黒田隆憲さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

黒田隆憲

黒田隆憲

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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

3.8

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『イングロリアス・バスターズ』を超えて世界中で大ヒットしたらしいけど、個人的にはイングロの方が面白かったかな。何しろ長い……。ブルームヒルダの描き方も、例えばイングロのショシャナに比べると弱い気がする>>続きを読む

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.7

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おそらく4回目。

お互いにとっての「理想の相手」を演じながら始まった恋愛が、関係を続けていくうちに次第に綻んでいく……というのはどこにでも、誰にでもある話ではないだろうか。そこで「演じること」に疲弊
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インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)

2.7

劇場で観たときは、30分もしないうちに寝てしまってそのまま放置してたので再見。頑張って見たけど色々難ありの作品だよなあと。

登場人物が多くて相関図もめちゃくちゃ複雑なのに、割とセリフで説明することが
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.1

通して観るのは4回目かな。

ゴジラが東京を焼き尽くすシーン、初めて劇場で観た時は涙が止まらなくなり、2回目、3回目は割と冷静に観たのだけど、久しぶりに観たらその美しさ、神々しさ、禍々しさ、悲しさが一
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アポカリプト(2006年製作の映画)

3.5

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公開当時に一度観て、今回およそ15年ぶりに再見。
「主人公のコミュニティが襲われる→敵陣へ連行→処刑されかけるも逃走→ズタボロになりながらも工夫を凝らして反撃→無事、家族のもとへ」という、どシンプルな
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オデッセイ(2015年製作の映画)

4.6

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前々作『悪の法則』で、「こちら側の理屈の通じない世界に一歩足を踏み入れたらもうなす術はない。ただ運命を受け入れるしかない」というテーマを扱い観客を「絶望」のどん底に突き落としたリドリー・スコットが、「>>続きを読む

ボーダーライン(2015年製作の映画)

4.7

主人公は終始なす術もなくことの次第を見守るしかないという「無力感」に包まれる作品で、それがメキシコ麻薬戦争の底知れぬ闇の深さ、凄惨さを圧倒的な説得力で観る側に突きつける。「FBI vs 麻薬カルテル」>>続きを読む

危険なメソッド(2011年製作の映画)

3.4

以前からマイケル・ファスベンダーってジェレミー・アイアンズっぽいよなと思っていて。一卵性双生児の医師2人が女性患者をめぐって繰り広げる「背徳と官能のサスペンス」である『戦慄の絆』をジェレミーに一人二役>>続きを読む

6才のボクが、大人になるまで。(2014年製作の映画)

5.0

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劇場で2回、サブスクで1回、そして今回が4回目。

12年間少しずつ撮りためていったこと自体ももちろんすごいのだけど、例えば「イラク戦争」の映像だとか、オバマ当選前のある種の「狂騒」だとか、スター・ウ
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めまい(1958年製作の映画)

2.6

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映画好きを自称しながらヒッチコックは『サイコ』と『鳥』しか観てないの「ビートルズは有名な曲しか知らない」みたいな感じでコンプレックスだったところ複数の人からこれ勧められて観たらテンポもたるいし既に本作>>続きを読む

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

2.8

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初見のスコアは2,6で、久しぶりに観た『プロメテウス』の株が爆上がりした影響でこちらも0,2ポイントだけアップ。ただ、『プロメテウス』で大風呂敷を広げた割に本作で畳み切れてない感はどうしても否めない。>>続きを読む

プロメテウス(2012年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

初見でスコア1.9を付けた過去の自分をタコ殴りしたい……。久々に『悪の法則』を見返したらやっぱり最高で、あのリドリー・スコットが『悪の法則』の直前に手がけた『プロメテウス』が面白くないなんてことがある>>続きを読む

悪の法則(2013年製作の映画)

4.8

およそ5年半ぶりに観たけどやっぱり最高だった。脚本を読んだリドリー・スコットが『コヴェナント』を後回しにして撮ることを決め、『プロメテウス』を一緒に作り終えた直後のマイケル・ファスベンダーに脚本を見せ>>続きを読む

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

3.0

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劇場の予告で流れている時から気になっていた作品。

オギー以外の登場人物、特にヴィアや、ヴィアの友人ミランダ、オギーの友人ジャックに視点を移し、それぞれの立場を丁寧に描いていたのは良かった。ラストシー
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誰のせいでもない(2015年製作の映画)

3.4

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雪深いカナダで、ソリで飛び出してきた2人の子供のうちの1人を車で轢いてしまい、その後の人生が大きく変わってしまう主人公トマス(ジェームズ・フランコ)と、生き残った方の子供クリストファー(ロバート・ネイ>>続きを読む

365日のシンプルライフ(2013年製作の映画)

2.5

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映画版Vlog。途中で主人公にデートする相手ができて、最初は手元とか足元しか映らず「あ、これは恋愛が成就したら晴れて顔出しするんだろうな」と思ってたら案の定。で、顔出しの瞬間が絶妙だったのと、彼女がめ>>続きを読む

哀しき獣(2010年製作の映画)

4.3

昨日の『チェイサー』に続いて、こちらもおよそ8年ぶり(信じられない)に鑑賞。ナ・ホンジン祭り。実は1回目は途中で寝てしまい(疲れてたのだと思う)、劇場で再チャレンジしてドハマリした映画。140分と長尺>>続きを読む

チェイサー(2008年製作の映画)

4.1

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10年ほど前に観て衝撃を受けたのですが、いつの間にかポン・ジュノの『殺人の追憶』とごっちゃになってました。こちら『哀しき獣』も最高だったナ・ホンジンの長編デビュー作。シリアルキラーの不気味な描写や、元>>続きを読む

ミスエデュケーション(2018年製作の映画)

2.6

舞台が矯正施設なのも、そこでの物語の展開も『ある少年の告白』と酷似していて、公開日も『ミスエデュケーション』が2018年8月、『ある少年の告白』が2018年9月と1ヶ月しか変わらないところも不思議。た>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

2.0

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実は1度目は映画館で観たのですが全くハマらず。それでも信頼する周りの映画好きたちに、ことごとく評価の高い作品なので「時間が有り余っている今しかない!」と思って再チャレンジしてみましたがやっぱりダメでし>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

仕事の調べものの一環として2度目の鑑賞。

ラストシーン手前、エリオと父親との会話の中で父親が「思ってもいない時に、自然は狡猾な方法で人の弱さを見つける。そんな時は、私がついている」と話すシーンがあっ
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アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

3.8

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人生を変えるために必要な行動は、「習慣」「環境」そして「人間関係」を変えることだとはよく言われるが、もしトーニャ・ハーディングがタバコや酒を絶って自堕落な生活を改め、暴力的な母親ラヴォナや夫のジェフ、>>続きを読む

タルーラ 彼女たちの事情(2016年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

我々は重力という「足かせ」があるからこそ、宇宙に放り出されることなくこの地球で暮らしているわけだけど、もしその「足かせ」が自分のところだけフッと無くなってしまったら一体どこへ飛ばされてしまうのだろう。>>続きを読む

ザ・ギフト(2015年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

以前から気になっていたジョエル・エドガードン監督・脚本・出演作、彼の最新作『ある少年の告白』を昨日観て俄然興味が湧いたので鑑賞。いやあ、ぶったまげました。途中、リアルで「うわああ!!」と叫んでしまった>>続きを読む

ある少年の告白(2018年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

現在、アメリカの36州が未成年を対象とした「矯正施設」を認可し、70万人のLGBTがその影響下にある、というエンドクレジットに驚愕した。もちろん日本にも今なおセクシャル・マイノリティへの偏見や差別は根>>続きを読む

さざなみ(2015年製作の映画)

4.3

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多かれ少なかれ、人はきっと誰もが心の隅にずっと消えない「想い」のようなものを仕舞い込んだまま生きていくのだと思う。どんなに素晴らしい、新たな出会いがあったとしても、決して「上書き保存」されることはない>>続きを読む

シントイア・ブラウン: 裁きと赦し(2020年製作の映画)

3.9

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10数年かけて追い続けたドキュメンタリーとしては良質だったけど、この「シントイア・ブラウン事件」の顛末には色々と疑問に残ることが多い。

彼女が被害者を後ろからショットガンで撃ち殺し、強盗を働いたのは
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はじまりへの旅(2016年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

これ、気になってたけど観てなかったな〜と思ったらメチャクチャ観たことがあった。しかもクライマックス辺りまで全く気付かなかった……いつ、どのタイミングで観たのかすら思い出せない。劇場で居眠りしてたのかな>>続きを読む

エル ELLE(2016年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ不思議な映画だった。観終わった直後は「あんまりバーホーヴェンらしくないかな?」と思ったのだけど、思い返せば思い返すほど、そこかしこにバーホーヴェン「イズム」が散りばめられている。道徳や倫理>>続きを読む

マーゴット・ウェディング(2007年製作の映画)

4.2

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ノア・バームバックが『イカとクジラ」の次に撮った映画。日本未発表だったんですね。まあ、この出演者全員が拗らせた感じ……特に、精神的に不安定で息子にすら言っちゃいけないことを平気で口にする女(ニコール・>>続きを読む

好きにならずにいられない(2015年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

アイスランド映画。空港の荷物係に勤務する43歳の独身、親と同居、ルックスも残念な何者でもない男フーシが、ダンス教室で出会ったゴミ回収の仕事に就く女性シェヴンに恋し、鬱を患った彼女を献身的にサポートする>>続きを読む

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

トップ・オブ・セレブゆえの「虚無」を抱えるソフィア・コッポラならではの作風が、『SOMEWHERE』や『ロスト・イン・トランスレーション』『プリング・リング』『マリー・アントワネット』といった代表作に>>続きを読む

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

公開当時、予告を観て気になっていたのにそのままにしてあった。今回ようやく観賞。LGBTに関するコンプライアンスやこちらのリテラシーがこの8年の間に著しく変化(敢えて「向上」とは言わない)したにも関わら>>続きを読む