妙な友情を交わす映画。
たまらなく面白かった。
ロージーがイタリアで撮った作品ということで、路上の人々の描写が驚くほどネオレアリズモっぽい。とは言えアメリカ制作らしく、人々は普通に英語
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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

4.0

まさにカウリスマキ、といったミニマルでオフビートな一作。
市井の人々の精神性と日常の生活を淡々と美しく撮り上げるという、労働者讃歌(「労働者に祖国はないわ」)としての在り方にカウリスマキのインディー精
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.0

一審だけにフォーカスしているので劇中だけでは何も解決していないのだが、それでも回想シーンと法廷シーンを大胆に組み合わせることで、グイグイと最後まで飽きさせない脚本の妙に感服。
編集のテンポが良く、変に
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暴力の街(1950年製作の映画)

3.5

いい映画。
同日に見た『群狼の街』と同様、群集心理と暴徒の恐怖を描いた映画なのだが、本作ではむしろ、主人公の新聞記者がヒートアップしていく心理を押し留めようと様にフォーカスを充てている。
ラストの両義
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群狼の街(1951年製作の映画)

3.0

こういう映画ってラング以外も作ってたんだ〜という。
家族を養うために犯罪に手を染めてしまった男がリンチされる話で、刑務所を包囲して暴徒たちの描写が群を抜いて怖い。

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.5

シンプルイズベスト。
剣と魔法のファンタジー世界版GOtGといった趣で、王道の題材を弛緩しない脚本とテンポ良い編集のコメディタッチで見せてくれる。

マーベルズ(2023年製作の映画)

3.0

『アントマン』の最新作が余りにもヒドかったので期待値を大幅に下げて見に行ったが、意外に悪くなかった。

一つは肥大化していく話のスケールに反して全体のトーンが軽快な点にあると思う。
これには大作化に歯
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真夜中の刑事/PYTHON357(1976年製作の映画)

4.0

ハードボイルドな刑事映画を期待して見たらほとんどコメディで、すげー笑ってしまった。
恋人を殺された刑事という設定で一見真面目なトーンな一方、イヴ・モンタンがどう見ても間抜けに描かれていて、フランス映画
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.5

台詞もストーリーも心理もなく、ただアクションの連鎖で綴られる未亡人の3日間。アケルマンの中でも群を抜いて「映画」なのではないだろうか。
ジャガイモを捨てるところと靴磨きを落とす場面で、怖すぎて声が出そ
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アメリカン・ストーリーズ/食事・家族・哲学(1988年製作の映画)

3.5

まず、幕間のショートコントが全く面白くなかったのはジューイッシュの共通言語を共有していなかった故なのか、それともおれのセンスの問題なのか。

ユダヤ系アメリカ人がそれぞれカメラに向かって自らの「ストー
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.0

シリーズの中でも最も静かでシンプルな最終作。何というか小品のような佇まいがあって、そこがとても気に入った。
流れ者が行き着いた小さな街を救うために人肌脱ぐというプロットは完全に西部劇だし、医者、カフェ
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アポカリプト(2006年製作の映画)

4.0

これはストレートに面白かった。
前半、村が襲撃されてからの超暴力の応酬は今にして思うと00年代アメリカ映画っぽい(とは言え突出しているが)。
逃げて走って追われて、というプリミティブなアクションに全振
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一晩中(1982年製作の映画)

4.0

これは大好きなタイプの映画。
何を置いても撮影の映画で、カロリーヌ・シャンプティエが夜を官能的に映している。2人の男女が画面の奥に歩いて行って次第に闇に溶けていくやつ、何回見ても映画的だと思う。

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ゴールデン・エイティーズ(1986年製作の映画)

3.5

アケルマンにミュージカルという題材が似つかわしくなく、てっきり雇われ仕事なのだと思っていたのだが、本人によると『ジャンヌ・ディエルマン』と同じような作品を作りたくないという一種の反骨精神で本作を撮り上>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

-

かなり寝てしまった……。
要再見だが、ウェスにしてはエモくなく、その分画面との戯れが極まっていた印象。

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.5

ゲーマーがプロレーサーになる話ということで変わったプロットかと思いきや、オタクがきちんと訓練して段々上達していくという、あまりに王道すぎるスポ根映画でした。

レーシングシーンの気持ち良さが段違いで、
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激突!(1971年製作の映画)

3.5

デビュー作に全てが詰め込まれている、とはよく言うが、(自分の知る限り)どのスピルバーグ作品にも似ていないのが面白い。
ワンアイデアで貫き通す系の作品ではあるのだけれど、カメラワークに工夫が凝らされてい
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.0

マンゴールドの『インディ・ジョーンズ』なんだから『ローガン』よろしく老いと継承の物語なのかと期待していたがこれが蓋を開けてみると、『ナイト&デイ』のように徹底的に時代錯誤かつ破壊的な作品で素晴らしかっ>>続きを読む

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