幻さんの映画レビュー・感想・評価

幻

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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

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5月、好きだったひととの初デート、電話越しに緊張しながら組んだデートプランは「付き合って初デートどこ行った?って聞かれたときにセンスいいねってちょっと驚かれるような場所がいい」って彼が言って ピクニッ>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

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どうせどこへも行けやしないのに、地球さえ息苦しい。

きょうも、いまもどこかで誰かのいのちが喪われているんでしょう。わたしが、穏やかに呼吸をしているこの瞬間にも、苦しみながら、朝かも夜かもわからない世
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わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

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自己犠牲の精神に磨きがかかっているせいで、また自分のしあわせを諦めてしまいそうなモードにはいってしまっているみたいだ。他人の視線や感情ばかり自分勝手に想像して汲み取って なにひとつくちに出来ない。わた>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.5

海にいけばすべてから解放される気がした。つめたい水に足先をさらして、両手で砂を掬いあげてみたい。今夜。

きみの瞳(め)が問いかけている(2020年製作の映画)

3.7

大切だったものをなにひとつ捨てられずに、いつまでも抱えて生きてしまうから歳を重ねるごとに足が重くなって、いつまでもここで立ち止まってしまう。踏み出すにはあまりに億劫、わたしはここだよ、救い出して。

真珠の耳飾りの少女(2003年製作の映画)

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すきすぎてくるしい。愛しいって、かなしいとも読むんだって。ほんとうにそうだっておもった。

きみへの愛も、わたしも、だれにも気付かれずに失われていくあの数多のひかりのように、すこしずつ溶けてなくなっち
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愛を読むひと(2008年製作の映画)

4.7

くるしい夢をみた。中学生のころから、ずうっと仲の良かったおんなの子に、ぎこちない笑みを浮かべられちゃって、かわす言葉はすこしずつ少なくなって、そのまんま、疎遠になっちゃう夢。「わたし、なにかしたかなあ>>続きを読む

(2017年製作の映画)

4.1

休みなのにめずらしく早起きをしたから、日常に溶け込んだ映画をぼんやり眺めたいと思った。外はくもり、まだ肌寒い三月。あと3ヶ月もすれば今年もまたこの画のような夏が来るのだろう。額に張りつく前髪、彼女のワ>>続きを読む

放課後ソーダ日和-特別版-(2018年製作の映画)

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少女邂逅の独創的な世界観もすごくすごく素敵だったけどこっちのシュワシュワぱちぱち、青春がぎゅっと詰まったクリームソーダもいいなあ。


『 ムウ子ちゃんはムウ子ちゃんの良さがあって、それは絶対ほかの誰
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マチネの終わりに(2019年製作の映画)

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『人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど実際は、未来日常に過去を変えているんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか>>続きを読む

銀河の魚~URSA minor BLUE~(1993年製作の映画)

3.7

流星でできた槍にそっと耳を寄せてみたら、星たちの声が聞こえました。おじいさんは、星を食むまっくろい怪物をたおすのはぼくじゃなきゃだめだと言います。

この槍は、流れ星みたいにどこまでも遠くへ飛んでゆけ
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つみきのいえ(2008年製作の映画)

5.0

わたしにとって眠れない夜の子守唄みたいな作品だ。あったかくて切なくて、いとおしい。

どうしてもつめたくて、さみしい夜にはきみを想う。これはさよならしたあとからいままでも変わらず癖のようにずっとのこり
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.5

わたし、あなたが好きよ。

ひとみに神さまが住んでいなくたって、誰かへ向けるやさしさが自分のためだったって、あなたが否定するあなた自身さえぎゅっと抱きしめたうえで、わたしはあなたのすべてを愛している。
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転校生(2012年製作の映画)

3.2

りさちゃんのわらった顔がとてもすてきだった。夕ぐれに溶けるピアノの旋律はこの映画にほんとうにあっていて、うつくしすぎて、泣きたくなっちゃうくらい。刹那で、永遠。

「たった三秒で終わった出来事でも、そ
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Be With You 〜いま、会いにゆきます(2018年製作の映画)

4.2

とびきり不器用で、まっすぐにしか言葉を紡ぐことができないから、そんな自分がたまに、すこしいやになったりもするんだけど。きみに大切にしてもらえるような声を編むことがわたしにもできるとしたら、それ以上にし>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

5.0

きみの世界でこの名前は、わたしだけであってほしい。わたしの名前は、たぶんめずらしくって、そう出会うことはないはずだから。

どこかで不意に、わたしの名前を呼ぶ声がきこえたときは振り向いちゃえばいいのに
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心と体と(2017年製作の映画)

4.1

わたしは、昔から性的に触れ合うことが苦手だった。友だちとしてなら躊躇なく、むしろ好んで触れあうことができるのに、それが恋人となるとどうしても指先を絡めることすら上手にできなかった。触れたいと思う自分自>>続きを読む

夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

3.2

動物たちには言葉がないし、虫には痛覚がないという。在るものは全部必要とされるものだから、在るべくして存在しているんだって。

それじゃあさ、存在しないものは?動物たちには言葉がないこととか、虫には痛覚
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パターソン(2016年製作の映画)

4.6

ぼくはきっと、きみがいなくなってしまったら、泣くのだろう。二度とぬくもりを感じることのない指先は、頼りなくふるえたあと、きょこうをつかんで、きっと、嫋やかにしんでゆく。したいは、しばらくのあいだだれに>>続きを読む

ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

4.3

夢でありますようにと願う。明日の朝も変わらずあなたと一緒にいられますように、あなたのすべてを、わたしのすべてで憶えていられますように。なにげない一言が、目には見えないくらいのちいさな傷をつくり、そのた>>続きを読む

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

4.2

きみは、うつくしい。触れるとあったかくて、やわらかくて、とびっきりあまい。いままでも、これからも、どれだけ愛をもらったってひとつも埋もれることなんてないのに、不安げにわたしを見つめて、許しを乞うように>>続きを読む

左様なら(2018年製作の映画)

4.1

『 傷つく覚悟もなかったくせに。』

細くのびたまつ毛の上に、ひかえめに浮かぶピンク色のアイシャドウ。まるでまぶたに星が降ってきたみたいだと、いつも思う。


「手伸ばして縋っていいから、頼むから俺だ
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少女邂逅(2017年製作の映画)

5.0

‪『わかってない』っていう言葉、だれにいうわけでもないけど、ただ、あるだけで救われる日がある。

わたしは、きみが思ってるほどきれいで透明でもなければ、やさしくない部分だってあるし、譲れない価値観も許
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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

3.8

ああ、この映画、苦手だ。

きっと怠惰に生きたってそこそこの幸福を連れてやってくるはずの明日が、確証のないものだと突きつけられ見えない一秒先が途端、不安になってしまう感じ、嫌いだ。

一生懸命って、ど
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カランコエの花(2016年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

『忘れないで欲しいのは、恋は時として性別を超える瞬間があるということ。そして愛は、それらも全て包み込むものだということを。』

守ろうとして口にした言葉がかえって深くふかく傷つけてしまうことがあって、
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彼の見つめる先に(2014年製作の映画)

4.1

好きになったのがただ、たまたま、おんなじ性のひとだっただけ。たったそれだけなのに、ちっともおかしなことじゃないのに、どうしてこうも異端なものとして扱われるんだろう?

昔よりははるかに浸透してきたいま
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白河夜船(2015年製作の映画)

4.9


わたしの顔をじっと見つめたかと思えばひとこと、「笑ってるのに泣いてるように見えて」と力強く抱き寄せたきみは、肩口におでこをくっ付けてしずかに泣いていた。

思えば昔からきみは、すこし変わったひとだっ
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四月の永い夢(2017年製作の映画)

4.7

消えてしまいそうな瞳がきれいでさ
消えてしまいそうな声がすきでした
消えてしまいそうな思い出だけが僕を
こうやって強くしていくよ

🎧:きみは美しい/果歩

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

4.1

『 わたしたちのこのありふれた平凡は、ほんとうはとても壊れやすくて、なくさないことは奇跡。』

過ぎてしまえば、現実もゆめも妄想も、みんないっしょ。いまのわたしにはツンと痛みがはしる言葉だけど、いつか
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