TKSDさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

TKSD

TKSD

映画(212)
ドラマ(24)
アニメ(0)

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)

4.0

感傷的な表現を抑えたことによって、かえって心に沁み入る一作。

悲嘆にくれたり、誰かを糾弾したりと、同情を引くような描き方はいくらでもできたと思います。しかしそういうものを排して、主人公がひたすら日常
>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

4.0

実話ベースのバランスを保ちつつ、重たいテーマを抱えながらも軽妙な掛け合いを楽しめる一作。

ヴィゴは還暦直前とは思えないほど若々しく、渋さと色気がありました。さらに役作りでふっくらしたことで、茶目っ気
>>続きを読む

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

3.9

タランティーノ節を残しつつも取っつきやすい爽快な一作。

ヘビーなテーマに萎縮せず正面から毒気のあるエンタメに仕上げる手腕はさすが。

本作は再鑑賞ですが、以前昔観た時より面白く感じました。色々あって
>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

3.5

キラリと光る演出があるも、ややパンチの弱い一作。

BGMのドラムが非常にカッコよく、映像もくすぶってる人間から見た閉塞感あふれるニューヨークの雰囲気がよく出ていたと思います。

もっとも、話の展開は
>>続きを読む

メガマインド(2010年製作の映画)

4.0

隙あらば人を軽んじ袋叩きにする世の中で、相手の立場を思いやる大切さを学べそうな気持ちのよい一作。

善悪を見た目と評判で決めてしまうことへの警鐘、というと大げさですが…。

とにかく脚本が秀逸です。ス
>>続きを読む

チャッピー(2015年製作の映画)

4.0

優しく悲しく、不穏な余韻を残す一作。

Daddyとは。Mommyとは。創造主とは。
チャッピーの悲痛な問いかけに胸が詰まります。
露わになる創造主の純粋さと傲慢さ。

若干グダる部分もあるものの、怒
>>続きを読む

ミート・ザ・ペアレンツ(2000年製作の映画)

3.7

新郎挨拶恐怖譚な一作。

男にとってお義父さんに挨拶に行くのは一大イベントなわけですが、ここまでぶっ飛んだお義父さんならかえって楽しいかもしれません。

デニーロが一方的に偏屈なお父さんかと思いきや、
>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

4.0

若手とベテランの噛み合わせ方がとても巧みな、新鮮でありながら地に足ついた一作。

MVのようにも見える軽快な作りかと思いきや、中盤からは緊張感みなぎるスリリングな展開。それでいてスピード感を失いません
>>続きを読む

リアリティ・バイツ(1994年製作の映画)

3.8

向き合いたくない現実を妄想と若気の至りで塗り潰そうとする、身につまされる一作。

「普通の人生」はなんとなくイヤ。さりとて、こじらせたプライドを満足させる特別な才能があるわけでもなし。
主人公のように
>>続きを読む

ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005年製作の映画)

3.9

もう一息で大傑作になったのではないかと思わせる一作。

良き夫であり、父である男には秘密があり…という、筋書き自体はさほど珍しくない内容ですが、とにかく見せ方がうまい!演者達がうまい!
心地よい緊張感
>>続きを読む

イカロス(2017年製作の映画)

4.0

今なお進行中の、ノンフィクションリアルタイム告発スリラー。
超展開もの、バディものでもあり、盛り込みすぎな一作。

ドキュメンタリー製作中に大スクープが発覚するという珍しい内容です。リアルタイムで展開
>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.2

在りし日のQUEEN・フレディを生き生きと感じることができる、胸いっぱいの一作。

点数は大画面で見たQUEENファンの欲目です。
初めてQUEENに触れる人にどのように映るのかはわかりません。流れ自
>>続きを読む

search/サーチ(2018年製作の映画)

4.0

斬新なアイデアを十分に活かした一作。

PC画面だけで完結するのは退屈ではないのかと思いましたが、いい意味で予想を裏切られました。このような縛りをすることにちゃんと意味があって驚きました。

ひたすら
>>続きを読む

ゴーストバスターズ(1984年製作の映画)

3.6

現代にも通ずる古き良きニューヨーク、古き良きアメリカンコメディを感じた一作。

本作にはキャッチーなテーマソングとマシュマロマンのイメージだけがぼんやりとありました。

ハチャメチャなドタバタコメディ
>>続きを読む

スカイスクレイパー(2018年製作の映画)

3.6

高所恐怖症には悪夢の一作。

展開そのものに意外性はありません。
ですが、高所からの落下の恐怖というシンプルな怖さをグイグイ見せてきたので、力技ながら退屈は感じませんでした。

ロック様ことドウェイン
>>続きを読む

ナイト ミュージアム(2006年製作の映画)

3.7

ニューヨーク自然史博物館をより楽しめそうな一作。

展示物は夜になると動き出す…おもちゃのチャチャチャを思い出します。
小さいころ、この映画のような妄想をしていたことが懐かしいです。

どこか教育的な
>>続きを読む

マイケル・ムーアの世界侵略のススメ(2015年製作の映画)

3.9

祖国への愛ゆえに叱咤激励する一作。
愛なき批判は虐待なり。
批判なき愛は狂信なり。

マイケルムーアは他国の制度とアメリカの制度を比較して、ユーモアを交えながら厳しく批判します。しかしそれは誰にも負け
>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

3.4

ミュージカル調であることも相まって、なかなか話が進みません。そして、さぁこれからだというところで話が盛大に端折られていました。
見たいところと見せたいところがズレてしまったようです。

終盤は話の伏線
>>続きを読む

男はつらいよ(1969年製作の映画)

4.0

寅さんの大仰で鮮やかな口上が心地良い。
特に叩き売りをしているときのそれは芸術的です。
惚れた女の人と話すときに口上風になるのも面白い。
この口上があるために、情に脆く荒っぽい中にも知性と教養を感じる
>>続きを読む

聖の青春(2016年製作の映画)

3.7

価値を認めない対象には容赦なく牙を剥き、認める対象にはどこまでも優しい。
その視野は病的なまでに狭く鋭く純粋で、まさに青春そのものでした。
村山聖(さとし)を演じた松山ケンイチはお見事。

羽生善治は
>>続きを読む

ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

3.8

ほのぼのゾンビ映画です。
バディものでもあり、家族ドラマでもあり、ラブコメでもあります。

主人公達がインドア派なところ、いつも同じパブに行ってしまうところなど、共感ポイント多数でした。

ゾンビと見
>>続きを読む

マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)(2017年製作の映画)

3.7

マイヤーウィッツ家の本当にありそうな家族模様が生々しい。
一見少しうまくいってなさそうで、実際相当うまくいっていない感じがよく出ています。
父親のわがまま加減も絶妙です。

その様があまりにリアルで映
>>続きを読む

ズーランダー NO.2(2016年製作の映画)

3.6

冒頭ジャスティンビーバーが執拗に撃たれまくるところで、ベンスティラー映画の始まりを感じました。

前作から15年経っているとは思えないほど皆若々しい。
小気味好いギャグの洪水はまだまだ健在です。
前作
>>続きを読む

ロボコップ3(1992年製作の映画)

3.8

ついに2を観てしまったので、勢いで3まで鑑賞しました。
期待値が低かったからかもしれませんが、これは大いにアリだと思います。

一作目の世界観を作り上げることは諦め、シンプルな勧善懲悪に徹したことが奏
>>続きを読む

ロボコップ2(1990年製作の映画)

3.5

一作目が好きすぎて、長年観ようともしなかった二作目をついに鑑賞。

やはり、仏像作って魂入れず、でした。

序盤から中盤にかけては、前作の世界観をうまく生かしていました。が、段々グダグダに…。
情念の
>>続きを読む

華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)

3.5

ギャッツビーの心中たるや…。
絢爛豪華な生活が余計に寂しさを際立たせる。

ただ、ギャッツビーが現在のようになる過程にあまり尺を取っていないので、エネルギッシュに前進していくキャラクターを「ウルフオブ
>>続きを読む

U・ボート(1981年製作の映画)

4.0

とってつけたようなキャラ付けや展開は一つもないのに、確かなドラマ性がありました。

艦内は生活感にあふれ、乗員たちは軍人というより陽気な海賊という雰囲気です。
一転、過酷な状況が訪れるや一致団結して事
>>続きを読む

スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

3.8

世界的規模で行われていたカトリック神父による子どもへの性的虐待事件については、当時新聞で読んだ記憶があります。
その発端がボストンの地方紙だったことは初めて知りました。
地元愛が引き寄せたスクープかも
>>続きを読む

ラヂオの時間(1997年製作の映画)

3.4

ラジオドラマ作成秘話。ドタバタしてます。トラブってます。
ザ・三谷幸喜という作りなので、ほかの三谷作品を見るかどうかの試金石になりそうです。

内容以上に、本作が21年前の作品である事に驚きました。役
>>続きを読む

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

3.8

モテたくてバンドを始めて、好きな子のことを歌にして、ムカつく先生を歌にする。
特に後者について、エピソードから歌になるまでの過程をきっちりと映像として見たのは初めてかもしれません。
負の感情が明るいア
>>続きを読む

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

3.7

このシリーズはダークナイトだけ観ていたので、
バットマンが活躍しているところを初めて見ました。

映像と劇伴が非常に良いので(特に劇伴)、これだけで観て損はなかったかなと思います。
ストーリーは今とな
>>続きを読む

超高速!参勤交代(2014年製作の映画)

3.5

妙に説明的なセリフ回しと、見ていてやや恥ずかしくなるボケが多い。もっともこれは役者のせいではなく、演出のせいだと思います。

お人好し殿様の佐々木蔵之介と酷使される西村雅彦がホッコリした空気を上手く作
>>続きを読む

トータル・リコール(1990年製作の映画)

3.9

やや込み入った筋立て、キャラの強い悪役、ドギツイ演出。
並の俳優ではバーホーベン監督に飲み込まれてしまいそうですが、シュワちゃんはさすがの大スター。
彼がデンと構えることによって、バーホーベンの魔界を
>>続きを読む

7月22日(2018年製作の映画)

3.7

2011年のノルウェーテロ事件を題材にしたネトフリオリジナルです。

この事件はリアルタイムでゾッとした記憶があります。
1人で77人も殺害したこと、刑期が最大でもわずか21年であったこと、犯人が獄中
>>続きを読む

インファナル・アフェア(2002年製作の映画)

3.8

ハラハラしてあっという間でした。
スリリングな潜入捜査。
過剰に煽り立てる音楽に香港らしさを感じました。

アンディ・ラウとアンソニー・ウォンがとにかくカッコいい。トニー・レオンもいい味を出しています
>>続きを読む

ブラッド・ダイヤモンド(2006年製作の映画)

3.9

華のあるディカプリオが世界観になじみつつ映画的な魅力を作り出し、ジャイモンフンスーがシビアなアフリカの雰囲気を作り出していました。

二人の相乗効果がうまく発揮されていたと思います。

社会の闇で暗躍
>>続きを読む