西村大樹さんの映画レビュー・感想・評価 - 23ページ目

西村大樹

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ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)

5.0

最高にスリリング!
絵を使って富と名声を得たいだけの夫と、その夫に利用されるだけの絵を愛する妻。その関係がこじれていく様を、丁寧に脚本が追っている。ティム・バートン的演出も見え隠れ。
夫の嘘つきぶりの
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終戦のエンペラー(2012年製作の映画)

3.0

発想は素晴らしい。が、色んな部分で失敗している。
1番の失敗は、脚本。天皇制と天皇の戦争責任を追う展開にすればいいものを、なぜか恋愛モノを混ぜてしまった。それがまったく物語に余計。
次に予算の無さから
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アメリ(2001年製作の映画)

3.5

可愛らしい映画だが、描いているのはオーソドックスな成長物語。
面白いのは、幻想より現実に飛び出すことを描く作品は他にもあるが、最後まで幻想に縛られ他者を傷つける人物を配置し、幻想に捕らわれる恐ろしさも
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愛の亡霊(1978年製作の映画)

2.0

技術も演出も素晴らしい。問題は脚本。ふたりの愛が高まる流れと、殺害してからの狂おしさが見えてこない。怪談映画調にしようとするあまり、そこを切り捨てた感じもするが。
ラスト近くは、役者陣の演技力もあり見
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オースティン・パワーズ:デラックス(1999年製作の映画)

3.0

愛すべき下ネタ映画。バカバカしくニヤニヤして観てしまう。
前作に比べ、物語がきちんとしていたりする。そんなの関係ないシリーズだが(笑)、その点は観やすい。ただ、月面のラストに盛り上がりがもうひとつほし
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オースティン・パワーズ(1997年製作の映画)

3.0

くだらない!何もない!でも、サイコー!
とにかくキッチュさがカッコいい。ギャグもとことん下品でありながら、時に社会的なイジリをみせてくる。
音楽も素晴らしい!
では、なぜスコアが低いのか?それは、意地
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マネーボール(2011年製作の映画)

3.5

面白い話しである。古い体質が新しい風により剥がれていくのは、心地よいものである。
が、どうも盛り上がらない。次第に流れが作られ、昇っていく様をもっと魅せてほしかった。反発されていた挑戦が、次第に評価さ
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農家の嫁 三十五歳、スカートの風(2012年製作の映画)

1.5

発想は凄くいい。夢を忘れられず、モーニング娘。を目指すなんて最高じゃないか。でも、脚本と演出が拙い。制約があるのは分かるが、あまりに酷い。拙い演出に引っ張られてか、芝居も拙く見えてしまう。
なにより、
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U・ボート(1981年製作の映画)

4.0

3時間28分のディレクターズカット版を初見……長い!ジブラルタルからのくだりは最高に面白いし、ラストの無常感も劇場版と変わらず素晴らしい。でも……長い!
彼らは英雄ではない。ナチスの信奉者でもない(艦
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エアポート2015(2015年製作の映画)

4.5

『エアポート』シリーズマニアだったりする自分。重要なのは、本作は『エアポート』シリーズではない。しかし、紛れもなく『エアポート』シリーズの魂を引き継いでいる。

都合よく乗っている、必要なスキルを持っ
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性談・牡丹燈籠(1972年製作の映画)

4.5

上手い!思わず唸ってしまう!
ロマンポルノであるが、会社から怒られはしていないか不安になるほど絡みがない。一方、怪談映画として見事な出来栄え。
ひとつ残念のことを挙げると、日活の時代劇のノウハウが少な
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

5.0

後悔している。なぜ本作を、映画館で観なかったのかを。
人はひとりになると、哲学的になる。自分と会話を始め、自己追求へと至る。本作は、笑わせながら軽々とそれを魅せ、最終的に究極の場にまで達する。
とにか
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戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

5.0

構成が完璧。中だるみを感じるシーンだと思った直後、一気に盛り上がるシーンをもってくる。その落差により、涙腺が緩み号泣する。
いま観ても、見事なテーマ。戦場で生まれた愛と呼んでよい友情を見せつつ、誰もが
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ハート・ロッカー(2008年製作の映画)

2.5

戦場という終わりなき日常に生きる様を描きたいのは分かる。日常という単調な作業毎日が、死と隣り合わせだということも分かる。だからといって、それをそのまま映画にしていいというわけではない。2時間ほどの中に>>続きを読む

(秘)女郎残酷色地獄(1973年製作の映画)

2.5

ロマンポルノの職人監督としては、西村昭五郎監督より数段上手い白鳥信一監督。さすが、本作もキッチリ仕上げている。
出だしの部分の脚本が少し気になるが、それから先はまとまっている。ただ、最後に突然に露わに
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パトリオット・デイ(2016年製作の映画)

4.5

映画としては、まったく文句のない出来。淀みがなく、ラストまで一気に突っ走る。緊迫感も持続し、娯楽映画の見本といってもいい。
が、ラストでモデルとなった人々が登場し語り出したときに、自分は怖くなった。そ
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さよなら渓谷(2013年製作の映画)

5.0

寂しい。
痛々しい。
ふたりの関係性が素晴らしい。幸せになろうとしてはいない。ただ、互いの首を締め合うかのように、過去に苦しみ合う関係。その関係により埋められる穴。そして最後……。
序盤に多少の不安が
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マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙(2011年製作の映画)

2.0

そもそも、人の人生を2時間ない映画で描くのが無理なのだ。連続ドラマにするか、人生の一部を切り取るしかない。
彼女の人生で1番劇映画に向いているのは、初めて選挙に立候補してから男性社会の議会で自らの地位
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.5

軍隊が持つ狂気。戦場が持つ異常性。頭には敵を殺すという兵士としての使命はあるが、胸には人間が持つ平和への思いがある。揺れ動く心の中で、彼は生きている。
選曲が素晴らしい。それが狂った状況を下から強く支
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メランコリック(2018年製作の映画)

3.0

アイデアが素晴らしい。ただ、あまり盛り上がらない。殺害する相手との物語を中盤あたりから入れていけばよかったかも。
ラストは、なんとも心地よい!

JKエレジー(2018年製作の映画)

3.5

どこかに行きたいが行けない自分。栄えていなくはないが、それほど栄えてはいない町。基本、そういう光景の映画が好きです(笑)
手放しで褒めたいシーンは度々あるものの、いまひとつ突き抜けない。それは、主人公
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守護教師(2018年製作の映画)

3.0

普通に面白い。しかし、なにかものたりない。
恐らく、政治の世界を絡めたのが重たくなってしまったのかもしれない。そこを削って、単純なサイコホラー路線でいった方がよかったかも。アクションも中途半端。
レン
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ハッパGoGo 大統領極秘指令(2018年製作の映画)

2.0

凄く中途半端。
演出の狙いは分かる。分かるのですが、もっと暴れてもよかったかと思う。
テーマと演出が乖離してしまった結果か。
エンドロールが始まってからが、1番の観せ場かも。

天気の子(2019年製作の映画)

4.5

『君の名は。』が好きではない自分。観るまで不安だったが、かなり面白かった。
甘いと感じる展開はある。でも、そう思うと音楽で一気に盛り上げてくれる!そういう意味では、音楽映画だとも言える。
マイナスポイ
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東京干潟(2019年製作の映画)

4.5

人生とは、なんて深いものなのか。
干潟に住むホームレスが語る、彼の人生がなんと興味深いものか。著名人ではない市井の人にも、語るべき人生があると再確認させられる。
変わりゆく東京の風景と、彼との対比も見
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暁闇(2018年製作の映画)

5.0

研ぎ澄まされた虚無が、スクリーンを覆った。
そこには花火の様に散りゆく青春があり、誰かを愛し愛されたい心があり、幻の光がある。
撮影が見事なのは、特筆したい。

素晴らしい感覚により作られた本作。まず
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工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)

5.0

国家や思想を超えた、友情の物語。そこにあらゆる思惑が絡み、物語に深みを与えている。
中国を舞台にした前半は、正直タルい。それが変わるのは、北朝鮮へと行ってから。一気に緊張感が高まっていく。
見所は平壌
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Girl/ガール(2018年製作の映画)

3.0

性同一性障害の苦しみが、文字通り痛々しく伝わってくる。ドキュメンタリーかのように望遠を使い、手持ちで撮影した絵も効果を生んでいる。
しかし、物語に起伏が欲しかった。それほど派手になるような物語ではない
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あいが、そいで、こい(2018年製作の映画)

2.5

懐かしい感じがする青春映画。昔は、こういう青春映画がいくつもあったんですよ……。
なのでか、少し物足りなかった。展開がある程度読めてしまったのだ。所々、面白い演出はあるのだが。後半の脚本は、もう少し整
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僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

5.0

青春映画である。しかし、生半可な青春映画ではない。
いまの日本で同じような概要の作品を作ったとしても、クサイ『金八先生』のような作品となってしまうだろう。友情があり、裏切りがあり、恋愛があり、別れがあ
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よこがお(2019年製作の映画)

5.0

軸になる事件は、発端にしか過ぎない。この作品の肝は「愛」である。
淡々と描く深田演出が見事。それが心に沁み、苦しくなってくる。行き場のない苦しみが。
時間が錯綜する前半は、映画を見慣れていないと混乱す
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シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢(2018年製作の映画)

2.5

オーソドックスな話。登場人物が多く、物語が散らばってしまっている。人数を絞り、物語を掘り下げるべきだったかと。
笑える箇所は、いくつかある。編集のタイミングもよく、そこは良かった。

東京喰種 トーキョーグール【S】(2019年製作の映画)

3.5

テーマと娯楽性が見事に調和し、説明に終始していた前作より楽しめた。
多少、狙いすぎな感じがするところもあるが、漫画原作を活かすことを考えたら仕方がないか。
アクションの加工が少し気になった。何かの狙い
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アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲(2017年製作の映画)

3.0

素晴らしく下らない!バックボーンというか、元ネタを知っていたら終始ニヤケられること間違いなし!
トランプも出してほしかったが、前作から考えて難しいか。
応援?上映とかしてほしいなぁ。

ちなみに1番笑
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

3.0

中盤まで、脚本と演出が軽い。まるで喜劇を観ているかのような箇所も。カメラワークも軽く、もっと重みを持たせる演出ができなかったのか。
ラスト近くの展開は最高。見事としか言えない。この流れがなければ、スコ
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さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

5.0

なんと心地よい映画か!
絶対の構成がよく、編集も洒落ている。最初、音楽がうるさくも感じたが、時期にそれも気にならなくなる。脚本にもう少し足してほしい部分もあるが、許してしまいたくなる。
あらゆる要素に
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