しょうたさんの映画レビュー・感想・評価

しょうた

しょうた

最近、山戸結希監督の言葉にはっとした。
「映画は「死に一番近い芸術」。死ぬ前に走馬灯をみるというじゃないですか。きっとあれって断片的な「死」なんですよね。
一方で、一番「生」に近いのが、生まれて初めて触れる音楽。自分の産声が歌になる。」
生命を引き寄せる音楽の力を借りて映画を届けたい気持ちがあるという。

…私は以前は映像製作に携わっていたこともありますが、今は社会福祉士として働いています。

映画(103)
ドラマ(0)

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

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It is not your fault .
クライマックスで繰り返されるこの言葉を、そのままに心の中で繰り返していたがあった。いつ頃、何の影響だったかはわからない。ただ気に入った言葉、大事な言葉とし
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

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マズローに依れば人間の欲求は五段階に分かれ、最も基本的欲求は生存欲求だという。没落貴族から身を落とし、すべての人を利用し必要とあれば容赦なく蹴落とすヒロイン・アビゲイル。豪華絢爛の肉食絵巻、魚眼レンズ>>続きを読む

ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス(2016年製作の映画)

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話し合いの場面がたくさん出てくるが、一人が話したいだけ話した後、黙って他の人の話を聴く、互いにそれが当たり前のこととして場が進行していくのが、いいなあと思った。

ジョアン・ジルベルトを探して(2018年製作の映画)

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おしゃれなカフェのBGM と思われているボサノヴァの、何がこれほど心を惹きつけ、繰り返し聴きたくなるのか。この映画で、その秘密の一旦が分かったような気がした。
同じブラジルの音楽でも、サンバが生命を謳
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ダンスウィズミー(2019年製作の映画)

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少女時代の心の傷から来るコンプレックスを克服するために一流企業で働くヒロインが、ひょんなことから心の奥の願望に気づきトラウマを乗り越えて生き方を軌道修正してゆく物語、と言えよう。
しかし矢崎節はあくま
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火口のふたり(2019年製作の映画)

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夜の遅い回を観て帰り、ビールを飲んで風呂に入る。湯船につかりながら映画の余韻を反芻していると、身内がジーンとしてくる。観ている間よりも後になってじんわりと感動が来る。それだけ深い映画だったということだ>>続きを読む

ルイジアナ物語(1948年製作の映画)

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冒頭の湿気帯のシーンが空気が伝わってくるようなドキュメンタリータッチなのはやはりフラハティ。
幼い少年が猟銃を買い与えられて日常的に持ち歩く様子は、銃社会アメリカの歴史と根深い文化を思わせる。

モアナ~南海の歓喜~(1980年製作の映画)

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南の島サモアのたぶん今では失われただろう人々の素朴な暮らしが丹念に記録されている。素朴な笑顔の人々は生きていることをシンプルに楽しんでいるように見える。
高い高い木に登りココナッツを取る少年。唱歌「や
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世紀の光(2006年製作の映画)

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タイの暮らしを描いていながらこれはもはやタイの映画ではなく、アピチャポンの個人的な世界、あるいはもっと普遍的な人類の映画という気がした。

ブンミおじさんの森(2010年製作の映画)

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初めて観た映画なのに特に終わりごろ、いつか観たような感触が残る。それはどこか夢でみた感触に似ているからかもしれない。

天気の子(2019年製作の映画)

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アニメーションにしか出来ない表現とは、あり得ないことを現実以上にあり得ることのように描くこと…朝ドラ「なつぞら」で言われた言葉通りの作品を見た気がした。

えんとこの歌 寝たきり歌人・遠藤滋(2019年製作の映画)

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音楽の使い方や独特の編集で見せる伊勢印のドキュメンタリーワールドは健在。

遠藤さんの学生時代の写真、意志的な見開いた目の輝きが印象的。映画の後半、70歳の遠藤さんが同じ目をすみません。シーンがあ
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ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)

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克明に描かれた主人公の青春が幻覚だった、というのは統合失調症を描いたらことになるのだろうか?何か違う気がする。

道草(2018年製作の映画)

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観に行くのは3回目だが、いつもどこかで眠ってしまう。今回初めて観るシーンが多く驚く。ふと、別世界のリアリティに浸っているのに気づき、あれ、今日の昼間は何してたかな、と仕事して来たことを思い出す。一日の>>続きを読む

PARKS パークス(2016年製作の映画)

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井の頭公園にはRくんの車イス押して時々行く。前は象のハナコさんに会いによく行った。そんななじみの風景ばかりが映し出される映画はなんだか不思議な感じがした。
2017年の青春と50年前の青春。団塊の世代
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COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

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もう一度観に行くつもり。
予告編に魅せられ必ず観ようと思った作品。土曜は満席で今回は席が取れたがやはり満席だった。
映像と音楽の美しさ。しかし、パヴリコフスキは敢えて省略的な描き方をしたと言っているが
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誰がために憲法はある(2019年製作の映画)

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これから高円寺で知人のライヴがあり、空き時間にちょうど良いので鑑賞。
70、80代の新劇女優たちの気品のある佇まいがただただ美しいと思った。佇まいや表情は生きてきた人生を現しているだろう。このように戦
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新聞記者(2019年製作の映画)

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映像設計としては、内調のシーンを青みがかった色調にしているのは、その無機質な空間を表現しているのだろう。(うつになる職員が続出しそうだと思った。)これには前例があり、「金融腐蝕列島 呪縛」の銀行のシー>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

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彼女は自分を好きでないから彼に執着するのだろうか。
彼は彼女を別に好きではないが、彼女の親切や従順さに甘えていて、自分でもわかっている。それにしても、「やらせて」という言葉は最低で、よく恥ずかしくない
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卒業(1967年製作の映画)

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オープニングの余白のある画に流れるサイモンとガーファンクル。一気に中学生の時の気分が呼び覚まされる。外国映画を観る喜びを教えてくれた一本と再確認する。
ズームの多用など映像のセンスは今観ると古臭い。
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町田くんの世界(2019年製作の映画)

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新人女優の才能を発掘し続けてきた石井裕也の新作はファンタジー。関水渚が瑞々しくデビュー。
町田くんは現代のキリスト(そうしたセリフも)、ドストエフスキーの「白痴」のムイシュキン侯爵を思わせる。(映画で
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僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

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ドイツ映画は久しぶりで独特の文化的な味わいがある。
ドラマに引き込まれながら、ふとスクリーンに未知の情感のある世界が流れていることを感じて「ああ面白い」と思いながら見ていた。
(追記)
歴史とは一人ひ
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レディ・バード(2017年製作の映画)

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9・11後のアメリカ、2002年という設定。あの出来事も歴史の一ページになったのか。作者の自伝なのか、思春期の等身大の日々が綴られている。
親との葛藤、友だち関係、初めてのキス。過剰にドラマチックひし
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主戦場(2018年製作の映画)

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アメリカらしい饒舌なドキュメンタリー、字幕が多用されるのは一時期のゴダールの映画のよう。内容的には、「慰安婦」をめぐる90年代の論争開始から現在に至るまでその構図は変わっていない、という既視感の中で見>>続きを読む

ずぶぬれて犬ころ(2018年製作の映画)

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丁寧に作り込まれているとは言い難いけれど、言葉によって自分を突き詰めたり相対化したりする文芸の力、それは人の孤独を救い得るという確信はストレートに描かれていると思った。

日日是好日(2018年製作の映画)

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この映画は時間を描こうとしているかのようだ。茶室から見た定点観測。一年の季節の移り変わり。25年という年月の推移、その中での人の変化、成長。黒木華という女優のドキュメンタリのようでもある。二十歳から四>>続きを読む

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

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こんなにイライラしながら見た映画は珍しい。「涙を流したことのない」サイコパスについての映画と言ってしまえばそれまで。(原作はどうななだろう。)だが、経済格差とか、森の向こうは北朝鮮とか、時代の(歴史的>>続きを読む

カンタ!ティモール(2012年製作の映画)

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子どもたちの無心な笑顔がまぶしい。東ティモールの独立までの悲惨な歴史を初めて知った。みんなわが子のような助け合い社会、自然への畏敬の念、自分たちは奴隷ではないという人権意識は、日本の人々が忘れてしまっ>>続きを読む

沈没家族 劇場版(2018年製作の映画)

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親の姿は少なからず自分の生き方に影響している、というナレーションで自らを振り返る人は多いだろう。

ドント・ウォーリー(2018年製作の映画)

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かなり期待して観たがあまり見応えを感じなかった。実話を基にしているが、かなり凝った構成で、漫画家の話でもあり、どこまでが現実でどこからが幻想なのか、分からないところがある。特にスウェーデン美女にリアル>>続きを読む

福島は語る(2018年製作の映画)

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たくさんの語りの中で最も心に響いたのは県内に避難した学校の先生の語りだった。誰もが故郷に愛着や誇りを持っているとは限らない。しかし、生まれ育った土地から突然追い立てられ、その土地の名すら隠し続けなくて>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

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前回、仕事帰りに観た時はほとんどまるまる爆睡してしまった。その時の館内は空いていたが、今回は連休中の映画サービスデーで日に一度の上映ということもあり、最前列も埋まる盛況で館内は静かな熱気に包まれており>>続きを読む

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

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夜遅く映画館を出て家に帰りそのまま寝る。朝起きて風呂に入り、湯船につかりながら朦朧とした頭で昨夜の映画を思い出す。ばらばらだったシーンが繋ぎ合わされ意味として浮かび上がって来る。ひとつの映画体験はこん>>続きを読む

地蔵とリビドー(2018年製作の映画)

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最後のファッションショーのようなシークエンスの前に字幕が出る、個性を障害という枠から解放しようとしたかった。そうした視点が全編に渡って貫かれている。福祉職はこの作品をどう観るか。そして、自分も絵を描き>>続きを読む

岬の兄妹(2018年製作の映画)

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劇場出口での満足度調査で映画の価値は図れるのだろうか。好きな映画とは言えない、しかし後になっても妙に忘れられない映画はある。特に性や暴力を扱った作品は観るものの抑圧している深層心理に触れてくる場合があ>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

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期待通り面白かった。アメリカの民族差別の問題をスパイク・リーは内輪受け出なく出来るだけ公正な視点で描こうとしている。警察を舞台にしているのも、「公」とはどうあるべきかを問いかけていると思う。
クランた
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