ふじPONっさんの映画レビュー・感想・評価

ふじPONっ

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ゴミ屑と花(2023年製作の映画)

3.3

「「ゴミ運ぶだけのしごとじゃねーぞ」って」


一般的な仕事とは逆の勤務時間で仕事をするゴミ収集業者
様々な人たちを通して浮かんでくるパーソナルな部分
現代社会の縮図の様な問題の一端も垣間見えるのが
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仕掛人・藤枝梅安2(2023年製作の映画)

3.9

「明日も頼む」

京都――
藤枝梅安、師匠の墓を参る
そこで出会う彦次郎の仇
交錯するは梅安の因縁
死を覚悟した梅安の仕掛けは静かに確実に執行される

シリアスとユーモラスのバランスが良かった前作とは
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仕掛人・藤枝梅安(2023年製作の映画)

3.9

「ただ血がつながっているだけさ」

表の顔は鍼医者、裏の顔は依頼で請け合う暗殺稼業
藤枝梅安(トヨエツ)
漏れ出す色気に、張り詰めた空気を切り裂く様な暗殺シーン
しかしただの殺しではない
ある依頼を通
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変な家(2024年製作の映画)

3.0

違和感のある間取りから始まるラビリンス

オカルト動画クリエイターが不可解な間取りを調べる事から始まるサスペンス・ミステリー

原作者・雨穴のプロローグから始まる為、モキュメンタリーかと思いきや本編は
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ソウルの春(2023年製作の映画)

3.9

実話をモチーフにしたフィクション

1979年、ソウル
パク・チョンヒ暗殺事件後、民主化へ向かう希望の春が、一夜にして軍の…、いや、一人の剥き出しの野心の暴走に飲み込まれる

序盤、登場人物の多さや名
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ザ・コンサルタント2(2025年製作の映画)

3.6

「ほら、猫派だ」

まさか9年後に続編がくるとは…
大枠以外はほぼ忘れているので、シリーズとしてではなく本作だけのレビューを

本作のキモはなんと言ってもベン・アフレック演じるクリスチャン・ウルフと、
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ウェイバック 脱出6500km(2011年製作の映画)

3.3

1940年
スターリン政権下
戦時中ゆえに理不尽な理由でソ連の強制労働収容所に送られた者達が、脱走を決意し、最終的にはヒマラヤ山脈を越えインドへ到達する話…
実話ベース…。

少し地図を見ただけでうん
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アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方(2024年製作の映画)

3.6

トランプがどのようにして現在の彼に至ったかを描く作品
特にロイ・コーンのという悪名名高い弁護士の強い影響が印象的
コーンは、トランプに
「攻撃し続けろ」
「非を認めるな」
「勝利を主張し続けろ」
とい
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陽気なギャングが地球を回す(2006年製作の映画)

3.3

シャレたユーモアとテンポの良さが光るクライム・コメディ
中でも佐藤浩市演じる喋りまくる“演説の達人”、成瀬が抜群の存在感
強盗中でも哲学的な演説を始め、場の空気を自分のペースに引き込むその姿は、クール
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ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

3.4

「ようこそジュラシック・ワールドへ」

ホラー的演出が印象的だった
インドラプトルが闇の中から忍び寄る場面での恐竜と影の相性がバツグン
巨大さと異質さが際立ち、前半のパニック映画を超えた緊張感があった
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スカジャン・カンフー(2025年製作の映画)

3.3

ハンガーヌンチャクの使い手との出会いをきっかけに、折れた傘を繋げて"カサヌンチャク"で戦うまでの流れが好き
伊澤彩織の格闘アクションを見たかったが、そこは薄め
黒髪、丸メガネ姿は新鮮で良かった

ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)

3.5

まるでテーマパークのアトラクションに飛び込んだような興奮を味わえるエンタメ度高めの作品

実在したら"ネズミ"も嫉妬する迫力を持つ恐竜のテーマパークを舞台に、リアルなVFXで描かれる恐竜たちは圧巻
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蛍火の杜へ(2011年製作の映画)

3.5

入ってはならない森の中で出会う少年と少女。毎年夏休みの数日だけの二人の時間
たった45分の短編なのに、心に残る余韻は心地よい

"触れられない"という設定が、こんなにも切なく、純粋な気持ちを映し出すな
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新幹線大爆破(2025年製作の映画)

3.0

リブートという事らしいが、大事な部分が75年の作品と繋がっており続編っぽい印象

我が県が舞台という事もあるかもしれないが、前半60分は良かった
斎藤工の「水沢江刺」とかドキっとする

速度100キロ
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動物界(2023年製作の映画)

4.0

表面的な部分では、ティーンの青春モノで恋愛モノ
しかしそこにぶち込まれる"異物感"
タイトルをわざわざ"動物界"としたことや、描かれる描写に隠喩が込められている事はわかる
わかるが、そんなことはどうで
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名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

3.8

「これが噂の眠りの小五郎ってやつか…」

函館を舞台に土方歳三にまつわる刀に関するミステリー
コナンはもちろん、平次関連、キッドが集結し繰り広げられるサスペンスアクションは流石のシリーズクォリティ
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ニューオーリンズ・トライアル(2003年製作の映画)

3.6

銃製造会社を相手取った裁判という設定を通じて、アメリカの根深い銃社会の問題点を浮き彫りにする

20年前の作品だが、日本にいて感じるのは未だに大きな進展はないのか?という印象

ストーリーの主軸は、悪
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アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)

3.3

ED曲がオザケンという事もあるが、全体的なテイストが90年代っぽい
アパートやアイスクリーム屋、銭湯すらもオシャレに感じる
構成やキリトリ方もシャレてるとは思う
10〜20代のいい時代をトーキョーで過
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WILL(2024年製作の映画)

3.7

一つのジャンルとしての"東出昌大"が好きだ
世間から必要以上の悪意を浴び、逃げた山ぐらし
地元の人と繋がり、狩猟免許を取り、銃を担ぎ山を歩く
仕留めた獲物を処理し、担ぎ山を降り、捌き喰らう
メシの食い
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.7

"スポットライトが当たる"
という言葉がある
注目させたり、意識させたり、文字通り光を当てたり…
一方ではスポットライトは強烈で、ハッキリと影も創る

作品中、幾度も意識させられる
"光と影"

世間
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オーダー(2024年製作の映画)

4.0

1980年代アメリカ
白人至上主義グループ「アーリアン・ネイションズ」の内の別グループ「オーダー」のリーダー、ボブ・マシューズと、彼を追うFBI捜査官テリー・ハスクを描いた実話に基づいた作品

国内の
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侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

4.0

「本場の斬られ役はすごいねえ」

現代にタイムスリップする侍の戸惑いや時代錯誤な感じを笑う、映画をあまり観ない人が騒いでいる作風と思っていたが、それは違った
そのフェーズもあるにはあるが、割とアッサリ
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十一人の賊軍(2024年製作の映画)

3.4

罪人達に何人か良いキャラがいる
一番は花火師の息子のノロ
政(山田孝之)を亡くした兄と思い込み、ぽーっとしたキャラだが、流石は花火師の息子
こいつの腕と知識が終盤のダイナミックなシーンに繋がる
あまり
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スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

3.0

幸せの入口のはずの住宅展示場が不幸の入口に…
オカルトちっくな作風を想像させておいて、着地は胸糞サスペンス
好きな部類ではあるが、不透明な部分が多い
何より、キーマンのバックボーンを想像させる材料がほ
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プー あくまのくまさん(2023年製作の映画)

2.8

ディズニーに搾取されているとか、皮肉や風刺なんかがあれば見方も違っただろうが、ただただ、プーとピグレットを傷つけているだけ
百歩譲ってふわふわしたぬいぐるみでないのは仕方ないが、ラバーマスクの様な表情
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キングダム 大将軍の帰還(2024年製作の映画)

3.7

「天下の大将軍ですよ」

時間の割に主役がほぼ活躍しない珍しい作品
しかし、この作品の主役は王騎

因縁が爆発する
王騎VS龐煖

信が目指す大将軍の姿をしっかりとみせつけてくれた

「これが将軍の見
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ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

4.1

これは素直にシンデレラストーリーなのか?
それとも新手の詐欺か?
うんざりきてる性的マイノリティ物なのか?
金持ちガキと、おっ〇〇嬢(アニー)のJUNKでsillyの刹那的な映画かと思って見ていた序盤
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サンクスギビング(2023年製作の映画)

3.9

タランティーノとR・ロドリゲスの『グラインドハウス』内のフェイク予告から10数年
『マチェーテ』に続いて、いよいよ映像化

のっけから欲にまみれた人間の醜悪な姿を、まるでゾンビ映画の様に魅せる意地の悪
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ブルータリスト(2024年製作の映画)

4.0

インターミッション込とはいえ200分超えの作品の鑑賞を躊躇した
しかし、先に観た友人のレビューとハイボールを共にのメッセージに後押しされ映画館へ

バカみたいな表現になってしまうけど、
"映画"を観た
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名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN(2024年製作の映画)

4.1

「月はのぞまないで…星があるから」

小さな町にできた小粋なBARがある
隔月開かれる音楽イベントには五組程のバンドが集まる
客は20人くらいで満員だ
パンクからアイリッシ等幅広いジャンルで楽しませて
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断捨離パラダイス(2022年製作の映画)

3.3

"汚部屋パラダイス"でした

主人公は挫折した若きピアニスト
彼が、お掃除会社「断捨離パラダイス」に入社し、様々な依頼をこなし成長していく構図…だとすると、成長物語としてはほとんど描かれない
様々な問
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ドリーム・シナリオ(2023年製作の映画)

3.1

ニコラス・ケイジだから見ていられる

何かした訳でも無いのに誹謗中傷を受ける可能性…そんな理不尽な事が自分に回ってくるかもしれない恐怖は、現代を生きる全員にあるのかもしれない…。

小学校~それは小さな社会~(2023年製作の映画)

3.7

かつての私がスクリーンにいた…

都内の小学校
1年生と6年生の一年間を撮り、その変化を見せる

この生活を通して"日本人"になる

集団で生きるルールを学び、和を重んじ、勤勉で礼儀正しい
そんなイメ
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アット・ザ・ベンチ(2024年製作の映画)

4.2

一つのベンチが関わる5編のオムニバス

距離感がビミョーに絶妙な同級生
(広瀬すず&仲野太賀)
細かい所が気になる彼女
(岡山天音&岸井ゆきの&…)
メンタル崩壊姉ちゃん
(今田美桜&森七菜)
役所職
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(2025年製作の映画)

3.7

元大学教授の独り暮らし
その丁寧でコマ割りの様な日常をモノクロで描く
独りで飯を作り独りで食う
晩酌もするし、たまに来客もある
そんな普通の日々
終活期に入り、貯金を逆算し淡々と淡々と…

その日常に
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ブルーピリオド(2024年製作の映画)

3.5

この映画が良いのか否かはよくわからない
ストーリーはもちろん駆け足だし、散文的で薄味の気もする
だが、原作の良さは担保されているし、そこで使われた生きた言葉は刺さる

"好きなことをする努力家は最高"
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