俊之助さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

俊之助

俊之助

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お引越し(1993年製作の映画)

5.0

終盤のバカンスという装置がもうほんとにうまい
回想田畑さんと今田畑さんが同一ショットに入っちゃった、、と思ったら抱擁させ、今田畑さんを海に入らせていく
でちゃんと引きで今田畑さんを撮る
まるで彼女しか
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カリフォルニア・ドールズ(1981年製作の映画)

5.0

どれをとっても重厚
リング上で抱擁しあう3人を真上から撮る一瞬のショット
なにか勝利の女神的視点からこの3人はずっと見守られていたことを知る
オールタイムベストに入った

ヨランダと泥棒(1945年製作の映画)

4.5

ハープを弾くとこのアップの切り返し
ハープ越しのルシルブレマー
ウィルユーマリーミー導入での俯瞰と行手を塞がれるときのアップ
ルシルブレマーが階段を駆け上がったときの視点の逆転
手紙を認めているとき、
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カッスル夫妻(1939年製作の映画)

4.3

汽車が行き着いた先で渡される不穏な号外。思い返せば全て外部の力学でこの2人は翻弄させられ、移動し、運動する。
なにか2人で踊ることの切実さが増していく。号泣した。
ただラストショットは個人的にいらない
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青春残酷物語(1960年製作の映画)

5.0

こういう映画はもうない。もう撮れないかもしれない。
やるせない。うだつが上がらない。底を打ったようなショットの連続。
時代的な感性、芸術的な水準も非常に高い、こんなものが日本で撮れたんだという。いやあ
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魚影の群れ(1983年製作の映画)

5.0

ああ夏目雅子さん。
この映画を映画的に思考する言葉をまだ持てていない。素晴らしかった。
画が強靭、海にもマグロにも負けないほど強靭。妥協が一切ない。

女のみづうみ(1966年製作の映画)

4.0

誰かに愛されたい/見られたい岡田茉莉子がなんなら1番誰のことも見ていなかったことがわかるラストショット感無量
自分の写真が所在不明になるという装置もうますぎ

鏡の女たち(2002年製作の映画)

5.0

大傑作。
こういう「女性」映画はたくさん観たい。
名前/出自の希薄性もキーとなって3人が全くの個/記号として見えてくる。nが喋ってるみたいな。
そこに歴史/時間/遺伝という前提が女性性に拍車をかける。
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夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

5.0

女が退出すると男は詩を読み出す
男が文学を読むと女は夢から目が醒める

快楽の漸進的横滑り(1974年製作の映画)

3.0

徹底的に体制側は心理的部屋から排除される
受け入れられるのは海くらい

てか詩とか精神分析のたぐい

ラビング 愛という名前のふたり(2016年製作の映画)

4.5

ええなあ物理的に家作る表象、一向に繰り返される外壁を積み上げる作業

ザ・シークレット・サービス(1993年製作の映画)

5.0

いい映画は音がなくてもカット割り、ショット、クロースアップで伝わるらしい
まさにこの映画

希望のかなた(2017年製作の映画)

4.5

超小津的構図と難民というアイデンティティが崩壊した人(=物的存在)との相性が抜群
内戦を直接描かずに難民を描き切るのだからすごい

棒の哀しみ(1994年製作の映画)

4.5

やっぱりこの人はカメラも人も回す
円環にパンする
神代的演出で突飛に見えても
やはりフィックスでの撮り方が
尋常じゃない
クラブの鏡のところなんか超すき

恋人たちは濡れた(1973年製作の映画)

5.0

回転に始まり回転が刺されて止まって終わる、見事
あとギターの表象が最高、いきりたち、取られ取り返す

櫛の火(1975年製作の映画)

5.0

たぶん止まってしまったら死んでしまうのだろう、そんな映画だった
ずっと狂ったように画面で運動が続いている
草刈正雄が普通に受け答えすること以上に悲しいことはなかった
彼最後自分の部屋に戻ったときドア閉
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