TaiRaさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

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『RAW』に引き続きメタファー尽くしなのが相変わらず理屈っぽい。ギャグに振り切ってたのは良いけど。

事故って頭にチタンとか、車とセックスとか、連続殺人と逃亡生活とか、マッチョおじさんと同居生活とか、
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

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映画の後半は寝てたので近い内に観直します。とりあえず今回もアピチャッポンだった。

謎の音について取り憑かれた様に探る話で、なんか『未知との遭遇』の前半みたいだたなぁと思ったら割とそのまんまだった。謎
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ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

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動機不明の無差別殺人に対する仮説として、節度を保ちながら普遍性を提示している。ニトラムはどこにでもいると思えるから。

ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの身体表現の説得力が大部分この作品を支えているの
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猫は逃げた(2021年製作の映画)

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城定脚本が今泉映画に寄せに行きつつジャンル性も高めてるから不思議なバランス。

何が凄いって山本奈衣瑠。どこの誰だか分かんないで観たんだが、もうとにかく動物的な凄味を持った役者で、彼女の発見という点だ
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愛なのに(2021年製作の映画)

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真っ当にセックス・コメディしてて面白い。中島歩の体現する「しょうもなさ」の精度よ。

今泉脚本における恋する人々=日常に偏在する狂人というスタンスを本人以外の演出で観るのも新鮮で面白かった。的確な城定
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

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70年代以降の松竹映画みたいな感じ。可もなく不可もなく、でもそれで良い映画。

オリジナルのフランス映画は観てないから、どこをどう改変したのか細かいことは知らないけど、選曲とか分かりやすい設定変更に関
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

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原点回帰コンセプトは良かったけど、脚本と演出で失敗してる。無駄に長い。

バットマンがそもそも「世界最高の探偵」って呼ばれてる設定をピックアップして来て映画にする発想は良かったと思う。ただ、それを今更
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ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

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このフランチャイズ、再起動に当たっていろいろあったけど、最終的には収まるとこに収まったよね。

ジェイソン・ライトマンが自分の素質からは縁遠い題材ながら頑張って作った印象。父親の作ったオリジナルを踏襲
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

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キャンプな『ゴッドファーザー』目指してんのがウケる。ガガは「女優」やってた。

『ゲティ家』『決闘裁判』に続く実録家系シリーズとして観た。濃い目の役者力で笑わせるタイプ。役者のアドリブも多いらしいし、
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ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサート(2022年製作の映画)

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D+未加入なのでシリーズは観てないけど、これだけでもIMAXで観といて良かった。

冒頭に簡単なビートルズ史のおさらいとかあるし、誰が観ても分かりやすい作品になっててちゃんとしてた。ルーフトップ・コン
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バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ(2021年製作の映画)

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PSバイオ世代としては原作厨映画として楽しめた。ほぼ「観るバイオハザード」。

今更感が凄い「原作に寄り添った」映画化。2000年代にやるならまだしも、このタイミングでそれを求めてたかと言われると微妙
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

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スピルバーグとカミンスキーがバッキバキのギラギラで最高だった。

スピルバーグがトニー・クシュナーを招集する時はいつもアメリカへの政治的態度を表明して来たけど、今回も例に漏れずそういうものだった。社会
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シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

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「実は観てない名作映画」の中で二番目くらいにメジャーな映画だった。

スピルバーグが「巨匠」に格上げされた記念作だけど、こんな題材でもベタな笑い入れたり「面白い」編集したりとちゃんとエンタメしてる。映
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月光の囁き(1999年製作の映画)

5.0

人生ベストなので劇場で観れて良かった。至高の映画。

喜国雅彦の谷崎オマージュな原作を、90年代日本映画らしい情念排除の演出で描いたのが好き。芝居の温度、カメラの距離が常に的確で。まず、この映画のつぐ
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麻希のいる世界(2022年製作の映画)

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塩田明彦が少女ファム・ファタル(フィム・フィタル?)ものに回帰。

『さよならくちびる』で異様な芝居(即興だったらしい)してた二人を主演に据えた映画。今回は役名だけ引き継いだオリジナルだが、並行世界の
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

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ウェス・アンダーソンがウェス・アンダーソンやってる。

ウェスにとって初のアンソロジーであり、「ザ・ニューヨーカー」とフランス映画への愛と敬意を込めた映画。作品を重ねる毎に情報量が過密になって来たので
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

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映画極め過ぎちゃって適当に撮ってる様にしか見えないの草。

80年代に実現しなかった企画をわざわざ引っ張り出して来たイーストウッドの終活映画。40年近く遺作みたいな映画作り続けてるから今更だけど、これ
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リリス(1964年製作の映画)

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これが遺作のロバート・ロッセンって凄い監督だったんだなぁ、と監督作初見ながら思う。

戦争帰りのウォーレン・ベイティが精神病院の職員として働く話。導入部から只事ならぬ空気感が醸し出されている。最小限の
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カラーパープル(1985年製作の映画)

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スピルバーグが賞狙いで文芸映画撮り始めたと揶揄されがちだけど、まぁ良くも悪くも普通の映画。苦労話系の朝ドラみたいな感じ。

80年代のハリウッドでオール黒人キャストの映画を世界一のヒットメイカーが撮る
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センチメンタル・アドベンチャー(1982年製作の映画)

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「イーストウッドと少年」の最初かな。イーストウッド遺作シリーズもここくらいから始まってる。

酔いどれカントリー歌手と甥っ子のロードムービー。人気音楽番組のオーディションを受ける為にナッシュビルへ車を
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地獄の警備員(1992年製作の映画)

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黒沢清が好きな事やれてる感じが出てる。根岸憲一の撮影も良い。

総合商社の絵画取引やってる新設部署って設定がバブリー残り香過ぎて最高。時期的にはイトマン事件の直後くらい。元相撲取りのサイコ殺人鬼が新任
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

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最初の『アベンジャーズ』観た時、ケヴィン・ファイギご苦労様って思ったけど、今回はエイミー・パスカルご苦労様って感じ。

ネタバレ厳禁とか言われてるけど、個人的には予告編でドック・オク出て来たとこが驚き
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マクベス(2021年製作の映画)

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コーエン兄弟のギャグ担当ってイーサンだったのかな?

シェイクスピア作品の真っ当な映画化だが、ちゃんとコーエンの映画になってるのがやっぱベテランは強いなと。A24の数多あるアート系スリラー/ホラーとも
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呪怨2(2003年製作の映画)

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のりピーの年齢感が分からなくて困惑する。OV版もそうだったが2は思い切りが良い。

今回は時系列操作が複雑で冒頭から俊雄が出て来て若干混乱した。呪いの前乗り?と思ったが違ったわ。多分、台詞では説明して
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呪怨(2002年製作の映画)

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地味にオリジナルビデオ版の続きになってるのが企画として誠実なのか何なのか。OVの話題ありきだったのが分かる。

奥菜恵が例の家に行って俊雄と出会う辺りは正攻法。あの家の狭っ苦しい感じをまず紹介。昼間で
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

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自作のもたらした功罪を引っ括めて落とし前つける完結編という点では、『シン・エヴァンゲリオン』より成功してる。

ギリギリ『マトリックス』世代なので約20年ぶりの新作とか、そういうのをまるっと体験するの
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(1965年製作の映画)

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オリジネイターたる橋本忍から東映集団抗争時代劇への回答と思うとしっくり来る。

桜田門外の変へ至る浪人たちを描いたテロリスト時代劇。原作『侍ニッポン』からして架空の主人公を置いた創作実録モノなので物語
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偶然と想像(2021年製作の映画)

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濱口竜介の好きな部分が久しぶりに出た作品集だった。改めて彼は脚本家として一級だと思う。

『魔法(よりもっと不確か)』
社内の会話で宣言される通り、言葉を交わす事それ自体の魅力についての作品集だと思う
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バーブ&スター ヴィスタ・デル・マールへ行く(2021年製作の映画)

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90年代くらいまで普通にあった狂人コンビコメディで懐かしさある。

『ブライズメイズ』の脚本書いた二人が脚本兼主演した中年仲良しコンビもの。ギャグ周りはほぼアドリブからピックアップしたであろう無茶苦茶
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

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アダム・マッケイの保守イジり芸と出自であるSNL的セレブリティ招集コントの集大成で年末特番感高い。

全方位バカにする人類オワコン喜劇の最新版が更新されて、この手のジャンルが好きな自分にとってはありが
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さよなら、私のロンリー(2020年製作の映画)

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ミランダ・ジュライの映画初めて観たけど、何とも言えん奇妙な映画だった。

生まれた時から泥棒の両親に盗みだけ教わって来た女性の解放への道程。ディティールが一々変わってて不思議ちゃん映画そのものなんだけ
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ミッチェル家とマシンの反乱(2020年製作の映画)

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フィル・ロード&クリス・ミラー製作なんで約束された面白さ。

変わり者の家族がAIの反乱を生き延びちゃってなんやかんや活躍する話。ストーリーの軸にある親子のすれ違い修復モノの強度がちゃんとしてて感動し
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恐怖のセンセイ(2019年製作の映画)

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ジェシー・アイゼンバーグが久しぶりに自分に合った役やってて良かった。

ブラックなユーモアで笑わせながら、ちょっと怖い人間の心理が描かれていて結構凄いと思った。「有害な男性らしさ」批評がほとんど観客に
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EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション(2021年製作の映画)

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『ANEMONE』で自由度高めて面白くなった分、広げた風呂敷の畳み方がムズくなった印象。

仮想現実の侵蝕によって混沌とした近未来世界、という設定は良いが、具体的に提示される事象は現実世界で起きている
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ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

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今どき珍しい中身の薄い大作アクション。割り切って作ってるからこっちも割り切って観れる。

エディヴェノ破局危機!?というだけの話で、90分くらいで終わるのがありがたい。『ど根性ガエル』でひろしとピョン
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

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エドガー・ライトが向いてるのはこういうんじゃないでしょ。

まずアイディア段階で上手くまとまってないので、脚本が下手。過去に惹かれるあまり、その時代へ意識が飛んでしまう話なら、その過去は魅力的な世界の
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