TaiRaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

怪物(2023年製作の映画)

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子供パートの輝きに対して大人パートがそこまで。良くも悪くも俳優部の能力に乗っかってる。あからさまで仄めかしになっていない愚かさの根源も結局は定型に留まってる感じ。大人たちと違って同じ世界を見れている子>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

5.0

とにかく画面上の表現力が過剰で満足。いくらなんでもスパイダーマンの自己言及的な話が長すぎる。今スーパーヒーロー映画はそれしかやることないからだけど。それでも美術とデザインの圧倒的勝利。ホービーがずっと>>続きを読む

魚影の群れ(1983年製作の映画)

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相米なりのハワード・ホークス感なのかと思う。海面下にモノホンのマグロが見える瞬間の凄味は流石。急なスプラッターも過剰で好き。元妻と豪雨の中、無言で追いかけっこ始まる瞬間が最高。『幻の湖』かよと。花火を>>続きを読む

(1989年製作の映画)

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撮影バッキバキ映画史に残る画面の格好良さ。光と影のコントラスト見てるだけでご飯3杯食える。闇の中に白く浮かぶイネスの顔の良さもスゲえ。ライティング神。横移動、トラックアップ/バックなんかもイケてる。要>>続きを読む

(1928年製作の映画)

5.0

「風が強過ぎて気ぃ狂うぞ!」って脅されたリリアン・ギッシュが言われた通り狂って行く凄まじい風映画。暴風の演出がエクストリームでヤバ過ぎる。リリアンも「撮影マジしんどかった」と回顧しているがそらそうだろ>>続きを読む

カルメンという名の女(1983年製作の映画)

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「男女と犯罪」のモチーフで改めて映画を作るゴダールの自己更新。銀行強盗の銃撃戦がほんと映画的。黒沢清がいつもやりたがる銃撃戦のそれ。クタールの光のとらえ方にも感動するしゴダールのビジュアルデザインはや>>続きを読む

カラビニエ(1963年製作の映画)

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ロッセリーニ原作の戦争寓話だが如何にもゴダールな瞬間も。初めての映画体験の見せ方には本腰入れてるのが彼らしい。無知の者による子供のいたずらのような暴虐が結構怖い。

ゴダールの探偵(1985年製作の映画)

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ゴダールによるハードボイルド再考。話はどうでもよくて皆で意味ありげにイケてることを言えれば良しとするゲーム。『ツイン・ピークス』観る時と同じチャネルを開けば楽しめる。ラストの適当な射殺の連打には大変愉>>続きを読む

ゴダールの決別(1993年製作の映画)

5.0

画面と音の格好良さにおいては映画史上でもトップクラスなんじゃないかと思える。撮影のシャンプティエによる美しい碧色の映画。ゴダールは相変わらず横移動ウマ男。この期に及んでリュミエール兄弟に挑戦する図々し>>続きを読む

《ジャンヌ・ディエルマン》をめぐって(1975年製作の映画)

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新人監督と大女優の共同作業に見る普遍的な面白さがある。フェミニズム映画の志向に共鳴するセイリグが若き女性スタッフらにこの貴重さを説いても、イマイチそれを理解されない部分が良い。宣言通り10年後にアケル>>続きを読む

ノー・ホーム・ムーヴィー(2015年製作の映画)

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『ジャンヌ・ディエルマン』と同じ様なキッチン出て来て、これがブリュッセルの典型的な住居なのかと知ったり。母親に向けたカメラがやがて来る死を映し始める。そして誰もいなくなる。シャンタルの遺作なのも納得し>>続きを読む

レッド・ロケット(2021年製作の映画)

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クズの徹底ぶりに関心してしまう。出て来る人間みんなどん詰まり。歩いて、自転車漕いで、車走らす映画。ショーン・ベイカーは対象と同じ目線に居ることで倫理超えてポップに徹する姿勢がいつも良い。ホントのこと言>>続きを読む

ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

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カサヴェテス映画における役者の動き方はいつも特別で感動する。ジーナ・ローランズみたいな動き方出来る役者なんてもう出会えやしないんでしょうし。人が常軌の向こう側行っちゃってから説得力高める監督なんてのも>>続きを読む

ハスラー(1961年製作の映画)

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これから起こることのダイジェスト見せてくオープニングクレジットがクソかっこええ。一幕目の対決は完璧。役者が実技身に付けてるの見ると単純に凄えなって思う。ジャッキー・グリーソンが太ったオッサン史上一番格>>続きを読む

暴力脱獄(1967年製作の映画)

5.0

生きる上での指針を定めた作品なので何遍観ても感動する。2時間前後で人生に必要なことは全て語れるってのがかつての映画の凄味だった。ラロ・シフリンの劇伴とコンラッド・L・ホールの撮影が凄まじい貢献をしてい>>続きを読む

老人Z(1991年製作の映画)

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初見時の印象通りやっぱ大したことはない。短編か中編で充分なワンアイディアを無理に長編に引き延ばしている。末期の女子大生ブームと高齢化〜高齢社会の問題を掛け合わせるという乱暴な設定が時代も感じさせる。

MEMORIES(1995年製作の映画)

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『彼女の想いで…』は今敏の映画作家としての方向性が既に表出している。『惑星ソラリス』と『シャイニング』の間の子みたいな手堅いSFホラーだけど、作画の充実もあって無難に楽しめる。
『最臭兵器』はそいつが
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パッション(1982年製作の映画)

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映画制作とは光と影を扱う労働であるというシンプルな宣言。あちこちで取っ組み合いの喧嘩やら追いかけっこが発生する躍動感と、突発的に変な動きする人はオモロイという原初的な喜びに満ちた活動写真。

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

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友だち集めて撮って見ました感の緩さ。コントとして面白いのはモリーナとクーガンのやつ。基本どれもメリハリがつけられてないけど、このコントに関しては場の移動(電話をかける)が関係性を変えるキッカケとして機>>続きを読む

ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)

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ヒップホップとクンフーがありならヒップホップとブシドーもありというウータン的発想が生み出した珍味として素晴らしい。『サムライチャンプルー』より前だし偉い。『アウトレイジ』とかでやってた貧乏ヤクザを描く>>続きを読む

デッドマン(1995年製作の映画)

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死に向かって行くしかない男の遅い遅い西部劇。一生をかけての通過儀礼。最初と最後でジョニー・デップが別人に見えるのでやっぱ良い役者。主人公がずっと具合悪い映画群の良作。ロバート・ミッチャムの生き物として>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

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移動中の車内なら会話劇やっても停滞しないのが映画のセオリーっちゅうもんで。果たして会話それ自体が面白いのかと言えばまた別だが。芝居の上手い下手が如実に出るもんでもある。車窓から見える流れ行く夜景だけで>>続きを読む

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

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DC映画社の送別会兼OB会。参列者の挨拶だけで2時間みたいな会。マルチバースなんて映画一本で扱い切る程度のネタなので、その点ではマーベルより正しい。ネタ量過剰なので必然的に話のスピードも速かったのは好>>続きを読む

殺し屋ネルソン(1957年製作の映画)

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全編ジャズぶん鳴らしの劇伴カッコいいし銃撃音の音効がマイケル・マン並にリアルで素晴らしかった。キャロリン・ジョーンズのゴス可愛さも最高だしミッキー・ルーニーの狂人っぷりも良い。犯罪カップルものとケイパ>>続きを読む

仮面の報酬(1949年製作の映画)

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異国で追いかけっこするだけの面白さ。序盤なんて背景説明しないでどんどん進める。停滞と活劇の緩急うまうま。ラストの展開、普通に驚いちゃった。

ウィリーが凱旋するとき(1950年製作の映画)

5.0

只々面白いだけの傑作。開戦後に即入隊し英雄として華々しく見送られたのに実家付近の基地に配属されて数年経っちゃう馬鹿馬鹿しさ。構成上のフリオチがしっかりしててギャグが一々面白い。後半は海外へ渡り本人の意>>続きを読む

男の敵(1935年製作の映画)

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霧の映画。五里霧中な愚かな男の迷走を傍らで見守る。仲間を密告した主人公の頭の足らなさに呆れつつ同情するスリリングさ。真綿で首を絞められる様に詰んで行く男。ラングの『M』の影響ありそう。ユダのモチーフを>>続きを読む

栄光何するものぞ(1952年製作の映画)

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キャグニーとデイリーがイチャイチャと喧嘩するとこは全部面白い。ギャグのテンポずっと良い。バイク爆走も無意味に楽しい。コリンヌ・カルヴェのギャルっぷりも最高。戦場場面では塹壕に差し込む原色の照明がギラギ>>続きを読む

果てなき船路(1940年製作の映画)

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厭な話だなと思ったら暗黒劇作家ユージン・オニールの原作だった。スパイ疑惑のくだりにおける闇と光の撮影がバキバキ過ぎるグレッグ・トーランドも流石。上陸後の酒呑む呑まないの駆け引きが怖いし面白い。酒の怖さ>>続きを読む

太陽は光り輝く(1953年製作の映画)

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前半は話が散漫で乗りづらかったが、主人公が一人で暴徒を相手にする場面くらいから凄みが増し増し。葬列の場面は神がかっている程凄いと思う。ラストのドアの向こうの背中が『捜索者』のプロトタイプって感じ。家の>>続きを読む

周遊する蒸気船(1935年製作の映画)

5.0

蒸気船レース始まってからラストまで駆け抜ける面白さ。ニューモーゼを投げ縄で捕まえるとこからボイラーに何でもかんでもぶっ込む流れが最高。泣ける場面もちゃんと良い。のこぎり泣き。死刑阻止する映画って大体面>>続きを読む

涙の船唄(1920年製作の映画)

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母子と出会う場面の暗闇と雷光の演出がバリかっこよい。直後の灯り点けるとこもラ・トゥールの絵みたいだった。孤独オタク爺と孤児と浮浪者の男三世代疑似家族が完成するくだりが微笑ましい。爺さん婆さんの純愛と寂>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

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つまりカニエ・ウェストは日本でライブとかやればいいってことだな。没落した西洋は捨てちゃってグローバルサウスから再スタートで。心霊やるならもっとちゃんとやって欲しい。カサヴェテス先生くらい力強いの頂きた>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

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可もなく不可もない公式ファンムービーという感じ。一度映画化に失敗して以降、ここまで粘り搾取されない体制を整えて満を持しての映画化。結局一番凄いのは宮本茂大先生ということ。

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

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庵野クン映画が下手!CGアクションがパチスロのムービーみたいだった。浜辺美波が孤軍奮闘で泣ける。