Heroさんの映画レビュー・感想・評価

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ランキングは2018年初見

映画(821)
ドラマ(0)

硝子のジョニー 野獣のように見えて(1962年製作の映画)

4.2

風呂場での対面座位の最中「熱いのが入ってきちゃう」なんて言わせちゃう荒井晴彦がジュークボックスから流す忌野清志郎の「上を向いて歩こう」の破壊力を世に知らしめたアントニオーニ『情事』の傑作リメイクが『闇>>続きを読む

スキマスキ(2015年製作の映画)

4.0

男なら誰しも目指すものはただ一つでありそれは生命の入り口であり胎内からの出口である秘密のスキマ、未だ見ぬ世界を感じるために必死に這い出てきたはずなのに、矛盾だらけの混沌としたこの世なのかあの世なのか言>>続きを読む

テルマ(2017年製作の映画)

4.1

失われた幼少期の記憶、異常なまでに過保護な両親、サタンキリストによる救済と見せかけた抑圧、自らが気付かぬまま内に内に閉じ込めた、いや意図的に閉じ込められたもう一人の自分の認識と解放。“baby boy>>続きを読む

13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

4.4

7年おきに来る太陰年に新月の13回巡る年が重なると為す術もなく破滅するものが幾人も現れる………愛した男に言われた一言が男を女へ、生を繋ぐための性は抑制が効かず暴走を繰り返し、持て余した愛は無作為に選ば>>続きを読む

基礎訓練(1971年製作の映画)

4.0

丸刈りモンタージュからは“Hello Vietnam”が聞こえてくるし、Yes sir or No sirのみのPL学園野球部ばりの理不尽な二択に笑い、歌いながらのランニングに思わずニヤけ、微笑みデブ>>続きを読む

エッセネ派(1972年製作の映画)

3.6

不毛な神様ごっこに耽る職業聖職者様たちを捉える嫌味なまでのクロースアップはドライヤー以外の何者でもないし、敬称を省いて名前で個人を呼ぶことは軽蔑だなどとほざき倒す自称親友5人持ちのオッサンを黙らせるた>>続きを読む

親密さ(2012年製作の映画)

5.0

平和の時代は不信の時代と僕が敬愛する作家は言っていたが、グローバル化が進み続けるワールドワイドな世界、個人と世界の距離は近づき続けその副作用として個人と個人の距離が離れていく矛盾の世界、監督はあくまで>>続きを読む

永遠に君を愛す(2009年製作の映画)

4.0

『永遠に君を愛す』とこの世に存在しない“永遠”と“愛”の2つを孕んだ歪な、いやもはやマイナスとマイナスを掛け合わせるとプラスになるような美麗なタイトルから想像に易い喜劇的な悲劇。この子の父親は宮本なの>>続きを読む

不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

4.4

決して具体的なことを言わない抽象の塊それらしいことをそれらしい間でそれらしく言う天才宮本亜門先生が御教授下さるコンテンポラリーダンスの真意は自己と他者の関係。絶えず流れる水とそこに沈殿する泥、可変なも>>続きを読む

キッスで殺せ!(1955年製作の映画)

3.5

冒頭とラスト、いかしたタイトルで観客を強引に納得させるB級アクションノワールSFコメディ。私立探偵濱マイクならぬハマーマイクが精神病院から抜け出した破廉恥ヒッチハイカーを車に乗せたことにより巻き込まれ>>続きを読む

ビッグ・リーガー Big Leaguer(1953年製作の映画)

4.1

「Take Me Out to the Ball Game」で始まり“最後のジェダイ/受け継がれる意志”で幕を閉じる、どう見てもデビュー作とは思えない圧巻の青春群像劇。四番サード典型的な華型Aロッド>>続きを読む

あなたの微笑みはどこに隠れたの?(2001年製作の映画)

4.2

チアゴシウバでもなくダヴィドルイスでもなくペドロコスタ、名前から溢れ出る圧倒的ファンタジスタ感を捉えたのは僕のミーハーセンサーだけなのだろうか。この人の映画を観るのは初めてだが、最近酒の席で盛り上がる>>続きを読む

ある女の愛(1953年製作の映画)

4.3

銀の龍の背に乗って都会からやって来た女医さんが村八分に遭いながらも一人の男と出会い恋に堕ち、一方その確かな腕で村民の信頼を勝ち取っていく地域医療活性化フェミニズム万歳映画。って逆Dr.コトーやないかい>>続きを読む

明日はない(1939年製作の映画)

3.9

この映画を観ていて真っ先に思い浮かんだのが銀杏BOYZ「恋は永遠」のPV、矢沢ようこさんが如何にしてそのステージに辿り着いたのかそれにフォーカスし背ビレ尾ヒレをくっ付け塩胡椒で味付けしたものがオフュル>>続きを読む

青い芽(1956年製作の映画)

-

成瀬の『まごころ』との併映、まさかこんな短いスパンで投石映画を観るとは思いもしなかった、見所としては宝田明と司葉子の豪華すぎるカメオ出演と線路を逃げる男女の超絶俯瞰ショット、あと座布団みたいな昔のグロ>>続きを読む

まごころ(1939年製作の映画)

4.5

豊もビックリ勇のあいらぶゆーは無いが小津で言うところの『お早よう』であることは間違いないし、成瀬が悪意を以って形式的にプロパガンダを採り入れるとこうも見事に且つ逆説的に反戦色をフィルムに染み込ませるこ>>続きを読む

ヨシワラ(1936年製作の映画)

3.5

吉原をほぼ外人で構成した“ヨシワラ”に対する違和感に植え付けられたモヤモヤした感情を未だに拭いきれていないのだが、時代を超え国境を超えそこに根津甚八がいた事実には素直に号泣するし、そろそろ某人気アイド>>続きを読む

この手紙を読むときは(1953年製作の映画)

3.5

『海の沈黙』『サムライ』ぐらいしか観てない自分が言うのもなんだが、メルヴィルらしくない映画。まぁ正直全体として観れば面白くはないのだが、糞男が盗んだ金貨を手に海へと逃げるまでのロングショット、その流れ>>続きを読む

パリ横断(1956年製作の映画)

3.8

クロード・オータン=ララ、ぱっとみ新種のオラウータンみたいな名前してるこの監督ですが、マルセル・カルネ ジャン・ルノワール ジャック・フェデー ジュリアン・デュヴィヴィエらに代表される30年代フ>>続きを読む

女の防波堤(1958年製作の映画)

1.0

不幸不幸不幸の押し売り、もはやそこに感情を移入させる余地はなくただただ事象の羅列に成り下がった想像の範囲内の戦後を見せつけられる。すべては戦争のせいよって、自らRAAに参加してますやん、2、3回結婚し>>続きを読む

赤線基地(1953年製作の映画)

4.3

一年半ほど前口コミで広がり爆発的大ヒットを記録した『この世界の片隅に』をクソミソに批判し一時期ネットでバズってた日本シナリオ協会に居座る重鎮が勧める戦争モノ御三家、蔵原惟繕『執炎』鈴木清順『春婦伝』谷>>続きを読む

モダン・ラブ(2017年製作の映画)

1.0

この世に対してニヒリズム、急に美術がシュルレアリズム、おかまに人権フェミニズム、川瀬陽太はテロリズム、死者と会話シャーマニズム、国境超えてグローバリズム、我に帰ろうナショナリズム、なぜかラストはセンチ>>続きを読む

罪の天使たち(1943年製作の映画)

4.4

役者に感情がある!!!
カットバック超うめぇ〜!!!
これが“ブレッソン以前のブレッソン”かと文字で認識していたモノを初めて目の当たりにし感動している、身を以て百聞は一見に如かずを体験した。でもやはり
>>続きを読む

大地の子守歌(1976年製作の映画)

4.3

ドラゴンボール悟空のキャラ設定の元ネタであることは間違いないし、涼子先生が宇宙人と交信できるに至った前日譚であることも多分に確定した。17歳の瑞々しく神々しいまでの身体に宿るダイナミズムの解放その副作>>続きを読む

アフリカの光(1975年製作の映画)

5.0

アル中なジゴロ黒と黄色の斑点を身に纏い亡き父を追う夢なかばアメリカ兵にぶっ殺された“虎”はいない、在日であるが故の被害妄想混じりの強烈な社会からの疎外感と対峙するためオナニイの魔となり怪物となり女子高>>続きを読む

傀儡(2017年製作の映画)

1.5

基本を疎かにしてアヴァンギャルドに走ればこうなるよねっていう見本というか標本。普通の着地をためらってそもそもからして何もないプロットを切り刻んで並べ替えたところでそこには結局何も生まれない。大事な台詞>>続きを読む

軍中楽園(2014年製作の映画)

3.5

この映画の最高到達点は『吉原炎上』だと思うし、生粋の特攻顔台湾のあばれる君が愛する女を抱けず二番煎じを抱き狂う姿に根津甚八をダブらせずにはいられなかったが、総じて男の映画になっている時点で失敗してる。>>続きを読む

不滅の物語 オーソン・ウェルズ(1968年製作の映画)

3.5

下界と断絶された閉鎖的な室内で行われる暇を持て余した貴婦人の遊びとくればソクーロフの『痛ましき無関心』を想起せずにはいられないし、ファムファタルなJモローといえばジョセフロージーの『エヴァの匂い』にて>>続きを読む

呼吸 友情と破壊(2014年製作の映画)

2.0

軽い、とにかく軽い、どれぐらいかというと中村文則の小説に出てくる登場人物が孤児や被ネグレクトであるが故に当然としてニヒルな設定ぐらい軽い。“吸う人”と“吐く人”吸わなければ吐けない吐かなければ吸えない>>続きを読む

アタラント号(1934年製作の映画)

4.7

前作『新学期 操行ゼロ』であれだけ社会に反発していたヴィゴが他人の持ち込み企画とはいえ最期に撮った題材が愛の物語ってもうそれだけで泣ける。『ニースについて』の前衛的モンタージュと『競泳選手ジャンタリス>>続きを読む

新学期・操行ゼロ(1933年製作の映画)

3.8

スパイ容疑で投獄され拷問の末に死んでいったアナキストの父親の救済、その事件のせいで偽名を名乗り寄宿学校を転々とする『旅立ちの時』のリヴァーフェニックス顔負けの少年時代から蓄積された社会への反逆精神、子>>続きを読む

H story(2001年製作の映画)

3.7

戦争ダメゼッタイ、一時期禁書と化した「はだしのゲン」を初めて読んだ小2のあの忘れ難い衝撃から始まり、初等教育の段階から徐々に徐々に皆平等に刷り込まれているのは周知の事実。映画や本やテレビなど様々な媒体>>続きを読む

M/OTHER(1999年製作の映画)

4.8

otherがmotherに成ろうとしたが故に気付いてしまった差異、歪と自覚していない者が正常を装ったことによる哀しき認識、母親に近づいていくにつれ女でなくなっていく不条理、「 other、mを付ければ>>続きを読む

椿なきシニョーラ(1953年製作の映画)

3.7

よくある映画内映画モノ、如何にして芸術が商業に喰われるのか?如何にして芸術の精神と世論の奴隷が衝突するのか?な映画の裏側は本当に笑えないがそこは割り切って笑い飛ばして、結局行き着く先は愛の伝道師アント>>続きを読む

愛と殺意(1950年製作の映画)

3.4

愛と殺意は表裏一体、かの大江健三郎は“肉親に抱く感情は愛と殺意しかない”と初期の傑作「叫び声」で綴っているが全くもってその通りだと思う。自分のものにならないのならばいっそ殺して永遠に自分のものにしてし>>続きを読む

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

5.0

母親の生活能力は皆無、一時の性欲に身を任せ子供を産み、夢の国の近くのモーテルでその日暮らし、そこで暮らす人々はビハインド時の阪神ファンよりも民度が低い、それに伴う生活水準は言うまでもなく、でもムーニー>>続きを読む

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