百万両さんの映画レビュー・感想・評価

百万両

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

その結果として一体現地で何が起こったかを少しは知っている日本人の一人として終始心がざわざわした。
ただそれぞれ色々な感想があるだろうが個人的にはこの作品におけるフレーム、バランスの中で最大限の核兵器批
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

コミック原作のせいか設定など多少無理筋なところもあるがさすがは山下敦弘、圧倒的な演出力とセンスで映画として描ききっている。
原作か野木さんかわからないが「キレイなもんしかあかんかったらこの街は全滅や」
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.7

最初は紋切り型の設定演出だとちょっと思ったが後半になるにつれて盛り上がっていった。
その大きな要素は「手話」
手話同士の会話はあたかもラップやダンスのよう。また主人公が歌の素晴らしさを問われたシーンで
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(2023年製作の映画)

4.2

いや~すごい映画だった…
『福田村事件』とここ数年の双璧をなす衝撃的な映画。
宮沢りえの夫婦を事件と対象させることによって誰も観たがらない隠蔽された世界と現世をつなぐことに一定の成功を収めている。
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あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

3.3

主演の二人についてなるべく「演技」による感情表現を排した演出がサイレント映画を観ているよう。
ぐだぐだ分かり切った事を何から何まで説明文ないと気がすまない今の映画と対照的。
海へ初めて二人でボード持っ
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もう頬づえはつかない(1979年製作の映画)

3.3

桃井かおりのクセ炸裂な映画だったが男優も良かった。
奥田瑛二はカッコいいし、森本レオの胡散臭い自分勝手な人たらしぶりもいいキャラだった。
しかし個人的には何と言っても伊丹十三!
高見沢をして辞書の「飄
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Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

4.1

常にストーリーが転がっていく。テンポが良くて、時折横道にそれる事はあっても、大方は極限まで余計な説明が省かれていて見ていて無駄がない。作品の空気は一貫してヒリヒリしていて、かつ瑞々しい。
くねくね曲が
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(2023年製作の映画)

3.3

シーンごとの斬新さや小噺は面白いが、それが作品全体を通した起承転結の大きなメカニズムにつながっていない。
村重が冒頭から非常に重要なキャラクターとしてしきりに出てくるが、彼が本能寺の変の解釈にとってど
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(1985年製作の映画)

4.3

公開の時含め何度も見たけど久しぶりに見たら圧倒的に凄かった…
昔は説教臭いのがやや鼻についたが、今の御時世に鑑みると「人を殺さずにはいられないのが人間だ」という丹後の「説教」がいちいち心に響く。三郎の
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.5

悪くはない。
撮影や照明はいい感じ。ストーリーもそれなりにまあまあなんだけど、全体的に全てが、まあまあ=いま一つ。いや、いま1.5くらいな感じ。
面白いには面白いが、何と言うかよく出来た2時間サスペン
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ダークシティ(1998年製作の映画)

3.8

音楽やカメラワークや美術、VFXなど全身外連味たっぷりの王道SF。
色々突っ込みどころもあるけどそのギリギリをついて「ギリギリアウト」みたいな所がまた良い(笑)
ジェニファー・コネリーがこの時既に20
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今日から俺は!! 劇場版(2020年製作の映画)

3.3

まあ芸達者のキャラクターが炸裂し続けて面白かった。
シソンヌ…「コワイ!幽霊が出る!」
吉田鋼太郎…「さーせん、おかしいです…」(笑)
だけど何と言っても一番テンション上がったのがサトシと相良の再登場
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CUBE(1997年製作の映画)

3.5

久しぶりに見たがあの独特の閉塞感はリアリティがあり再度見ても良かった。
ただ密室劇で肝ともいえる人間関係、ドラマ、セリフがやや時によってチグハグだった印象。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.1

役所広司目当てに行ったんだけど作品としても素晴らしい出来だった・・・
「人生とは」という根源的な問いを突き付けられた感じ。
残りの人生どう生きるのかという一定の焦燥感と同時に、今の人生こそ幸せなんじゃ
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

3.5

SFとしてよくできていたと思うが、まあストーリーとしては王道のドラゴンボール。
しかしとにかく驚いたのが劇中「あの映画」のシーンを忠実に再現していたこと。音楽はもちろんのこと、キャラクターやデザイン、
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

「シックスセンス」の後のナイトシャマランを思い起こさせる・・・
前半の「何があるんだろう」感はすごくてワクワクする。
しかし、、、
UFOを怪獣に見立てたのは斬新だけどそれだけで押し切るにはシナリオと
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.8

こんな他愛もないストーリーはない。しかしこんな爽やかで見てて幸せになる映画もまた滅多にない。
ほとんどみんなが他愛のない日常を毎日淡々と生きているけど時としてそこに強烈な暁光が差し込んでくる。
人生救
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レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

3.0

こう言っては何だが思ってたより遥かによかった…
木村拓哉の、特にシビアな場面での演技も素晴らしかったと思う。
ロケセット含む美術や衣装も素晴らしかったと思う。
ただ綾瀬はるかとの子供じみた痴話喧嘩、ち
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大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

2.3

三木聡流「俺のウ◯◯◯マン」。
『転々』とか深夜のテレビとかすごい好きだけどこういう変に大きいヤツはハマらないのかも…
それにしても山田涼介の外しっぷりは悲しい。

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.0

マイナスワン見てたら無性にシン・ゴジラが見たくなった(笑)。
やはりリアリティと緊迫感がすごい。
受けて立つ人間のドラマもそうだが何より7年前のVFXか全然「昔」に見えないのが恐れ入る。
多摩川の攻防
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.0

予想はしてたけどやっぱり絶妙に芯を食わない人間ドラマ…
「今そんな事やってる場合じゃないでしょ」「ここでこの人そんな反応する?」みたいなシーンが目白押し。
とにかくシナリオが進みたい方向に進めるために
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馬鹿まるだし(1964年製作の映画)

4.0

やっぱり何度見ても面白いし泣いちゃう。
現代はヤッサンみたいな人が生きる余地のない世の中になった!
コンプライアンスに厳密に照らすなら彼は間違いなく排除されざるをえない存在だけど、しかし下手にコンプラ
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暗殺の森(1970年製作の映画)

3.8

とにかくストラーロとベルトリッチの「やってやろう」感がすごい(笑)。逆光や薄暮をあえて狙って見えるか見えないかわからない照明環境を攻めて攻めて作りだしている。これは全くフイルム時代の映画だし、おそらく>>続きを読む

シェフとギャルソン、リストランテの夜(1996年製作の映画)

4.3

単にストーリーだけ追うならコレは悲劇なのかもしれないが、観た後に悲壮感は残らない。
兄弟の心の底の底に地下水脈のように通っている信頼感が全編通して素晴らしい。
そしてあの料理の数々とイタリア人の陽気さ
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怪物(2023年製作の映画)

3.8

確かに面白かった。途中までの「この後どうなるんだろう?」感がすごかった。
ただ終盤は「藪の中」の多角視点構成が次第に犯人探しから子供達の真実に光を当てることになるんだが、そっちはそっちで納得しながらも
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.7

今まで4000本近く観てきたと思うが記憶にある限りこんな恐ろしい映画は初めて観た。
「シャイニング」も「ポゼッション」も「女優霊」も確かに怖い。しかし「福田村事件」は、何と言うかその刺さる深度が全く違
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女優霊(1995年製作の映画)

4.0

久々に見たけどやっぱり「シャレにならない」・・・
とにかく人間、「見えるはずのないものが見えそうで見えない」ほど恐怖心が掻き立てられるものはない。その恐怖ははっきり見えるものを見た時と違って短時間にど
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.6

目線一つ、動作一つで心の動きを表そうとする演出はダルデンヌ兄弟と似てる。
主演の男の子がとてもキレイでしかも演技がうまい。さらに服やら家具やらいちいちデザインがかっこいいし、フランス?ベルギー?の美し
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.9

サギの表現然り、より一層「この世」と「あの世」がシームレスになった感じ。
冒頭の空襲シーンからそうだがリアルとは何か?を徹底的に追求した結果、抽象の表現にたどり着いたという印象。
それぞれの世界観の構
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タワーリング・インフェルノ(1974年製作の映画)

4.0

予想以上に面白かった…
大物が次から次へと出てくるけど。やはり光るのはスティーブ・マックィーン。
今のトム・クルーズ61歳よりはるかに若い44歳だが、明らかにこっちの方が老けてる(笑)シワクチャで髪の
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42〜世界を変えた男〜(2013年製作の映画)

3.6

人は不正義を見せられるとイライラするし、逆に不正義がただされていくのを見ると爽快感を覚える。
ジャッキーへの絶え間ない侮蔑や罵りは、当時としては至極当然だったのだろうが、今とても見るに堪えない。
そん
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大脱走(1963年製作の映画)

3.8

面白いけどやっぱり今見ると少しテンポが緩い感じがする。
エルマーバーンステインの曲は荒野の七人もそうだが明快な明るいスコアで一度聞いたら何度も口づさみたくなるような強烈な魅力がある反面ちょっとサスペン
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シックス・センス(1999年製作の映画)

4.2

何度見ても素晴らしい…
オスメント君の演技は遥かなる山の呼び声の吉岡秀隆に匹敵するね(笑)
(その分ブルース・ウィリスの微妙さが強調されるけど…)
とにかくこの映画はSFでありホラーでありサスペンスで
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憧れを超えた侍たち 世界一への記録(2023年製作の映画)

3.8

結果があれだから野球好きにとってはどうやったって「読後」の満足感は高い。
それ前提で良いと思った点、疑問な点。
良かったのはとにかくベンチ外の選手達の姿。
うずくまる剛腕、なにやってんのーコンちゃん、
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.9

漫画家井上雅彦の「映画演出力」スゴイ…
単純なお涙頂戴や笑い取りは子供には受けるが逆に大人はシラける。対してストイックな表現はハマると深い感動をもたらす。この映画はそこがうまい。
冒頭7分音楽もなくひ
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