スギノイチさんの映画レビュー・感想・評価 - 46ページ目

スギノイチ

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不審者(1951年製作の映画)

3.6

序盤の展開を見て、さしずめレイリオッタ主演『不法侵入』の元ネタってところか?と早合点してしまったが、そんな直線的な話ではなかった。

あの元同僚夫妻、わざとじゃないにしてはナイスブロック過ぎる。

秘密の儀式(1968年製作の映画)

3.5

終始正体不明でおっそろしい。ベルイマンの映画みたいだったな。
心を壊した擬似母娘に忍び寄る、気持ち悪い伯母連中やロバート・ミッチャムも粘着質で不快指数が高い。
ミア・ファローは髪を伸ばしたらティサ・フ
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海流のなかの島々(1977年製作の映画)

3.0

スペンサー・トレイシー版『老人と海』同様、男(ジョージ・C・スコット)とカジキとの対決が描かれる。
さすがに映像は進歩しているが、別撮り丸出しなのは相変わらず。
シュモクザメを狩るシーンもあり。

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戦火の勇気(1996年製作の映画)

3.3

湾岸戦争中に戦死した女性隊員をめぐるサスペンス。
英雄と持ち上げられた自分自身に不信感を持つデンゼル・ワシントンも、事件を通して人間性を取り戻していく。

メグ・ライアンの兵士姿、似合わねーと思ったが
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マラヴィータ(2013年製作の映画)

3.0

娘の痴話喧嘩を盗聴して相手の男に憤る件などそれなりに笑ったが、題材の割に弾けきらないまま進む。

設定時代が『グッドフェローズ』オマージュとはいえ、あろうことかデニーロがそのDVDを鑑賞するとか、スト
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マチェーテ・キルズ(2013年製作の映画)

2.8

前作キャストやいかにも重要キャラ然として出てきた登場人物があっさり惨殺されるのは最初だけ面白かったが、やり口がわかるとすぐ飽きる。
革命家or麻薬カルテルの二重人格野郎の話まではまだ良かったが、後半の
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コラテラル・ダメージ(2001年製作の映画)

2.6

緊張感皆無の大味アクション。
四方から撃たれようと川底に沈もうと微塵もハラハラしない。
シュワルツェネッガーのファン向け。

「いつ俺を殺すんだ?」「今だよ」というやり取りだけ笑った。

スクラップ集団(1968年製作の映画)

2.9

「”クソ面白くもねえ?”それが糞で飯を食う汲み取り人の言う言葉かね?」
松竹に限ったことではないが、1968年の映画界は同時多発的な変動があった。
ハリボテ象の解体話など、ナンセンスの極み。
ネズミど
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姿三四郎(1943年製作の映画)

3.0

名作映画というより、名作劇画を見ている気分。
この映画の月形龍之介みたいなキャラ、昭和の漫画でどれだけ見ただろう。

投げられて吹っ飛ぶ志村喬で笑ってもうた。

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)

4.0

十数年ぶりに再見。
あの頃同様に結婚もしてないし子供もいないが、初見時より遥かに良い映画に思えた。

映画を見始めた時点でのビリー少年は、こっちからすると何の思い入れもないガキんちょだった。
育児放棄
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グッバイガール(1977年製作の映画)

3.5

主役の男女は若くもなければ美男美女でもない、ついでに言えば性格もよろしくない。
リチャード・ドレイファスなど、イチャつきシーンですら一言多い感じで性格が悪く、通常の映画なら嫌われ者に相当する同士のラブ
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家庭の事情(1962年製作の映画)

3.2

四姉妹モノではあるが、男性陣も大映らしく上品&軽快。
「大映は男優が弱い」と揶揄されがちだが、これを見るとそんなことはないぞと反論したくなる。
田宮二郎だけ僅かに『黒シリーズ』の臭いがするが、婚前交渉
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死ぬにはまだ早い(1969年製作の映画)

4.0

最近、西村潔作品のDVDが一挙にリリースされたが、この映画がぶっちぎりで面白かった。

アメリカ映画なら、犯人の造型は『ある戦慄』のようなメフィストにするか、あるいは『狼たちの午後』のような社会的弱者
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黄金のパートナー(1979年製作の映画)

3.0

東映セントラルに近い雰囲気。
西村潔の諸作と違ってシリアス調でもない。
三浦友和と藤竜也がイチャイチャとバカンスする様を延々見せられるが、夏休み気分になれて悪くない。
終盤、軽いノリのまま三浦友和が小
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薔薇の標的(1972年製作の映画)

3.0

ハードボイルドという概念をモミアゲによって表現する加山雄三には誰もが度肝抜かれるだろう。
ネオナチ"第四帝国"を統べる岡田英次に拾われ、一流の殺し屋として育てられ、やがて対決に至る。
和製『メカニック
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弾痕(1969年製作の映画)

2.8

無国籍アクションもここまでいくと実験映画だな。
面白い試みが多い。肝心の話は面白くないが…
特に太地喜和子の味噌汁インタビューの件が印象的。

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.2

前半、貧乏娘がブルジョワたちと渡り合い成り上がっていくサマは痛快だったが、アル・パチーノが逮捕されるあたりから、気がつけば出来事を追うだけの劣化スコセッシ映画に。

『ジョーカー』のデニーロといい、か
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護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

3.0

画面だけは重厚なんだけど、日本映画特有の嘘臭さがある。
(相変わらずの説明台詞、過剰な演技、林遣都の態度など)
阿部寛は主人公なのに影が薄い。
千原せいじのヤカラ役だけはホンモノっぽかった。

老女・
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真紅な海が呼んでるぜ(1965年製作の映画)

2.7

本人も自虐する通り、デビュー当時の渡哲也が大根すぎる。
(船乗りの役だからか、やたら日焼けしている)
話は海洋アクションに見せかけてただのメロドラマ。
喧嘩シーンなどあるが、緊張感はない。

ポスター
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大日本帝国(1982年製作の映画)

2.6

黛敏郎からは左と、山本薩夫からは右と蔑まれる、思想サンドイッチ映画。
所詮は高橋惠子の濡れ場しか見どころはない。

夏目雅子の二役とか、バカじゃねーのとしか思えない。
『時代屋の女房』じゃあるまいし。
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日本海大海戦 海ゆかば(1983年製作の映画)

2.5

『二百三高地』と直結関係にある日露戦争モノだが、何がしたいのかよく分からない映画。
沖田浩之と佐藤浩市の軋轢など、ふた昔前の日活映画的で茶番極まる。
沖田浩之の軍服姿は絵に書いたような美青年で、ますま
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二百三高地(1980年製作の映画)

3.2

東映映画でありながら、東宝『八甲田山』の精神的続編。
リベラルな小学校教師が気がつけばロシア兵に首元を噛み千切られ、そいつの目玉を潰し首の骨をへし折るまでになる。

手榴弾で人体が飛散する描写など、東
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誇り高き挑戦(1962年製作の映画)

2.7

深作にしてみれば、怨念で生きる鶴田浩二より、手段を選ばず雑草のように生き抜く丹波哲郎の方に筆が乗るのは仕方ないか。
GHQの元で働くって、丹波哲郎の半生まんまだな。

旧世代・鶴田浩二と新世代・梅宮辰
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白昼の無頼漢(1961年製作の映画)

3.0

「さすが韓国人だな。”カン”がいい。」というオヤジギャグ(丹波)から開幕する深作無国籍アクション。
やりすぎなぐらい斜め構図を多用した画作りが、いかにも外国映画かぶれの青年が撮った感じで若々しい。
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ぼくらの七日間戦争(1988年製作の映画)

2.8

原作シリーズは小学校の頃にかなり読んだが、初期以外は左翼オヤジのくだらない妄想小説だった。
それに比べ、ジュブナイルに舵切りした映画版は原作のように左翼用語が飛び交うこともなく、青春映画として正解だっ
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女群西部へ!(1951年製作の映画)

3.7

西部婚活物語。
100人以上の女たちによる大移動の迫力。

女たちは通常の西部劇と同様に仲間割れで殴り合ったり、インディアンに襲撃されたり、容赦なくバタバタ死んだりするのだが、全くへし折れず、一つの強
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コールガール(1971年製作の映画)

3.6

好みのタイプの映画。
通常のハードボイルドなら、ジェーン・フォンダはドナルド・サザーランドにとってのファムファタールに相当するが、二人の関係はジェーン・フォンダと相談士によるダイアローグで進行し、映画
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BU・SU(1987年製作の映画)

4.0

いかにも清涼飲料水CMみたいな映像。
80年代から根付いてしまった、日本の映像文化における少女崇拝。
どちらも嫌いな要素なので身構えてしまったが、EDで流れる富田靖子の笑顔にやられてしまった。

「内
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つぐみ(1990年製作の映画)

3.0

つぐみこと牧瀬里穂のキャラクターが強烈。
「あたしがくたばっちまった時のさ、オメエたちの化けの皮が剥がれた顔を見てえもんさ!」
そんな激情型の性格に比べ、お話は繊細で結構大人しめ。

吹越満は不良のリ
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会社物語 MEMORIES OF YOU(1988年製作の映画)

3.2

クレイジーキャッツの挽歌。
現代の基準でいうとハナ肇の苦悩は自虐風自慢にしかならないが、会社人生を懐古する中盤のシーンは、仕事を好きだった頃を思い出して泣けた。

やましいフィリピン出張ツアーなどあり
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荷車の歌(1959年製作の映画)

3.2

あくまで望月優子を主人公とする”女の一代記”であり、”家族の物語”ではない。
貧困と戦争が家族を襲うが、「家族一丸となって生きるぞ!」という流れにはならない。

そのため、姑は死ぬ寸前まで意地悪だし、
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裸の太陽(1958年製作の映画)

3.0

『大いなる驀進』『大いなる旅路』『喜劇列車シリーズ』に連なる東映お得意”鉄道映画”のハシリか?
プロレタリア映画ながらも一般映画のためか、家城巳代治作品と思えないほど明るく、江原真二郎と丘さとみのやり
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異母兄弟(1957年製作の映画)

3.7

ここまで醜悪な”日本の父親”を演じられるのは、三國連太郎自身こういう人物が大嫌いだからだろう。
(三國連太郎自身も、決して人格者でも良き父親でもなかったようだが)
女中を孕ませたうえ、産まれた子と正妻
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姉妹(1955年製作の映画)

3.5

貧困や差別を扱った独立プロらしいプロレタリア映画でもありながら、美しい自然のもと育った瑞々しい姉妹を描いた青春映画でもある。

広瀬アリスにしか見えない野添ひとみと中原ひとみの姉妹。
中原ひとみは同性
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