ヒロさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

彼女の時間割(1984年製作の映画)

4.0

思春期の少女の性への目覚めと興奮材料となる周りにチラつく性の群像、兄の子を孕んだ猫は神の御身元へと幽閉され、火遊びがバレた父は怒る母の口元をキスで塞ぐ、現実を受け入れられない少女は幻想世界へとトリップ>>続きを読む

キツツキはいない(1983年製作の映画)

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ヨガセックス
ドキドキしてる?西野さん
騒音おばさん
オゾンもどき
クリーピー偽りの隣人
空耳アワー
生ハムおっぱい
過去の栄光
綿埃と天使
紙と神

2020-S9

ピール(1982年製作の映画)

3.5

ハイウェイの路肩が孕む危険性と近親相姦の匂いオレンジが刻む不穏なビートに乗せて、親の正義は子の猜疑心を育む。妙に怖い。

2020-S8

ライフ・イズ・スイート(1991年製作の映画)

4.2

いつかは自らの店を持ちたいと夢見るコックの父、貧しいながらも一家を支える太陽のような母、人付き合いもよく手の掛からないボーイッシュな姉、捻じ曲がったフェミニズム思想とアブノーマルな性癖ボサボサな癖毛と>>続きを読む

喜劇 女は男のふるさとヨ(1971年製作の映画)

5.0

聞き馴染みのあるノスタルジックな山本直純の音楽と軽快で大胆それでいて繊細な杉原よ志のリズミカルなカッティングで語られる今作は「港町ブルース」がよく似合うまさに”女もつらいよ”であり、歯の生え揃わない赤>>続きを読む

恋狂い(1971年製作の映画)

3.8

遠洋漁業だか海上自衛隊だか船で長旅を続ける旦那を悶々とひたすら待つ色情狂の新婚妻が夫婦の継続を犠牲に自らの性を解放していくニンフォマニアックパートと、久しぶりの陸に降り立ち再び円満な性生活が送れると意>>続きを読む

さすらいの恋人 眩暈(1978年製作の映画)

3.9

死にたい女と追われる男の堕落的な行きずりの恋、冒頭のシーンそのままに薄氷の上を歩くようなその行方は言わずとも知れているがなんか中途半端な感じがしてしまうあの終わり方、中島みゆきをフルコーラスで使わせて>>続きを読む

現代娼婦考 制服の下のうずき(1974年製作の映画)

5.0

”父さん博奕ですっちゃって、母さん男と逃げちゃって、当てもないのに汽車に乗り、どこか遠くへ行きたいな、子守唄替わりの汽笛の音とともに”と壮絶すぎる歌謡曲を見事に映像に落とし込んだ傑作ロマンポルノ。無邪>>続きを読む

勝手にしやがれ!! 黄金計画(1996年製作の映画)

3.7

いざとなると頼り甲斐がある父性の哀川翔、それを横目に面倒見の良い母性の前田耕陽、凸凹夫婦のもとにストーリーを引っ提げてやってくる無邪気な子供たち、所謂このシリーズは期間限定里親体験珍道中ということが3>>続きを読む

勝手にしやがれ!! 脱出計画(1995年製作の映画)

3.5

好かれた女と好いた女はヤクザの組長の姉妹でして追われる羽目になりましたどうかお助け申しますと、やってることはほぼ吉本新喜劇な訳だがこちらには必殺のズッコケがない。ズッコケの代替として人物は動き回り、そ>>続きを読む

勝手にしやがれ!! 強奪計画(1995年製作の映画)

3.2

すげぇくだらないけど愛すべきVシネ。喧嘩のシーンになると都合よく配置される空の段ボールと尖り物が入っていないゴミ袋、この存在を許容できるかどうかがこの作品を楽しめるかのボーダーライン。かと思えば急に挟>>続きを読む

CURE キュア(1997年製作の映画)

3.8

不規則に揺れるライターの火、コップからこぼれ落ちた水の行方、回り続けるカラの洗濯機、ぼくたちわたしたちの近くに潜む日常のフリをした小さな不穏へのクローズアップと観客の体内に反響する何でもない言葉の波紋>>続きを読む

死霊館(2013年製作の映画)

3.4

不在の存在をチラつかせながら徐々に忍び寄る前半は結構怖かったが、悪魔が降臨されなんでもありでオカルトな後半はひたすらに笑えた。何気に一番怖かったのはメインタイトルのJのハネ残しだったりするがこれ実話っ>>続きを読む

少女暴行事件 赤い靴(1983年製作の映画)

3.5

行くんじゃなくて帰るのよと東京行きの最終列車に乗り込む芋女の都会に染まり切らないどっち付かずで曖昧な危うさは、完全に根岸吉太郎の『狂った果実』の逆位置で完全なる好物のはずなのだがイマイチ嵌りきれず。夕>>続きを読む

冷たい水(1994年製作の映画)

4.7

手持ちでブレの荒い人物しか映らないタイトなフレームは紛れも無く彼彼女の生きづらさの表象であり、その後も続く何かを傷つけているつもりが回り回って自らが傷ついてしまってるという形を変えた自傷行為の羅列に完>>続きを読む

幽霊屋敷の蛇淫(1964年製作の映画)

3.6

「おばけなんていねぇし見たことねぇもん」というリアリストな記者の青年がゴリゴリの心霊スポットに置き去りにされ、恐れ慄きながらも恋に落ちた幽霊と屋敷からの脱出を試みるホラーラブストーリー。って説明しなが>>続きを読む

SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)

3.7

結構完璧なリメイクで想像の10倍ぐらいよかったけど、憧れの先輩役の三浦春馬が完全にロンバケのキムタクを意識しすぎた狩野英孝にしか見えないので大爆笑は必須。まぁ差がついたとしたら狩野英孝とカリスマ同級生>>続きを読む

カモ(1949年製作の映画)

3.3

まぁ一番のカモはあの女ということで全会一致、敵対してるふたつがひとつにまとまるのは共通の敵が現れるときってのは真理だし、ラストの列車のシーンには『その女を殺せ』に繋がっていく片鱗が大いに垣間見えるが、>>続きを読む

奇跡(1954年製作の映画)

3.5

この映画は言葉で説明すればするほど陳腐になっていくが、『裁かるゝジャンヌ』と比較すると面白い。サイレント映画のジャンヌでは徹底したクローズアップの直後に字幕が入り文字がスッと入ってくるのに対し、トーキ>>続きを読む

その女を殺せ(1952年製作の映画)

4.6

真珠のネックレスが千切れる不吉の暗示はチープ過ぎるが嫌いじゃないし、カメラが蹴られるアクロバティックな喧嘩のシーンは速攻で巻き戻した、うるせぇガキが点と点を軽やかに結び、汗臭そうな使えねぇデブが微笑み>>続きを読む

札束無情(1950年製作の映画)

3.6

1ミリの無駄もない完璧で上質なノワールだが、なんだろうかこの味気なさは。高血圧を気にするばぁちゃん家の味噌汁みたいな、僕が欲しいのは固め濃いめ多めの三拍子揃った家系なのであると、さしてそんなことは誰も>>続きを読む

まほろ駅前狂騒曲(2014年製作の映画)

3.1

なんでもない事件をなんとなくやり過ごす2人のコンビプレーというか、イチャコラ漫才を観たいのであって、2時間引っ張るために核心をついてはいけないし、もっと力抜いてくれよとは思う。が、探偵物語のライターオ>>続きを読む

まほろ駅前多田便利軒(2011年製作の映画)

3.6

「まぁ町田なんで」といえば大抵のことは許容される我がホームタウン。クスリもあれば銃声も響き渡るが、うまい焼き鳥屋もあるし汚ねぇ中華屋もある。それがいいんだ。

2020-28

あらくれ(1957年製作の映画)

4.0

あくまでも時代背景に則りながら男尊女卑を打破していく描き方に好感が持てる。加東大介をひげダルマ呼ばわりしホースで水ぶっかけて容赦無く掴みかかったかと思えば、愛しの森雅之の前でだけ見せる一歩退いて健気で>>続きを読む

人生劇場 青春・愛欲・残侠篇(1972年製作の映画)

3.6

さすがにご都合主義が行き過ぎだが、それを「これも縁ですな」と強引に納得させる感じがいかにも加藤泰という感じで笑える。がお得意のローアングルからのロングショットはバチバチに決まってるし、中でも仇を取りに>>続きを読む

毒戦 BELIEVER(2017年製作の映画)

3.5

大量生産大量消費されてるコリアンノワールを定期的に摂取しなければ死んじゃう病に罹っているので今回はジョニートーのリメイクを。何も無いのに無駄に間を溜めたがるabemaの恋愛リアリティーショーみたいな編>>続きを読む

The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.9

パッと見すげぇ安っぽいが後半の覚醒パートはぶちアガるし、暗い過去を背負った主人公の復讐モノは5年ぐらい前に貪るように観ていたので普通に楽しめた。続編観たいし、パクフンジョンへの信頼が更に高まった。>>続きを読む

雨のしのび逢い(1960年製作の映画)

3.6

抑圧された生が求めるものは紛れも無く解放的な性であり、それを分かっていながらも拒絶を選択するしかない男の若さとすべてを悟った女の諦観、人物よりも風景が残る叙情的な映画。
ジャンヌモローはモノクロがよく
>>続きを読む

荒野の千鳥足(1971年製作の映画)

4.4

ブニュエルの『嘆きの天使』なプロットを出鱈目で破茶滅茶だが絶妙なバランスで何故か成立してるペキンパーな編集で繋いでみましたみたいなクソカオス映画。そのくせしてロメールのサンドイッチ形式みたいに頭とけつ>>続きを読む

X2000(1998年製作の映画)

3.3

世紀末の大袈裟な終末論を嘲笑うかのように何も起きない2000年元旦の朝。男は炭酸水を飲みながら向かいのビルで行われる他人のsexを覗き見、女は朝から幸せそうに風呂に湯を張り頭まで潜る、そしてアリは潰す>>続きを読む

ベッドタイム・ストーリーズ(1997年製作の映画)

3.0

sex前の会話なんて全部ウソだから真に受けんなよ。互い違いにベッドで横になる男女が100から順に数字を下っていき69で互いの互いを貪り合うやつ好き過ぎる。

2020-S6

海をみる(1996年製作の映画)

3.6

意識的にすべてを失った女が無意識にすべてを得た女からすべてを強奪するえぐみの強いサイコサスペンス。精神状態がやべぇのはあのメモと歩き方を見れば一発でわかるし、常人は食後の皿をあんな執拗に舐めまわさない>>続きを読む

サマードレス(1996年製作の映画)

3.9

行きは境界線での葛藤と鬱憤、帰りはジェンダーの解放による爽快感。ドラン『胸騒ぎの恋人』の濃縮還元100%みたいな短編、この10秒で作れそうなジャケットがすべてを表してる。時間の使い方天才かよ。Bang>>続きを読む

小さな死(1995年製作の映画)

4.0

小さな死を撮った彼が得たのは明日への生。オゾン映画は誰かの死や不在を主軸にストーリーが展開していく、喪失の末に獲得したものは何なのか?
そう、だから推せる。

2020-S4

アクション、ヴェリテ(1994年製作の映画)

3.8

アクションorヴェリテ、ある種の王様ゲームに興じる4人の少年少女の悪ふざけが行き着く先は経血まみれの手のクローズアップ。山本直樹の漫画の登場人物がやってそうな遊びを実写で実現してしまうのがオゾンです。>>続きを読む

ある夏の日の両親(1990年製作の映画)

3.5

なんでもない日常を普通に撮ることの難しさとそれを無声映画で成立させることの難しさ。すなわち素晴らしさ。

2020-S2