西村大樹さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

西村大樹

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それゆけ痴漢(1977年製作の映画)

2.5

一応、話はまとまっている(笑)そして、山本晋也監督のノリも堪能できる。迷シーンと呼ばれている熊のシーンは、そのままである。
……というか、それぐらいしか書くことがないのだ。
つまらないのか?といえばそ
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Single8(2023年製作の映画)

4.0

学生時代に、8ミリで自主制作映画を撮っていた自分には、完全にハマった。途中まで、そのような経験がないとキびしいかも……と思っていたが、後半は文化系の人間ならば誰でも感情移入できる作品になっていた。
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愛染恭子の未亡人下宿(1984年製作の映画)

2.0

ポルノ映画というジャンルなので、仕方が無いとは思う。しかし、ポルノシーンを多く入れすぎたために物語が弱くなってしまっている。
タモリ、所ジョージ、桜金造、コント赤信号、そして立川談志各氏の登場シーンに
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八つ墓村(1996年製作の映画)

2.5

脚本がよろしくない。そして、演出もいまひとつノっていない。
所々、『犬神家の一族』を想起させるシーンがあるのも気になった。セルフパロディー的に入れたのかもしれないが、それが上手く作用していない。
市川
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ラフラフダイ(2022年製作の映画)

3.5

これは、アイデア勝ちの作品である。
コロナにおける非常事態宣言を、このような一種の寓話として描き、しかもそこにエンタメ業界がどのように生き残っていくべきかをも描いている。
ある意味、監督からのコロナ渦
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オオカミ狩り(2022年製作の映画)

2.5

物語自体は面白い。しかし、脚本がよろしくない。
これは個人的な好みも入っているのかもしれないが、アクションには緩急があり、それにより盛り上がる構成がいいと考えている。本作は、ほぼ前編アクションであり、
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茶飲友達(2022年製作の映画)

4.0

個人的な話しを少し。自分は家族関係があまり良くない。そのこともあり、主人公の思いに強く共感してしまったところがある。
新しい家族……コミューンといってもいいものを作ろうとした彼女の気持ちは分かる。それ
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

5.0

青春映画の大傑作が生まれた。
始まって数分、この各登場人物達の物語がどのようにまとまっていくのかと不安に思っていたが、脚本の展開によりそれぞれの卒業が描かれる展開へとなり最後は拍手を送りたくなった。
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仕掛人・藤枝梅安(2023年製作の映画)

3.0

テレビ出身の監督が撮った時代劇といえば、五社英雄作品が最初に頭に浮かぶ。偶然にも河毛監督もフジテレビ出身である。
五社監督の作品は、テレビのクセなのか画角が狭くて「大きなテレビ」を観ている感覚に襲われ
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二十歳の息子(2022年製作の映画)

2.5

よく撮ったものである。人間の関係性を撮るということほど、難しい物はない。作られたものではない、ドキュメンタリーとして本質を撮るのは、よほどの信頼関係が無いと難しい。本作は信頼関係をかなり築き撮っている>>続きを読む

劇場版 センキョナンデス(2023年製作の映画)

3.5

まず先に書いておくと、自分は選挙マニアであり政治マニアである。そんな自分が観て感じたのは、選挙の面白さの一旦が分かったもらえるかな?ということである。
話題の香川一区と先に参議院選を被写体としているが
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ただいま、つなかん(2023年製作の映画)

4.0

なんと勇気を与えられる映画であることか!
震災だけではない。あらゆることが女将を襲う。それを持ち前の明るさで乗り切っていく姿を見ていると、自分の中にも力がわいてくる。
そして、その女将を支える人々の優
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Sin Clock(2023年製作の映画)

3.0

前半がタルい。その要因の一つは、フェードアウトを多用している部分があるのかもしれない。
中盤以降はかなり面白い。前半部分をどうにかすれば、それなりの傑作になったと思う。
カット割りは嫌みなおしゃれさが
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

5.0

予告を観た際、自分には合わない映画だと感じた。それが公開後、周りの人の評価が高く、「周りの人が評価する映画は、興味が無くても観に行く」というのを信条としている自分は観に行くことに。
結果、とんでもない
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FALL/フォール(2022年製作の映画)

2.5

『タワーリング・インフェルノ』を観て高所恐怖症とエレベーター恐怖症になり、『エアポート』を観て飛行機恐怖症になった自分。絶叫マシーンにチャレンジするつもりで映画館へと向かった。
結果、見事なB級映画を
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レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

4.0

企画が発表された際、東映の70周年記念作品ということもあってか色々と言われた本作。実際に公開され観てみたら、意外な恋愛映画の傑作であった。
戦国時代を舞台にした映画というと、合戦シーンを見所に置く作品
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BAD CITY(2022年製作の映画)

2.0

脚本にゆとりがない。尺の都合からか、ギリギリ押し込んだ感じがする。言えば、小沢仁志さんのプロモーション映画のような感じであり、そう思ってみると、アイドル映画として楽しめはできる。
ビデオ映画シリーズの
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グッドバイ、バッドマガジンズ(2022年製作の映画)

3.0

もう少し、主人公の成長をじっくりと見せてほしかった。それにより、感情移入の度合いがかなり上がったと思う。
それでも自分はのめり込んでしまった。
これは個人的なことなのだが、自分自身がエロ雑誌で一時期飯
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そばかす(2022年製作の映画)

5.0

これぞ、今の時代に必要な作品である。
主人公たちに優しく寄り添う監督の姿が、スクリーンから伝わってくる。行きづらさを叫んでいる人々に、寄り添う姿が。それは観客も優しく包んでくるかのようである。
個人的
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母の聖戦/市民(2021年製作の映画)

2.0

前半が、かなりタルい。話しが遅遅として進まないのである。これが監督の狙いというのも分かるのだが、音楽を廃していることもあり眠気に襲われる観客もいることであろう。
中盤から一気に展開していくのだが、どう
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

5.0

描かれているテーマに関しては跡で書くとして、まずは映画として大変に面白いことを書いておきたい。
巨悪に立ち向かう姿というのは、映画にとって大変に魅力ある姿である。本作の映画としての魅力は、その姿にある
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

5.0

序盤、物語がありふれているところが気になった。それが次第にのめり込み、ラストは!
最初に感じるのは、ドキュメンタリー的ともいえる見せ方である。テロップの使い方に編集での中抜きなどにそれを感じる。
そし
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恋のいばら(2023年製作の映画)

3.5

城定監督の心地よさを久しぶりに感じたような気がする。
ピンク時代の城定監督の作品には、心地よさがあった。最近の作品には職人的な上手さを感じながら、どこかにその心地よさを置いてきているように気がした。
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ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

5.0

瀬々監督でなければ、この手の映画は避けている。そして、瀬々監督だからこそ作り得た傑作に出会えた。
先日、瀬々監督のピンク映画時代の作品を観直していた。初期は荒削りではあるが、次第に脚本も演出も熟れてき
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非常宣言(2020年製作の映画)

4.5

久しぶりに、本格航空パニック映画を観た。
飛行機マニアとしては、航路がわかりにくい部分や無線のやりとりで微妙な部分もあったり、作り手としてはほぼ全編に付いている音楽が気になったりもした。それでも評価し
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ある男(2022年製作の映画)

5.0

とんでもない大傑作!
人間のアイデンティティとは、何なのか?戸籍によって定められている国籍や名前なのか?その人の生き様なのか?その土台を問い詰めてくる作品。
観る側に存在の意味を問うてくる、と言っても
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ファミリア(2023年製作の映画)

2.5

物語自体は面白い。正直、このような内容だとは思わなかった。しかし……。
台詞がすべてワザとらしい。説明的という感じ。演出もそれに引っ張られてか、妙に堅苦しい。監督の以前の作品も、このような演出だったか
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ドリーム・ホース(2020年製作の映画)

4.5

脚本が見事!
とにかく、脚本に無駄がない。演出もノッている。同時に、そのために引っかかりを感じない人もいるかもしれない。確かに、ツルンとしたゆで卵のような感じを受けはした。それでもこのスコアになるのは
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チョコレートな人々(2022年製作の映画)

4.5

本作で一番素晴らしいと思ったのは、作中で夏目氏の失敗を隠さなかったこと。過去の過ちから、人にイラつくところなどを隠さず、聖人として描くことをしていない。
凸凹であってもいい。全くその通りである。それを
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ひみつのなっちゃん。(2023年製作の映画)

1.5

この描き方で良かったのであろうか?
コメディ要素が強すぎる。そのため、テーマが見えにくくなっている。しかも、そのコメディ部分が全てスベっている。ただ騒がしいだけ。もっと落ち着いて観せてほしかった。
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母性(2022年製作の映画)

4.5

とにかく、登場人物全員が自分勝手というか自分本位なのである。それが徹底的に腹が立つ。自分が家族を忌避している要因が、本作を観ていて改めて感じてしまう。
その忌避する気持ちが強いためか、ラストの優しさを
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血まみれスケバンチェーンソーRED 後編 ギーコの覚醒(2019年製作の映画)

1.5

前編に関しては、それなりに楽しめたところがあった。それはやはりエロと暴力のバランスの良さが原因であろう。
しかし、本作はそのふたつの要素がなりを潜め、物語を見せる方向へと向かってしまっている。別にその
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血まみれスケバンチェーンソーRED 前編 ネロの復讐(2019年製作の映画)

3.0

前作に比べてパワーアップしたエロと暴力。特に暴力に関しては、観ていて「おおっ!」と叫んでしまった。
それらの点に関しては楽しめたのであるが、どうも脚本が弱い。時間が短いというのもあるのだが、見せ場であ
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昭和残侠伝 一匹狼(1966年製作の映画)

2.5

非常にオーソドックスの作られた1本。シリーズのファンとしては安心して観られるのだが、1本の映画としてみた場合は今ひとつ面白くない。
高倉健は決まっている。そこが最大の魅力というのが少し残念。
任侠映画
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にっぽん昆虫記(1963年製作の映画)

5.0

ただただ圧倒される。
この作品を観て確信できるのは、今村監督にとって人間とは愛する対象で有る以上に観察する対象であるということである。そしてその観察対象は、男声に対して出なく、男の監督にとって未知のも
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赤塚不二夫のギャグ・ポルノ 気分を出してもう一度(1979年製作の映画)

4.0

脚本が素晴らしいというわけではない。この作品は、ノリにノッている山本晋也監督の絶頂期の演出が全てであり、その演出をまるで遊んでいるかのような出演者たちの姿で観られてしまうのである。その点があまりにまば>>続きを読む